JP4961787B2 - 溶銑の脱硫方法 - Google Patents

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Description

本発明は、機械攪拌式脱硫装置を用いた溶銑の脱硫方法に関するものである。
近年、鋼の高純度化に対する要求が従来にも増して強くなり、これに伴って鋼中の不純物を除去する技術開発が盛んに行われている。今日の精錬プロセスにおいては、転炉での脱炭精錬に先立って溶銑に含有される燐及び硫黄を除去する方法、即ち溶銑の予備処理が一般的に行われている。このうち、溶銑の脱硫処理においては、水平断面がほぼ円形を有する精錬容器内で溶銑を保持し、溶銑上に脱硫剤を添加し、撹拌羽根(「インペラ」とも呼ばれる)と称した羽根を有する回転子を溶銑内に浸漬して回転させ、溶銑及び脱硫剤を攪拌して脱硫する方法(以下、「機械攪拌式脱硫法」という)が広く行われている。この時の脱硫剤としては、石灰(以下、「CaO」と記す)粉を主成分とする脱硫剤や、カルシウムカーバイド(CaC2 )粉などが挙げられるが、安価なCaO粉を主成分とする脱硫剤が広く用いられている。このCaOによる脱硫反応は、下記の(3)式に示される反応式に基づいて進行する。(3)式において、[S]は溶銑中の硫黄、(CaS)はスラグ中のCaS、[O]は溶銑中の酸素を表している。
Figure 0004961787
ここで、上記(3)式の反応を進める方法のひとつとして、スラグの滓化を促進させることが挙げられており、このため、CaO系の脱硫剤には、滓化を促進する目的でフッ化カルシウム(CaF2 )などが少量添加されている。しかし近年、フッ素の環境への影響が問題視されており、フッ素を使用しない脱硫剤の開発が望まれている。
溶鉄の脱硫反応速度を高めるには、溶鉄/脱硫剤間の反応界面積を増加させることが効果的であり、この観点からは、添加する脱硫剤の粒径は細かいほど好ましい。しかし、実機の機械撹拌式脱硫設備では、溶銑を保持した精錬容器の上方から投入シュートを介して脱硫剤を添加する方法が採られており、細粒の脱硫剤を添加した場合、飛散により、溶銑上に到達する脱硫剤の量が低下し、脱硫剤の添加歩留が低下してしまう。そのために、反応効率が低下するといった問題が生じる。更に、CaOは溶銑とは濡れ難い性質を有するため、溶銑に添加されたCaOは互いに凝集してしまい、凝集内部のCaOは未反応のままであるために反応効率が低下するといった問題が生じる。
これらのことから、溶銑の脱硫反応を促進させる手段のひとつとして、粉体として添加するCaOの凝集を抑制し、溶銑浴内への脱硫剤の浸入を向上させ、溶銑浴内での分散を促進させることが有効であると考えられる。これを実現させる技術として、特許文献1には、精錬容器の側壁に側壁から突出した整流体を設け、回転攪拌した溶銑を整流体に衝突させて下降流を発生させ、この下降流に脱硫剤を巻き込ませる方法が提案されている。また、特許文献2には、回転する撹拌羽根の軸下から脱硫剤を溶銑中に吹き込みながら脱硫する方法が提案されている。
特開昭51−112416号公報 特開2005−68506号公報
しかしながら、上記従来技術には以下の問題点がある。即ち、特許文献1に開示されるような整流体を設置する場合、撹拌羽根による回転撹拌力が非常に強いため、その整流体は非常に強化な形状及び材質としなければならない。そのために、整流体の製作及びメンテナンスに多くの労力や費用を費やしてしまうという問題点がある。
