JP6786964B2 - 硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法 - Google Patents

硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6786964B2
JP6786964B2 JP2016169670A JP2016169670A JP6786964B2 JP 6786964 B2 JP6786964 B2 JP 6786964B2 JP 2016169670 A JP2016169670 A JP 2016169670A JP 2016169670 A JP2016169670 A JP 2016169670A JP 6786964 B2 JP6786964 B2 JP 6786964B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sulfur
less
added
steel
continuous casting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016169670A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018034189A (ja
Inventor
一 長谷川
一 長谷川
進 工藤
進 工藤
祐哉 木村
祐哉 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2016169670A priority Critical patent/JP6786964B2/ja
Publication of JP2018034189A publication Critical patent/JP2018034189A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6786964B2 publication Critical patent/JP6786964B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、硫黄添加鋼の連続鋳造時、連続鋳造ノズルの閉塞を防止する方法に関する。
転炉や真空処理容器で精錬した溶鋼は、多量の酸素を含んでおり、この多量の酸素を、酸素との親和力が強い強脱酸元素のAlを0.015〜0.100質量%程度溶鋼に添加して脱酸するのが、一般的な手法である。
しかし、Al脱酸によりAl23系介在物が生成し、これが凝集合して、粗大なアルミナクラスターが生成する。このアルミナクラスターは、溶鋼を、タンディシュからモールドへ注入するために使用するタンディッシュノズル及び浸漬ノズルの内壁に付着し、ノズル閉塞を発生させる。
このような、Al脱酸に起因する問題に対し、Al脱酸後の溶鋼にCaを添加して、低融点のCaO−Al23複合介在物を生成する方法が提案されている。例えば、特許文献1には、ノズル閉塞防止方法として、溶鋼にCaを添加し、溶鋼のCa濃度/Al濃度を全O濃度に応じて適正範囲に調整する方法が開示されている。しかし、金属Caは沸点が低いので、溶鋼への添加が困難なうえ、歩留が安定しないという問題がある。
ところで、硫黄(S)は、鋼材の切削加工性を高める元素であるので、特に複雑な形状に機械加工される機械構造用鋼の溶鋼に、製鋼工程で所要量添加する場合が多い。しかし、0.012〜0.100質量%のSを含む鋼種の溶鋼にCaを添加すると、CaとSが反応して、有害な介在物であるCaSが生成し、却って、ノズル閉塞が促進されて、鋼品質が悪化するという問題がある。
この問題に対し、特許文献2には、溶鋼のCa濃度、S濃度、及び、O濃度を所定の範囲に制御する方法が開示されている。しかし、上記所定の範囲は極めて狭い範囲であるうえ、Caの歩留は安定しないので、Ca濃度、S濃度、及び、O濃度を、上記狭い範囲に制御することは難しい。
特許文献3には、溶鋼過熱度の下限を設定し、溶鋼過熱度が該下限以上となるように、タンディッシュ内の溶鋼を加熱して連続鋳造する方法が開示されている。この方法では、必然的に溶鋼温度を高くする必要があるため、連続鋳造での鋳造速度を上げることができなくなり、生産性が著しく低下するという問題がある。
特開平03−165952号公報 特開2002−035894号公報 特開平07−328753号公報
