JP7031634B2 - 耐サワー鋼材の製造方法 - Google Patents
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[1]転炉から出鋼され、取鍋に収容された溶鋼に、Mg含有物質及びCa含有物質を添加して溶鋼中にMg及びCaを含有させ、その後、溶鋼を連続鋳造設備で連続鋳造する工程を有する耐サワー鋼材の製造方法であって、
前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質を同時に添加するか、または、前記Mg含有物質を添加した後に、前記Ca含有物質を添加することを特徴とする、耐サワー鋼材の製造方法。
[2]前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質の溶鋼への添加を、取鍋精錬炉での精錬終了後であって、且つ、RH真空脱ガス装置での精錬終了後から連続鋳造開始前までの期間に、実施することを特徴とする、上記[1]に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
[3]前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質の添加時の溶鋼温度は、1580~1620℃の範囲であることを特徴とする、上記[1]または上記[2]に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
[4]前記Mg含有物質を添加した後に、前記Ca含有物質を添加することとし、前記Mg含有物質の添加開始の時点から前記Ca含有物質を添加するまでの時間が、10分以内であることを特徴とする、上記[1]から上記[3]のいずれかに記載の耐サワー鋼材の製造方法。
[5]前記Mg含有物質を添加した後に、前記Ca含有物質を添加することとし、前記Mg含有物質として、Mg合金を薄鋼板で被覆した鉄被覆Mgワイヤーを使用し、且つ、前記Ca含有物質として、Ca合金を薄鋼板で被覆した鉄被覆Caワイヤーを使用することを特徴とする、上記[1]から上記[4]のいずれかに記載の耐サワー鋼材の製造方法。
[6]前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質を同時に添加することとし、前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質として、Mg合金及びCa合金を薄鋼板で被覆した鉄被覆Mg―Caワイヤーを使用することを特徴とする、上記[1]から上記[3]のいずれかに記載の耐サワー鋼材の製造方法。
[7]前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質の添加速度が、Mg純分及びCa純分で1分間あたり15~30kgであることを特徴とする、上記[5]または上記[6]に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
[8]連続鋳造設備のタンディッシュにおける前記溶鋼のMg及びCaの含有量が、Ca;0.0005~0.0030質量%、Mg;0.0005~0.0050質量%であることを特徴とする、上記[1]から上記[7]のいずれかに記載の耐サワー鋼材の製造方法。
[9]更に、タンディッシュにおける前記溶鋼の成分組成が、C;0.02~0.08質量%、Si;0.01~0.50質量%、Mn;1.00~2.50質量%、P;0.010質量%以下、S;0.0010質量%以下、Al;0.010~0.100質量%、Ti;0.005~0.020質量%、O(酸素);0.0030質量%以下を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなることを特徴とする、上記[8]に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
[10]更に、タンディッシュにおける前記溶鋼の成分組成が、Cu;0.05~0.50質量%、Ni;0.05~0.50質量%、Cr;0.05~0.50質量%、Mo;0.05~0.50質量%のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記[9]に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
[11]更に、タンディッシュにおける前記溶鋼の成分組成が、Nb;0.005~0.100質量%、V;0.005~0.100質量%のうちの1種または2種を含有することを特徴とする、上記[9]または上記[10]に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
[12]更に、タンディッシュにおける前記溶鋼の成分組成が、Mn;1.60~2.50質量%であることを特徴とする、上記[9]から上記[11]のいずれかに記載の耐サワー鋼材の製造方法。
Cは、鋼材の強度を確保するために必要な元素であり、そのためには、0.02質量%以上含有させることが好ましい。しかし、C含有量の増加は、鋳片の中心偏析におけるMnの偏析を強めて耐HIC特性を著しく劣化させるので、C含有量の上限は0.08質量%とすることが好ましい。より望ましいC含有量は、0.03~0.06質量%である。
Siは、脱酸剤として作用し、更に、固溶強化により鋼材の強度を増加させる。そのためには、Si含有量は0.01質量%以上とすることが好ましい。一方、Si含有量の増加は鋼材の靱性を低下させるので、これを防止するために、Si含有量の上限を0.50質量%とすることが好ましい。
Mnは、鋼材の強度及び靱性を向上させる。この効果を確保するために、Mn含有量は1.00質量%以上とすることが好ましい。一方、Mnの過剰な添加は、溶接性及び耐HIC性を劣化させる。これを防止するために、Mn含有量の上限を2.50質量%とすることが好ましい。尚、高マンガン化によって他の合金成分を削減し、耐サワー鋼材の低廉化を図る場合には、Mn含有量を1.60質量%以上とすることが望ましい。
Pは、溶接性及び耐HIC性を劣化させる不可避的不純物である。したがって、その上限を0.010質量%に規定することが好ましい。
Sは、耐HIC性に有害なMnSを形成する元素であり、したがって、S含有量は0.0010質量%以下に制限することが好ましい。
Alは、強脱酸元素であり、溶鋼を安定して脱酸するためには、Al含有量を0.010質量%以上とすることが好ましい。一方、Al含有量が増加すると、粗大なAl2O3がクラスター状に生成し、耐HIC性を劣化させるので、Al含有量の上限は0.100質量%とすることが好ましい。
Tiは、鋼中のAlとともに微細な酸化物を形成する元素であり、そのためには、Ti含有量は0.005質量%以上とすることが好ましい。一方、Ti含有量が増加すると、Tiの固溶やTiCの析出によって鋼材の靱性が劣化するので、これを防止するために、Ti含有量の上限を0.020質量%とすることが好ましい。
