JP5586522B2 - Rem添加鋼の製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1では、質量%で、S:0.005%以下、およびO(酸素):0.005%以下を含有する溶鋼に0.1kg/ton以上1.5kg/ton以下のランタノイドと0.1kg/ton以上1.0kg/ton以下のCaとを同時に添加する溶鋼の処理方法において、ランタノイドとCaの混合比を質量比で0.16以上1.0以下としている。
そこで、本発明は、REMの歩留を確保しつつ安定的に溶鋼の精錬(操業)を行うことができるREM添加鋼の製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明のREM添加鋼の製造方法は、0.01〜0.05質量%のREMを含むREM添加鋼を製造するに際し、粒体とされたREMを内含すると共に、REM=20〜40質量%、Ca=1〜5質量%、残部にSiを含み且つ式(1)を満たす組成で、さらに、前記流体は、1mm以下の粒度のものが25%未満、100μm以下の粒度のものが15%未満、平均粒度が500μm〜700μm、最大粒度が5mmとされたREM添加用ワイヤーを用意しておき、二次精錬処理にて、S≦0.0020質量%、O≦0.0030質量%、0.01≦Al≦0.07質量%になるよう溶鋼の成分調整を行った後、前記REM添加用ワイヤーを、0.05〜1kg/min/tonの添加速度で溶鋼に添加すると共に、REM添加時の攪拌動力密度を1〜20W/tonとして精錬を行うことを特徴とする。
製鋼工場では、転炉等にて一次精錬を行った後、取鍋精錬装置にて二次精錬を行うことが一般的である。この二次精錬では、La、Ce、Pr、Ndなどのランタノイド系の希土類元素(REM)を添加して溶鋼の精錬を行って、REM添加鋼を製造することがあり、REMを溶鋼に添加するためにワイヤー(REM添加用ワイヤー)が用いられることがある。
REM添加鋼を製造するに際し、二次精錬では、図1(a)に示す取鍋精錬装置1A、又は、図1(b)に示す還流式脱ガス精錬装置1Bを用いる。
図1(a)に示すように、取鍋ガス攪拌精錬装置1Aは、不活性ガスを溶鋼2に吹き込むことにより溶鋼2を攪拌可能な装置である。この取鍋ガス攪拌精錬装置1Aは、溶鋼2が装入された取鍋3と、取鍋3の溶鋼2内にガスを吹き込むことで溶鋼2を攪拌する溶鋼攪拌装置4とを有したものである。取鍋ガス攪拌精錬装置1Aの周辺には、REM添加用ワイヤー5を溶鋼2に供給する供給装置(図示省略)が設けられている。
取鍋ガス攪拌精錬装置1Aにおいては、ポーラス6で溶鋼2内に不活性ガスを吹き込み溶鋼2を攪拌しながら、供給装置を駆動させて所定の速度でREM添加用ワイヤー5を取鍋3の縁部側から溶鋼2内へ供給することによって二次精錬を行うことができる。
還流式脱ガス精錬装置1Bにおいては、浸漬管を取鍋3内の溶鋼2に浸漬した状態で、上昇管12の吹き込み口からAr等の不活性ガスを吹き込むと共に、排気口14から脱ガス槽11のガスを排気して脱ガス槽11内を略真空状態して溶鋼2を脱ガス槽11と取鍋3との間で循環させることで溶鋼2を攪拌し、さらに、供給装置を駆動させてREM添加用ワイヤー5を取鍋3の縁部側から溶鋼2内へ供給することによって二次精錬を行うことができる。
その結果、REM酸化物であるCeO2とCaO系介在物であるCaOとを均一に混合した上で、ゼーゲルコーン評価法(JIS R2204)によって、酸化物の融点を調査したところ、50質量%のCeO2と50質量%CaOとを含むもの(50質量%CeO2-50質量%CaO)は、表1に示すように、純粋なCeO2及びCaOに比べて低融点であることを見いだした。
