JP7031634B2 - 耐サワー鋼材の製造方法 - Google Patents

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本発明は、硫化水素を含むサワー環境で用いられる、耐水素誘起割れ性に優れた耐サワー鋼材の製造方法に関し、詳しくは、MgとCaとを成分に含む耐サワー鋼材の非金属介在物の形態を制御する製造方法に関する。
硫化水素を含むサワー環境で使用されるラインパイプや油井管などの耐サワー鋼材には、耐水素誘起割れ性(以下、「耐HIC性」とも記す)が要求される。近年、使用環境が従来よりも過酷になっていることから、より高い耐水素誘起割れ性を有する鋼材の開発が求められている。水素誘起割れ(Hydrogen Induced Cracking;HIC)は、サワー環境中で、鋼材表面の腐食により生じた水素が鋼中に侵入し、鋼中の非金属介在物周辺で水素ガスの気泡を発生させ、その圧力によって鋼中に亀裂を生じさせる現象である。
水素誘起割れの起点となりやすい鋼中の非金属介在物として、熱間圧延によって延伸したMnS(硫化マンガン)が挙げられる。このMnSの生成を抑制し、耐HIC性を向上させるために、耐サワー鋼材を製造する過程で、溶鋼にカルシウム(Ca)を添加し、鋼中の硫黄(S)と反応させ、MnSよりも安定な硫化物であるCaS(硫化カルシウム))を生成させることが行われている。また、添加したCaは、鋼中の酸素(O)や脱酸生成物であるAl(酸化アルミニウム)と反応し、CaO-Al系非金属介在物を生成する。
溶鋼にCaを添加する際、Caが不足であると、鋼中のSと反応しきれずにMnSが生成し、一方、Caが過剰であると、高CaO濃度のCaO-Al系非金属介在物が生成し、MnS及び高CaO濃度のCaO-Al系非金属介在物は、それぞれ、耐HIC性を悪化させる。
一方、近年、マンガン(Mn)の含有量を増加させて、その他の合金成分の含有量を低下させることにより、合金材の費用を削減して低廉化を図った鋼材の開発が進められている。耐HIC性を劣化させるMnSは、鋳片の中心偏析部で、濃化したMnと濃化したSとから生成されるので、鋼材のMn含有量が増えると、鋼材のS含有量を低減させても、MnSの生成頻度は増加する。この対策として、MnSの生成抑制のためのCa添加量を増やすことが行われるが、この場合は、高CaO濃度のCaO-Al系非金属介在物が生成する過剰のCa添加となり、耐HIC性を悪化させる原因となる。
したがって、高Mn組成の鋼材の耐HIC性を向上させるためには、Caの添加量を増加させること以外の方法で、MnSの生成を抑制する必要がある。
上記の問題を解決する手段として、S(硫黄)との親和力が強く、硫化物形成能力が高い元素を、Caと併用する方法が考えられる。例えば、Caと同様に、MnSよりも安定な硫化物を生成し得る元素として、マグネシウム(Mg)が知られている。硫化物の安定性を熱力学的に比較すると、CaS>MgS>MnSの順であり、MgもMnSの生成抑制効果が期待できる。
耐サワー鋼材の成分として、CaだけでなくMgも含んでいる鋼材が、特許文献1及び特許文献2に開示されている。しかし、特許文献1、2には、Mgは、微細なMg系酸化物として存在し、この微細なMg系酸化物がTiNの析出核として機能し、溶接熱影響部(HAZ)の靱性の向上に効果があると記載されている。つまり、特許文献1、2では、Mg系酸化物の表面は析出したTiNによって覆われることになり、MgはMgSの形成には寄与できない。また、特許文献1、2は、CaとMgとの添加操作については全く言及していない。
特許文献3には、耐HIC性の向上にMgが有効な元素として成分に含まれた耐サワー鋼材が開示されている。しかしながら、特許文献3も、上記の特許文献1、2と同様に、CaとMgとの添加操作については全く言及していない。
また、溶鋼へのMg添加方法として、特許文献4には、スラグ中にMgOを2~10質量%含有させることで、非金属介在物中にMgOを供給し、非金属介在物の組成を制御する方法が開示されている。しかし、この方法では、溶鋼中へ巻き込まれたスラグの還元によって生成するMgO系非金属介在物は粗大であり、逆に、水素誘起割れの起点となる危険がある。
その他のMg添加方法として、特許文献5には、MgO含有耐火物を内張り耐火物の一部または全部に使用した精錬容器中で成分調整を行う方法が開示され、特許文献6には、Ti-Mg合金を添加する方法が開示されている、しかしながら、耐火物の補修費用や高価なTi(チタン)との合金費用を考慮すると経済的ではない。
