JP2000109950A - 表面性状が良好で製缶の安定性に優れる缶用鋼板 - Google Patents

表面性状が良好で製缶の安定性に優れる缶用鋼板

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JP2000109950A JP27924698A JP27924698A JP2000109950A JP 2000109950 A JP2000109950 A JP 2000109950A JP 27924698 A JP27924698 A JP 27924698A JP 27924698 A JP27924698 A JP 27924698A JP 2000109950 A JP2000109950 A JP 2000109950A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 錆の少なく、介在物、析出物による変形能の
劣化がほとんどなく、かつ、介在物による表面性状の低
下がほとんどない、製缶の安定性に優れる缶用鋼板。 【解決手段】 極低炭素鋼であって、Ti:0.015 〜0.04
wt%、Al:0.001 〜0.01wt%、N:0.01wt%以下及び
Ca,REM の1 種又は2 種を合計で0.0005〜0.01wt%を含
み、更に、S及びCa,REM の1 種又は2 種の含有量が次
式 S− 5×((32/40) Ca+(32/140) REM) ≦0.0014wt% の関係を満たして残部はFe及び不可避的不純物の組成に
なり、かつ、粒径1 〜50μm の酸化物系介在物がTi酸化
物及びCaO ,REM 酸化物の1 種又は2 種を含有し、引張
強度が450 MPa 以下で、|Δr|が0.2 以下、板厚が0.
2 mm以下である表面性状が良好で製缶の安定性に優れる
優れる缶用鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表面性状が良好
で、かつ、2ピース缶として深絞り加工し、更に1回以
上の再絞りを行って深い円筒とする用途に用いられて好
適な、板厚が0.2mm程度以下の缶用鋼板に関するもので
あり、より詳しくは、実生産での安定製造性を阻害する
主な不具合現象である破胴( 平板状のブランクから絞り
成形、しごき成形などで深いカップ形状に成形する過程
で、胴(壁)の部分が破断することをいい、一般に生産
性を大きく低下させる重大なトラブルの原因となる。)
を極力抑制することが可能な優れた局部変形能を有する
鋼板を提案しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】薄鋼板のプレス成形(円筒形状の容器を
成形する深絞り成形)においては、成形工程において種
々の不均一(例えば、潤滑、しわ押さえ力などの不均
一)が生じた場合に、製缶工程において割れを起こし、
安定した高速の製缶作業が困難となることがある。この
ような割れは、製缶工程が高能率、高速度であればある
ほど大きな問題となる。この割れに対処するには、素材
である缶用鋼板について、前述のような不均一が発生し
た場合でも、余裕を持って塑性変形し、割れを生じない
という特性を具備すること、すなわち局部変形能の向上
が重要となる。
【0003】したがって、極薄物の2ピース缶用として
の鋼板は、この局部変形能を向上させることが重要であ
る。特に昨今では、素材の薄肉化を行うことで一缶当た
りの素材使用量を削減しようとする志向が強く、このた
めストレッチドロー成形と呼ばれるしごきと絞りの一体
化した成形法が用いられることが多くなっているが、こ
の成形法は鋼板にとって極めて厳しい加工になるため、
破胴という形態での破断が生じ易い。したがって、この
ようなしごきを含む絞り変形下であっても破胴しない、
局部変形能の優れた鋼板の重要性が増している。
【0004】局部変形能の向上には、特開昭63−19
2846号公報に開示されるような介在物の組成制御に
よる介在物の低融点化を図る方法、特開平2−2207
35号公報に開示されるような鋼中の溶存酸素を調整し
てTiN 、MnS の析出を制御する方法などが提案されてい
る。しかしながら、圧延段階で長く延びるMnS や鋼中の
酸化物の存在により局部変形能が劣化してしまうので、
このような加工形態に対していまだ十分な変形能を得る
ことは困難であった。また、Tiを含有する鋼では、めっ
き後の表面に筋状の模様を生じて外観不良を生じること
がある。この点、特開平5−9549号公報では、更に
Caを添加して鋼中のサルファイド介在物を他の複合介在
物に変化させる方法が開示されている。しかし、この方
法では、介在物はCaO −Al2O3 系となって、錆の起点と
なり、耐食性が劣化するという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、従来技術
が抱える上述した問題点を解決するために実験、調査、
検討を加えた結果、開発したものであり、錆の少なく、
介在物、析出物による変形能の劣化がほとんどなく、か
つ、介在物による表面性状の低下がほとんどない、製缶
の安定性に優れる缶用鋼板を提案することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記の目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、鋼中に残留する酸
化物系介在物の組成を制御し、これにより鋼中に存在す
る酸化物及び硫化物を制御することが、表面性状及び極
薄鋼板の加工性、なかでも局部変形能の向上に有効であ
るとの結論に達した。すなわち、巨大クラスター状介在
物の生成を抑制して50μm 以下の大きさの介在物に微細
分散化を図り、かつ、鋼中のMnS の量を低減して、鋼中
の全ての酸化物、硫化物を微細化し、かつ、圧延により
長く延びるような変形の起きにくい非延性とすることに
より、加工性、特に局部変形能に極めて優れる特性が得
られ、併せて鋼板を製造する際の鋳造ノズル詰まりや発
錆、表面性状の劣化といった諸問題も解決できることを
見出した。
【0007】この発明は、上記の知見に立脚するもので
ある。すなわち、この発明は、 C:0.001 〜0.1 wt%、 Si:0.2 wt%以下、 Mn:0.05〜1.0 wt%、 P:0.02wt%以下、 Ti:0.015 〜0.04wt%、 Al:0.001 〜0.01wt% N:0.01wt%以下及びCa,REM の1 種又は2 種を合計で
0.0005〜0.01wt%を含み、更に、S及びCa,REM の1 種
又は2 種の含有量が次式 S− 5×((32/40) Ca+(32/140) REM) ≦0.0014wt% の関係を満たして残部はFe及び不可避的不純物の組成に
なり、かつ、粒径1 〜50μm の酸化物系介在物がTi酸化
物及びCaO ,REM 酸化物の1 種又は2 種を含有し、引張
強度が450 MPa 以下で、|Δr|が0.2 以下、板厚が0.