Oは、鋼材中に酸化物系非金属介在物を形成し、鋼材の清浄性を低下させ、且つ、耐HIC性を劣化させる。したがって、O含有量は0.0030質量%以下に規定することが好ましい。
Cuは、鋼材の靱性改善及び強度上昇に有効な元素であり、添加する場合は、その効果を発揮させるために、Cu含有量を0.05質量%以上とすることが好ましい。一方、Cu含有量が多くなると、鋼材の溶接性が劣化するので、Cu含有量の上限は0.50質量%とすることが好ましい。
Niは、鋼材の靱性改善及び強度上昇に有効な元素であり、添加する場合は、その効果を発揮させるために、Ni含有量を0.05質量%以上とすることが好ましい。Niは高価であり、多く添加しても材質に弊害はないが、コスト的に不利となるので、Ni含有量の上限は0.50質量%とすることが好ましい。
Crは、鋼材の靱性改善及び強度上昇に有効な元素であり、添加する場合は、その効果を発揮させるために、Cr含有量を0.05質量%以上とすることが好ましい。一方、Cr含有量が多くなると、鋼材の溶接性が劣化するので、Cr含有量の上限は0.50質量%とすることが好ましい。
Moは、鋼材の靱性改善及び強度上昇に有効な元素であり、添加する場合は、その効果を発揮させるために、Mo含有量を0.05質量%以上とすることが好ましい。一方、Mo含有量が多くなると、鋼材の溶接性が劣化するので、Mo含有量の上限は0.50質量%とすることが好ましい。
Nbは、鋼材の靱性改善及び強度上昇のために添加する選択元素であり、添加する場合は、その効果を発揮させるために、Nb含有量を0.005質量%以上とすることが好ましい。一方、Nb含有量が多くなると、鋼材溶接部の靱性が劣化するので、Nb含有量の上限は0.100質量%とすることが好ましい。
Vは、Nbと同様に、鋼材の靱性改善及び強度上昇のために添加する選択元素であり、添加する場合は、その効果を発揮させるために、V含有量を0.005質量%以上とすることが好ましい。一方、V含有量が多くなると、鋼材溶接部の靱性が劣化するので、V含有量の上限は0.100質量%とすることが好ましい。
表2に、各試験の鋼材におけるCaS生成比の調査結果を示す。表2には、タンディッシュ内の溶鋼から採取した分析試料の化学成分の分析結果を併せて示している。
Claims (10)
- 転炉から出鋼され、取鍋に収容された溶鋼に、Mg含有物質及びCa含有物質を添加して溶鋼中にMg及びCaを含有させ、その後、溶鋼を連続鋳造設備で連続鋳造する工程を有する耐サワー鋼材の製造方法であって、
前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質を同時に添加するか、または、前記Mg含有物質を添加した後に、前記Ca含有物質を添加し、
連続鋳造設備のタンディッシュにおける前記溶鋼のMg及びCaの含有量が、Ca;0.0005~0.0030質量%、Mg;0.0005~0.0050質量%であり、
更に、前記タンディッシュにおける前記溶鋼の成分組成が、C;0.02~0.08質量%、Si;0.01~0.50質量%、Mn;1.00~2.50質量%、P;0.010質量%以下、S;0.0010質量%以下、Al;0.010~0.100質量%、Ti;0.005~0.020質量%、O(酸素);0.0030質量%以下を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなることを特徴とする、耐サワー鋼材の製造方法。 - 更に、タンディッシュにおける前記溶鋼の成分組成が、Cu;0.05~0.50質量%、Ni;0.05~0.50質量%、Cr;0.05~0.50質量%、Mo;0.05~0.50質量%のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
- 更に、タンディッシュにおける前記溶鋼の成分組成が、Nb;0.005~0.100質量%、V;0.005~0.100質量%のうちの1種または2種を含有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
- 更に、タンディッシュにおける前記溶鋼の成分組成が、Mn;1.60~2.50質量%であることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
- 前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質の溶鋼への添加を、取鍋精錬炉での精錬終了後であって、且つ、RH真空脱ガス装置での精錬終了後から連続鋳造開始前までの期間に、実施することを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
- 前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質の添加時の溶鋼温度は、1580~1620℃の範囲であることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
- 前記Mg含有物質を添加した後に、前記Ca含有物質を添加することとし、前記Mg含有物質の添加開始の時点から前記Ca含有物質を添加するまでの時間が、10分以内であることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
- 前記Mg含有物質を添加した後に、前記Ca含有物質を添加することとし、前記Mg含有物質として、Mg合金を薄鋼板で被覆した鉄被覆Mgワイヤーを使用し、且つ、前記Ca含有物質として、Ca合金を薄鋼板で被覆した鉄被覆Caワイヤーを使用することを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
- 前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質を同時に添加することとし、前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質として、Mg合金及びCa合金を薄鋼板で被覆した鉄被覆Mg―Caワイヤーを使用することを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
- 前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質の添加速度が、Mg純分及びCa純分で1分間あたり15~30kgであることを特徴とする、請求項8または請求項9に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
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JP2018168454A (ja) | 2017-03-30 | 2018-11-01 | Jfeスチール株式会社 | 高清浄度鋼の製造方法 |
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