JP2816358B2 - Di缶用鋼板の製造方法 - Google Patents

Di缶用鋼板の製造方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はDI缶(Drawn & Ironed Can)用鋼板に関
し、DI加工性の優れた高強度薄鋼板を製造する方法に関
するものである。
[従来の技術] 従来の製缶法はハンダ付け、溶接或いは接着により缶
胴を作り、上蓋下蓋を取り付けるスリーピース缶が主体
であったが、近年製缶技術の向上により、絞り加工によ
り缶胴と缶底を一体成形し、次いで上蓋を取り付ける所
謂ツーピース缶が多用されるようになってきた。現在実
用されているツーピース缶にはDI缶、DRD缶(Drawn &
Red rawn Can)およびDTR缶(Drawn,Thinned & Redraw
n Can)がある。
上記DI缶は、深絞りによってまず浅いカップを成形
し、次いでIroning工程でカップ外径よりも小さい内径
のダイスを数回通過させ、その際ダイスとポンチのクリ
アランスを板厚以下とすることにより缶壁厚を減少させ
つつ缶高さを増大させる製缶方法で、継ぎ目のない缶胴
と缶底とを一体成形し、その後さらにカップ端に上蓋を
捲締めたものである。
DI缶用鋼板に要求される特性としてはDI加工時の異方
性が小さいこと及び加工エネルギーが小さく更にDI加工
後のフランジ成形性が優れていることが必要で、かつ缶
体としての耐圧強度が高いことが必要である。
斯かるDI缶用材料として従来はAlキルド鋼を箱焼鈍し
たJIS 3303のT−1,T−2或いはT−2,5の軟質鋼板が使
用されていた。箱焼鈍材は一般的にr値が高くDI成形性
に優れまた軟質であるため加工エネルギーも小さいとさ
れてきた。
[発明が解決しようとする課題] 近年DI缶はコスト低減の必要性から板厚の薄手化が急
務であるが、板厚を薄くすると缶体としての耐圧強度が
低下する。缶体の耐圧強度は(板厚)2×(板強度)で
決まり、薄手化するには素材強度を高める必要がある。
箱型焼鈍では鋼板が軟質化するため強度増の要求に対
して対応が難しい。強度増のために溶鋼の状態で合金元
素の添加等も考えられるがコストアップとなり経済的で
なく、また食品衛生上の問題もあるため難しい。
又強度を増すとDI加工時の成形エネルギーが高くな
り、工具の摩耗及び加工熱による缶表面の見栄えへの悪
影響等、更にはフランジ成形性が劣化する等の問題があ
る。
[発明の目的] 本発明の目的は、DI缶成形荷重が小さく加工後耐圧強
度の大きいDI缶用薄鋼板を得ることである。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するため本発明者は次の方法によっ
て、所定の高強度を持たせた鋼板がDI成形荷重が小さ
く、加工変形熱による缶表面の見栄えの劣化もなくその
後のフランジ成形も良好であることを見出した。
即ち本発明により、0.006%≦C<0.02%(重量%、
以下同様)、Si≦0.03%、Mn≦0.5%、P≦0.03%、S
≦0.03%、0.02%≦Sol.Al≦0.08%、N≦0.015%を含
有し残部はFeおよび不可避的不純物よりなる鋼に対しAr
3点以上の仕上げ温度で熱間圧延を施し、500〜700℃で
捲取り、次いで酸洗、一次冷間圧延後、連続焼鈍工程で
630℃以上オーステナイト化温度以下に均熱して再結晶
焼鈍を施し、次いで圧下率20%未満の二次冷間圧延を施
すことを特徴とするDI缶用鋼板の製造方法 が提供される。
以下に本発明を詳細に説明する。
鋼成分 Cは本発明の主要な限定成分の一つであり、C含有量
が多すぎるとランクフォードr値が低下し、絞り加工時
の缶高さが低減して望ましくなく、又カーバイドが高温
焼鈍時に凝集して粗大化し、DI加工後のフランジ成形時
の割れにつながるために上限を0.02%(未満)とした。
又C量が低減されると絞り性の指標となるランクフォー
ドr値は大きくなり、DI加工性は向上するが、低過ぎる
と連続焼鈍時に結晶粒が粗大化するためにその下限を0.