2 mm以下である表面性状が良好で製缶の安定性に優れる
優れる缶用鋼板、及び C:0.001 〜0.1 wt%、 Si:0.2 wt%以下、 Mn:0.05〜1.0 wt%、 P:0.02wt%以下、 Ti:0.015 〜0.04wt%、 Al:0.001 〜0.01wt% N:0.01wt%以下及びCa,REM の1 種又は2 種を合計で
0.0005〜0.01wt%を含み、かつ、 Ni:0.005 〜1.0 wt%、 Cr:0.005 〜1.0 wt%、 Nb:0.002 〜0.04wt%、 の1 種又は2 種以上を含有し、更に、S及びCa,REM の
1 種又は2 種の含有量が次式 S− 5×((32/40) Ca+(32/140) REM) ≦0.0014wt% の関係を満たして残部はFe及び不可避的不純物の組成に
なり、かつ、粒径1 〜50μm の酸化物系介在物がTi酸化
物及びCaO ,REM 酸化物の1 種又は2 種を含有し、引張
強度が450 MPa 以下で、|Δr|が0.2 以下、板厚が0.
2 mm以下である表面性状が良好で製缶の安定性に優れる
優れる缶用鋼板である。
【0008】この発明においては、粒径1 〜50μm の酸
化物系介在物がTi酸化物:20wt%以上90wt%以下、CaO
,REM 酸化物の1 種又は2 種の合計:10wt%以上40wt
%以下、Al2O3 :40%以下(Ti酸化物、CaO ,REM 酸化
物の1 種又は2 種、Al2O3 の合計は100 %以下)である
こと及び、基地組織が粒径10μm 以下の微細結晶粒から
なることが、より好適である。
【0009】なお、この発明の缶用鋼板は、主に2ピー
ス缶(胴部と底部が一体で成形され、それに蓋が組み合
わされることで構成される缶)用に用いられる缶用鋼板
を対象とするが、なかでもいわゆるDI缶(Drawn and
Wall Ironed Can )や絞り−再絞り工程での積極的な薄
肉化処理を組み合わせたDTR缶(Drawn and Thin Red
rawn Can)、更に、それにしごき加工を付与したような
高度な技術を適用した缶用の鋼板にとりわけ適してい
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明の基礎となった研
究結果を述べる。この発明では、Alが0.001 wt%以上0.
01wt%以下、Tiが0.015 wt%以上であって、S及び/又
はREM が0.0005wt%以上の条件を満たす成分組成とする
ことにより、表面性状が良好で、製缶の安定性に優れる
缶用鋼板とする。このとき、介在物はTi2O3 −Ca/REM
酸化物−Al2O3 −SiO2の酸化物となっており、かつ、介
在物中のCa濃度が40wt%以下であると、錆の起点となる
ことがない。Alの量が0.01wt%を超えると、介在物はAl
2O3 −CaO 及び/又はREM 酸化物系となるので、介在物
中のCaO 濃度が50wt%程度となり、錆の起点となって耐
食性を悪化させるため缶用鋼板としては甚だ好ましくな
い。
【0011】2ピース缶製造工程におけるしごきの加わ
る変形下での局部変形能の向上のためには、 1)鋼中の酸化物を粗大化させないこと、 2)鋼中の硫化物を粗大化させないこと及び、 3)結晶粒を微細・均一化すること(なお、均一とは混
粒でないことを意味する。)が重要である。これは、鋼
中の酸化物、硫化物が粗大化すると、大きな内部欠陥が
あることと等価となり、しごきとともに絞り変形が加わ
るような加工の際には、その缶胴部分に変形が集中する
ため、かかる部分に粗大な介在物が存在すると、その部
分を起点に破胴が発生し易いからである。
【0012】上記1)の酸化物については、Alが0.001w
t %以上0.01wt%以下、Tiが0.015wt%以上であって、C
a及び/又はREM が0.0005wt%以上の条件を満たすこと
で、酸化物がAl2O3 主体からTi系の酸化物に変化し、こ
のTi系酸化物が溶鋼との濡れ性が良く、クラスターを形
成し難いため、Al2O3 主体の介在物のように粗大化しな
くなる。
【0013】また、上記2)の硫化物については、凝固
時に析出するMnS の抑制が重要であり、MnS があると圧
延時に延びて、加工時の割れを助長する。この解決のた
め、鋼中のSを、より安定な硫化物をつくるCa及び/又
はREM によって固定(無害化)する。このためには、S
量と、Ca量,REM 量とについて、 S−5 × ((32/40) Ca+(32/140) REM))≦0.0014wt% (式中、SはS量(wt%)を、CaはCa量(wt%)を、RE
M はREM 量(wt%)をそれぞれ示す。)なる関係を満足
することが必要との考えに至った。すなわち、CaS ,RE
M 硫化物の生成によりSを固定するためには、Ca,REM
の添加量は多いほど良く、その下限値は上記の不等式で
示される。すなわち、有害な状態にあるSが0.0014%以
下であることが必要であるとの実験結果を得た。
【0014】更に、上記3)の結晶粒微細化について
は、鋼板の結晶粒の粒径を10μm 以下にすることが重要
であり、そのためには鋼成分の調整とともに製造条件の
調整が重要である。
【0015】発明者らは以上の実験結果をもとに種々検
討した結果、以下のようにこの発明を限定した。以下、
各々の成分について限定理由を示す。 (C:0.001 〜0.1 wt%)この発明は、深絞り成形その
他の過酷なプレス成形を行う缶用鋼板に関するものであ
り、鋼板の強度はより低いことが望ましい。したがっ
て、Cは鋼を固溶強化、あるいは炭化物により微細化強
化、析出強化するため、極力低減することが望ましい。
また、C量を低減することは、r値(ランクフォード
値)を向上させるので、この発明が対象とする2ピース
缶の用途においては特に有効である。好ましい上限値は
0.1 wt%であり、0.007 wt%であればより好ましい。し
かしながら、Cが極めて少ない場合は結晶粒径が粗大化
し、成形時に肌荒れ現象を生じて成形性が低下する。ま
た、このように結晶粒径が粗大化した場合は深絞り成形
後の耐二次加工脆性も悪化する傾向にある。以上のこと
から好ましい下限値は0.001 wt%であり、0.0012wt%以
上であればより好ましい。
【0016】(Si:0.2 wt%以下(0 を含まない))Si
は、溶製時の脱酸に有効な成分である。もっとも、多過
ぎると加工硬化が顕著となり、熱間圧延性、冷間圧延性
が大幅に低下するとともに、製品の延性の面では有害な
成分であるので、0.2 wt%を上限とした。また、好まし
い上限値は0.05wt%であり、0.02wt%以下であればより
望ましい。
【0017】(Mn:0.05〜1.0 wt%)Mnは、Siと同様、
溶製時の脱酸に有効である。また、熱間脆性を抑制する
効果もある。これらの望ましい効果を発揮させるために
は、おおむね0.05wt%以上の添加が望ましい。一方、こ
の発明は2ピース缶用として極めて厳しい成形を行う鋼
板に関するものであり、延性の向上が望まれる。Mnは1.