本発明は、硫黄添加鋼の連続鋳造技術の現状に鑑み、硫黄添加鋼の連続鋳造において、溶鋼にCaを添加することなく、また、溶鋼温度を高くすることなく、連続鋳造ノズルの閉塞を確実に防止することを課題とし、該課題を解決する連続鋳造ノズルの閉塞防止方法を提示することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決する手法について鋭意検討した。その結果、硫黄添加源からの侵入酸素量を一定値以下に制御すれば、連続鋳造時のノズル閉塞を確実に防止できることを見いだした。この点については後述する。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
(1)硫黄添加源を添加し、Sを0.012〜0.100質量%に調整した硫黄添加鋼の連続鋳造において、硫黄添加源からの酸素侵入総量を40ppm以下に抑制することを特徴とする硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法。
(2)前記硫黄添加源として、酸素濃度:3質量%超、20質量%以下の高酸素濃度硫黄添加源と、酸素濃度:3質量%以下の低酸素濃度硫黄添加源を併用することを特徴とする前記(1)に記載の硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法。
(3)前記高酸素濃度硫黄添加源が硫化鉱石であることを特徴とする前記(2)に記載の硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法。
(4)前記硫黄添加鋼のS量を調整する際、溶鋼に、高酸素濃度硫黄添加源を先に添加し、その後、低酸素濃度硫黄添加源を添加することを特徴とする前記(2)又は(3)に記載の硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法。
(5)前記硫黄添加鋼が、質量%で、Al:0.015〜0.100%を含有することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法。
(6)前記硫黄添加鋼が、質量%で、C:0.07〜1.20%、Si:1.00%以下、Mn:2.50%以下、P:0.10%以下、N:0.02%以下を含有し、残部が鉄及び不可避不純物からなることを特徴とする前記(5)に記載の硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法。
(7)前記硫黄添加鋼が、さらに、質量%で、Cu:2.00%以下、及び、Ni:2.00%以下の1種又は2種を含有することを特徴とする前記(5)又は(6)に記載の硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法。
(8)前記硫黄添加鋼が、さらに、質量%で、Cr:2.00%以下、及び、Mo:2.00%以下の1種又は2種を含有することを特徴とする前記(5)〜(7)のいずれかに記載の硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法。
(9)前記硫黄添加鋼が、さらに、質量%で、Nb:0.25%以下、及び、V:0.25%以下の1種又は2種を含有することを特徴とする前記(5)〜(8)のいずれかに記載の硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法。
(10)前記硫黄添加鋼が、さらに、質量%で、Ti:0.30%以下、及び、B:0.005%以下の1種又は2種を含有することを特徴とする前記(5)〜(9)のいずれかに記載の硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法。
(11)前記硫黄添加鋼のS量を調整する際、硫黄添加源を、RH脱ガス処理工程にて、硫黄以外の成分の組成調整が終了した後、又は、二次精錬処理が終了した後の溶鋼に添加することを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法。
(12)前記硫黄添加源を、ワイヤー又はプランジャーの形態で添加することを特徴とする前記(11)に記載の硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法。
本発明によれば、硫黄添加鋼の連続鋳造において、溶鋼にCaを添加することなく、また、溶鋼温度を高くすることなく、ノズル閉塞を確実に防止することができる。
硫黄添加源からの酸素侵入総量とノズル閉塞指標の関係を示す図である。