006%とする必要がある。
Siは鋼を硬化させ加工性を低下させるので少ない程望
ましいが製鋼時Alで脱酸するために不可避的に流入して
くるものであるからその上限を0.03%とした。
Mnは不可避的に流入するSによる赤熱脆性を防止する
ために必要であるが、多く含有するとCと同様硬質化
し、加工性を低減させるのでその上限を0.5%とした。
Pは不可避的に流入する成分であるが、含有率が多す
ぎると鋼を硬質化し加工性を劣化させ缶用材として耐食
性を劣化させるのでその上限を0.03%とした。
Sは、前述したように熱延中において赤熱脆性を生じ
る不純物成分であり、極力少ないことが望ましいが、鉄
鉱石等からの混入を完全に防止することができないため
上限を0.03%とした。
Alは製鋼に際し脱酸剤として鋼浴に添加され、スラグ
として除かれるが、添加量が少ないと安定した脱酸効果
がないので(Sol.Alとして)0.02%以上必要である。一
方Al成分が多すぎるとAlNとして析出し、連続焼鈍時の
結晶成長を抑制するのでその上限を規制し(Sol.Alとし
て)0.08%とした。
Nは製鋼・鋳造時、空気と接して混入して来るものと
フェロ窒化物として添加するものがあるが、AlNとして
析出して結晶成長を抑制しない範囲で多いほど、高強度
材を得る場合に望ましい。従って、フェロ窒化物として
投入する歩留りを考慮してその上限を0.015%とした。
製造条件 熱間圧延について、熱間圧延工程におけるスラブ加熱
温度は本発明において特定するものではないが、熱間圧
延仕上げ温度の安定的確保の見地から1050℃以上が望ま
しい。熱間仕上げ圧延温度をAr3点より低くすると、板
厚精度の確保が難しく、熱延鋼帯の結晶組織が混粒化す
るとともに粗大化し、その後の冷延、焼鈍工程において
形状制御が難しくなると同時に、絞り加工時の異方性の
原因になるため熱間圧延仕上げ温度はAr3点以上とし
た。
又捲取り温度は700℃を超えると酸洗のスケ一ル落ち
が悪くなるため700℃以下とした。
一次冷間圧延は、酸洗後の熱延鋼板の厚みを薄くし、
表面を美麗に仕上げるだけでなく、本発明では連続焼鈍
後の二次冷間圧延圧下率(以下二次冷延率という。)と
の関係で、所定強度、加工性を持たせるために85〜95%
の圧下率範囲で行う。
その後の連続焼鈍は、上記一次冷間圧延によって加工
硬化した鋼板を再結晶させることにより軟化させる工程
である。この場合再結晶と良好に行うためには、焼鈍均
熱温度が特に重要である。一般に焼鈍温度は高い程DI加
工荷重は小さくなり成形性は良好となるが(第2図参
照)、一方あまり高温で行うと、前述したように(5頁
中段参照)カーバイドの粗大化を招きDI加工上好ましく
ない。
従って均熱下限温度は再結晶を生ずる温度を安定確保
するための630℃とする。一方上限はカーバイドの粗大
化を招かない上限であるオーステナイト化温度とする。
その後の二次冷間圧延は、焼鈍で軟化した鋼板の機械
的特性の向上、最終板厚調整、板形状制御、表面粗度改
良等を目的とした重要な工程である。
本発明においては特に鋼成分との関係および焼鈍温度
との関係において、又要求される製品の機械的強度及び
製品板厚によって二次冷間圧延圧下率が決定される。
すなわち、二次冷延率を2%未満にすると、DI缶加工
後の缶耐圧強度が十分でなく、一方20%を越えるとDI缶
成形時しごき荷重が増加し、本発明の目的が達成できな
い。よって二次冷延率は2%〜20%とする。
以下に実施例を用いて本発明を更に詳細に説明する。
[実施例] 第1表に示す成分のものについて本発明を実施した結
果を第2表及び第3表に示す。
第1図は、製品硬度HR30T61を目標としたC量とA.I値
(Aging Index)との関係を示すグラフである。
なお、ここでいうA.I値とは、材料に10%の残留歪みを