また、特許文献2に開示された攪拌羽根軸下からの粉体吹き込みの場合、脱硫剤粉体は搬送用ガスとともに溶銑中に供給される。このようにして添加した場合、脱硫剤粉体はガス気泡中に補足された状態のまま、浮上するガス気泡とともに浴面上に上昇してしまい、その結果、脱硫剤を浴面上方に添加した場合と同等となり、脱硫反応効率は向上しない可能性がある。更に、攪拌羽根軸下からの粉体吹込みを行うためには、ガス及び粉体を回転軸内へ供給するための装置(例えばロータリージョイントなど)が必要であり、設備費用が増大するという問題点も生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、機械攪拌式脱硫装置を用いて溶銑を脱硫処理する際に、比較的簡便な設備を使用して、反応性に優れる細粒の脱硫剤を効率良く溶銑中へ添加し、脱硫剤の溶銑中での分散を促進させて、溶銑を効率良く脱硫する方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る溶銑の脱硫方法は、機械攪拌式脱硫装置を用いた溶銑の脱硫方法において、攪拌羽根によって攪拌されている溶銑の浴面上に、上吹きランスのランス高さが該上吹きランスのノズル径に対して下記の(1)式を満足するようにランス高さを調整した上吹きランスを介して、溶銑トン当たり1.6kg/min以下の脱硫剤の供給速度で、搬送用ガスとともに脱硫剤を上吹き添加して脱硫することを特徴とするものである。但し、(1)式において、hは、上吹きランスのランス高さ(m)、Dは、上吹きランスのノズル径(m)である。
Figure 0004961787
の発明に係る溶銑の脱硫方法は、第1の発明において、前記上吹きランスから供給する搬送用ガスのランスノズル出口における流速が、該上吹きランスのランス高さ及びノズル径に対して、下記の(2)式を満足することを特徴とするものである。但し、(2)式において、Ugは、搬送用ガスのランスノズル出口における流速(m/sec)、hは、上吹きランスのランス高さ(m)、Dは、上吹きランスのノズル径(m)である。
Figure 0004961787
の発明に係る溶銑の脱硫方法は、第1または第2の発明において、前記脱硫剤は、実質的にフッ素を含有していないことを特徴とするものである。
本発明によれば、反応性に優れる細粒の脱硫剤を、溶銑トン当たり1.6kg/min以下の供給速度で、搬送用ガスとともに上吹き添加するので、添加時の飛散は少なく、脱硫剤の添加歩留まりが向上し、且つ、添加した脱硫剤同士の溶銑中における凝集が抑制される。その結果、脱硫反応が促進され、脱硫率を著しく向上させることができ、脱硫処理時間の削減及び脱硫剤原単位の削減が達成される。更に、細粒の脱硫剤は反応界面積が大きく、脱硫反応が促進されることから、フッ化カルシウムなどの滓化促進剤を使用することなく、CaOを主体とする脱硫剤のみで効率良く脱硫することが可能となる。
以下、本発明を具体的に説明する。
機械攪拌式脱硫法において脱硫反応効率を向上させるには、脱硫剤粉体の凝集を抑制し、脱硫剤の浴内での分散を促進させることが有効である。この手段のひとつとして、上吹きランスを介して脱硫剤を連続的に溶銑浴面に向けて上吹き添加する方法が考えられる。しかし、そのときの脱硫挙動は、上吹きランスから供給される脱硫剤の供給速度や上吹きランスのランス高さなどにより種々の影響を受ける。そこで、本発明者等は、上吹きランスから溶銑浴面に向けて脱硫剤を吹き付けて行う機械攪拌式脱硫法において、脱硫挙動に及ぼす因子の影響を解明するために実験・調査を行った。尚、上吹きランスのランス高さとは、上吹きランスの先端と静止状態の溶銑浴面との距離である。
図1に、機械攪拌式脱硫装置を模擬した実験装置の概略図を示す。実験装置8は高周波加熱コイル11を備えており、坩堝容器10に保持した溶銑3に攪拌羽根4を浸漬させ、電動機9により攪拌羽根4を回転させ、溶銑3の撹拌を行った。次いで、溶銑3の浴面上に設置した粉体吹き付け用上吹きランス5を介して、溶銑の回転撹拌中に搬送用の窒素ガスとともに脱硫剤の上吹き添加を行った。その際、脱硫剤の供給速度、上吹きランス5のノズル径、ランス高さなどの上吹き条件を変化させた。脱硫剤としてはCaO粉単体を使用した。また、比較のために脱硫剤を溶銑3に一括上置き添加した試験も実施した。
先ず、上吹きランスからの脱硫剤の供給速度を変化させ、脱硫反応効率におよぼす脱硫剤供給速度の影響を調査した。尚、脱硫反応効率とは、下記の(4)式で示すように、添加したCaOのうち、溶銑中の硫黄と反応したCaOの割合(百分率)である。