本発明の硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法(以下「本発明防止方法」ということがある。)は、硫黄添加源を添加し、Sを0.012〜0.100質量%に調整した硫黄添加鋼の連続鋳造において、硫黄添加源からの酸素侵入総量を40ppm以下に抑制することを特徴とする。
また、前記硫黄添加鋼が、質量%で、Al:0.015〜0.100%を含有することを特徴とする。
以下、着想から本発明に至るまでの経過と、本発明防止方法について説明する。
本発明者らは、Al脱酸硫黄添加鋼を連続鋳造する際、溶鋼にCaを添加することなく、また、溶鋼温度を高くすることなく、連続鋳造ノズルの閉塞を防止する手法について、種々の連続鋳造試験を行って検討した。
その結果、Caを添加しないAl脱酸鋼で、かつ、Sを0.012〜0.100%含む硫黄添加鋼においては、硫黄を添加しない鋼に比べ、連続鋳造ノズルの閉塞発生頻度が高位であることが判明した。
本発明者らは、さらに、連続鋳造ノズルの閉塞の原因となった付着物の実態を調査した。その結果、付着物からCaSは検出されず、付着物の主体はAl23介在物であることが判明した。
即ち、硫黄添加鋼の連続鋳造におけるノズル閉塞は、従来、Ca添加鋼で問題となっていたCaSが原因でなく、硫黄添加により、多量に生成したAl23介在物が原因であることが判明した。
次に、本発明者らは、硫黄添加源として、通常使用する硫化鉱石に替えて、硫黄試薬、FeS等を使用して、連続鋳造試験を行った。その結果、硫黄試薬、FeS等、純度の高い物質を硫黄添加源として使用した場合、連続鋳造ノズルの閉塞発生頻度が、従来に比べ、低下することが判明した。
以上の結果から、連続鋳造ノズルの閉塞は、溶鋼の硫黄濃度が高いことが原因でなく、硫黄添加源の硫化鉱石に原因があると思考し、本発明者らは、硫化鉱石の実態について、例えば、硫化鉱石の成分組成、結晶相等について、化学分析法、粉末X線回折法、顕微鏡観察法で調査した。
その結果、硫化鉱石の主成分は黄鉄鉱であるが、それ以外に、ドロマイト、石英等の炭酸塩や酸化物が含まれていることが解った。これら不純物(ドロマイト、石英等の炭酸塩や酸化物、以下、単に「不純物」ということがある。)は、酸素濃度に換算すると、3〜20質量%程度であることが解った。
本発明者らは、さらに、小規模ラボ実験で、溶鋼に硫化鉱石を添加し、溶鋼の成分組成の変動を調査した。その結果、酸素濃度、Ca濃度、及び/又は、Mg濃度が上昇する場合があり、その上昇量は、溶鋼の不純物濃度とほぼ相関していることが判明した。即ち、小規模ラボ実験の結果、硫化鉱石中の不純物が溶鋼に溶け込んだことを確認した。
以上の知見を踏まえると、硫黄添加鋼の連続鋳造において、ノズル閉塞の発生頻度が高位である原因は、以下のように推定することができる。
即ち、硫黄添加源として用いる硫化鉱石の不純物量が多くて、硫化鉱石の酸素濃度が高い場合、溶鋼の酸素濃度が上昇し、それに伴い、Al23介在物が生成し、連続鋳造時、連続鋳造ノズルに付着して堆積する。
そこで、本発明者らは、硫黄添加源からの酸素侵入総量を所定値以下に低減すれば、Al23介在物の生成が抑制されて、連続鋳造ノズルの閉塞を確実に防止できると着想し、本発明に至った。
なお、硫黄添加源からの酸素侵入総量は、硫黄添加原料の添加量に、該原料中の酸素濃度を乗じ、溶鋼量で除すことにより算出することができる。
図1に、硫黄添加源からの酸素侵入総量とノズル閉塞指標の関係を示す。ノズル閉塞指標は、連続鋳造ノズルの開度を指標化したもので、以下のように定義した指標である。
連続鋳造ノズルの実際の開度と、溶鋼のスループットと溶鋼ヘッドから算出される本来開度との比を指標化したものであり、大きいほど、ノズル閉塞が頻発することを意味し、目標は1以下である。
図1に示す結果から、硫黄添加源からの酸素侵入総量が低いほどノズル閉塞は生じ難く、40ppm以下であれば、目標の1以下を達成できることが解る。この結果を踏まえ、本発明防止方法においては、溶鋼に、酸素侵入総量が40ppm以下になるように、硫黄添加源を添加する。
なお、硫黄添加源の酸素濃度は、例えば、不活性ガス溶融−非分散型赤外線吸収法により測定することができる。
次に、硫黄添加源からの酸素侵入総量を低減する方法を説明する。当然、硫黄添加源の酸素濃度自体を低くできれば好ましいが、その分、原料コストが大きく上昇するという問題が生じる。
そこで、酸素濃度がある程度高い原料と、低い原料を組み合わせる方法を考えた。即ち、酸素濃度が高い硫黄添加源をできるだけ多く添加し、所定のS濃度に到達しない場合に、酸素濃度の低い硫黄添加源を添加する方法である。この方法により、ノズル閉塞を抑制したうえで、硫黄添加源のコストを最小限に抑制することが可能となる。