また、Ca及びMgの添加方法として、特許文献7には、溶鋼鍋からタンディッシュを介して鋳型内に溶鋼を供給し、鋳片を鋳造する連続鋳造設備において、溶鋼鍋からタンディッシュへ注入される溶鋼流に不活性ガス及びCa-SiやMg-Siなどの添加材を吹き付ける方法が開示されている。しかしながら、この方法においても、Ca及びMgの添加順に関する記載はなく、加えてこの方法では、吹き込んだ不活性ガスが溶鋼流に巻き込まれ、鋳片品質の悪化を招く懸念があり、合金添加による非金属介在物の形態制御と気泡性欠陥の抑制との両立が難しい。
特開2017-172010号公報 特開2017-110249号公報 特開2014-208891号公報 特開2012-188696号公報 特開2004-043838号公報 特開2002-266019号公報 特開2017-087229号公報
上記従来技術には、耐サワー鋼材として、CaとMgとを含有する鋼材が提案されているが、以下の問題がある。
即ち、Caは、その酸化物及び硫化物のどちらも、Mgの酸化物及び硫化物よりも熱力学的に安定であるので、Mgよりも先にCaが溶鋼へ添加され、Caを含有する非金属介在物(酸化物、硫化物)が溶鋼中に既に形成されている場合、後から添加されたMgは、非金属介在物の形態に与える影響は小さい。
したがって、Mgを含む耐サワー鋼材として、例えば、特許文献1、2に開示されている成分に調整しても、MgとCaとの添加順序によっては、Mgを成分に含むことによる非金属介在物の形態制御の向上は期待できない。つまり、Mgを添加しても、Caとの添加順序が適正でない場合には、MnSの生成抑制のためのCa添加量を減少させることは困難である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、MgとCaとを成分に含む耐サワー鋼材において、Ca添加量を増やすことなくMnSの生成を抑制し、耐HIC性を高めることが可能な耐サワー鋼材の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]転炉から出鋼され、取鍋に収容された溶鋼に、Mg含有物質及びCa含有物質を添加して溶鋼中にMg及びCaを含有させ、その後、溶鋼を連続鋳造設備で連続鋳造する工程を有する耐サワー鋼材の製造方法であって、
前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質を同時に添加するか、または、前記Mg含有物質を添加した後に、前記Ca含有物質を添加することを特徴とする、耐サワー鋼材の製造方法。
[2]前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質の溶鋼への添加を、取鍋精錬炉での精錬終了後であって、且つ、RH真空脱ガス装置での精錬終了後から連続鋳造開始前までの期間に、実施することを特徴とする、上記[1]に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
[3]前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質の添加時の溶鋼温度は、1580~1620℃の範囲であることを特徴とする、上記[1]または上記[2]に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
[4]前記Mg含有物質を添加した後に、前記Ca含有物質を添加することとし、前記Mg含有物質の添加開始の時点から前記Ca含有物質を添加するまでの時間が、10分以内であることを特徴とする、上記[1]から上記[3]のいずれかに記載の耐サワー鋼材の製造方法。
[5]前記Mg含有物質を添加した後に、前記Ca含有物質を添加することとし、前記Mg含有物質として、Mg合金を薄鋼板で被覆した鉄被覆Mgワイヤーを使用し、且つ、前記Ca含有物質として、Ca合金を薄鋼板で被覆した鉄被覆Caワイヤーを使用することを特徴とする、上記[1]から上記[4]のいずれかに記載の耐サワー鋼材の製造方法。
[6]前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質を同時に添加することとし、前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質として、Mg合金及びCa合金を薄鋼板で被覆した鉄被覆Mg―Caワイヤーを使用することを特徴とする、上記[1]から上記[3]のいずれかに記載の耐サワー鋼材の製造方法。
[7]前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質の添加速度が、Mg純分及びCa純分で1分間あたり15~30kgであることを特徴とする、上記[5]または上記[6]に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