Figure 0004961787
試験結果を図2に示す。上吹きランスからの脱硫剤の供給速度が、溶銑トン当たり1.6kg/min(以下「kg/min・t」と記す)以下の条件において脱硫反応効率が大きく向上し、逆に、脱硫剤の供給速度が1.6kg/min・tを超える条件において脱硫反応効率は徐々に低下した。
この現象を解明するために実験後のスラグの調査並びにモデル実験を行った結果、上吹きランスからの脱硫剤の供給速度が1.6kg/min・t以下の場合には、脱硫剤が溶銑中に巻き込まれ、溶銑浴中に浸入した際に脱硫剤同士の凝集が抑制され、脱硫剤の分散が促進されることが分かった。逆に、上吹き供給速度が1.6kg/min・tを超える場合には、単位時間当たりの脱硫剤供給量が多すぎるために、凝集が進行して脱硫剤を一括上置き添加した場合と見かけ上同等であることが分かった。
次に、脱硫剤の供給速度を1.6kg/min・tの一定とし、上吹きランスのノズル径(D)及び上吹きランスのランス高さ(h)を変化させて脱硫挙動を調査した。その結果を図3に示す。脱硫反応効率はランス高さ(h)とノズル径(D)との比h/Dが48.0以下の条件で向上することが分かった。つまり、上吹きランスのランス高さ(h)が上吹きランスのノズル径(D)に対して、下記の(1)式を満足する場合に脱硫反応効率が向上した。
Figure 0004961787
この理由について搬送用ガスとともに噴出する脱硫剤粒子の運動について種々検討した。その結果を図4に示す。脱硫剤粒子が溶銑浴面に到達したとき、脱硫剤粒子が溶銑に浸入する条件の臨界値が、比h/Dが48.0となる吹き込み条件であった。つまり、比h/Dが48.0を超える範囲では、ランス高さ(h)がノズル径(D)に対して相対的に大きくなりすぎ、脱硫剤粒子の溶銑浴面に衝突する際の速度が低下するためと考えられる。このことから、比h/Dの値が48.0以下の領域においては、溶銑浴面に到達した脱硫剤粒子が溶銑中に浸入し、それが回転撹拌によって溶銑中に広く分散することになる。
更に、脱硫剤の供給速度を1.6kg/min・tの一定の条件のもと、各種ノズル径及びランス高さごとに搬送用ガス流量を変化させて脱硫挙動を調査した。その結果を図5に示す。脱硫反応効率が向上した条件では、溶銑浴面到達時の搬送用ガスの流速が10m/sec以上であることが分かった。このときのノズル径(D)及びランス高さ(h)の条件と、ノズル出口における搬送用ガスの流速(Ug)との関係を整理すると図6のようになり、ノズル出口における搬送用ガスの流速(Ug:単位m/sec)を、ランス高さ(h)とノズル径(D)との比h/Dに1.67を乗算した数値以上とすることで脱硫反応効率が向上することが分かった。つまり、上吹きランスから供給する搬送用ガスのランスノズル出口における流速(Ug)が、上吹きランスのランス高さ(h)及びノズル径(D)に対して、下記の(2)式を満足する場合に脱硫反応効率が向上した。
Figure 0004961787
この理由について上記と同様に搬送用ガスとともに噴出する脱硫剤粒子の運動について解析検討したところ、脱硫剤粒子が溶銑浴面に到達したとき、粒子が溶銑に浸入する臨界条件は、ノズル出口でのガス流速(Ug)が、ランス高さ(h)とノズル径(D)との比h/Dに1.67を乗算した数値と一致する場合であった。従って、ノズル出口でのガス流速(Ug)が(2)式の関係を満足する場合には、溶銑浴面に到達した脱硫剤粒子は溶銑中に浸入し、溶銑中に広く分散することになる。
本発明はこれらの試験結果に基づくものであり、溶銑の機械攪拌式脱硫法において、攪拌羽根によって攪拌されている溶銑の浴面上に、脱硫剤の供給速度を1.6kg/min・t以下として、上吹きランスを介して搬送用ガスとともに脱硫剤を上吹き添加することを必須条件とする。