酸素濃度が5質量%以上の硫黄添加源は、比較的安価に入手することができる。代表的なものとして、硫化鉱石がある。硫化鉱石は、通常、3質量%を超え、20質量%以下程度の酸素を含有するが、特に、酸素濃度5質量%以上のものは、比較的容易に入手が可能である。
一方、酸素濃度の低い硫黄添加源としては、FeSや純硫黄等が考えられる。これらの硫黄添加源は、工業的に高純度に精製されていて、コストは高いが、酸素濃度は3質量%以下と極めて低い。
即ち、比較的入手することが容易な、酸素濃度が3質量%超、20質量%以下、好ましくは5質量%以上、20質量%以下の高酸素濃度硫黄添加源と、酸素濃度が3質量%以下の低酸素濃度硫黄添加源を組み合わせて使用することで、ノズル閉塞抑制と硫黄添加源のコスト低減の両立が可能となる。
次に、硫黄添加源を溶鋼に添加する時期について説明する。溶鋼を連続鋳造する直前に、硫黄添加源を溶鋼に添加すると、硫黄添加源中の酸素、即ち、硫化鉱石の不純物中の酸素により生成したAl23介在物の浮上分離が進み難く、連続鋳造時、ノズル閉塞が生じ易い。このように、溶鋼の酸素濃度は、ノズル閉塞に対し大きく影響するので、硫黄添加源の添加には注意を要する。
ここで、硫黄添加源の具体的な添加方法について説明する。
転炉や電気炉などで一次精錬した溶鋼の成分組成を調整する。必要であれば、RH式脱ガス精錬装置、取鍋加熱式精錬装置、簡易式溶鋼処理設備等で、二次精錬を行う。一次精錬後、又は、二次精錬途中で、Alによる脱酸を行う。一次精錬後に脱酸を行う場合は、取鍋出鋼時に、Al源を添加すればよい。二次精錬中に脱酸を行う場合、Al源を添加する位置の取鍋スラグを除いておくと、Alの歩留りが安定する。
なお、Alは、なるべく早い段階で溶鋼に添加し、その後、溶鋼を撹拌し、Al23介在物を浮上分離するのが好ましい。
以上のように、Al脱酸を実施した後、二次精錬末期又は二次精錬後に、硫黄添加源を添加する。二次精錬中に、硫黄添加源を添加してもよいし、また、二次精錬後に、ワイヤー等を用いて、硫黄添加源を添加することも可能である。
なお、二次精錬前や二次精錬前半に、硫黄添加源を添加した場合、取鍋スラグと反応して脱硫が進行し、硫黄濃度を所要の範囲に制御できない恐れがある。このため、二次精錬末期又は二次精錬後に、硫黄添加源を溶鋼に添加することになるが、この場合、硫黄添加源中の酸素から生成したAl23介在物の浮上分離が進み難く、連続鋳造時、ノズル閉塞が発生し易くなる。
そこで、高酸素濃度硫黄添加源と低酸素濃度硫黄添加源を組み合わせる場合には、高酸素濃度硫黄添加源を先に添加し、生成したAl23介在物の浮上分離を少しでも進めることが好ましい。その後、低酸素濃度硫黄添加源を添加するが、Al23介在物が生成しないので問題は生じない。
このように調製した溶鋼を、常法に従って連続鋳造して鋳片とする。連続鋳造時、溶鋼に、できるだけ酸素源が混入しないようにする。溶鋼に酸素源が混入すると、ノズル閉塞の原因となるAl23介在物が生成するので、Al23介在物の生成を防止するためである。
なお、連続鋳造時に使用する連続鋳造ノズルは、安価なアルミナグラファイト材質のものでもよいが、CaOを含有する難付着性のものを使用することも可能である。
本発明防止方法において、硫黄添加源を添加して連続鋳造する硫黄添加鋼は、S:0.012〜0.100質量%を含み、好ましくは、Al:0.015〜0.100質量%を含む鋼である。
以下、本発明防止方法で連続鋳造する硫黄添加鋼(以下「本発明添加鋼」ということがある。)の成分組成の限定理由について説明する。以下、%は質量%である。
S:0.012〜0.100%
Sは、鋼の切削加工性の確保に必要な元素であり、また、連続鋳造時のノズル閉塞の発生に影響を及ぼす元素である。Sが0.012%未満であると、硫黄添加源の添加量は少なくてすみ、ノズル閉塞は発生しないが、所要の切削加工性を確保できないので、Sは0.012%以上とする。好ましくは0.015%以上である。
一方、Sが0.100%を超えると、取鍋スラグ中のCaと溶鋼中のSが反応してCaSが生成し、連続鋳造時、ノズル閉塞が発生するので、Sは0.100%以下とする。好ましくは0.075%以下である。
Al:0.015〜0.100%
Alは、溶鋼中のOと反応してAl23を生成し、溶鋼を脱酸する元素である。Alが0.015%未満であると、脱酸効果が十分に発現しないので、Alは0.015%以上とする。好ましくは0.025%以上である。