[8]連続鋳造設備のタンディッシュにおける前記溶鋼のMg及びCaの含有量が、Ca;0.0005~0.0030質量%、Mg;0.0005~0.0050質量%であることを特徴とする、上記[1]から上記[7]のいずれかに記載の耐サワー鋼材の製造方法。
[9]更に、タンディッシュにおける前記溶鋼の成分組成が、C;0.02~0.08質量%、Si;0.01~0.50質量%、Mn;1.00~2.50質量%、P;0.010質量%以下、S;0.0010質量%以下、Al;0.010~0.100質量%、Ti;0.005~0.020質量%、O(酸素);0.0030質量%以下を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなることを特徴とする、上記[8]に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
[10]更に、タンディッシュにおける前記溶鋼の成分組成が、Cu;0.05~0.50質量%、Ni;0.05~0.50質量%、Cr;0.05~0.50質量%、Mo;0.05~0.50質量%のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記[9]に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
[11]更に、タンディッシュにおける前記溶鋼の成分組成が、Nb;0.005~0.100質量%、V;0.005~0.100質量%のうちの1種または2種を含有することを特徴とする、上記[9]または上記[10]に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
[12]更に、タンディッシュにおける前記溶鋼の成分組成が、Mn;1.60~2.50質量%であることを特徴とする、上記[9]から上記[11]のいずれかに記載の耐サワー鋼材の製造方法。
本発明によれば、MgとCaとを成分に含む耐サワー鋼材を製造する際に、成分調整用のMg含有物質及びCa含有物質を同時に添加するか、または、Mg含有物質を添加した後に、Ca含有物質を添加するので、Caの脱硫効率を高めることができ、その結果、Ca添加量を増やすことなく、非金属介在物の脱硫作用を向上させることができ、耐HIC性に優れた耐サワー鋼材を製造することが実現される。また、本発明を適用することで、今後、鋼材の低廉化によって鋼中Mn量が増加した場合でも、MnS起因のHICの抑制、及び、高CaO濃度のCaO-Al系非金属介在物起因の表層HICの抑制を両立することができる。
以下、本発明に係る耐サワー鋼材の製造方法を説明する。本発明に係る耐サワー鋼材の製造方法は、転炉から出鋼され、取鍋に収容された溶鋼に、Mg含有物質及びCa含有物質を添加して溶鋼中にMg及びCaを含有させ、その後、溶鋼を連続鋳造設備で連続鋳造する工程を有する耐サワー鋼材の製造方法であって、前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質を同時に添加するか、または、前記Mg含有物質を添加した後に、前記Ca含有物質を添加することを必須とする。
先ず、溶鋼へCaとMgとを同時に添加するか、または、MgをCaよりも先に添加することの理由、及び、Ca及びMgの溶鋼への添加の際の条件について説明する。
溶鋼へCaを添加した後にMgを添加した場合、Caは、その酸化物及びその硫化物ともに、Mgの酸化物及び硫化物よりも安定であるので、溶鋼中S及びO(酸素)の殆どはMgを添加した時点では、既にCaと反応しており、Ca添加後に添加したMgと溶鋼中S及びO(酸素)との反応は起こりにくい。つまり、Mg添加に伴うMgSの生成による脱硫及びMgOの生成による脱酸、並びに、非金属介在物の形態制御は期待しにくい。また、鋼中に生成しているCaOを後から添加したMgによって還元することができないので、脱硫に寄与するCaの割合を増やすこともできない。
一方、CaとMgとの同時添加、または、Mgを添加した後にCaを添加するという添加順序であれば、溶鋼中には、溶存Caと同時に溶存Mgが存在する。溶鋼中に存在する溶存Mgの影響を受け、溶鋼中酸素及び溶鋼中硫黄の活量が減少し、非金属介在物の反応の平衡がCaSの生成方向に移動する。反応の平衡がCaSの生成方向に移動することから、CaSの生成が促進され、CaSの生成による脱硫作用の向上が達成される。また、この場合には、Mgと溶鋼中Sとの反応及びMgと溶鋼中O(酸素)との反応も進行する。ここで、「溶存Ca」及び「溶存Mg」とは、溶鋼中に原子状態で溶解したCa及びMgである。
