JP2010116610A - 大入熱時でのhaz靱性に優れた低硫厚板鋼板の製造方法 - Google Patents

大入熱時でのhaz靱性に優れた低硫厚板鋼板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶接による大入熱時の状況下においても、非常にHAZ靱性が優れているものにする。
【解決手段】取鍋精錬においてスラグSの組成を所定の成分とした上で、スラグSの厚みを200mm以上400mm以下とする。スラグSの融点とスラグSの厚みとの関係を所定の式を満たすものとする。溶鋼2のAl濃度を0.01%以上に保った状態で15W/ton以上60W/ton以下で攪拌する。溶鋼2を昇温させる際の還流量を100ton/min以上200ton/min以下として10min以上攪拌する。Al投入量を0.5kg/ton以上2.0kg/ton以下とする。酸素吹き付け量を0.4Nm3/ton以上2.0Nm3/ton以下とする。昇温後は、還流量を100ton/min以上200ton/min以下として5min以上攪拌する。
【選択図】図2

Description

本発明は、大入熱時でのHAZ靱性に優れた低硫厚板鋼板の製造方法に関する。
近年、造船、建築等に使用される鋼材に対しては、特に、溶接による大入熱を施した際に、その大入熱によって影響を受ける溶接熱影響部が靱性に優れていることが要求されている。溶接熱影響部をHAZ(Heat-affected zone)と言い、その靱性をHAZ靱性ということがある。HAZ靱性の優れた鋼材と、その製造方法として、特許文献1に示すものがある。
特許文献1には、質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.03〜0.5%、Mn:0.5〜2.0%、P:0.02%以下、S:0.01%以下、Al:0.005%を超えて0.08%まで、Ti:0.0005〜0.02%、Ca:0.0003〜0.02%、N:0.001〜0.009%およびO(酸素):0.0025%以下を含有し、残部はFe及び不純物からなり、0.50≦Ca/O≦1.30の式(1)を満足するとともに、粒径0.5〜5μmのCaO・Al23系介在物が分散している鋼材が開示されている。
また、この特許文献1には、溶鋼中のAlが0.005%を超えて0.08%までの範囲となるようにAlを添加して脱酸した後、Tiを添加し、さらに脱ガス装置で15分以上処理した後、溶鋼温度を1600±70℃に保った状態でCaを添加し、鋳造し、圧延する鋼材の製造方法が開示されている。
さて、HAZ靱性に着目して製造された鋼材ではないものの、特許文献1に示した鋼材の成分に近いものとしては、特許文献2に示すものがある(表2に記載)。
特許文献2には、極低硫高清浄度鋼の溶製方法が開示されていて、具体的には、大気圧下において取鍋内溶鋼にCaO系フラックスを添加する工程、この工程の後に大気圧下において取鍋内溶鋼中に攪拌ガスを吹き込むことにより該溶鋼および前記CaOフラックスを攪拌するとともに、溶鋼に酸化性ガスを供給し、酸化性ガスと溶鋼との反応により生成した酸化物をCaO系フラックスと混合する工程、酸化性ガスの供給を停止し、大気圧下の前記取鍋内溶鋼中に攪拌ガスを吹き込むことにより脱硫および介在物除去を行う工程、前記工程の後に前記取鍋内溶鋼をRH真空脱ガス装置を用いて処理するに際し、RH真空槽内に酸化性ガスを供給して溶鋼温度を上昇させる工程が開示されている。
特開2007−31749号公報 特開2007−277647号公報
特許文献1の技術を、実操業に適用した場合、取鍋精錬において、溶鋼を攪拌する攪拌動力密度、溶鋼の攪拌時間など、詳細な操業条件が開示されていないため、大入熱時でのHAZ靱性に優れた鋼材を製造することが難しいという問題があった。また、HAZ靱性に優れた鋼材を製造することができたとしても、所望する鋼材を確実に製造することは難しく、このようなHAZ靱性に優れた鋼材を製造する方法は、未だ開発の余地が残されているのが実情である。
一方で、特許文献2に示すように、鋼材の成分として一部の成分が類似している鋼材やその製造方法が開示されているが、その特性が実質的にHAZ靱性に優れた鋼材とは異なり、このような技術であっても、HAZ靱性に優れた鋼材を製造することは困難であるのが実情である。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、溶接による大入熱時の状況下におけるHAZ靱性が非常に優れている低硫厚板鋼板を確実に製造することができる方法であって、大入熱時でのHAZ靱性に優れた低硫厚板鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、C=0.02〜0.20質量%、Si=0.5質量%以下(0%を含まない)、Mn=1.0〜2.0質量%、P=0.02質量%以下(0%を含まない)、S=0.002質量%以下(0%を含まない)、Ti=0.005〜0.05質量%、Al=0.01〜0.1質量%、N=0.002〜0.010質量%、T.O=0.0025質量%以下(0%を含まない)を満たす低硫厚板鋼板を製造するにあたり、