この場合、溶銑浴面に到達した脱硫剤粒子を溶銑中に浸入させ、侵入させた脱硫剤を回転撹拌によって溶銑中に広く分散させるためには、ランス高さ(h)とノズル径(D)との関係が上記の(1)式を満足するようにランス高さ(h)及びノズル径(D)を決定し、更に、ノズル出口での搬送用ガスの流速(Ug)が、ランス高さ(h)及びノズル径(D)に対して上記の(2)式を満足するように設定することが好ましい。このようにすることで、脱硫剤粒子の溶銑浴中への浸入がより一層促進されるため、更なる脱硫反応の高効率化が期待できる。
ここで、上吹き添加する脱硫剤としては、CaO粉にホタル石(CaF2 )を含有させたCaO−CaF2 系脱硫剤でも構わないが、今日の環境問題を鑑みるに脱硫剤の組成としてホタル石を用いない脱硫剤を使用することが望ましい。本発明では、脱硫剤を上吹き添加するので、ホタル石などのフッ素含有物質を滓化促進剤として使用しなくても、十分に脱硫することができる。このとき、CaO粉に脱酸源を有するAl灰などと添加しても構わないが、CaO粉単体のみを適用しても十分に脱硫することができる。
また、脱硫剤粉体を搬送する搬送用ガスとしては、不活性ガス、非酸化性ガス、還元性ガスの何れかの一種類以上を使用することができる。酸化性ガスは溶銑中の酸素ポテンシャルを上昇させ、脱硫に不利な条件となるため適当ではない。但し、酸化性ガスを微量に含有する不活性ガス、非酸化性ガス、還元性ガスは十分に適用可能である。
本発明によれば、反応性に優れる細粒の脱硫剤を、1.6kg/min・t以下の供給速度で搬送用ガスとともに上吹き添加するので、添加時の飛散は少なく、脱硫剤の添加歩留まりが向上し、且つ、添加した脱硫剤同士の溶銑中における凝集が抑制される。その結果、脱硫反応が促進され、脱硫率を著しく向上させることができ、脱硫処理時間の削減及び脱硫剤原単位の削減が達成される。
図7に示す機械攪拌式脱硫装置を用いて実施した本発明の実施例(本発明例)を比較例とともに説明する。
図7において、1は台車、2は溶銑鍋、3は溶銑、4は攪拌羽根、5は上吹きランス、6はディスペンサー、7は脱硫剤であり、台車1に積載された溶銑鍋2に収容された約300トンの溶銑3に攪拌羽根4を浸漬させ、軸4aを回転させながら、窒素ガスを搬送用ガスとして上吹きランス5から脱硫剤7を溶銑浴面に向けて吹き付けて脱硫処理を実施した。脱硫剤7の添加量は5.0kg/tとした。溶銑成分、攪拌羽根回転数、脱硫処理時間などの処理条件を表1に示す。
Figure 0004961787
脱硫処理は、本発明例1〜4及び比較例1〜3の合計7水準で実施した。各脱硫処理における処理条件を表2に示す。
Figure 0004961787
本発明例1〜4では、溶銑の浴面上に上吹きランスを降下させ、回転撹拌中に搬送用ガスとともに脱硫剤の上吹き添加を行った。本発明例1では、脱硫剤としてCaO−5質量%CaF2 を使用し、脱硫剤の供給速度を1.0kg/min・tとした。ランス高さ(h)、ノズル径(D)は、それぞれ1.5m、0.03mとした。搬送用ガスの流量(Q)は2.12Nm3/minとした。このときのノズル出口でのガスの流速は50m/secである。
本発明例2では、脱硫剤としてCaO粉単体を使用し、脱硫剤供給速度を0.5kg/min・tとした。ランス高さ(h)、ノズル径(D)及び搬送用ガス流量(Q)は本発明例1と同一であり、それぞれ1.5m、0.03m、2.12Nm3 /minとした。
本発明例3では、脱硫剤としてCaO粉単体を使用し、脱硫剤供給速度を0.5kg/min・tとした。ランス高さ(h)及びノズル径(D)は、比h/Dが48.0以下となるように、それぞれ1.0m、0.03mとした。搬送用ガスの流量(Q)は2.12Nm3 /minとした。
本発明例4では、脱硫剤としてCaO粉単体を使用し、脱硫剤供給速度を0.5kg/min・tとした。ランス高さ(h)、ノズル径(D)はそれぞれ0.7m、0.025mとした。また、搬送用ガスの流量(Q)は3.00Nm3 /minとし、このときのノズル出口でのガスの流速(Ug)は,1.67×(H/D)以上を満足する100m/secであった。