Mg及びCaの取鍋内溶鋼への添加時期は、溶鋼が、転炉から取鍋に出鋼された後、取鍋精錬炉及びRH真空脱ガス装置での二次精錬を経ることによって、取鍋内溶鋼が、清浄性を高めた後から連続鋳造設備で連続鋳造されるまでの期間とすることが好ましい。これは、強脱酸剤且つ強脱硫剤の元素であるMg及びCaが、溶存酸素と反応したり、酸化物系非金属介在物を還元したりすることによって消費される量を低減し、Mg及びCaを、非金属介在物の形態制御のために精度良く添加できることによる。
尚、耐サワー鋼材の製造方法においては、一般的に、取鍋精錬炉は、溶鋼中のS含有量を0.0010質量%以下に脱硫処理するために使用されている。また、RH真空脱ガス装置は、溶鋼中の水素(H)を除去するとともに、溶鋼中のAlなどの酸化物系非金属介在物を分離・除去するために使用されている。
Mgを先に添加してCaを後に添加する場合、Mg添加開始の時点からCa添加までの時間間隔は、Mg添加開始から添加終了までの時間を含め、10分以内が好ましい。これは、非金属介在物の脱硫能を向上させるためには、Caが非金属介在物を形成する際にMgが溶鋼中に溶存するか、または、酸化物若しくは硫化物の形態で周囲に分散している必要があるためである。
Mg及びCaはどちらも蒸気圧の高い元素であり、溶鋼温度では蒸発する。したがって、珪素(Si)などと合金化して蒸発を抑制したり、更に、Mg合金及びCa合金を薄鋼板で被覆した鉄被覆ワイヤーとして添加したりしても、また更に、Mg合金及びCa合金を粉体として、溶鋼に浸漬させた吹き込み用浸漬ランスからの吹き込み(インジェクションランス)による添加方法を用いても、一部は溶鋼中へ歩留まらず、雰囲気中へ出ていく。その場合に、Mg及びCaの添加時の溶鋼温度が高すぎると、蒸発によって雰囲気中へ出ていく分が増え、歩留まりが低下する。一方、添加時の溶鋼温度が低すぎると、蒸発による溶鋼の攪拌が不十分となり、この場合も歩留まりが低下する。Mg及びCaの歩留まりを安定化させるために、Mg及びCa添加時の溶鋼温度は、1580~1620℃の範囲が好ましい。
Mg及びCaの溶鋼温度における蒸発を抑制し、Mg及びCaの歩留まりを向上させるために、前述したように、Mg及びCaを珪素(Si)などとの合金とし、更に、合金化したMg合金の粉粒体またはCa合金の粉粒体を薄鋼板で被覆し、鉄被覆Mgワイヤー及び鉄被覆Caワイヤーとして添加することが好ましい。MgとCaとを同時に添加する場合には、合金化したMg合金の粉粒体及びCa合金の粉粒体を1つの薄鋼板で被覆し、鉄被覆Mg-Caワイヤーとして添加することが好ましい。勿論、MgとCaとを同時に添加する場合であっても、鉄被覆Mgワイヤーと鉄被覆Caワイヤーとを個別に添加してもよい。
Mg及びCaの合金化の指標としては、取扱い及び溶鋼との反応性の観点から、合金成分は、Mg純分30質量%以下、及び、Ca純分30質量%以下とすることが好ましい。Mg及びCaは、蒸気圧が高く、且つ、溶鋼のみならず空気との反応性が強いので、純金属で添加されることはなく、通常、珪素、アルミニウムなどと合金化して添加される。本明細書では、珪素、アルミニウムなどと合金化されたMgを「Mg含有物質」と称し、珪素、アルミニウムなどと合金化されたCaを「Ca含有物質」と称す。尚、Caを成分として含むMg含有物質や、Mgを成分として含むCa含有物質を用いることにより、MgとCaとを同時に添加してもよい。
鉄被覆Mgワイヤー、鉄被覆Caワイヤー及び鉄被覆Mg-Caワイヤーの添加速度が速すぎると、表面の鉄被覆が溶解せず、前記ワイヤーが取鍋内壁に衝突したり、溶鋼表面から飛び出したりすることから、Mg及びCaの歩留まりが変動する。一方、添加速度が遅すぎると、前記ワイヤーが溶鋼中へ十分に入り込む前に表面の鉄被覆が溶解してMg及びCaが蒸発し、溶鋼との反応時間が短くなることから、Mg及びCaの歩留まりが低下する。これを防止するために、前記ワイヤーの添加速度はMg純分及びCa純分で1分間あたり15~30kgが好ましい。
本発明に係る耐サワー鋼材の製造方法では、Mgの添加及びCaの添加により、連続鋳造設備のタンディッシュにおける溶鋼のMg含有量及びCa含有量を、Ca;0.0005~0.0030質量%、Mg;0.0005~0.0050質量%に制御することが好ましい。尚、タンディッシュ内における溶鋼成分は、タンディッシュや鋳型で溶鋼に合金成分を添加しない限り、連続鋳造された鋳片の成分と実質的に同一である。
Caは、硫化物の形態制御に作用し、MnSの生成を抑制する。そのためには、Caの含有量は、0.0005質量%以上であることが好ましい。一方、Caは強脱酸元素でもあるので、Ca含有量が増加すると、高CaO濃度のCaO-Al系非金属介在物が生成され、耐HIC性を劣化する。これを防止するために、Ca含有量の上限を0.0030質量%とすることが好ましい。