0 wt%以下であれば、その含有による延性の低下量は少
ない。したがって、Mnは1.0 wt%を上限とした。0.7 wt
%以下であればより望ましい。
【0018】(P:0.02wt%以下)Pは鋼の耐食性を低
下させる成分であり、この発明が対象とする種々の深絞
り成形後の缶体の二次加工脆性にも脆化成分として働く
ため極力低減することが望ましい。その添加量が0.02wt
%以下であればほぼ問題のない耐二次加工脆性のレベル
を達成し、優れた深絞り成形性を確保することができ
る。0.01wt%以下であれば更に好適である。下限につい
ては特に規定されず、脱燐に必要な製造コストのアップ
代と特性改善効果とのバランスで決定される。
【0019】(Ti:0.015 〜0.04wt%)Tiはこの発明に
おいて重要な成分であり、Ti脱酸により、50μm 以下の
サイズの微細酸化物系介在物を形成させ、冷延−焼鈍時
の粒成長性を制御して、強度−伸びバランスを向上させ
る。更に、この微細酸化物は、熱延板の微細化にも有効
であるため、冷延−焼鈍後に{111}再結晶集合組織
が発達してr値が向上する。また、このような機構を応
用して集合組織を制御することで特にr値の面内異方性
を改善することができ、これはイヤリングの発生が問題
とされる2ピース缶用の鋼板としては極めて重要であ
る。その添加量が0.015 wt%未満では、添加効果すなわ
ち微細酸化物の量の生成が不十分であり、集合組織、結
晶粒径制御が十分に達成されない。したがって、0.015
wt%以上と限定した。しかしながら、Tiが0.04wt%を超
えて添加された場合は熱間圧延時の変形抵抗が顕著に増
大し、更に冷間圧延が大きい極薄の鋼板では極めて重要
である冷間圧延性が顕著に低下するため冷間圧延が困難
となる。これらのことから、Ti添加量は0.015 〜0.04wt
%とした。
【0020】(Al:0.001 〜0.01wt%)Alはこの発明に
おいて特に重要な成分であり、Al含有量が0.01wt%を超
えると、Al脱酸になり、巨大Al2O3 クラスターが多量に
生成し、表面性状を劣化させるとともに、冷延−焼鈍時
の粒成長性を制御できる50μm 以下の微細酸化物が少な
くなるため、強度伸びバランスが低下する。更に、この
発明が対象とする2ピース缶に適用した場合はこれによ
り不可避的に混入する巨大なアルミナ(クラスター)に
起因する製缶工程での割れの発生が顕著となる。これ
は、製缶作業の安定性を著しく損なうものである。以上
のことから、Al含有量は、0.01wt%以下と限定した。更
に重要なことは、Al量がこれよりも多いと介在物組成が
Al2O3 −CaO及び/又はAl2O3 −REM 酸化物系となっ
て、錆の起点となり、耐食性を劣化させることである。
この観点からもAlの上限は0.01wt%とする。Al量の下限
は、脱ガス、連続鋳造の操業安定化の観点から、0.001
wt%とする。
【0021】(N:0.01wt%以下(0 を含まない))N
は、固溶強化成分として寄与するため、この発明のごと
く極めて厳しい塑性加工に適用する場合は延性の低下に
つながるため、極力低減することが望ましい。0.01wt%
を上限とすることで上記の問題が顕在化することを防止
できる。なお、好ましい下限値は特に限定されないが、
各製造工程で侵窒を防止するための製造コストアップと
機械的特性の変化を勘案すれば0.001 wt%である。ま
た、好ましい上限値は0.005 wt%であり、0.003 wt%以
下であればより好ましい。
【0022】(Ca及び/又は金属REM :合計で0.0005〜
0.01wt%)Ca及び金属REM (La、Ceなどの希土類元素を
いう)は、この発明において重要な成分であり、Ca及び
REM のいずれか1種又は2種を0.0005wt%以上添加する
必要がある。すなわち、Ti脱酸した後、さらに0.0005wt
%以上になるようにCa及びREM のいずれか1種又は2種
を添加して、溶鋼中の酸化物組成を、Ti酸化物:20wt%
以上90wt%以下、好ましくは85wt%以下、CaO 及び/又
はREM 酸化物:5wt%以上40wt%以下、Al2O3 が40wt%
以下である低融点の酸化物系介在物とする。そうする
と、連続鋳造時に、地金を含んだTi酸化物のノズルへの
付着を有効に防止でき、ノズルの閉塞を防止できる。さ
らに、CaO 及び/又はREM 酸化物は、微細な粒子として
鋼中に存在し、熱延板の細粒化に寄与できる。しかもこ
の介在物は冷延・焼鈍後における鋼板の機械的特性を改
善することにも有効に寄与する。これらのことから、C
a,REM の1 種又は2 種を合計で0.0005wt%以上含有さ
せるが、添加量が合計で0.01wt%を上回ると逆に鋼板の
耐食性が顕著に低下するため缶用鋼板としての適用は極
めて困難なものとなる。以上のことから0.0005〜0.01wt
%の範囲とした。
【0023】(S− 5×((32/40) Ca+(32/140) REM)
≦0.0014wt%)Sは鋼の加工性に対しては有害な成分で
あるので極力低減することが望ましい。しかし、過度の
脱硫処理はコストアップの要因になるので、これと機械
的特性の改善効果とを勘案して、上限は0.01wt%とす
る。より好ましい上限値は0.005wt%である。また、S
は、鋼中で種々の硫化物として存在し得るが、MnS 系の
介在物として存在する場合は熱間圧延時に圧延方向に顕