具体的には、鋼中(溶鋼中)に含まれるREM系介在物(REM−CaO系酸化物)の組成と、ノズル閉塞性及び溶損性を実機により調査した。その結果、REM系介在物中に含まれるCaO濃度が10〜20質量%である場合、ノズルの閉塞は無く、ノズル溶損も抑制されていて、閉塞性及び溶損性は良好であった。一方で、REM系酸化物中のCaO濃度が10%未満の場合はノズル閉塞が発生し、REM系介在物中のCaO濃度が20%を超えるとノズル溶損が発生した。
図2に示すように、各直線で囲まれる範囲A内であれば、ノズル閉塞、ノズル溶損も発生せず、しかも、REM添加用ワイヤー5を添加したときの歩留(REM歩留)も良好であった。
図2の直線L3に示すように、REM添加用ワイヤー5のCa濃度が1〜5質量%であっても、REM添加用ワイヤー5中のREM濃度が20質量%未満であるとき、REM系介在物中のCaO濃度を10〜20質量%の範囲内にできない場合があり、ノズル閉塞やノズル溶損が発生することがあった。また、図2の直線L4に示すように、REM添加用ワイヤー5のCa濃度が1〜5質量%であっても、REM添加用ワイヤー5中のREM濃度が40質量%を超えてしまうと、REM歩留が悪化する場合があった。
このように、REM添加用ワイヤー5において、REM=20〜40質量%、Ca=1〜5質量%であるときは、ノズル閉塞、ノズル溶損を防止することができるが、このような条件を満たしても、REM濃度とCa濃度との関係が、式(1)を満たさなければ、ノズル閉塞やノズル溶損を発生する場合があった。
以上をまとめると、REM添加用ワイヤー5においては、REM=20〜40質量%、Ca=1〜5質量%、且つ、式(1)を満たす組成を有することが必要である。本発明において、REM濃度とCa濃度との関係は、図3に示す範囲内となり、従来技術(特開2011−26659に示された実施例及び比較例)とは、その範囲は大きく異なる。
充填された粒体において、1mm以下の粒度は25%未満であり、100μm以下の粒度は15未満となっている。加えて、合金の全体の平均粒度が500μm〜700μmであり、最大粒度が5mmである。
ここで、REM添加用ワイヤーを溶鋼に添加する添加速度を0.05〜1kg/min/tonとしている。添加速度が0.05kg/min/ton未満である場合、REM添加用ワイヤーがスラグを通過する時間が長くなる。つまり、REM添加用ワイヤーとスラグとの接触時間が長くなり、REM成分がスラグによって酸化されるため歩留が悪化してしまう。一方、添加速度が1kg/min/tonを超えてしまうと、溶鋼に到達するREM添加用ワイヤーが多くなり過ぎるため、局所的にREM濃度の高い領域が発生し、介在物組成にバラツキが発生することがある。その結果、ノズル閉塞が発生する虞がある。
また、REM添加用ワイヤーを添加している間(添加時)の攪拌動力密度は、1〜20W/tonとしている。攪拌動力密度εは、取鍋ガス攪拌精錬装置1A(取鍋ガス攪拌)を用いる場合は、式(2)を用いた。取鍋ガス攪拌では、大気圧下にて攪拌を行うため、式(2)において、槽内圧力は大気圧の圧力を示すPV=101300とした。式(2)における攪拌動力密度εの算出方法は、「森、佐野:鉄と鋼,第67巻,1981年,672頁」に開示されていて一般的なものである。
式(4)における循環量Q(ton/min)は、「桑原ら:鉄と鋼,第73巻,1987年,S176頁」に開示されているように、式(5)で求められる。この式におけるDは下降管13の内径(m)である。
攪拌動力密度が1W/ton未満である場合、攪拌が弱すぎるため均一混合ができず介在物組成がばらつく虞があり、ノズル閉塞が発生する虞がある。一方、攪拌動力密度が20W/tonを超えている場合、攪拌が強すぎるため、スラグが溶鋼に巻き込まれてしまい、REMがスラグによって酸化されてREM歩留が低下してしまう。