転炉から取鍋へ出鋼した溶鋼にArガスを吹き込んで溶鋼を攪拌して脱硫処理を行う取鍋精錬工程では、
i)脱硫工程の終了時点でのスラグの組成を、CaO=45質量%以上60質量%以下、Al23=25質量%以上40質量%以下、SiO2=15質量%以下、MgO=4質量%以上、T.Fe+MnO=5質量%以下とすると共に、
ii)スラグの厚みを200mm以上400mm以下とし、
iii)当該スラグの融点とスラグの厚みとの関係を式(1)を満たすものとし、
Figure 2010116610
iv)溶鋼のAl濃度を0.01質量%以上に保った状態で攪拌動力密度が15W/ton以上60W/ton以下となるように溶鋼を攪拌し、
前記取鍋精錬工程にて脱硫処理を行った溶鋼に対して、溶鋼を還流して真空脱ガス処理を行う真空脱ガス工程では、
i)溶鋼を昇温させる際の還流量を100ton/min以上200ton/min以下として、10min以上攪拌し、
ii)昇温のために溶鋼に投入するAl投入量を、0.5kg/ton以上2.0kg/ton以下とし、
iii)昇温のために溶鋼に吹き付ける酸素吹き付け量を、0.4Nm3/ton以上2.0Nm3/ton以下とし、
iv)昇温後は、還流量を100ton/min以上200ton/min以下として、5min以上攪拌する点にある。
前記低硫厚板鋼板は、Ni=2.0質量%以下(0%を含まない)、Cu=2.0質量%以下(0%を含まない)、Cr=1.5質量%以下(0%を含まない)、Mo=2.0質量%以下(0%を含まない)、B=0.00005質量%以上0.003質量%以下を少なくとも1以上含むものであることが好ましい。
前記低硫厚板鋼板は、Nb=0.03質量%以下(0%を含まない)及び/又はV=0.05質量%以下(0%を含まない)を含むことが好ましい。
本発明によれば、溶接による大入熱時の状況下においても、非常にHAZ靱性が優れている。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1は、低硫厚板鋼板の製造方法において、転炉から二次精錬までの製造工程を示したものである。この実施形態にて説明する製造方法は、低硫厚板鋼板を溶接した際に、溶接による大入熱が与えられて影響を受ける部分(影響部:HAZ)が非常に靱性に優れたものとなる。即ち、この実施形態は、大入熱時でのHAZ靱性に優れた低硫厚板鋼板の製造方法を示すものである。この低硫厚板鋼板は、例えば、造船、建築等の溶接用構造用鋼に用いられる。
図1に示すように、低硫厚板鋼板を製造するにあたっては、転炉1から低硫厚板鋼板向けの溶鋼2を取鍋3に出鋼し、この取鍋3を二次精錬装置4に搬送して当該二次精錬装置4で成分調整等の精錬を行う。
この二次精錬装置4は、取鍋精錬装置5と、還流式真空脱ガス装置6とを有するもので、低硫厚板鋼板向けの溶鋼は取鍋精錬装置5で精錬され、その後、還流式真空脱ガス装置6で精錬される。
取鍋精錬装置5は、電極加熱式の精錬装置であって、溶鋼2が装入された取鍋3と、取鍋3の溶鋼2内にガスを吹き込む吹き込み装置7と、溶鋼2を加熱する電極式加熱装置8と、フラックス等を投入するための供給装置9とを有している。
吹き込み装置7は、取鍋3の底部に設けられてその底部からガスを吹き込むポーラス吹込口10と、取鍋3の上部からガスを吹き込むランス11とを備えている。ランス11の先端には溶鋼2内にガスを吹き込むノズルが設けられている。なお、吹き込み装置7は、ポーラス吹込口10のみを有するものであっても、ランス11のみを有するものであってもよい。
還流式真空脱ガス装置6は、溶鋼2を還流させることで当該溶鋼2の脱ガスを行うもの(以降、RH装置ということがある)であって、溶鋼2が装入された取鍋3と、真空状態となって溶鋼2内の脱ガスを行う脱ガス槽(真空槽)12とを有している。RH装置6の取鍋3は、LF装置5の取鍋3と同一のものであって、脱ガス槽12の直下に配置されるようになっている。