著に展伸して、特に圧延方向に直交する方向の機械的性
質を悪化させる。これはすなわち、この発明が対象とす
る加工性、特に局部変形能の低下につながる。この点、
Ca、REM を添加することにより硫化物の形態及び非延性
が改善され、この発明が主眼とする局部延性の改善が顕
著となる。発明者らの調査によれば、Ca、REM の添加に
より、理由は不明であるが原子比でこれらの元素の約5
倍のSまでが無害の硫化物となると考えられる。したが
って、有害なS量、すなわちS− 5×((32/40) Ca+(3
2/140) REM) の値が十分小さければ、硫化物による耐二
次加工脆性の低下は生じない。調査により、有害なS量
は0.0014wt%以下であれば、問題ないことがわかった。
【0024】(O:0.010 wt%以下)Oは不可避的混入
成分であり、特に限定するものではないが、微細な酸化
物を生成させるためにある程度は必要な成分である。し
かし、0.010 wt%を超えて含有させると粗大なAl2O3
多量に生成させて、深絞り成形性に代表される加工性が
低下するので、0.010 wt%を上限とした。なお、好まし
い上限値は0.007 wt%であり、0.005 wt%以下であれば
より望ましい。
【0025】(Ni:0.005 〜1.0 wt%) (Cr:0.005 〜1.0 wt%)Ni及びCrは、鋼板を固溶強化
することなく組織を微細化することで、あるいは高歪み
速度環境での変形を容易化することで、この発明が目標
とする製缶工程での破胴現象などの不具合の発生を防止
できる。したがって、この発明では必要に応じてNi及び
Crの1 種又は2 種以上を添加することができる。両者と
も0.005 wt%以上の添加で顕著な効果を発揮し、複合し
て添加した場合でもこの効果は相殺されることはない。
しかし、1.0 wt%を超えて添加してもその効果は飽和す
る傾向にあり、製造コストの顕著な上昇につながるた
め、いずれも上限を1.0 wt%とした。材質の安定化とい
う観点では0.01〜0.5 wt%の範囲が更に好適である。
【0026】(Nb:0.002 〜0.04wt%)NbもNiやCr同様
に鋼板の結晶粒の微細化に極めて有効である。したがっ
て、この発明では必要に応じてNbを添加することができ
る。0.002 wt%以上の添加で顕著な効果を発揮する。し
かし、0.04wt%を超えてNbを添加してもその効果は飽和
する傾向にあり、また、顕著な材質の硬化が起こるため
熱間圧延性と冷間圧延性とがいずれも低下する。このた
め、Nbの添加量は0.002 〜0.04wt%の範囲とした。材質
の安定化という観点では0.005 〜0.02wt%が更に好適で
ある。
【0027】以上の成分組成範囲を満足する鋼におい
て、粒径1 〜50μm の酸化物系介在物がTi酸化物及びCa
O ,REM 酸化物の1 種又は2 種を含有する介在物である
ことが、この発明では重要である。かかる脱酸生成物と
しての介在物が、Ti酸化物及びCaO ,REM 酸化物の1 種
又は2 種を含有するもの、より詳しくは、Ti酸化物−Ca
O 及び/又はREM 酸化物−Al2O3 −SiO2系の酸化物系の
介在物になることにより、錆の少なく、介在物、析出物
による変形能の劣化がほとんどなく、かつ、クラスター
状介在物による表面欠陥がなく、しかも地金を含んだTi
酸化物のノズルへの付着がない、この発明で所期した缶
用鋼板となる。なお、この発明で規定する酸化物系介在
物を粒径1 〜50μm のものに限定しているのは、かかる
範囲の介在物が脱酸により生成した介在物と見なすこと
ができるからであり、粒径が50μm を超える介在物は一
般に、スラグかモールドパウダーなどの外来性の介在物
が主因である。なお、Al2O3 系クラスターには、これよ
り巨大なものもあるが、粒径50μm 以下の介在物の酸化
物組成が上記要件を満たしていれば、巨大なAl2O3 系ク
ラスターも十分減少しているとみなすことができる。
【0028】上述の粒径1 〜50μm の酸化物系介在物の
組成は、Ti酸化物:20wt%以上90wt%以下、CaO ,REM
酸化物の1 種又は2 種の合計:10wt%以上40wt%以下、
Al2O 3 :40%以下(Ti酸化物、CaO ,REM 酸化物の1 種
又は2 種、Al2O3 の合計は100 %以下)であることが、
より好ましい。
【0029】上記介在物のTi酸化物が20wt%に満たない
場合はTi脱酸鋼ではなく、Al脱酸鋼となり、Al2O3 濃度
が高まるためにノズル詰まりが発生する。また、CaO, R
EM酸化物濃度が高くなると耐発錆性が劣化するため、Ti
酸化物濃度は20%wt%以下とする。一方、Ti酸化物濃度
が90wt%を超えると、CaO, REM酸化物の割合が少なくな
って、かえってノズル詰まりが発生することから、Ti酸
化物濃度は20wt%以上90wt%以下とする。より好ましく
は30wt%以上80wt%以下とする。
【0030】また、上記介在物中のCaO ,REM 酸化物の
1 種又は2 種の合計が10wt%に満たないと、介在物が低
融点とならず、前述のようにノズルの閉塞を引き起こ
す。一方、40wt%を超えると介在物がその後にSを吸収
して水溶性に変化し、錆の起点となるため耐食性が低下
する。なお、より好ましい範囲は20〜40wt%である。
【0031】また、上記介在物中のAl2O3 については、
