JPH08325670A - 製缶時の深絞り性及びフランジ加工性と、製缶後の表面性状とに優れ、十分な缶強度を有する製缶用鋼板及びその製造方法 - Google Patents

製缶時の深絞り性及びフランジ加工性と、製缶後の表面性状とに優れ、十分な缶強度を有する製缶用鋼板及びその製造方法

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JPH08325670A
JPH08325670A JP13526295A JP13526295A JPH08325670A JP H08325670 A JPH08325670 A JP H08325670A JP 13526295 A JP13526295 A JP 13526295A JP 13526295 A JP13526295 A JP 13526295A JP H08325670 A JPH08325670 A JP H08325670A
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steel
rolling
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JP13526295A
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Akio Tosaka
章男 登坂
Kaneharu Okuda
金晴 奥田
Masatoshi Araya
昌利 荒谷
Toshiyuki Kato
俊之 加藤
Hideo Kukuminato
英雄 久々湊
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来あまり活用されないでいた組織の微細化
による強化機構を積極的に利用することによって十分な
缶強度をもち、かつ、鋼の清浄化と、鋼組織を実質的に
フェライト単相組織にすることによって、製缶時の深絞
り性及びフランジ加工性と、製缶後の表面性状とを具備
する製缶用鋼板を提供することにある。 【構成】 この発明の鋼板は、重量比で、C:0.020 〜
0.150%、Si:0.05%以下、Mn:1.00%以下、P:0.05
0 %以下、S:0.010 %以下、N:0.0100%以下、Al:
0.100 %以下、Nb:0.005 〜0.025 %を含有し、残部が
不可避的不純物と鉄からなり、実質的なフェライト単相
組織であり、降伏強さが40kgf/mm2 以上、平均結晶粒径
が10μm以下、板厚が0.300mm 以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主として、ぶりき
(電気錫めっき鋼板)やティンフリースチール(主にク
ロムめっき鋼板)等の表面処理鋼板の原板として使用さ
れる、製缶用鋼板及びその製造方法に関するものであ
り、特に、製缶時の深絞り性及びフランジ加工性と、製
缶後の表面性状とに優れ、十分な缶強度を有する製缶用
鋼板を提供することを目指したものである。なお、この
発明の鋼板は、いわゆる2ピース缶(DI缶、DWI
缶、DTR缶、DRD缶等)や3ピース缶(溶接缶、接
着缶、はんだ缶等)などの製缶用として使用するのに適
しているが、この発明と同様な性能を必要とする他の用
途にも適用できる。
【0002】
【従来の技術】製缶用鋼板は、一般に、製缶時には深絞
り性及びフランジ加工性に優れ、かつ、製缶後の使用時
には十分な缶強度を有することが必要であり、これに加
えて、製缶後の表面外観の美麗さ等の表面性状に優れて
いることが望ましい。特に、材料コスト削減等の理由か
ら、製缶用鋼板は年々薄肉化する傾向にあり、そのた
め、薄肉化しても、これまでの鋼板と同等程度の強度を
維持できる手段を開発する必要があった。
【0003】極薄製缶用鋼板に十分な強度を付与するに
は、いわゆる軟鋼板を使用し、通常の焼鈍後に2次冷間
圧延を行うことによって薄肉化するとともに、この圧延
によって生じる加工硬化現象を利用して鋼板の強度を高
める方法が有用である。
【0004】しかし、この加工硬化による極薄製缶用鋼
板は、延性の劣化が顕著であるとともに、操業上、大き
な圧下率で冷間圧延を行う場合には、形状制御が難し
く、製品の歩留りが低下する等の根本的な問題があっ
た。また、この方法は、必然的に降伏比(引張強さに対
する降伏強さの割合)が増加するため、曲げ加工時のス
プリングバックが大きくかつ伸びの劣化が著しく、単純
に硬さのみを必要とする用途にしか使用できず、製缶用
鋼板として使用するには不向きである。また、鋼中に多
量の合金元素を添加して固溶強化現象を利用する方法も
あるが、この場合、表面の美麗さや耐食性が劣るという
問題がある。
【0005】そのため、強度と加工性の双方を満足させ
た製缶用鋼板の開発が行われるようになり、例えば、特
開昭59−50125 号公報にその製造方法が記載されてい
る。この公報に記載された製缶用鋼板の製造方法は、冷
間圧延後に730 〜850 ℃の温度域で均熱保持してフェラ
イト相とオーステナイト相との2相組織を形成し、その
後、急冷することによる。この製缶用鋼板は、高延性の
フェライト相と硬質化した析出相(マルテンサイト相)
との析出割合を調整することによって、強度と加工性の
双方を満足させることを狙ったものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前掲公報に記
載の製造方法は、鋼組織が製造条件に大きく左右される
ため、厳密な温度制御等が必要であり、実操業で、安定
な鋼組織をもつ鋼板を連続して製造するのは困難であっ
た。また、この製造方法で製造した鋼板は、製缶用鋼板
に必要な性能であるフランジ加工性に劣るという致命的
な問題点があった。
【0007】上記の如く、従来においては、薄肉化に伴
って低下した強度を、加工性や表面性状等の他の性能を
犠牲にすることなく高める有効な手段は存在しなかっ
た。
【0008】この発明の目的は、従来あまり活用されな
いでいた組織の微細化による強化機構を積極的に利用す
ることによって十分な缶強度を付与し、かつ、鋼の清浄
化と、鋼組織の適正化を図ることによって、製缶時の深
絞り性及びフランジ加工性と、製缶後の表面性状とが満
足レベルにある製缶用鋼板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の高強度高加工性製缶用鋼板は、重量比
で、C:0.020 〜 0.150%、Si:0.05%以下、Mn:1.00
%以下、P:0.050 %以下、S:0.010 %以下、N:0.