一方、Alが0.100%を超えると、Al23介在物が大量に生成し、連続鋳造時、ノズル閉塞が頻発するので、Alは0.100%以下とする。好ましくは0.070%以下である。
本発明添加鋼は、基本的には、S:0.012〜0.100%含有し、さらに、好ましくは、Al:0.015〜0.100%を含有していればよく、他の元素の組成は特に限定されないが、硫黄添加による切削加工性の向上効果をより有効に発現させたい場合は、C:0.07〜1.20%、Si:1.00%以下、Mn:2.50%以下、P:0.10%以下、N:0.02%以下に制御することが好ましい。以下、説明する。
C:0.07〜1.20%、
Cは、鋼の強度や溶接部の焼入れ性の確保に必要な元素である。Cが0.07%未満であると、機械構造用鋼に必要な強度を確保することが難しくなるので、Cは0.07%以上が好ましい。より好ましくは0.10%以上である。一方、Cが1.20%を超えると、靭性が低下するので、Cは1.20%以下が好ましい。より好ましくは1.00%以下である。
Si:1.00%以下
Siは、固溶強化で、鋼の強度の向上に寄与する元素である。Siが1.00%を超えると、靱性が低下するので、Siは1.00%以下が好ましい。より好ましくは0.70%以下である。下限は特に限定しないが、Siの添加効果を十分に得るには、0.01%以上が好ましい。より好ましくは0.10%以上である。
Mn:2.50%以下
Mnは、鋼の焼入れ性を高め、強度の向上に寄与する元素である。Mnが2.50%を超えると、鋼の溶接性が低下するので、Mnは2.50%以下が好ましい。より好ましくは2.00%以下である。下限は特に限定しないが、Mnの添加効果を十分に得るには、0.30%以上が好ましい。より好ましくは0.50%以上である。
P:0.10%以下
Pは、偏析して、靭性を阻害する元素である。Pが0.10%を超えると、靭性が著しく低下するので、Pは0.10%以下が好ましい。より好ましくは0.05%以下である。下限は特に限定しないが、Pを0.001%未満に低減すると、製造コストが大幅に上昇するので、実用鋼上、0.001%が実質的な下限である。製造コストの点で、0.010%以上がより好ましい。
N:0.02%以下
Nは、固溶強化で、鋼の強度の向上に寄与する元素である。Nが0.02%を超えると、固溶N量が増大して、強度が上昇し、靱性が低下するので、Nは0.02%以下が好ましい。より好ましくは0.015%以下である。下限は特に限定しないが、Nを0.001%未満に低減すると、製造コストが大幅に上昇するので、実用鋼上、0.001%が実質的な下限である。製造コストの点で、0.002%以上がより好ましい。
本発明添加鋼は、さらに、特性向上のため、(a)Cu:2.00以下、及び、Ni:2.00%以下の1種又は2種、(b)Cr:2.00%以下、及び、Mo:2.00%以下の1種又は2種、(c)Nb:0.25%以下、及び、V:0.25%以下の1種又は2種、及び、(d)Ti:0.30%以下、及び、B:0.005%以下の1種又は2種の元素群の一つ又は2つ以上を含有してもよい。
(a)群元素
Cu:2.00%以下
Ni:2.00%以下
CuとNiは、いずれも、鋼の強度の向上に寄与する元素である。
Cuが2.00%を超えると、強度が上昇しすぎて、靱性が低下するので、Cuは2.00%以下が好ましい。より好ましくは1.60%以下である。下限は特に限定しないが、Cuの添加効果を十分に得るには、0.10%以上が好ましい。より好ましくは0.20%以上である。
Niが2.00%を超えると、Cuと同様に、強度が上昇しすぎて、靱性が低下するので、Niは2.00%以下が好ましい。より好ましくは1.60%以下である。下限は特に限定しないが、Niの添加効果を十分に得るには、0.10%以上が好ましい。より好ましくは0.30%以上である。
(b)群元素
Cr:2.00%以下
Mo:2.00%以下
CrとMoは、いずれも、鋼の強度の向上に寄与する元素である。
Crが2.00%を超えると、強度が上昇しすぎて、靱性が低下するので、Crは、2.00%以下が好ましい。より好ましくは1.60%以下である。下限は特に限定しないが、Crの添加効果を十分に得るには、0.15%以上が好ましい。より好ましくは0.25%以上である。
Moが2.00%を超えると、Crと同様に、強度が上昇しすぎて、靱性が低下するので、Moは2.00%以下が好ましい。より好ましくは1.60%以下である。下限は特に限定しないが、Moの添加効果を十分に得るには、0.02%以上が好ましい。より好ましくは0.10%以上である。
(c)群元素