40wt%を超えると高融点組成となるためにノズル閉塞が
起きるだけでなく、介在物の形状がクラスター状にな
り、製品板での非金属介在物性の欠陥が増加する。な
お、鋼中にAlがほとんど含有していない場合には、介在
物中のAl2O3 もほとんど無視し得るだけの濃度になる。
【0032】なお、上記酸化物系介在物中には、上掲し
たもの以外の酸化物が混入する場合もあり、その場合に
上掲したもの以外の酸化物の量については、特に限定す
るものではないが、SiO2については、30wt%以下、MnO
については、15wt%以下に制御するのが好ましい。この
理由は、これらがそれぞれの量を上回ると、この発明で
対象とするチタンキルド鋼とはいえないし、こうした組
成のもとでは、Ca添加を行わなくてもノズル詰まりはな
く、発錆の問題も無くなるためである。しかも、介在物
中にSiO2, MnO を含有させるためには、酸化物の形成傾
向を考慮すると溶鋼のSi, Mn濃度をMn/Ti>100 、Si/
Ti>50にすることが好ましいのであるが、この場合、鋼
の硬質化、表面性状の劣化などを招く。この発明の鋼板
は、板厚0.2 mm以下の鋼板である。これより厚い鋼板に
おいては、この発明の手法を用いずとも充分に安定した
製缶作業の実施が可能であるためである。
【0033】この発明の鋼板は、結晶粒径が10μm 以下
の均一かつ微細な結晶粒からなる組織である場合に、極
薄鋼板においても成形後の表面荒れによる外観不良、こ
れに起因する伸びの低下などの問題を回避することが可
能となる。したがって、結晶粒径が10μm 以下の均一か
つ微細な結晶粒からなる組織とすることは好ましく、粒
径が7μm 以下とすることはさらに好適である。なお、
かかる組織は、鋼組成と熱延条件(後述するスラブ加熱
温度、仕上温度など)を調整することにより、得ること
ができる。
【0034】また、引張強度は450MPa以下とする。これ
は、450MPaを超えると製缶を行う場合にしわの発生等で
安定した成形が困難となるためである。
【0035】また、|Δr|は0.2 以下とする。この、
|Δr|は鋼板のr値の面内異方性を評価するものであ
り、製缶工程においては、耳の発生(イヤリング)に対
応するものである。|Δr|の測定は、充分な伸びがあ
る素材の場合には、通常の引張法によるが、伸びが足り
ない場合にはJIS に定める共振法によって求めてもよ
い。|Δr|が0.2 を超えるとイヤリングが顕著とな
り、歩留り低下につながる他缶胴部の板厚分布も不均一
化し、後のネックイン加工でのしわ発生、フランジ加工
での割れなどの原因となる。
【0036】次に、この発明の鋼の製造方法について説
明する。この発明において、調整成分としてのTiを、T
i:0.015 wt%以上とする理由は、Tiが0.015 wt%未満
では脱酸素能力が弱く、溶鋼中の全酸素濃度が高くな
り、伸び、絞りなどの材料特性が悪化するためである。
この場合、Si, Mnの濃度を高めて脱酸力を増加すること
も考えられるが、Tiが0.015 wt%未満ではSiO2又はMnO
含有介在物が大量に生成し、鋼材質の硬化やめっき性の
劣化を招く。これを防ぐには (wt%Mn)/ (wt%Ti) <10
0 とするようにTiを含有させることが必要となる。その
場合、介在物中のTi酸化物濃度は20%以上となる。
【0037】この発明に係るチタンキルド鋼板の製造に
あたっては、まず、溶鋼をFeTiなどのTi含有合金により
脱酸し、鋼中にTi酸化物を主体とする酸化物系介在物を
生成させる。その介在物は、Alで脱酸した時のような巨
大クラスター状ではなく、1〜50μm 程度の大きさの粒
状、破断状のものが多くを占める。ただし、このときAl
濃度が0.010 wt%を超えていると、巨大なAl2O3 クラス
ターが生成する。このようなAl2O3 クラスターは、Ti合
金を添加してTi濃度を増加しても還元できず、鋼中にク
ラスター状介在物として残存する。したがって、この発
明に係る鋼板については、製造の段階で、まず溶鋼中に
Ti酸化物を生成させることが好ましい。
【0038】なお、この発明のもとでは、Alで脱酸する
従来方法に比べると、Ti合金の歩留りが悪く、しかも、
Ca, REM を含有するため介在物組成調整用合金は高価で
ある。このことから、かかる合金の溶鋼中への添加は、
介在物の組成制御が可能な範囲内でできるかぎり少量で
済むように行うのが経済的で好ましい。この意味におい
て、Ti含有合金などの脱酸剤の添加の前には、溶鋼中の
溶存酸素、スラブ中のFeO, MnOを低下させるために溶存
酸素濃度が200 ppm 以下になるように予備脱酸すること
が望ましい。この予備脱酸は、真空中での溶鋼攪拌、少
量のAlによる脱酸(脱酸後の溶鋼中のAlが0.010 wt%以
下)、SiやFeSi, MnやFeMnの添加によって行うのが好ま
しい。なお、予備脱酸の直後にTiによる脱酸を行うと、
改質が不十分な介在物が溶鋼中に多数残存することとな
り、目的の介在物組成にコントロールするのが困難とな
る。そこで、予備脱酸剤の添加後3 〜4 分、Ti添加後8
〜9 分の攪拌を行うことにより、介在物がTi酸化物:20
wt%以上90wt%以下、CaO ,REM 酸化物の1 種又は2 種
の合計:10wt%以上40wt%以下、Al2O3 :40%以下の組
成となり、Ti脱酸に支配される介在物となる。
【0039】上述したように、Ti脱酸により生成したTi