これに対して、比較例1では、脱硫剤としてCaO−5質量%CaF2 粉体を用い、この脱硫剤を回転撹拌初期に一括して溶銑浴面上に上置き添加した。比較例2では、脱硫剤としてCaO−5質量%CaF2粉体を用いて上吹き添加を行った。脱硫剤供給速度は3.0kg/min・tとした。ランス高さ(h)、ノズル径(D)、搬送用ガスの流量(Q)は本発明例1と同様に、それぞれ1.5m、0.03m、2.12Nm3/minとした。比較例3では、脱硫剤としてCaO粉単体を使用し、上吹き添加を行った。脱硫剤供給速度は3.0kg/min・tとした。ランス高さ(h)、ノズル径(D)、搬送用ガスの流量(Q)は本発明例1と同様に、それぞれ1.5m、0.03m、2.12Nm3/minとした。本発明例及び比較例ともに処理前後のメタルサンプリングを行い、脱硫率を調査した。ここで、脱硫率は下記の(5)式で定義される値とした。
Figure 0004961787
また、処理後にスラグを回収して、スラグ粒径も調査した。実施結果を表3に示す。
Figure 0004961787
脱硫剤がCaO−5質量%CaF2 粉体である本発明例1、比較例1及び比較例2を対比すると、脱硫剤の供給速度を1.6kg/min・t以下とした本発明例1の方が脱硫率が向上し、処理後のスラグ粒径も小さくなっていた。脱硫剤がCaO単体である本発明例2と比較例3とを対比しても、同様に本発明例2の方が脱硫率が向上し、処理後のスラグ粒径も小さくなっていた。
また、ランス高さ(h)とノズル径(D)の比h/Dの値が48.0以下である本発明例3は、本発明例2と比較すると溶銑浴中への脱硫剤粒子の浸入が改善されるので、本発明例2よりも脱硫率が向上した。更に、ノズル出口でのガスの流速が1.67×h/D以上を満足する100m/secとなるように調整した本発明例4は、本発明例3と比較して更に脱硫率が向上し、処理後のスラグ粒径もさらに小さくなった。
機械攪拌式脱硫装置を模擬した実験装置の概略図である。 脱硫剤供給速度と脱硫反応効率との関係を示す図である。 h/Dと脱硫反応効率との関係を示す図である。 脱硫剤粒子が溶銑中に浸入する臨界値を示す図である。 浴面到達時の搬送用ガス流速と脱硫反応効率との関係を示す図である。 ノズル出口における搬送用ガスの流速(Ug)とh/Dとの関係から脱硫反応効率の良好な領域を示す図である。 実施例において使用した機械攪拌式脱硫装置の概略図である。
符号の説明
1 台車
2 溶銑鍋
3 溶銑
4 攪拌羽根
5 上吹きランス
6 ディスペンサー
7 脱硫剤
8 実験装置
9 電動機
10 坩堝容器
11 高周波加熱コイル

Claims (3)

  1. 機械攪拌式脱硫装置を用いた溶銑の脱硫方法において、攪拌羽根によって攪拌されている溶銑の浴面上に、上吹きランスのランス高さが該上吹きランスのノズル径に対して下記の(1)式を満足するようにランス高さを調整した上吹きランスを介して、溶銑トン当たり1.6kg/min以下の脱硫剤の供給速度で、搬送用ガスとともに脱硫剤を上吹き添加して脱硫することを特徴とする、溶銑の脱硫方法。
    h≦48.0×D …(1)
    但し、(1)式において、hは、上吹きランスのランス高さ(m)、Dは、上吹きランスのノズル径(m)である。
  2. 前記上吹きランスから供給する搬送用ガスのランスノズル出口における流速が、該上吹きランスのランス高さ及びノズル径に対して、下記の(2)式を満足することを特徴とする、請求項1に記載の溶銑の脱硫方法。
    Ug≧1.67×(h/D) …(2)
    但し、(2)式において、Ugは、搬送用ガスのランスノズル出口における流速(m/sec)、hは、上吹きランスのランス高さ(m)、Dは、上吹きランスのノズル径(m)である。
  3. 前記脱硫剤は、実質的にフッ素を含有していないことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の溶銑の脱硫方法。
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