Nb:0.25%以下
V :0.25%以下
NbとVは、いずれも、炭窒化物を形成し、炭窒化物のピン止め効果により、強度や靭性の向上に寄与する元素である。
Nbが0.25%を超えると、炭窒化物が粗大化し、靱性が低下するので、Nbは0.25%以下が好ましい。より好ましくは0.20%以下である。下限は特に限定しないが、Nbの添加効果を十分に得るには、0.01%以上が好ましい。より好ましくは0.02%以上である。
Vが0.25%を超えると、Nbと同様に、炭窒化物が粗大化し、HAZ靱性が低下するので、Vは0.25%以下が好ましい。より好ましくは0.20%以下である。下限は特に限定しないが、Vの添加効果を十分に得るには、0.01%以上が好ましい。より好ましくは0.10%以上である。
(d)群元素
Ti:0.30%以下
B :0.005%以下
Tiは、Nと結合して窒化物を形成して結晶粒を微細化し、靭性の向上に寄与する元素である。Tiが0.30%を超えると、切削加工性が低下するので、Tiは0.30%以下が好ましい。より好ましくは0.25%以下である。下限は特に限定しないが、Tiの添加効果を十分に得るには、0.01%以上が好ましい。より好ましくは0.02%以上である。
Bは、粒界フェライトの生成を抑制して、靱性の向上に寄与する元素である。Bが0.005%を超えると、BNがオーステナイト粒界に析出し、靱性が低下するので、Bは0.005%以下が好ましい。より好ましくは0.003%以下である。下限は特に限定しないが、Bの添加効果を十分に得るには、0.0005%以上が好ましい。より好ましくは0.0010%以上である。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例)
容量300トンの転炉で一次精錬した溶鋼を取鍋に出鋼する際、金属Alを添加してAl脱酸を実施した。
表1に、発明例及び比較例の溶鋼の成分組成を示す。
Al脱酸後、取鍋加熱式精錬装置で温度調整を行い、次いで、RH式脱ガス精錬装置を用いて脱ガス処理、成分調整を実施するとともに、溶鋼を撹拌して介在物を除去した。脱ガス処理、成分調整の後、酸素濃度の異なる硫黄添加源を溶鋼に添加して硫黄を添加した。硫黄添加源の添加後、均一混合時間以上の撹拌を行って、介在物の除去を促進した。
均一混合時間とは、添加した合金元素が、最終値近傍の所定の範囲内に漸近するのに要する時間で、撹拌力と相関する時間である。均一混合時間は、トレーサー実験で求めることができ、また、既知の撹拌動力密度との関係式(例えば、浅井滋生、岡本徹夫、赫冀成、鞭巌、鉄と鋼68、426)を用いて推算できる。
このように溶製した硫黄添加鋼を連続鋳造した。連続鋳造は、断面サイズ220mm×220mmのブルーム6ストランドの連鋳機で実施した。
連続鋳造時のタンディッシュ内の溶鋼の過熱度(溶鋼の温度から、この成分組成の鋼の液相線温度を減じた値)は10〜60℃であった。溶鋼のスループット(単位時間当りの鋳造溶鋼量)は0.3〜0.6t/分であった。
表2に、発明例及び比較例における硫黄添加源からの酸素侵入総量、高酸素濃度硫黄添加源、及び、低酸素濃度硫黄添加源の酸素濃度、さらに、それぞれの硫黄添加源からの酸素侵入量、ノズル閉塞指標、及び、ノズル閉塞成績を示す。
硫黄添加源の酸素濃度は実測値であり、酸素侵入量は前記酸素濃度と添加量から計算した値である。低酸素濃度硫黄添加源の酸素濃度、酸素侵入量の記載のないものは、1種類の硫黄添加源のみを使用したことを意味する。
ノズル閉塞指標は、前述したように、連続鋳造ノズルの開度を指標化したものであり、以下のように定義した指標である。連続鋳造ノズルの実際の開度と、溶鋼のスループットと溶鋼ヘッドから算出される本来開度との比を指標化したものであり、大きいほど、ノズル閉塞が頻発することを意味し、目標は1以下である。
ノズル閉塞成績は、ノズル閉塞指標を三段階評価した結果であり、ノズル閉塞指標1以下を◎、1を超え3以下を△、3超を×とした。
発明例1〜50では、いずれも、硫黄添加源からの酸素侵入総量が40ppm以下であり、ノズル閉塞指標は1以下で、ノズル閉塞が発生することなく、連続鋳造を行うことができた。
比較例51〜65では、硫黄添加源からの酸素侵入総量が40ppmを超えており、連続鋳造時、ノズル閉塞が発生した。
前述したように、本発明によれば、硫黄添加鋼の連続鋳造において、溶鋼にCaを添加することなく、また、溶鋼温度を高くすることなく、ノズル閉塞を確実に防止することができる。よって、本発明は鉄鋼産業において利用可能性が高いものである。

Claims (8)