2O3 ≧70%のTi酸化物系介在物というのは、2 〜20μm
程度の大きさにて鋼中に分散するため、クラスター状の
介在物による表面欠陥はなくなる。しかしながら、Ti酸
化物は溶鋼中では固相状態であり、また、極低炭素鋼は
凝固の温度が高いために、地金を取り込んだ形でタンデ
ィッシュノズルの内面に成長し、ノズルの閉塞を誘発す
る。
【0040】そこで、この発明に係る鋼板では、Ti合金
により脱酸した後、さらに0.0005wt%以上になるように
Ca及びREM のいずれか1種又は2種を添加して、溶鋼中
の粒径1 〜50μm の酸化物系介在物を、Ti酸化物:20wt
%以上90wt%以下、好ましくは85wt%以下、CaO 及び/
又はREM 酸化物:5 wt%以上40wt%以下、Al2O3 が40wt
%以下である低融点の酸化物系介在物とする。そうする
と、地金を含んだTi酸化物のノズルへの付着を有効に防
止することが可能になる。より好ましい介在物の組成
は、Ti酸化物:30wt%以上80wt%以下、CaO ,REM 酸化
物(La2O3 、Ce2O 3 など):10wt%以上40wt%以下、Al
2O3 :20%以下、その他(SiO2,MnO 等):10%以下で
ある。かかる酸化物系介在物の組成の測定は、EPMAを用
いて、あるいはEDX 機能のある走査型電子顕微鏡を用い
て、各介在物ことに定量分析を行うことで行われる。こ
のようにして分析された鋼中の介在物の全てが上記の組
成を満たすことは最も望ましいところではあるが、実用
上は1 〜50μm の大きさの介在物のうち個数で50%以上
のものが上記組成範囲となっていれば、この発明の目的
とする鋼板の諸特性が達成される。なお、粒径は、各粒
における最大径を用いるものとする。
【0041】この発明において、生成する介在物の組成
を上記のように制御した場合、連続鋳造時にタンディッ
シュノズル及びモールドの浸漬ノズル内面に酸化物など
が付着するのを完全に防止することができる。したがっ
て、タンディッシュや浸漬ノズル内に、酸化物などの付
着防止のためのArやN2などのガスを吹き込む必要がなく
なる。その結果、連続鋳造時のパウダー巻き込みによる
鋳片のパウダー性欠陥や、吹き込んだガスによる気泡性
の欠陥が鋳片に発生するのを防止できるという効果が得
られる。
【0042】連続鋳造後の熱間圧延工程に関して、スラ
ブ加熱温度は1000〜1300℃であることが好ましい。1000
℃未満のスラブ加熱温度では、特に粗圧延時の荷重負荷
が高くなりすぎ、操業上の問題が生じる。一方、1300℃
を超える高い温度では、圧延前の結晶粒径が大きくなり
すぎるため、熱延板を均一かつ微細化することが困難と
なり缶用鋼板としては肌荒れなどが顕著となるため好ま
しくない。したがって、スラブ加熱温度はスラブ加熱温
度は1000〜1300℃とした。なかでも、1200℃以下のスラ
ブ加熱温度が深絞り性の観点からは好ましい。また、連
続鋳造されたスラブを温片で加熱炉に挿入するDHCR(ダ
イレクトホットチャージローリング)や、直送圧延(CC
-DR )は省エネルギーの観点から好ましい。
【0043】熱間圧延終了温度は、850 〜960 ℃である
ことが好ましい。というのは、850℃未満では熱延母板
の組織が不均一となりこれが冷延−焼鈍した後も悪影響
を及ぼし、加工後に表面あれなどの問題を生ずる。960
℃を超えるとスケール疵の発生の危険性が大となる。ま
た、熱間圧延後のコイル巻取り温度は、高温ほど析出物
の粗大化に有利であるが、高すぎるとスケールが厚くな
り過ぎるなどの問題が生じるので、400 〜750 ℃が好ま
しい。熱間圧延後は酸洗し、冷間圧延を施してから焼鈍
を行う。酸洗は特殊な条件を必要としない。すなわち、
通常行われるように塩酸あるいは硫酸により表面の酸化
スケール層を除去する。
【0044】冷間圧延についても特別な条件はないが、
製品の厚みが薄いことから、一般の冷延鋼板に比較して
冷間圧下率は85%以上と高くなる。冷間圧延のより好ま
しい圧下率は85〜95%であり、95%を超えると|Δr|
の値が大きくなって|Δr|を0.2 以下とするのが困難
となる。焼鈍工程においては、高度の加工性を得るため
に、完全な再結晶組織とする必要がある。このため、焼
鈍は再結晶温度以上とする。焼鈍法としては連続焼鈍、
バッチ焼鈍のいずれでも良いが、効率及び材質均一性の
観点から連続焼鈍が推奨される。鋼板の強度や硬度を高
めるために、焼鈍後に、二次冷間圧延を行うことも可能
である。この場合は、高強度化と同時に鋼板の薄肉化も
達成できる利点があるが、鋼板の延性は低下する傾向を
示すので、概ね30%以下にとどめることが望ましい。
【0045】上述のようにして製造された鋼板に、錫め
っき、ニッケルめっき、錫−ニッケルめっき、クロムめ
っきなどを行うことも可能であり、更に、これらのめっ
きの上に又はめっきなしに直接、PETなどのフィルム
をラミネートすることも可能である。粒径を10μm 以下
とすることは、これらの鋼組成、製造条件を最適な範囲
で組合わすことで達成される。たとえば、Ti,Mn等の添
加を多目にする、仕上圧延終了温度やコイル巻取温度お
よび焼鈍温度を低目にする等を組み合わせることが有効
である。
【0046】
【実施例】(実施例1)転炉出鋼後、300 ton の溶鋼を
RH脱ガス装置にて脱炭処理し、C=0.014 wt%、Si=0.