脱ガス槽12の下部には取鍋3内の溶鋼2に浸漬させる2本の浸漬管13が設けられており、この浸漬管13の一方にはArガス等の不活性ガスを吹き込む吹き込み口(図示省略)が設けられている。脱ガス槽13の上部には、脱ガス槽13のガスを排気する排気口14が設けられている。
以下、本発明の大入熱時でのHAZ靱性に優れた低硫厚板鋼板の製造方法について詳しく説明する。実施形態の説明で、鋼材(鋼)の化学成分の物質量を説明する場合の「%」は、「質量%」である。
図1に示すように、本発明の低硫厚板鋼板の製造方法においては、製造対象鋼種の成分(製造終了後の成分)を、C=0.02〜0.20%、Si=0.5%以下(0%を含まない)、Mn=1.0〜2.0%、P=0.02%以下(0%を含まない)、S=0.002%以下(0%を含まない)、Ti=0.005〜0.05%、Al=0.01〜0.1%、N=0.002〜0.010%、T.O(トータル酸素量)=0.0025%以下(0%を含まない)としている。この低硫厚板鋼板の残りの部分(残部)は、鉄及び不可避不純物である。
なお、この低硫厚板鋼板は、上述した成分とは他に、Ni=2.0%以下(0%を含まない)、Cu=2.0%以下(0%を含まない)、Cr=1.5%以下(0%を含まない)、Mo=2.0%以下(0%を含まない)、B=0.00005%以上0.003%以下のいずれかを1つ以上含むものであってもよい。また、低硫厚板鋼板は、Nb=0.03%以下(0%を含まない)及び/又はV=0.05%以下(0%を含まない)を含むものであってもよい。
上述した低硫厚板鋼板の製造方法においては、まず、転炉1から出鋼した取鍋3内の溶鋼2上の酸化性のスラグSを除滓した後、取鍋精錬装置5へと溶鋼2を搬送する。そして、取鍋精錬装置5の取鍋精錬工程においては、溶鋼2にArガスを吹き込んで溶鋼2を攪拌して脱硫処理を行う。
具体的には、脱硫処理を行う取鍋精錬工程においては、造滓材を溶鋼2に投入して、脱硫を行うための脱硫スラグSを造滓する。次に、ランスからArガスを吹き込むことにより溶鋼2を攪拌して脱硫を行う。
ここで、取鍋精錬工程において、i)脱硫工程の終了時点(取鍋精錬の終了時点)でのスラグSの組成は、質量%で、CaO=45%以上60%以下、Al23=25%以上40%以下、SiO2=15%以下、MgO=4%以上、T.Fe+MnO=5%以下としている。
スラグSの組成を、CaO=45%以上60%以下、Al23=25%以上40%以下としているのは、高い脱硫能のスラグSとするためである。また、MgO=4%以上としているのは、取鍋3や精錬を行う装置における耐火物がマグネシアカーボン煉瓦であることから、精錬時に耐火物の溶損を可及的に抑制するために設定した量である(MgOが4.0%未満で、少な過ぎると溶損が進むため)。
SiO2=15%以下、T.Fe+MnO=5%以下としているのは、余りにもSiO2、T.Fe+MnOの含有量が多いとスラグ(脱硫スラグ)の脱硫能が低下するためで、SiO2、T.Fe+MnOが、上述した値を満たすことによって、スラグ内の酸素成分が還元されることによる溶鋼中の酸素が上昇することを防止し、所望も脱硫反応速度を得ることができる。
また、取鍋精錬工程、その精錬終了後の、ii)スラグSの厚みを200mm以上400mm以下としている。
脱硫処理はスラグSを溶鋼2に巻き込ませることにより処理を行うため、ある程度のスラグSの厚みは必要である。即ち、S=0.002%以下の低硫厚板鋼板を得るためには、厚みが200mm以上のスラグSによって脱硫することが必要である。また、これに加えて、取鍋精錬後に行う真空脱ガス処理では、スラグSが柔らかい状態であるとスラグSの巻き込みにより多くのSが復硫する復硫現象の影響が大となる。そのため、出来る限り、復硫現象の影響を抑制するために、取鍋精錬時にて、スラグSの上部をある程度固化する必要があり、そのためには、少なくともスラグSの厚みを200mm以上確保し、スラグSが固化しやすい状況にしなければならない。
一方で、スラグSの厚みを400mmよりも大きくしたとしても、上述したスラグSの厚みによる脱硫の効果は、400mm以下のものと変わらなくなり、製造コスト等が増大するだけである。
取鍋精錬においては、スラグSの厚みを200mm〜400mmの範囲にしているが、iii)このスラグSの厚みと、実操業でのスラグSの融点との関係を式(1)を満たすものとしている。即ち、実操業でのスラグSの融点が、式(1)を満たすものとなっている(式(1)の右辺で求めた値よりも、実操業でのスラグSの融点が高い)。
Figure 2010116610