Mgは、脱酸作用及び脱硫作用を有する元素であり、相互作用によりCaSの生成効率を上げ、非金属介在物の脱硫作用を向上させる効果がある。この効果を安定して発揮させるには、Mgの含有量が0.0005質量%以上であることが好ましい。Mg含有量が増加すると、Mgの効果が飽和するので、Mg含有量の上限は0.0050質量%とすることが好ましい。
また、本発明に係る耐サワー鋼材の製造方法では、タンディッシュにおける溶鋼の成分組成は、Ca及びMgを上記範囲で含有したうえで、C(炭素);0.02~0.08質量%、Si(珪素);0.01~0.50質量%、Mn(マンガン);1.00~2.50質量%、P(燐);0.010質量%以下、S(硫黄);0.0010質量%以下、Al(アルミニウム);0.010~0.100質量%、Ti(チタン);0.005~0.020質量%、O(酸素);0.0030質量%以下を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなることが好ましい。
以下、各成分の限定理由について説明する。
C;0.02~0.08質量%
Cは、鋼材の強度を確保するために必要な元素であり、そのためには、0.02質量%以上含有させることが好ましい。しかし、C含有量の増加は、鋳片の中心偏析におけるMnの偏析を強めて耐HIC特性を著しく劣化させるので、C含有量の上限は0.08質量%とすることが好ましい。より望ましいC含有量は、0.03~0.06質量%である。
Si;0.01~0.50質量%
Siは、脱酸剤として作用し、更に、固溶強化により鋼材の強度を増加させる。そのためには、Si含有量は0.01質量%以上とすることが好ましい。一方、Si含有量の増加は鋼材の靱性を低下させるので、これを防止するために、Si含有量の上限を0.50質量%とすることが好ましい。
Mn;1.00~2.50質量%
Mnは、鋼材の強度及び靱性を向上させる。この効果を確保するために、Mn含有量は1.00質量%以上とすることが好ましい。一方、Mnの過剰な添加は、溶接性及び耐HIC性を劣化させる。これを防止するために、Mn含有量の上限を2.50質量%とすることが好ましい。尚、高マンガン化によって他の合金成分を削減し、耐サワー鋼材の低廉化を図る場合には、Mn含有量を1.60質量%以上とすることが望ましい。
P;0.010質量%以下
Pは、溶接性及び耐HIC性を劣化させる不可避的不純物である。したがって、その上限を0.010質量%に規定することが好ましい。
S;0.0010質量%以下
Sは、耐HIC性に有害なMnSを形成する元素であり、したがって、S含有量は0.0010質量%以下に制限することが好ましい。
Al;0.010~0.100質量%
Alは、強脱酸元素であり、溶鋼を安定して脱酸するためには、Al含有量を0.010質量%以上とすることが好ましい。一方、Al含有量が増加すると、粗大なAlがクラスター状に生成し、耐HIC性を劣化させるので、Al含有量の上限は0.100質量%とすることが好ましい。
Ti;0.005~0.020質量%
Tiは、鋼中のAlとともに微細な酸化物を形成する元素であり、そのためには、Ti含有量は0.005質量%以上とすることが好ましい。一方、Ti含有量が増加すると、Tiの固溶やTiCの析出によって鋼材の靱性が劣化するので、これを防止するために、Ti含有量の上限を0.020質量%とすることが好ましい。
O(酸素);0.0030質量%以下
Oは、鋼材中に酸化物系非金属介在物を形成し、鋼材の清浄性を低下させ、且つ、耐HIC性を劣化させる。したがって、O含有量は0.0030質量%以下に規定することが好ましい。
以上が、本発明に係る耐サワー鋼材の製造方法で対象とする耐サワー鋼材用の溶鋼の基本成分であるが、耐サワー鋼材の機械的性質を向上させる目的で、上記に加えて、Cu、Ni、Cr、Mo、Nb、Vの1種または2種以上を、それぞれ以下の含有量の範囲で含有させることができる。
Cu;0.05~0.50質量%
Cuは、鋼材の靱性改善及び強度上昇に有効な元素であり、添加する場合は、その効果を発揮させるために、Cu含有量を0.05質量%以上とすることが好ましい。一方、Cu含有量が多くなると、鋼材の溶接性が劣化するので、Cu含有量の上限は0.50質量%とすることが好ましい。
Ni;0.05~0.50質量%
Niは、鋼材の靱性改善及び強度上昇に有効な元素であり、添加する場合は、その効果を発揮させるために、Ni含有量を0.05質量%以上とすることが好ましい。Niは高価であり、多く添加しても材質に弊害はないが、コスト的に不利となるので、Ni含有量の上限は0.50質量%とすることが好ましい。