01wt%、Mn=0.25wt%、P=0.010 wt%、S=0.004 〜
0.008 wt%に調整するとともに、溶鋼温度を1585〜1615
℃に調整した。この溶鋼中に、Alを0.2〜0.8kg/ton 添
加して、3〜4分の予備脱酸を行い溶鋼中の溶存酸素濃
度を55〜260ppmまで低下させた。このときの溶鋼中のAl
濃度は0.001 〜0.005 wt%であった。そしてこの溶鋼
に、70wt%Ti−Fe合金を0.8 〜1.8kg/ton 添加して8〜
9分かけてTi脱酸した。その後、成分調整を行った後
に、溶鋼中には30wt%Ca−60wt%Si合金や、それに金属
Ca, Fe, 5 〜15wt%のREM を混合した添加剤、又は、90
wt%Ca−5 wt%Ni合金などのCa合金、REM 合金のFe被覆
ワイヤーを0.05〜0.5kg/ton 添加し処理を行った。この
処理の後のTi濃度は0.026 〜0.058 wt%、Al濃度は0.00
1 〜0.005 wt%、Ca濃度は0.0000〜0.0034wt%、REM 濃
度は0.0000〜0.0020wt%、CaとREM との濃度の和は0.00
06〜0.0043wt%であった。
【0047】次に、この鋼を2ストランドスラブ連続鋳
造装置にて鋳造し連鋳スラブを製造した。鋳造時にはタ
ンディッシュならびに浸漬ノズル内にArガスを吹き込ま
なかった。連続鋳造後に観察したところでは、タンディ
ッシュならびに浸漬ノズル内には付着物はほとんどなか
った。
【0048】次に、上記連鋳スラブを板厚1.7 mmに熱間
圧延した。熱延条件はスラブ加熱温度:1130℃、仕上圧
延温度:890 ℃、熱延巻取り温度:620 ℃であった。熱
延鋼板を酸洗し、冷延して板厚0.18mmの冷延板とした。
その後、740 ℃で20 s均熱の連続焼鈍型の短時間焼鈍を
行い、破胴発生率試験及び錆発生の調査を行った。鋼組
成及び破胴発生率についての調査結果を表1に示す。な
お、このときの酸化物系介在物のサイズは大部分が幅
(最大径)が50μm 以下のものであった。また、酸化物
の内訳は、Ti2O3 :60〜70%、CaO +REM 酸化物:20〜
30%、Al2O3 :15%以下であった。この冷延板にはヘ
ゲ、スリーバー、スケールなどの非金属介在物性の欠陥
は0.00〜0.02個/1000m−コイル以下しか認められなかっ
た。
【0049】
【表1】
【0050】一方、比較のために、転炉出鋼後、300 to
n の溶鋼をRH真空脱ガス装置にて脱炭処理し、C=0.01
4 wt%、Si=0.01wt%、Mn=0.25wt%、P=0.010 wt
%、S=0.004 〜0.008 wt%に調整するとともに、S=
0.001 〜0.008 wt%に調整するとともに、溶鋼温度を15
90℃に調整した。この溶鋼中に、Alを1.2 〜1.6kg/ton
添加し脱酸処理を行った。脱酸処理後の溶鋼中のAl濃度
は0.035 wt%であった(Alキルド鋼)。その後、FeTiを
添加するとともに、成分調整を行った。この処理の後の
Ti濃度は0.040 wt%であった。
【0051】次に、この溶鋼を2ストランドスラブ連続
鋳造装置にて鋳造し連鋳スラブを製造した。なお、この
ときの、タンディッシュ内溶鋼の介在物の平均的な組成
は、95〜98wt%Al2O3, 5%以下のTi2O3 のクラスター状
の介在物が主体であった。
【0052】鋳造時にタンディッシュならびに浸漬ノズ
ル内にArガスを吹き込まなかった場合には、著しくノズ
ルにAl2O3 が付着し、3チャージ目にスライディングノ
ズルの開度が著しく増加し、ノズル詰まりにより鋳込み
を中止した。また、Arガスを吹いた場合にも、ノズル内
にはAl2O3 が大量に付着しており、8チャージ目にはモ
ールド内の湯面の変動が大きくなり鋳込みを中止した。
【0053】次に、上記連鋳スラブはスラブ加熱温度:
1150℃、仕上圧延温度:890 ℃、巻取り温度:680 ℃で
1.8 mmまで熱間圧延したのち、酸洗・冷延して板厚0.18
mmの冷延板とした。その後、750 ℃で20 s均熱の連続焼
鈍型の短時間焼鈍を行い、介在物の調査、成形性調査試
験(破胴発生率試験)及び錆発生の調査を行った。この
冷延鋼板にはヘゲ、スリーバー、スケールなどの非金属
介在物性の欠陥は0.45個/1000m−コイル認められた。
【0054】得られた冷延板の破胴発生率試験の結果
を、S− 5×((32/40) Ca+(32/140)REM) との関係で
表1に示す。ここで、比較例1〜6は、S、Ca、REM の
関係以外はこの発明に従い製造した鋼であり、比較例7
は比較用に溶製したAlキルド鋼である。なお、この破胴
発生率試験は、鋼板の潤滑条件を実製缶条件よりも悪い
状態で絞り−再絞り−再々絞り成形を行い、割れを生ず
る割合を比較するものである。なお成形の寸法は市販の
350 ml缶サイズである。この発明が対象とする極薄の缶
用鋼板では加工の限界を決定する要因の一つであり、よ
り低い値が要求される。
【0055】表1より、この発明の鋼板の好適な方法で
溶製し、かつ、S− 5×((32/40)Ca+(32/140) REM)
が0.0014wt%以下の鋼板は、優れた、すなわち低い破胴
発生率を示した。なお、鋼板の錆発生率(0℃、湿度95
%中に10時間放置後)については、発明鋼、比較鋼とも
問題のない値であった。
【0056】(実施例2)表2に示す成分組成を含み、
残部は実質的に鉄からなる鋼をこの発明の好適な方法に
従い転炉で溶製し、この鋼スラブを表3に示す条件で熱
間圧延、冷間圧延、連続焼鈍、そして調質圧延を行い、
最終仕上板厚を0.17mmとした。ただし、比較例である鋼
No. 14はこの通常のアルミキルド鋼の溶製法に従い溶製
した。そして、表面処理層として金属クロム層とクロム
酸化物層を施し表面処理鋼板とした。
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】このようにして得られたティンフリー鋼板
の鋼板特性の調査を行った。これらの調査方法は以下の
とおりである。なお、表4中の酸化物系介在物組成は粒
径1〜50μm の介在物を調査し、平均値(介在物サイズ
による重み付けはせず)をとった。本発明の成分組成範
囲になる試料は、介在物の個数の50%以上がTi酸化物:
20wt%以上90wt%以下、CaO ,REM 酸化物の1種又は2