精錬終了後のスラグSの厚みは200mm〜400mmの範囲内である必要であるが、スラグSの厚みが小さい場合、溶鋼2からの熱の影響を受ける部分がスラグ全体に及び、スラグSの固化する割合が少なくなる(溶融スラグSの領域が大)。そのため、スラグSの厚みが小さい場合は、スラグSの厚みに対してのスラグSの融点を高くして、スラグSの固化する割合を高める必要がある(溶融スラグSの領域を小さくする必要がある)。
一方、スラグSの厚みが大きい場合、スラグSの上部が固化し易いが、固化する割合が大となり、精錬時に脱硫能が低下する虞がある。そのため、スラグSの厚みが大きい場合は、スラグSの厚みに対してのスラグSの融点を低くして、溶融スラグSの領域を大きくする必要がある。
即ち、スラグSの厚みが大であるときには、スラグSの融点が低くし、スラグSの厚みが小であるときには、スラグSの融点を大とする式(1)に従って、スラグSの融点とスラグSの厚みとをそれぞれ設定し、スラグSでの液層部分と固層部分とのバランスを維持することが必要である。
この式(1)は、取鍋精錬後に行われる真空脱ガス精錬においてスラグSの溶融の割合を少なくする観点から実験により求めたものである。スラグSの融点は、例えば、FACTSAGE、熱力学平衡計算のソフトウェアなどを用いて公知の手段により求めることができる。
なお、スラグSの厚みの測定は、公知の手段による方法で行い、例えば、所定の長さの棒状のもの(金属製の測定棒)をスラグSに垂直に差し込むことにより行う。そして、測定棒をスラグSに差し込んだ際での溶損の長さや測定棒の変色度合いにより求める。また、スラグSの厚みの測定は、上述した直接的な方法だけに限らず、精錬後のスラグSの状態をシュミュレーション等の計算によって求めても良い。また、複数箇所にてスラグSの厚みを実測や計算により求めて、その平均値を本発明に規定するスラグSの厚みとして採用してもよいし、実操業において所定位置(例えば、取鍋3の端)にてスラグSの厚みを測定してその値を本発明で規定するスラグSの厚みとして採用してもよい。
さらに、取鍋精錬においては、スラグSの成分や厚みの規定の他に、iv)溶鋼2のAl濃度を0.01%以上に保った状態で攪拌動力密度が15W/ton以上60W/ton以下となるように溶鋼2を攪拌する。攪拌動力密度εは、式(2)により算出したものである。式(2)における攪拌動力密度εの算出方法は、「森、佐野:鉄と鋼,第67巻,1981年,672頁」に開示されていて一般的なものである。
Figure 2010116610
溶鋼2を攪拌する攪拌動力密度が15W/ton未満であると溶鋼2に対するスラグSの巻き込みが少なく、脱硫効率が悪くなる。一方で、攪拌動力密度が60W/tonよりも大きいと、スラグSが溶鋼2に巻き込み過ぎて、スラグSの飛散が生じたり、スラグSの巻き込みによって溶鋼2内の介在物の量が増大してしまう。
したがって、スラグSの飛散の防止や溶鋼2内の介在物量の抑制をしつつ、効率良く脱硫するために、攪拌動力密度が15W/ton以上60W/ton以下としている。
次に、取鍋精錬工程後には、取鍋3をRH装置6に搬送する。そして、RH装置6の浸漬管13を取鍋3内の溶鋼2に浸漬し、吹き込み口から不活性ガス(Arガス)を吹き込むと共に、排気口から脱ガス槽のガスを排気して脱ガス槽内を略真空状態して溶鋼2を脱ガス槽と取鍋3との間で循環させることで、真空脱ガス処理を行う。真空脱ガス処理では、脱ガス槽内のランスから酸素を吹き込むと共に、図示省略のホッパー等を用いて脱ガス槽内にAlを投入して、溶鋼2の昇温を行う。
このような真空脱ガス処理においては、溶鋼2を昇温させる際の溶鋼2の還流量を100ton/min以上200ton/min以下とし、この範囲の還流量で10min以上、溶鋼2を攪拌している。
溶鋼2の還流量は、式(3)により算出したものである。この式(3)は、「第4版鉄鋼便覧 CD−ROM、平成14年7月30日発行、社団法人日本鉄鋼協会」の「二次精錬法(取鍋精錬法)及びステンレス製鋼法、特殊鋼製鋼法 式(13.3)」に記載されているものです。
Figure 2010116610
還流量が100ton/min未満であると、溶鋼2の還流度合いが弱過ぎるため、昇温を行った時の熱を溶鋼全体に拡散させ難く溶鋼2を満遍なく昇温させ難い。一方で、還流量が200ton/minよりも大きくなると、溶鋼2の還流度合いが強過ぎるため、取鍋3の耐火物の溶損を抑制出来なくなり、溶鋼2内の介在物量の制御も難しい。
また、溶鋼2を攪拌する時間が10min未満であると、真空ガス工程では、溶鋼2内の脱ガスが十分に行えず、溶鋼2内の介在物量の制御も困難である。
したがって、昇温効率を向上させつつ溶鋼2内の介在物量の抑制し、且つ、耐火物の溶損を抑制するために、溶鋼2の還流量を100ton/min以上200ton/min以下とした上で、溶鋼2を攪拌する時間を10min以上にしている。