Cr;0.05~0.50質量%
Crは、鋼材の靱性改善及び強度上昇に有効な元素であり、添加する場合は、その効果を発揮させるために、Cr含有量を0.05質量%以上とすることが好ましい。一方、Cr含有量が多くなると、鋼材の溶接性が劣化するので、Cr含有量の上限は0.50質量%とすることが好ましい。
Mo;0.05~0.50質量%
Moは、鋼材の靱性改善及び強度上昇に有効な元素であり、添加する場合は、その効果を発揮させるために、Mo含有量を0.05質量%以上とすることが好ましい。一方、Mo含有量が多くなると、鋼材の溶接性が劣化するので、Mo含有量の上限は0.50質量%とすることが好ましい。
Nb;0.005~0.100質量%
Nbは、鋼材の靱性改善及び強度上昇のために添加する選択元素であり、添加する場合は、その効果を発揮させるために、Nb含有量を0.005質量%以上とすることが好ましい。一方、Nb含有量が多くなると、鋼材溶接部の靱性が劣化するので、Nb含有量の上限は0.100質量%とすることが好ましい。
V;0.005~0.100質量%
Vは、Nbと同様に、鋼材の靱性改善及び強度上昇のために添加する選択元素であり、添加する場合は、その効果を発揮させるために、V含有量を0.005質量%以上とすることが好ましい。一方、V含有量が多くなると、鋼材溶接部の靱性が劣化するので、V含有量の上限は0.100質量%とすることが好ましい。
尚、上記の本発明に係る製造方法でMg含有物質及びCa含有物質を添加してMg及びCaを含有させた溶鋼は、一般に、連続鋳造設備で連続鋳造して鋳片とし、連続鋳造以降の工程は、例えば、熱間での制御圧延、及び、引き続き行われる制御冷却を経て鋼材とするなど、通常の製造方法を採ればよい。
以上説明したように、本発明によれば、MgとCaとを成分に含む耐サワー鋼材を製造する際に、成分調整用のMg含有物質及びCa含有物質を同時に添加するか、または、Mg含有物質を添加した後に、Ca含有物質を添加するので、Caの脱硫効率を高めることができ、その結果、Ca添加量を増やすことなく、非金属介在物の脱硫作用を向上させることができ、耐HIC性に優れた耐サワー鋼材を製造することが実現される。
転炉で溶銑を脱炭精錬して溶鋼を溶製し、溶製した溶鋼を取鍋に出鋼し、出鋼後、取鍋精錬炉で取鍋に収容された溶鋼を脱硫処理し、その後、RH真空脱ガス装置で真空脱ガス精錬を実施し、その後、RH真空脱ガス装置での精錬終了後から連続鋳造設備での連続鋳造開始前までの期間に、Mg含有物質及び/またはCa含有物質を取鍋内溶鋼に添加し、耐サワー鋼材を製造する試験を行った。
いずれの試験も、転炉出鋼後に金属Alを取鍋内に添加して溶鋼を脱酸した。その後の取鍋精錬炉での脱硫処理工程では、CaO-Al-SiO系フラックスを脱硫剤として使用し、黒煙電極からのアーク熱により、溶鋼を昇温し且つ前記脱硫剤を滓化させ、溶鋼に浸漬させた浸漬ランスから、攪拌用ガスとして100~150Nm/hのアルゴンガスを吹き込み、溶鋼と脱硫剤とを攪拌して混合し、脱硫処理を行った。
この脱硫処理後に、RH真空脱ガス装置を用いて、真空脱ガス精錬、具体的には、脱ガス処理、溶鋼成分の調整、攪拌による非金属介在物の浮上・分離を行った。真空脱ガス精錬の処理時間は20分とし、いずれの試験も同一条件とした。
取鍋内溶鋼へのCa及びMgの添加方法は、各試験で異なるので、以下に、各試験における製造方法を説明する。表1に、各試験におけるCa及びMgの添加方法、添加時の溶鋼温度、Ca及びMgの添加速度、CaとMgとの添加間隔を示す。尚、表1の備考欄には、本発明に係る耐サワー鋼材の製造方法を適用した試験を「本発明例」と表示し、それ以外の試験を「比較例」と表示している。
Figure 0007031634000001
CaとMgとを同時に添加した試験No.1~7(本発明例)では、RH真空脱ガス装置での真空脱ガス精錬の終了後、溶鋼を収容した取鍋をRH真空脱ガス装置から払い出し、その後、取鍋内の溶鋼に対して、ワイヤーフィーダー装置を用い、Ca-Si合金(Ca;30質量%、Si;70質量%)の粉粒体を内部に充填した鉄被覆Caワイヤー(鉄皮厚み;0.04cm)と、Mg-Si合金(Mg;30質量%、Si;70質量%)の粉粒体を内部に充填した鉄被覆Mgワイヤー(鉄皮厚み;0.04cm)との2本の鉄被覆ワイヤーを、添加開始時間を合わせ、1分間あたり60~90kgの添加速度で、溶鋼の酸素濃度及び硫黄濃度に応じて、1チャージあたりそれぞれ30~150kg添加した。その後、連続鋳造設備で連続鋳造してスラブ鋳片とし、このスラブ鋳片を熱間圧延して鋼板とし、熱間圧延した鋼板の加速冷却を行って、最終板厚20mmの鋼板を製造した。