  1. 硫黄添加源を添加し、Sを調整した、質量%で、C:0.07〜1.20%、Si:1.00%以下、Mn:2.50%以下、P:0.10%以下、S:0.012〜0.100%、Al:0.015〜0.100%、N:0.02%以下を含有し、残部が鉄及び不可避不純物からなる硫黄添加鋼の連続鋳造において、前記硫黄添加源として、酸素濃度:3質量%超、20質量%以下の高酸素濃度硫黄添加源と、酸素濃度:3質量%以下の低酸素濃度硫黄添加源を併用して、前記硫黄添加源からの酸素侵入総量を40ppm以下に抑制することを特徴とする硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法。
  2. 前記高酸素濃度硫黄添加源が硫化鉱石であることを特徴とする請求項に記載の硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法。
  3. 前記硫黄添加鋼のS量を調整する際、溶鋼に、高酸素濃度硫黄添加源を先に添加し、その後、低酸素濃度硫黄添加源を添加することを特徴とする請求項又はに記載の硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法。
  4. 前記硫黄添加鋼が、さらに、質量%で、Cu:2.00%以下、及び、Ni:2.00%以下の1種又は2種を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法。
  5. 前記硫黄添加鋼が、さらに、質量%で、Cr:2.00%以下、及び、Mo:2.00%以下の1種又は2種を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法。
  6. 前記硫黄添加鋼が、さらに、質量%で、Nb:0.25%以下、及び、V:0.25%以下の1種又は2種を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法。
  7. 前記硫黄添加鋼が、さらに、質量%で、Ti:0.30%以下、及び、B:0.005%以下の1種又は2種を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法。
  8. 前記硫黄添加鋼のS量を調整する際、硫黄添加源を、RH脱ガス処理工程にて、硫黄以外の成分の組成調整が終了した後、又は、二次精錬処理が終了した後の溶鋼に添加することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法。
JP2016169670A 2016-08-31 2016-08-31 硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法 Active JP6786964B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016169670A JP6786964B2 (ja) 2016-08-31 2016-08-31 硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016169670A JP6786964B2 (ja) 2016-08-31 2016-08-31 硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018034189A JP2018034189A (ja) 2018-03-08
JP6786964B2 true JP6786964B2 (ja) 2020-11-18

Family

ID=61565000

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016169670A Active JP6786964B2 (ja) 2016-08-31 2016-08-31 硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6786964B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7087723B2 (ja) * 2018-06-26 2022-06-21 日本製鉄株式会社 鋼の製造方法
JP7087724B2 (ja) * 2018-06-26 2022-06-21 日本製鉄株式会社 鋼の製造方法
JP7087725B2 (ja) * 2018-06-26 2022-06-21 日本製鉄株式会社 鋼の製造方法