表4に示すように、二次精錬で処理した溶鋼重量は230〜250tonである。二次精錬装置は、取鍋ガス攪拌精錬装置(CAS装置)1Aや還流式脱ガス精錬装置(真空脱ガス装置)1Bを用いた。REM添加時の攪拌は、当業者常法通りに行った。
浸漬ノズルのノズル閉塞性や溶損性の判定は、吐出口内面の上端から上部側へ進んで10mmの位置における付着物の厚み(付着厚み)と、ノズルの内管の厚みの減少量(溶損速度)に基づいて判断した。詳しくは、ノズル閉塞性については、付着厚みが30mmを超えてしまうと次の工程の連続鋳造において一定の速度で鋳造できなくなるため、付着厚みが30mm以下であるとノズル閉塞性は良好「○」とし、付着厚みが30mmを超えるとノズル閉塞性は不良「×」とした。
また、REMの歩留は、特開2008−261014号公報に示されているように、高REM歩留の目安として40%であることが開示されている。このように、REMの歩留は、40%以上であることがよいことから、歩留が40%以上であるときを良好「○」とし、40%未満であるときを不良「×」とした。
一方、比較例16〜35では、REM濃度、Ca濃度のいずれかが上述した規定範囲を外れており、REM濃度及びCa濃度が規定範囲内であっても、REM濃度とCa濃度との関係が式(1)を満たしていなかった。そのため、付着厚みが30mmを超えたり、溶損速度も0.08mm/ton以上となることがあり、ノズル閉塞性や溶損性を向上させることができなかった。加えて、REM歩留が40%未満となる場合もあった。
例えば、比較例51〜55と実施例1〜15とにおいて、REMの添加前の[S]とREM歩留とノズル閉塞との関係をまとめると図5に示すようになる。図5に示すように、[S]が20ppmを超えるとREM歩留の低下に加えノズル閉塞が発生する。
例えば、比較例66〜72と実施例1〜15とにおいて、REM添加用ワイヤーの添加速度とREM歩留とノズル閉塞の関係をまとめると図8となる。図8に示すように、添加速度が0.05kg/min/ton未満であり、遅い場合はREM歩留が急激に減少すると共にノズル閉塞が発生し、添加速度が1kg/min/tonを超えて、早い場合はノズル閉塞が発生する。
以上、実施例及び比較例をまとめると、REM歩留と操業状況は図10に示すようになり、二次精錬処理後の介在物組成と操業状況は図11に示すものとなった。これから分かるように、本発明のREM添加鋼の製造方法では、REM系介在物中のCaO濃度を10〜20質量%にすることができて、ノズル閉塞性、ノズル溶損性及びREM歩留も向上させることができ、非常に安定した操業を行うことができる。特に、ノズル溶損が発生しなかった実施例とノズル溶損が発生した比較例とは、溶損速度が1桁違うことがあり、その差は顕著であった。
1B 還流式脱ガス精錬装置
2 溶鋼
3 取鍋
4 溶鋼攪拌装置
5 REM添加用ワイヤー
6 ポーラス
7 上吹きランス
11 脱ガス槽
12 上昇管
13 下降管
14 排気口
Claims (1)
- 0.01〜0.05質量%のREMを含むREM添加鋼を製造するに際し、
粒体とされたREMを内含すると共に、REM=20〜40質量%、Ca=1〜5質量%、残部にSiを含み且つ式(1)を満たす組成で、さらに、前記粒体は、1mm以下の粒度のものが25%未満、100μm以下の粒度のものが15%未満、平均粒度が500μm〜700μm、最大粒度が5mmとされたREM添加用ワイヤーを用意しておき、
二次精錬処理にて、S≦0.0020質量%、O≦0.0030質量%、0.01≦Al≦0.07質量%になるよう溶鋼の成分調整を行った後、前記REM添加用ワイヤーを、0.05〜1kg/min/tonの添加速度で溶鋼に添加すると共に、REM添加時の攪拌動力密度を1〜20W/tonとして精錬を行うことを特徴とするREM添加鋼の製造方法。
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