0100%以下、Al:0.100 %以下、Nb:0.005 〜0.025 %
を含有し、残部が不可避的不純物と鉄からなり、実質的
なフェライト単相組織を有し、降伏強さが40kgf/mm2
上、平均結晶粒径が10μm以下、板厚が0.300mm 以下で
ある。特に、この発明は、低炭素鋼を素材とし、鋼組織
を実質的なフェライト単相組織にし、かつ、組織の微細
化に顕著な効果があるNbを鋼中に必要量添加することに
ある。
【0010】また、鋼組織をより安定に微細化する必要
がある場合には、0.005 〜0.020 %Ti、及び、0.0002〜
0.0020%Bの少なくとも1種をさらに含有することが好
ましく、加えて、加工性の劣化を伴わずにより高強度化
を図る必要がある場合には、0.050 〜0.300 %Cu、0.05
0 〜0.300 %Ni、0.050 〜0.300 %Cr、及び0.050 〜0.
300 %Moの少なくとも1種とを含有することが好まし
い。
【0011】一方、この発明の製缶用鋼板の製造方法
は、重量比で、C:0.020 〜 0.150%、Si:0.05%以
下、Mn:1.00%以下、P:0.050 %以下、S:0.010 %
以下、N:0.0100%以下、Al:0.100 %以下、Nb:0.00
5 〜0.025 %を含有し、残部が不可避的不純物と鉄から
なる鋼素材を、通常の条件下で熱間圧延及びそれに引き
続く酸洗の後、70%以上の圧下率で冷間圧延を行い、そ
の後、加熱速度が5 ℃/sec.以上、均熱温度が720 〜80
0 ℃の条件下で連続焼鈍してから20%以下の圧下率で2
次冷間圧延を行うことによる。なお、板の成形性の観点
から、2次冷間圧延は、圧下率が 5%以下の調質圧延で
あることがより好ましい。
【0012】また、鋼組織をより安定に微細化する必要
がある場合には、鋼素材中に0.005〜0.020 %Ti、及
び、0.0002〜0.0020%Bの少なくとも1種をさらに含有
することが好ましく、加えて、加工性の劣化を伴わずに
より高強度化を図る必要がある場合には、鋼素材中に0.
050 〜0.300 %Cu、0.050 〜0.300 %Ni、0.050 〜0.30
0 %Cr、及び0.050 〜0.300 %Moの少なくとも1種をさ
らに含有することが好ましい。
【0013】
【作用】まず、この発明に従う鋼の化学成分の限定理由
について説明する。 ・C:0.020 〜 0.150% C添加量は、強度と延性のバランスの改善及びフランジ
加工性の観点から言えば、低減することが好ましい。し
かし、C添加量が0.020 %未満になると、鋼組織を均一
かつ微細にすることが困難になり、しかも、強度の低下
が著しくなる。そのため、C添加量の下限は0.020 %と
した。一方、C添加量が 0.150%を超えると、第二相と
してパーライト相が析出するようになり、目標とするフ
ェライト単相組織にすることが困難になり、その結果、
フランジ加工性が顕著に劣化する。そのため、C添加量
の上限は 0.150%とした。なお、より優れたフランジ加
工性が必要な場合には、0.020 〜 0.080%にすることが
好ましい。
【0014】・Si:0.05%以下 Siは、固溶強化に寄与する元素であり、また脱酸剤とし
ても有用な元素である。しかし、Si添加量が0.05%を超
えると、詳細な機構は不明であるが、耐食性が悪化する
など、性能に悪影響を及ぼす傾向がある。そのため、Si
添加量の上限は0.05%とした。なお、表面の清浄性や美
麗さへの要求が特に厳しい場合には、Si添加量の上限を
0.01%とすることが好ましい。
【0015】・Mn:1.00%以下 Mnは、一般には、Sを含有する鋼のいわゆる赤熱脆性を
防止するため、S含有量に応じて添加される元素である
が、この発明においては、スラブの加熱温度を特に高く
する必要はないので、S含有量を抑制すれば、Mn添加量
に依らず赤熱脆性は回避できる。従って、Mn添加量の下
限の制限はない。また、Mnは、この発明では、組織の微
細化と固溶強化のために添加する元素であるが、Mn添加
量が1.00%を超えると、組織を微細化する効果が飽和傾
向にあるとともに、冷間圧延時の圧延荷重等の負荷が顕
著に増大する。加えて、Mn添加量の増加は、材料コスト
の点からも好ましくない。そのため、Mn添加量の上限は
1.00%とした。なお、冷間圧延時の加工性をより向上さ