与えたときの強度と、その後100℃の熱処理を施して、
再び引張った場合の、降伏点強度との差をいい、通常金
属学で述べられているとおりである。このグラフから、
C量がおおよそ0.006%以上であれば、A.I値が7kgf/mm2
をこえるものを確保できることがわかる。なお、A.I値
が7kgf/mm2をこえるとしたのは、C量との関係で加工硬
化を抑制してかつ時効硬化を確保できる領域だからであ
る。
第1図においてoでプロットした曲線(実線)は二次
冷延圧下率が5.5%の場合であり、●でプロットした曲
線(鎖線)は二次冷延圧下率が6.5%の場合である。
第1図の結果より、二次冷延圧下率を変えても極低炭
素の領域では、C:0.01%付近においてA.I値のピークが
見られることが明らかである。
第2図はDI製缶速度と3rdしごき荷重との関係を示す
グラフである。ここでは製缶のしごき荷重を3rdしごき
時の値で代表させ比較した。3rdしごき荷重は同じテン
パーで比較するとC:0.01%、800℃焼鈍材が最も低く、
次いでC:0.01%,700℃焼鈍材及びC:0.05%,700℃焼鈍材
の順に高くなっている。
従ってC:0.05%材は、いずれの製缶速度においてもし
ごき荷重が高く、本発明材に比較し劣っている。また、
C=0.01%で固定し、焼鈍温度を700℃と800℃の2レベ
ルを採ると、800℃処理材が優れた結果であった。
第3図はDI成形による缶壁硬度変化を示すグラフであ
って、DI成形における成形性の目安として加工硬化の程
度を加工の前後で比較したものである。第3図におい
て、異なる成分、焼鈍条件で製造した鋼板を同一条件で
DI加工したところ、テンパーT−4CA,T−5CAの材料の加
工硬化は、何れのテンパーの場合もC:0.05%、700℃材
>C:0.01%,700℃材>C:0.01%,800℃材の順に加工硬化
量が大きい事が判明した。
従ってここでも本発明実施例(C:0.01%)が比較例
(C=0.05%)に比して優れている。
以上DI缶用素材として比較すると成形性に優れる点で
第2図、第3図の結果よりC=0.01%材が良く、成形後
の時効効果に優れる点でも第1図の結果より本発明実施
例(C:0.01%材)が良いことが判る。
[発明の効果] 本発明により、DI缶成形性に優れ、従って加工エネル
ギーが少くてすみ、かつ缶体加工後の耐圧強度が大きい
のでその分だけ板厚を薄くする事の可能なDI缶用薄鋼板
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はC量とA.I値の関係を示すグラフ、第2図はC
量、焼鈍温度のDI製缶速度と3rdしごき荷重の関係を示
すグラフ、第3図はDI成形前後における缶壁の加工硬化
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 8/02 C21D 9/46

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.006%≦C≦0.02%(重量%、以下同
    様)、Si≦0.03%、Mn≦0.5%、P≦0.03%、S≦0.03
    %、0.02%≦Sol.Al≦0.08%、N≦0.015%を含有し残
    部はFeおよび不可避的不純物よりなる鋼に対しAr3点以
    上の仕上げ温度で熱間圧延を施し、500〜700℃で捲取
    り、次いで酸洗、一次冷間圧延後、連続焼鈍工程で630
    ℃以上オーステナイト化温度以下に均熱して再結晶焼鈍
    を施し、次いで圧下率20%未満の二次冷間圧延を施して
    A.I値が7kgf/mm2をこえた鋼板を用いることを特徴とす
    るDI缶用鋼板の製造方法。
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