そして、溶鋼2を昇温する際には、ii)昇温のために溶鋼2に投入するAl投入量を、0.5kg/ton以上2.0kg/ton以下としている。Alの投入量が0.5kg/ton未満であると、溶鋼温度があまり上昇せず昇温効率が悪い。一方で、Alの投入量が2.0kg/tonよりも大であると、溶鋼温度を上昇させる昇温効率は良いものの、Alの投入量が多過ぎるために、溶鋼2内のAl23の酸化物(介在物)が多くなる。
したがって、Alの投入による昇温効果と溶鋼2内のAl23介在物の抑制の観点から、Al投入量は、0.5kg/ton〜2.0kg/tonとしている。
また、溶鋼2を昇温する際には、iii)昇温のために溶鋼2に吹き付ける酸素吹き付け量を、0.4Nm3/ton以上2.0Nm3/ton以下としている。酸素吹き付け量が0.4Nm3/ton未満であると、溶鋼温度があまり上昇せず昇温効率が悪い。一方で、酸素吹き付け量が2.0Nm3/tonよりも大きくなると、溶鋼2内のAl23の酸化物(介在物)が多くなる。
このように、酸素吹き付け量は、Al投入量の規定と同じ理由であって、上述した条件を満たすようにしている。
そして、溶鋼2をAl投入や酸素吹き込みにより、溶鋼2を昇温後は、即ち、昇温後は、還流量を100ton/min以上200ton/min以下として、5min以上攪拌している。
昇温をするために、溶鋼2にAlを投入したり、酸素ガスを吹き込むと、溶鋼2内の介在物が増加する傾向にあることから、昇温をするための作業後(Alの投入完了後、酸素吹き込み終了後)は、溶鋼2を少なくとも5min以上攪拌することによって、溶鋼2内の介在物量を減少させている。
以上、本発明の低硫厚板鋼板を製造する各工程をまとめると、次のようになる。
[取鍋精錬工程]
i)脱硫工程の終了時点でのスラグSの組成を質量%で、CaO=45%以上60%以下、Al23=25%以上40%以下、SiO2=15%以下、MgO=4%以上、T.Fe+MnO=5%以下とする。
ii)スラグSの厚みを200mm以上400mm以下とする。
iii)当該スラグSの融点とスラグSの厚みとの関係を式(1)を満たすものとする。
iv)溶鋼2のAl濃度を0.01%以上に保った状態で攪拌動力密度が15W/ton以上60W/ton以下となるように溶鋼2を攪拌する。
[真空脱ガス工程]
i)溶鋼2を昇温させる際の還流量を100ton/min以上200ton/min以下として、10min以上攪拌する。
ii)昇温のために溶鋼2に投入するAl投入量を、0.5kg/ton以上2.0kg/ton以下とする。
iii)昇温のために溶鋼2に吹き付ける酸素吹き付け量を、0.4Nm3/ton以上2.0Nm3/ton以下とする。
iv)昇温後は、還流量を100ton/min以上200ton/min以下として、5min以上攪拌する。
このように、二次精錬工程にて、溶鋼2を溶製すると、製造後の鋼中の[S]を0.002%以下にすることができ、鋳塊において円相当径で5μm以上の介在物の個数が200個/cm2以下とすることができる。また、鋳塊において円相当径で2〜5μmまでの介在物の個数が100個/cm2以上800個/cm2以下にすることができる。
製造後の鋼中の[S]が0.002%よりも大になっている鋼中には、多量のMnS等の硫化物粒子(介在物)が数多く生成することになる。このような状態で、溶接により大きな熱(大入熱)を与えると、大入熱に起因した熱応力によって硫化物粒子(介在物)を起点として、破断の起点となり、HAZ靱性に悪影響を及ぼすが、本発明の製造方法では、鋼中の[S]を0.002%以下としているので、HAZ靱性が非常に向上したものとなる。
また、円相当径で5μm以上である大きさの粗大な介在物は、上述したように破断の起点になる虞があるが、その個数が200個/cm2以下であれば、HAZ靱性に悪影響を及ぼすことがなく、HAZ靱性が向上することが分かった。ここで、介在物の円相当径とは、介在物の断面積を等価な円を考え、その介在物の断面積を等価な円の直径に置き換えたときの値である。
この介在物の観察(円相当径で5μm以上の介在物の観察)には、FE−SEM、SEM、EPMA装置を用いる。介在物の面積は、倍率100倍にて10×10mm2以上の観察面積を求めた。
また、円相当径で2〜5μmである介在物は、破断の伝搬に影響する(特に5μmに近いと影響度が大きい)が、円相当径での大きさが2〜5μmである介在物であっても、100個/cm2以上800個/cm2以下であれば、HAZ靱性に悪影響を及ぼすことがなく、HAZ靱性が向上することが分かった。