種の合計:10wt%以上40wt%以下、Al2O3 :40%以下の
範囲内になることを確認している。 (A) 金属組織評価 製品断面を研磨、エッチングをした後、光学顕微鏡によ
り金属組織を観察し、結晶粒径の測定を行った。 (B) 製品板の引張特性 JIS 5号引張試験片を使用し、製品板の各種引張特性を
調査した。なお、平均r値及びΔrは以下の式で求め
た。 平均r値=(rL +rC + 2rD )/4 Δr=(rL +rC − 2rD )/2 で求めた。ただし、rL 、rC 、rD は、それぞれ圧延
方向に対して0 度、90度、45度の方向のr値を示す。な
お、製缶後の耳発生率を低減するには、Δrを±0.2 以
内に収めることが必要である。
【0060】(c) 製缶性及び製缶後の評価 表面処理鋼板の両面に厚さ20μm 、融点230 ℃のポリエ
ステルフィルムを熱接着することにより樹脂フィルム被
覆鋼板を得た。この樹脂フィルム被覆鋼板に予めパーム
油を塗布し、直径179 mmの円盤に打ち抜き、常法に従
い、浅絞りカップに成形した。次いで、第1次の再絞り
加工、第2次再絞り加工及びしごき工程で成形し、カッ
プ径63mm、カップ高さ127 mmの深絞りカップを得た。製
缶時の破胴発生率はこの時の破胴発生率を測定した。こ
の後、常法に従ってボトム成形を行った後、パーム油を
洗浄水で脱脂した。耳発生量はこの時の耳高さの平均値
により評価した。その後、トリミングを行い、次いでネ
ックイン加工を行った。製缶後の肌あれについては、特
に肌あれが発生し易い同じタイプの缶と比較して、その
優劣を比較評価した。このような方法で1000缶の製缶実
験を行い、各種評価を行った。
【0061】これらの調査結果より、肌荒れの防止に
は、製品板の平均結晶粒径を10μm 以下とし、製缶後の
耳発生率を低減するにはΔrを±0.2 以内に収めること
が必要であることも判明した。これらの結果を表4に示
す。
【0062】
【表4】
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る極
薄板厚の極低炭素冷延鋼板は、その製造にあたり、連続
鋳造時に浸漬ノズルの閉塞を引き起こすことがなく、極
めて安定した連続鋳造が可能であり、圧延鋼板の表面は
非金属介在物に起因する表面欠陥がほとんど皆無で極め
て清浄である。更に、板厚が薄いにも関わらず極めて厳
しいプレス成形を行った際の広範囲な成形可能範囲と耐
食性に優れた性質を有する鋼板として缶用などとしての
広範な用途に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三木 祐司 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 荒谷 誠 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 久々湊 英雄 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.001 〜0.1 wt%、 Si:0.2 wt%以下、 Mn:0.05〜1.0 wt%、 P:0.02wt%以下、 Ti:0.015 〜0.04wt%、 Al:0.001 〜0.01wt% N:0.01wt%以下及びCa,REM の1 種又は2 種を合計で
    0.0005〜0.01wt%を含み、更に、S及びCa,REM の1 種
    又は2 種の含有量が次式 S− 5×((32/40) Ca+(32/140) REM) ≦0.0014wt% の関係を満たして残部はFe及び不可避的不純物の組成に
    なり、かつ、粒径1 〜50μm の酸化物系介在物がTi酸化
    物及びCaO ,REM 酸化物の1 種又は2 種を含有し、引張
    強度が450 MPa 以下で、|Δr|が0.2 以下、板厚が0.
    2 mm以下である表面性状が良好で製缶の安定性に優れる
    優れる缶用鋼板。
  2. 【請求項2】C:0.001 〜0.1 wt%、 Si:0.2 wt%以下、 Mn:0.05〜1.0 wt%、 P:0.02wt%以下、 Ti:0.015 〜0.04wt%、 Al:0.001 〜0.01wt% N:0.01wt%以下及びCa,REM の1 種又は2 種を合計で
    0.0005〜0.01wt%を含み、かつ、 Ni:0.005 〜1.0 wt%、 Cr:0.005 〜1.0 wt%、 Nb:0.002 〜0.04wt%、 の1 種又は2 種以上を含有し、更に、S及びCa,REM の
    1 種又は2 種の含有量が次式 S− 5×((32/40) Ca+(32/140) REM) ≦0.0014wt% の関係を満たして残部はFe及び不可避的不純物の組成に
    なり、かつ、粒径1 〜50μm の酸化物系介在物がTi酸化
    物及びCaO ,REM 酸化物の1 種又は2 種を含有し、引張
    強度が450 MPa 以下で、|Δr|が0.2 以下、板厚が0.
    2 mm以下である表面性状が良好で製缶の安定性に優れる
    優れる缶用鋼板。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記粒径1 〜
    50μm の酸化物系介在物がTi酸化物:20wt%以上90wt%
    以下、CaO ,REM 酸化物の1 種又は2 種の合計:10wt%
    以上40wt%以下、Al2O3 :40%以下(Ti酸化物、CaO ,
    REM 酸化物の1 種又は2 種、Al2O3 の合計は100 %以
    下)の組成を有することを特徴とする引張強度が450 MP
    a 以下で、|Δr|が0.2 以下、板厚が0.2 mm以下であ
    る表面性状が良好で製缶の安定性に優れる優れる缶用鋼
    板。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において、
    鋼板が粒径10μm 以下の結晶粒からなることを特徴とす
    る引張強度が450 MPa 以下で、|Δr|が0.2 以下、板
    厚が0.2 mm以下である表面性状が良好で製缶の安定性に
    優れる優れる缶用鋼板。
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