Mgを添加した後にCaを添加した試験No.8~13(本発明例)では、RH真空脱ガス装置での真空脱ガス精錬の終了後、溶鋼を収容した取鍋をRH真空脱ガス装置から払い出し、その後、取鍋内の溶鋼に対して、ワイヤーフィーダー装置を用い、上記鉄被覆Mgワイヤーを添加し、その後、上記鉄被覆Caワイヤーを添加した。鉄被覆Mgワイヤー及び鉄被覆Caワイヤーは、いずれも、1分間あたり60~90kgの添加速度で、溶鋼の酸素濃度及び硫黄濃度に応じて、1チャージあたりそれぞれ30~150kg添加した。その後、連続鋳造設備で連続鋳造してスラブ鋳片とし、このスラブ鋳片を熱間圧延して鋼板とし、熱間圧延した鋼板の加速冷却を行って、最終板厚20mmの鋼板を製造した。
Caを添加した後にMgを添加した試験No.14~19(比較例)では、RH真空脱ガス装置での真空脱ガス精錬の終了後、溶鋼を収容した取鍋をRH真空脱ガス装置から払い出し、その後、取鍋内の溶鋼に対して、ワイヤーフィーダー装置を用い、上記鉄被覆Caワイヤーを添加し、その後、上記鉄被覆Mgワイヤーを添加した。鉄被覆Mgワイヤー及び鉄被覆Caワイヤーは、いずれも、1分間あたり60~90kgの添加速度で、溶鋼の酸素濃度及び硫黄濃度に応じて、1チャージあたりそれぞれ30~150kg添加した。その後、連続鋳造設備で連続鋳造してスラブ鋳片とし、このスラブ鋳片を熱間圧延して鋼板とし、熱間圧延した鋼板の加速冷却を行って、最終板厚20mmの鋼板を製造した。
Caのみを添加した試験No.20~22(比較例)では、RH真空脱ガス装置での真空脱ガス精錬の終了後、溶鋼を収容した取鍋をRH真空脱ガス装置から払い出し、その後、取鍋内の溶鋼に対してワイヤーフィーダー装置を用い、上記鉄被覆Caワイヤーを、1分間あたり80kgの添加速度で、溶鋼の酸素濃度及び硫黄濃度に応じて、1チャージあたり30~150kg添加した。その後、連続鋳造設備で連続鋳造してスラブ鋳片とし、このスラブ鋳片を熱間圧延して鋼板とし、熱間圧延した鋼板の加速冷却を行って、最終板厚20mmの鋼板を製造した。
非金属介在物の脱硫作用を、以下の方法で評価した。
各試験で製造した鋼板の断面から板厚全面の試料を採取し、採取した試料を鏡面研磨した。試料の鏡面研磨面を、粒子解析機能を有する走査型電子顕微鏡で観察し、粒径が0.4μm以上の非金属介在物を検出し、検出された非金属介在物をEDS(エネルギー分散型X線分析装置)によって組成の定量分析を行った。観察した鋼板中では、Ca系硫化物は最も安定なCaSの形態で検出されるため、定量分析の結果に基づき、非金属介在物中のCaO質量及びCaS質量を測定し、各試験での非金属介在物中へのS固定能を比較するために、下記の(1)によって、Ca系非金属介在物のうち、CaSとなったCaの比率であるCaS生成比を算出した。このCaS生成比が大きいほど、非金属介在物の脱硫作用が高いことを意味する。
CaS生成比=[非金属介在物粒子のCaO質量/(CaO質量+CaS質量)]の平均値…(1)
表2に、各試験の鋼材におけるCaS生成比の調査結果を示す。表2には、タンディッシュ内の溶鋼から採取した分析試料の化学成分の分析結果を併せて示している。
Figure 0007031634000002
また、鋼材の耐HIC性は、以下の方法で評価した。
各試験で製造した鋼板の断面から板厚全面の試料を採取し、この試料に対して、NACE(National Association of Corrosion Engineers)規格のTM0284に準じた方法で、浸漬時間96時間のHIC試験を行い、HIC試験で試料に割れが認められない場合を、耐HIC性良好とした。
表2に、耐HICの評価結果を併せて示す。尚、表2の耐HIC性の欄は、試料に割れが認められない場合(耐HIC性良好)を「○」、試料に割れが認められた場合(耐HIC性不良)を「×」として、表示している。
表1及び表2から、本発明に係る耐サワー鋼材の製造方法を適用することで、CaとMgとを同時に添加した場合でも、また、Mgを添加した後にCaを添加する場合でも、本発明外の添加手法である比較例に比べて、CaSが生成されやすく、脱硫作用が高いことが確認できた。
また、耐HIC性は、本発明であれば、MnS起因のHICだけでなく、高CaO濃度のCaO-Al系非金属介在物による表層HICも防止することができ、Mg含有量が同等の成分である比較例(試験No.14~19)の試料と比べて良好であった。
即ち、MgとCaとを成分に含む耐サワー鋼材において、CaとMgとの添加手順を定めることは、脱硫作用に重要な影響があり、本発明に係る耐サワー鋼材の製造方法で溶鋼を溶製することで、耐サワー鋼材の非金属介在物の脱硫作用を向上させ、耐HIC性を高めることが可能であることが確認できた。