この介在物の観察(円相当径で2〜5μmまでの介在物の観察)には、FE−SEM、SEM、EPMA装置を用いる。介在物の面積は、倍率200倍にて10×10mm2以上の観察面積を求めた。
図2は、本発明の方法により、製造した低硫厚板鋼板中の介在物個数と、HAZ靱性の評価指標であるシャルピー靱性試験での実験結果をまとめたものである。
この実験では、本発明の取鍋精錬及び真空脱ガス精錬を行った後、連続鋳造装置により鋳造したスラブを加熱及び圧延を経て、板厚が45mmの鋼片を製造した。そして、鋼片の1/4W−1/4tの領域を切り出し、次に示す熱サイクルを与えた後、シャルピー試験を実施した。シャルピー靱性については、縦目靱性について評価を行った。
熱サイクル条件は、1400℃×60sec、Tc=730sec(800℃〜500℃までの冷却時間)でvE(−20℃)のシャルピー靱性値を求めた。図2のシャルピー靱性値の評価においては、その値が100J以上を良好とした。なお、シャルピー靱性値(vE−20)が100J以上であるものは、特許第4041447(明細書[0063])にも記載されている通り、優れた鋼材(鋼片)であり、この値を基準として一般的に評価されているため、本発明においても、これを採用した。
図2に示すように、鋼片中の[S]が20ppm(0.0020%)よりも大であるものについては、全てシャルピー靱性値は100Jを下回った。また、鋼片の介在物において、円相当径で5μm以上の介在物が200個/cm2を超えるものについては、全てシャルピー靱性値は100Jを下回った。さらに、鋼片の介在物において、円相当径で2〜5μmの介在物が800個/cm2を超えるものについては、全てシャルピー靱性値は100Jを下回った。
一方で、図2に示すように、鋼片中の[S]が0.002%以下であり、且つ、円相当径で5μm以上の介在物の個数が200個/cm2以下であり、さらに、円相当径で2〜5μmまでの介在物の個数が100個/cm2以上800個/cm2以下であるものについては、全てシャルピー靱性値を100J以上とすることができている。
したがって、本発明に示した方法によって、取鍋精錬及び真空脱ガス処理を行うと、影響部の靱性に優れた低硫厚板鋼板を製造することができる。
表1〜表9は、本発明の低硫厚板鋼板の製造方法によって低硫厚板鋼板を製造した実施例と、本発明の低硫厚板鋼板の製造方法とは別の方法によって低硫厚板鋼板を製造した比較例とをまとめたものである。
Figure 2010116610
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表1〜表3に示す化学成分の欄では、最終的な鋼材における各種成分を記載すると共に、本発明の条件に一致しているものを良好「○」、相違しているものを不良「×」とした(各表、化学成分 製品段階の欄、判定)。なお、表中の「O」は、上述したT.Oのことである。
次に、表4〜表6に示す取鍋脱硫精錬(取鍋精錬工程における脱硫処理に対応)について説明する。
取鍋脱硫精錬のスラグ組成の欄では、取鍋精錬後のスラグ組成を記載すると共に、本発明の条件に一致しているものを良好「○」、相違しているものを不良「×」とした。スラグ厚みの欄では、実操業でのスラグSの厚みを記載すると共に、本発明の条件に一致しているものを良好「○」、相違しているものを不良「×」とした。
また、スラグ融点と厚みの欄では、実操業でのスラグSの融点(融点℃FACTSAGE)を記載すると共に、実操業でのスラグSの厚みを式(1)の右辺に代入して求めたスラグSの融点(TL℃、(1)式)を記載した。これに加え、実操業でのスラグSの融点(融点℃FACTSAGE)から式(1)により求めた(TL℃、(1)式)を引いた値を、判定に記載した。
攪拌動力密度の欄では、実操業での攪拌動力密度を記載すると共に、この攪拌動力密度が、本発明の条件に一致しているものを良好「○」、相違しているものを不良「×」とした(攪拌動力密度の欄、判定)。取鍋精錬後の処理後の[S]も記載した(処理後[%S])。
取鍋脱硫精錬において、スラグ組成、スラグ厚み、スラグ融点と厚み、攪拌動力密度の全ての条件が本発明と一致しているものを、脱硫精錬の総合判定で良好「○」とし、相違しているものを不良「×」とした。
表7〜表9に示す真空脱ガス工程について説明する。
真空脱ガス工程の還流条件の欄では、昇温作業の前に溶鋼2を攪拌した還流量及び還流時間を記載すると共に、本発明の条件に一致しているものを良好「○」、相違しているものを不良「×」とした。昇温条件の欄では、溶鋼2を昇温する際でのAlの投入量及びランスによって酸素を吹き付けた吹き付け量を記載すると共に、本発明の条件に一致しているものを良好「○」、相違しているものを不良「×」とした。