JP7087727B2 (ja) * 2018-06-26 2022-06-21 日本製鉄株式会社 鋼の製造方法
JP7087726B2 (ja) * 2018-06-26 2022-06-21 日本製鉄株式会社 鋼の製造方法
JP7087728B2 (ja) * 2018-06-26 2022-06-21 日本製鉄株式会社 鋼の製造方法
CN113832379A (zh) * 2021-09-16 2021-12-24 山西太钢不锈钢股份有限公司 高速动车组电机轴用42CrMoS4含硫钢的冶炼工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018034189A (ja) 2018-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6786964B2 (ja) 硫黄添加鋼の連続鋳造ノズルの閉塞防止方法
JP6146908B2 (ja) 表面性状に優れたステンレス鋼とその製造方法
JP6524801B2 (ja) 高清浄鋼とその精錬方法
JP6937190B2 (ja) Ni−Cr−Mo−Nb合金およびその製造方法
KR101574446B1 (ko) 열간 가공성 및 표면 성상이 우수한 붕소 함유 스테인리스강
JP6903182B1 (ja) 表面性状に優れたNi−Cr−Al−Fe合金およびその製造方法
JP4656007B2 (ja) 溶鉄のNdおよびCa添加による処理方法
JP6888275B2 (ja) 硫黄添加鋼の製造方法
JP5985437B2 (ja) 高マンガンクロム含有鋼の溶製方法
JP6848369B2 (ja) 溶鋼への硫黄添加原料及び硫黄添加鋼の製造方法
JP5056826B2 (ja) 連続鋳造用鋼およびその製造方法
RU2437739C1 (ru) Способ производства автоматной стали ам14
JP2020094251A (ja) 内部品質および熱間加工性に優れるNi−Cr−Nb−Fe系合金とその製造方法
JP7031634B2 (ja) 耐サワー鋼材の製造方法
KR101441301B1 (ko) 마르텐사이트 스테인레스 강 및 그 제조 방법
JP2013014799A (ja) オーステナイト系s含有快削ステンレス鋼
JP3036373B2 (ja) 酸化物分散鋼の製造法
JP5387045B2 (ja) 軸受鋼の製造方法
RU2713770C1 (ru) Способ производства стали с нормируемым содержанием серы
RU2375463C2 (ru) Проволока для внепечной обработки металлургических расплавов
EP3540082A1 (en) Sulfur additive for molten steel, and method for manufacturing sulfur-added steel
JP6086036B2 (ja) 溶接熱影響部靱性に優れた厚板鋼材とその溶製方法
RU2469107C1 (ru) Трубная заготовка из легированной стали
JP5712945B2 (ja) 低硫鋼の溶製方法
JPH11279623A (ja) 精錬容器の耐火物溶損を抑えた製造性の良い高Al含有フェライト系ステンレス鋼の溶製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190415

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200324

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200331

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200528

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200929

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201012

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6786964

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151