Claims (10)

  1. 転炉から出鋼され、取鍋に収容された溶鋼に、Mg含有物質及びCa含有物質を添加して溶鋼中にMg及びCaを含有させ、その後、溶鋼を連続鋳造設備で連続鋳造する工程を有する耐サワー鋼材の製造方法であって、
    前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質を同時に添加するか、または、前記Mg含有物質を添加した後に、前記Ca含有物質を添加し、
    連続鋳造設備のタンディッシュにおける前記溶鋼のMg及びCaの含有量が、Ca;0.0005~0.0030質量%、Mg;0.0005~0.0050質量%であり、
    更に、前記タンディッシュにおける前記溶鋼の成分組成が、C;0.02~0.08質量%、Si;0.01~0.50質量%、Mn;1.00~2.50質量%、P;0.010質量%以下、S;0.0010質量%以下、Al;0.010~0.100質量%、Ti;0.005~0.020質量%、O(酸素);0.0030質量%以下を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなることを特徴とする、耐サワー鋼材の製造方法。
  2. 更に、タンディッシュにおける前記溶鋼の成分組成が、Cu;0.05~0.50質量%、Ni;0.05~0.50質量%、Cr;0.05~0.50質量%、Mo;0.05~0.50質量%のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
  3. 更に、タンディッシュにおける前記溶鋼の成分組成が、Nb;0.005~0.100質量%、V;0.005~0.100質量%のうちの1種または2種を含有することを特徴とする、請求項または請求項に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
  4. 更に、タンディッシュにおける前記溶鋼の成分組成が、Mn;1.60~2.50質量%であることを特徴とする、請求項から請求項のいずれか1項に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
  5. 前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質の溶鋼への添加を、取鍋精錬炉での精錬終了後であって、且つ、RH真空脱ガス装置での精錬終了後から連続鋳造開始前までの期間に、実施することを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
  6. 前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質の添加時の溶鋼温度は、1580~1620℃の範囲であることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
  7. 前記Mg含有物質を添加した後に、前記Ca含有物質を添加することとし、前記Mg含有物質の添加開始の時点から前記Ca含有物質を添加するまでの時間が、10分以内であることを特徴とする、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
  8. 前記Mg含有物質を添加した後に、前記Ca含有物質を添加することとし、前記Mg含有物質として、Mg合金を薄鋼板で被覆した鉄被覆Mgワイヤーを使用し、且つ、前記Ca含有物質として、Ca合金を薄鋼板で被覆した鉄被覆Caワイヤーを使用することを特徴とする、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
  9. 前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質を同時に添加することとし、前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質として、Mg合金及びCa合金を薄鋼板で被覆した鉄被覆Mg―Caワイヤーを使用することを特徴とする、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
  10. 前記Mg含有物質及び前記Ca含有物質の添加速度が、Mg純分及びCa純分で1分間あたり15~30kgであることを特徴とする、請求項または請求項に記載の耐サワー鋼材の製造方法。
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