また、昇温終了後の真空処理時間の欄では、昇温のためにAlを投入した投入完了後又は昇温のために酸素を吹き付けた酸素吹き付け完了後からの溶鋼2の還流時間(真空処理時間)を記載すると共に、本発明の条件に一致しているものを良好「○」、相違しているものを不良「×」とした。なお、このときの還流量は、還流条件に示した還流量と同じとした。真空脱ガス工程において、還流条件、昇温条件、昇温終了後の真空処理時間の全ての条件が本発明と一致しているものを、真空処理の総合判定で良好「○」とし、相違しているものを不良「×」とした。
表7〜表9に示す介在物測定結果及びHAZ靱性について説明する。
介在物測定結果の欄では、円相当径で5μm以上の介在物の個数を記載すると共に、円相当径で2〜5μmまでの介在物の個数を記載し、図2に示したように、各介在物の個数の条件が一致するものを良好「○」、相違しているものを不良「×」とした。
HAZ靱性の欄では、製造した鋼材に対してシャルピー靱性試験を行った時の縦目靱性の値を記載すると共に、図2に示したように、靱性の値が100J以上であるものを良好「○」、そうでないものを不良「×」とした。なお、表1〜表9に示すHAZ靱性の結果をまとめたものが、図2である。
次に、各表に示す実施例1〜実施例40について説明する。
取鍋精錬の脱硫処理では、脱硫工程の終了時点でのスラグSの組成は、CaO=45%以上60%以下、Al23=25%以上40%以下、SiO2=15%以下、MgO=4%以上、T.Fe+MnO=5%以下としている(スラグ組成の欄、判定「○」)。
また、取鍋精錬の脱硫処理では、スラグSの厚みは200mm〜400mmであり(スラグ厚みの欄、判定「○」)、スラグSの融点とスラグSの厚みとの関係は式(1)を満たしている(スラグ融点と厚みの欄、判定「値がプラスになっている」)。さらに、溶鋼2のAl濃度が0.01%以上に保った状態で攪拌動力密度が15W/ton以上60W/ton以下となるように溶鋼2を攪拌している(攪拌動力密度の欄、判定「○」)。
一方で、真空脱ガス工程においては、還流量を100ton/min以上200ton/min以下として10min以上攪拌ている(還流条件の欄、判定「○」)。
また、真空脱ガス工程では、昇温のために溶鋼2に投入するAl投入量を0.5kg/ton以上2.0kg/ton以下とし、昇温のために溶鋼2に吹き付ける酸素吹き付け量を0.4Nm3/ton以上2.0Nm3/ton以下としている(昇熱条件、判定「○」)。さらに、昇温後は、還流量を100ton/min以上200ton/min以下として、5min以上攪拌している(昇温終了後の真空処理時間の欄、判定「○」)。
このように、本発明の各種条件を満たして、取鍋精錬及び真空脱ガス精錬を行うと、HAZ靱性を100Jにすることができ、影響部の靱性に優れた低硫厚板鋼板を製造することができる(HAZ靱性の欄、判定「○」)。
次に、各表に示す比較例41〜比較例100について説明する。
比較例41〜比較例70は、取鍋精錬での脱硫処理における条件が本発明の条件と外れていて、比較例71〜比較例100は、真空脱ガス処理における条件が本発明の条件と外れていて、真空脱ガス工程における条件も本発明の条件と外れている。また、比較例41〜比較例70では、製造後の鋼材において、[S]を0.002%未満にすることができなかった(化学成分の欄、成分判定「×」)。
具体的には、比較例41〜比較例46では、スラグ組成が本発明の条件から外れており、比較例47〜比較例53及び比較例69〜比較例70では、スラグSの厚みが本発明の条件から外れており、比較例54〜比較例58が攪拌動力密度が本発明の条件から外れている。また、比較例59〜比較例64では、スラグ融点とスラグSの厚みとの関係が本発明の条件から外れている。
なお、比較例69〜比較例70及び比較例96〜比較例100においては、操業上の理由(例えば、操業を中止せざる得ない)ことから、介在物の測定を行うことができなかった。
以上、比較例41〜比較例70に示すように、取鍋精錬での脱硫処理において、本発明の条件から1つでも外れてしまうと、HAZ靱性の値は、100J未満となり、溶接等の大入熱時に高い靱性を有する鋼板を製造することができなかった。
比較例71〜比較例75及び比較例96〜比較例97では、昇温終了前の還流量が本発明の条件から外れており、比較例76〜比較例80では、昇温終了前の還流時間が本発明の条件から外れている。
