JP3680626B2 - 溶銑の脱珪方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高炉溶銑樋から傾注樋を経て受銑容器に溶銑を受け入れる際に脱珪剤を投入する溶銑の脱珪方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、製鋼段階で発生するスラグの量の低減および精錬コスト削減の観点から、製鋼に先立つ段階での溶銑中のSiの低下が望まれている。このため、通常、製鋼に先立って溶銑中に脱珪剤 (脱Si剤とも云う) を投入して脱Si処理を行っている。
【0003】
従来の脱Si処理を行う方法としては、高炉に設けた出銑樋を流れている溶銑中に脱Si剤を投入する鋳床脱Si法、または受銑容器中への受銑後に脱Si剤をキャリアガスとともに溶銑中に吹き込むインジェクション法、または受銑前の受銑容器にあらかじめ脱Si剤を入れ置きする入置き法等があり、すでに従来にあっても、一般に広く採用されている技術である。
【0004】
しかしながら、上述のように溶銑に脱珪剤を投入する脱珪方法では、溶銑の上に脱珪剤を上置きし溶銑と反応させるが、溶銑と脱珪剤の接触が不十分なために、溶銑との反応が不十分となり十分な脱珪効率が得られなかった。
さらに未反応の脱珪スラグ中の酸化鉄分が溶銑中の炭素と反応することによりフォーミングが発生し受銑容器内の溶銑受銑量に制限を受けていた。
【0005】
従来このような問題に対して、例えば、特開昭57−92116 号公報では、樋における脱珪剤の添加を併用する方法が、また特開平8−218108号公報では受銑容器内への脱珪剤のインジェクションを併用する方法がそれぞれ提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような従来技術を用いると、前者の場合、樋の耐火物が脱珪剤と反応することにより損傷しその補修頻度が上昇してしまい、後者の場合、専用の処理設備が必要となり、また十分な脱珪処理を行うには時間を要し物流上問題がある。
【0007】
したがって、本発明の課題は、従来の設備をそのまま利用でき、かつ簡便な操作でもって短時間で脱Si処理を実現できる方法を開発することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題の達成には、第一に、脱Si剤の改良と、脱Si剤の投入方法の改良と、さらに溶銑の予備処理の改良等に対するアプローチが考えられるが、本発明者らはもっぱら脱Si剤の投入方法の改良に着目した。
【0009】
この点に関する従来技術の問題点としては、脱Si剤を短時間に多量に投入するため脱Si剤の滓化が不十分となり、また攪拌力が不足して脱Si剤が未反応のまま固化することが考えられる。
【0010】
したがって、少量つづ高速で投入できる環境であれば短時間での多量投入であっても滓化が速やかに進行することが考えられ、また、その際に同時に攪拌が行われるように環境であれば脱Si剤が未反応のまま固化する可能性が少なくなることが考えられる。
【0011】
そこで、出銑樋から受銑容器に至るまでの経路においてそのような環境が存在する箇所を探したが、そのような環境は存在しない。本発明者らはさらに検討を重ね、そのような環境をもっとも容易に実現できる箇所を探した。その結果、従来技術では入置法として受銑容器内に脱Si剤を入置いたのに対して、傾注樋から受銑容器への注入に際しての落下流に対して脱Si剤を投入することに着目し、その際にキャリアガスとともに投入すれば、少量つづ高速で投入でき、しかもキャリアガスは一旦溶銑に吹き込まれれば、攪拌ガスとして作用するのであるから、脱Si剤の投入と同時に攪拌が行われるような環境が実現できることになる。
【0012】
本発明者らはかかる知見に基づいて、実際に、傾注樋から受銑容器への溶銑の落下流に対してキャリアガスとともに脱Si剤を投入したところ、予想外にも、大幅な脱Si率の向上がみられ、脱珪スラグフォーミングも見られず、短時間で脱Si処理が完了したことを確認し、本発明を完成した。
【0013】
よって、本発明は、高炉溶銑樋から傾注樋を経て受銑容器に溶銑を受け入れる際に脱珪剤を投入する溶銑の脱珪方法において、脱珪剤の平均粒径を1〜4mmとすること、および傾注樋から受銑容器への溶銑の落下流に直接脱珪剤を気体と共に吹き付けること、ただし溶銑樋から傾注樋への落下流に脱珪剤を吹き付ける場合は除くことを特徴とする溶銑の脱珪方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態についてその作用効果とともに説明する。
本発明によれば、傾斜樋から受銑容器への溶銑の落下流に対して脱Si剤をキャリアガスとともに、投入するが、これにより脱珪効率の向上を図り、脱珪スラグフォーミングを防止することができる。
【0015】
図1は、本発明にかかる脱Si剤の投入方法の模式的説明図であって、同図に示すように、本発明によれば、高炉溶銑樋から傾注樋 (いずれも図示せず) を経て受銑容器2に溶銑4を受け入れる際に、投入ランス1からキャリアガス5とともに脱珪剤6を溶銑流3に直接吹き付ける。このとき従来のように脱珪スラグフォーミングが見られないから、脱Siスラグ7は受銑容器2の内部から溢れることはない。
【0016】
本発明において用いる脱Si剤としては、固体酸素供給剤であれば特に制限はなく、従来の脱Si剤をそのまま用いることができるが、添加量は、受銑容器でのフォーミングの抑制および脱Si効率の維持の観点から、好ましくは最大20Kg/T-pig、より好ましくは 5〜20Kg/T-pigである。さらに、本発明の場合にはキャリアガスに同伴させるために、例えば直径4mm以下の粒子状で用いる。好適脱Si剤は、4〜1mmの平均粒径を持つものである。4mm超では反応性が悪いことがあり、一方あまり細かすぎると飛散して作業環境を悪化させる。
【0017】
脱Si剤の種類としては、酸洗スケール、ミルスケール、焼結鉱、砂鉄などを例示できる。必要により適宜スラグ調整剤を同時に添加してもよい。
キャリアガスとしては、ArガスまたはN2ガスが好ましいがこれに制限されるものではない。吹き込み圧力は、本発明の場合、例えば1.0kgf/cm2以上と落下流に同伴できれば十分であって、特に制限はないが、余り高いと落下流の液滴化が生じてしまうので、一般には、1.0 〜30kgf/cm2 程度とする。吹き込み圧力が余り小さいとその効果が入れ置き法と区別がつかなくなるため1.0kgf/cm2以上とする。
【0018】
このようにして落下流に添加された脱Si剤は、キャリアガスの攪拌エネルギーと落下流の落下時の攪拌エネルギーによって溶銑全体に拡散される。落下流に投入した時点ですでにほぼ均一に分散しているから、受銑容器内では速やかに脱Si剤は溶銑全体に拡散され、溶銑と脱珪剤の接触効率を高め脱珪効率の向上を図ることができる。
【0019】
受銑容器への注入を完了してから、受銑容器内にランスを浸漬して、ArガスまたはN2ガス等でバブリングをして溶銑の攪拌を行うとともに、インジェクション脱S工程を実施して、併せて脱Si処理を行ってもよい。
【0020】
さらに、混銑車などの受銑容器から取鍋に溶銑を払い出す際にも同様にして脱Si剤をキャリアガスに同伴させてさらに添加してもよい。
次に、本発明の実施例をその効果とともに説明する。
【0021】
【実施例】
本例における操業条件は次の通りであった。
初期溶銑組成: Si:0.5 〜0.7 %
脱珪剤 : 粉焼結鉱
吹込みキャリアガス Air:500 〜1000Nm3/h
表1には本発明において用いることのできる代表的な脱珪剤の組成を示す。
【0022】
表2には本発明法と従来法との結果をまとめて示す。本発明の場合、脱Si量が大幅に改善されるばかりでなく、脱珪剤の脱珪反応効率が80〜100 %にも至ることからスラグフォーミングは実質上防止できることが分かる。
【0023】
図2に示すように、本発明における脱珪剤投入装置を用いて脱珪剤投入を行った場合、脱珪効率の向上および脱珪処理の際のスラグフォーミング発生の抑制が可能となった。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば高炉溶銑樋から傾注樋を経て受銑容器に溶銑を受け入れる際に、溶銑の落下流に直接脱珪剤を気体と共に吹き付けることにより脱珪効率の向上および脱珪スラグのフォーミング抑制が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にしたがって脱珪剤を溶銑流に投入する操作の模式的説明図である。
【図2】実施例の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1:投入ランス、2:受銑容器
3:脱珪スラグ、4:溶銑
Claims (1)
- 高炉溶銑樋から傾注樋を経て受銑容器に溶銑を受け入れる際に脱珪剤を投入する溶銑の脱珪方法において、脱珪剤の平均粒径を1〜4mmとすること、および傾注樋から受銑容器への溶銑の落下流に直接脱珪剤を気体と共に吹き付けること、ただし溶銑樋から傾注樋への落下流に脱珪剤を吹き付ける場合は除くことを特徴とする溶銑の脱珪方法。
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- 1999-04-06 JP JP09875299A patent/JP3680626B2/ja not_active Expired - Fee Related
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