また、比較例81〜比較例85及び比較例98〜比較例99では、Al投入量が本発明の条件から外れており、比較例86〜比較例90及び比較例100では、酸素吹き付け量が本発明の本発明の条件から外れいる。比較例91〜比較例95では、昇温後の還流時間(真空処理時間)が本発明の条件から外れている。
以上、比較例71〜比較例100においても、真空脱ガス処理において、本発明の条件から1つでも外れてしまうと、HAZ靱性の値は、100J未満となり、溶接等の大入熱時に高い靱性を有する鋼板を製造することができなかった。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
低硫厚板鋼板の製造方法において転炉から二次精錬までの製造工程を示した図である。 HAZ靱性と介在物及び[S]との関係を示した図である。
符号の説明
1 転炉
2 溶鋼
3 取鍋
4 二次精錬装置
5 取鍋精錬装置
6 還流式真空脱ガス装置
S スラグ

Claims (3)

  1. C=0.02〜0.20質量%、Si=0.5質量%以下(0%を含まない)、Mn=1.0〜2.0質量%、P=0.02質量%以下(0%を含まない)、S=0.002質量%以下(0%を含まない)、Ti=0.005〜0.05質量%、Al=0.01〜0.1質量%、N=0.002〜0.010質量%、T.O=0.0025質量%以下(0%を含まない)を満たす低硫厚板鋼板を製造するにあたり、
    転炉から取鍋へ出鋼した溶鋼にArガスを吹き込んで溶鋼を攪拌して脱硫処理を行う取鍋精錬工程では、
    i)脱硫工程の終了時点でのスラグの組成を、CaO=45質量%以上60質量%以下、Al23=25質量%以上40質量%以下、SiO2=15質量%以下、MgO=4質量%以上、T.Fe+MnO=5質量%以下とすると共に、
    ii)スラグの厚みを200mm以上400mm以下とし、
    iii)当該スラグの融点とスラグの厚みとの関係を式(1)を満たすものとし、
    Figure 2010116610
    iv)溶鋼のAl濃度を0.01質量%以上に保った状態で攪拌動力密度が15W/ton以上60W/ton以下となるように溶鋼を攪拌し、
    前記取鍋精錬工程にて脱硫処理を行った溶鋼に対して、溶鋼を還流して真空脱ガス処理を行う真空脱ガス工程では、
    i)溶鋼を昇温させる際の還流量を100ton/min以上200ton/min以下として、10min以上攪拌し、
    ii)昇温のために溶鋼に投入するAl投入量を、0.5kg/ton以上2.0kg/ton以下とし、
    iii)昇温のために溶鋼に吹き付ける酸素吹き付け量を、0.4Nm3/ton以上2.0Nm3/ton以下とし、
    iv)昇温後は、還流量を100ton/min以上200ton/min以下として、5min以上攪拌する、
    ことを特徴とする大入熱時でのHAZ靱性に優れた低硫厚板鋼板の製造方法。
  2. 前記低硫厚板鋼板は、Ni=2.0質量%以下(0%を含まない)、Cu=2.0質量%以下(0%を含まない)、Cr=1.5質量%以下(0%を含まない)、Mo=2.0質量%以下(0%を含まない)、B=0.00005質量%以上0.003質量%以下を少なくとも1以上含むものであることを特徴とする請求項1に記載の大入熱時でのHAZ靱性に優れた低硫厚板鋼板の製造方法。
  3. 前記低硫厚板鋼板は、Nb=0.03質量%以下(0%を含まない)及び/又はV=0.05質量%以下(0%を含まない)を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の大入熱時でのHAZ靱性に優れた低硫厚板鋼板の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013095927A (ja) * 2011-10-28 2013-05-20 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 靭性に優れた高張力鋼板およびその製造方法
JP2013095928A (ja) * 2011-10-28 2013-05-20 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 靭性に優れた高張力鋼板およびその製造方法
JP2016222953A (ja) * 2015-05-28 2016-12-28 Jfeスチール株式会社 高清浄度鋼の製造方法
JP2018003042A (ja) * 2016-06-27 2018-01-11 新日鐵住金株式会社 溶鋼の脱硫方法

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