せる必要がある場合には、Mn添加量の上限を0.80%にす
ることが好ましい。
【0016】・P:0.050 %以下 Pは、Siと同様に固溶強化能が大きい元素であるが、P
を多量に添加した場合、耐食性の悪化、材料の脆化等の
問題が顕著に生じるようになるばかりでなく、再結晶温
度の上昇にもつながる。そのため、P添加量の上限は、
上記諸問題が顕在化しない0.050 %以下にした。なお、
熱間圧延における仕上げ圧延温度の下限や焼鈍工程にお
ける下限温度がある程度の変動幅がある実操業において
は、0.020%以下にすることが好ましい。
【0017】・S:0.010 %以下 Sは、赤熱脆性の原因となり、加工性を悪化させる元素
であるので、極力低減することが望まれる。すなわち、
S含有量を0.010 %以下にすることにより、鋼中の析出
物が減少して加工性が向上し、また、MnSとして固定す
るために添加するMn量や、熱間圧延における仕上げ圧延
温度等に対しての規制条件が緩和される。そのため、S
含有量は、0.010 %以下とした。なお、極めて厳しいフ
ランジ加工性が要求される場合には、0.007 %以下にす
ることが好ましい。
【0018】・Al:0.100 %以下 Alは、鋼の脱酸のために必要であり、組織の微細化にも
有効である。特に下限は規制されず、鋼の清浄化が達成
されることが条件である。0.100 %以下の添加量であれ
ば安定して鋼の清浄化がはかれるが、これを超えると表
面欠陥が発生する危険性が顕著に増加する。そのため、
Al添加量は、0.100 %以下、さらに望ましくは0.080 %
以下とした。
【0019】・N:0.0100%以下 Nは、顕著な固溶強化をもたらす元素であり、この発明
で目標とする良好なフランジ加工性と高強度の両立を達
成するのに有用な元素である。しかし、N添加量が0.01
00%を超えると、連続鋳造時のスラブ割れなどの問題が
生じやすくなり、また、溶接缶等の場合には、いわゆる
溶接部がいわゆる焼入れ硬化する傾向にあり、溶接割れ
が発生しやすくなる。そのため、N添加量は、0.0100%
以下とした。なお、強度よりも延性を特に高める必要が
ある場合には、N添加量を0.0050%以下とすることが好
ましい。
【0020】・Nb:0.005 〜0.025 % Nbは、この発明においては極めて重要な必須添加元素で
ある。Nbは、主に、焼鈍後のフェライト粒径を著しく細
粒化する効果と、第2相としてのパーライト相の析出を
抑制する効果とがあり、これによって、鋼組織は実質的
にフェライト単相の微細組織になり、その結果、強度と
延性のバランスを著しく改善できるとともに、フランジ
加工性も改善される。これらの効果は、Nb添加量が 0.0
05%以上のときに顕著になるのでこれを下限値とした。
一方、Nb添加量が 0.025%を超えると、これらの効果は
飽和する傾向にあり、しかも、熱間圧延母板が著しく硬
質化し、冷間圧延時の加工性が悪化しがちである。その
ため、Nb添加量の上限は、0.025%とした。また、強度
と延性、及びフランジ加工性等の機械的特性の総合バラ
ンスをより適正にする必要がある場合には、Nb添加量を
0.0100〜0.0150%にすることが好ましい。
【0021】鋼中に添加したNbの存在状態などについて
の詳細は不明であるが、前記機械的特性がNb添加量に依
存することから判断すると、添加したNbの大部分は、微
細な析出物あるいはクラスターを形成して、いわゆる広
義の「析出強化」により鋼の強度増加に寄与しているも
のと推定される。短時間の連続焼鈍法において、Nbなど
の添加による析出強化が利用された例はこれまでにない
が、この発明では、鋼組織が均一かつ微細なフェライト
単相組織であること、及び、冷間圧下率が従来に比べて
高く、さらに冷間圧延後の焼鈍が高温域で行われること
などの相乗作用によって、このような特異な効果を生み
出すことが可能になったと考えられる。
【0022】さらに、上述した添加元素の他に補助的な
添加元素として、Ti、B、Cu、Ni、Cr、Moがある。Tiと
Bは、主に鋼組織の微細化をより一層促進するのに有用
な選択的添加元素である。
【0023】・Ti:0.005 〜0.020 % Ti添加量は、0.005 %以上であれば、鋼組織の細粒化が
一層促進され、材質改善効果が顕著であり、一方、0.02
0 %を超えると、その効果は飽和する傾向にあるととも
に、粗大な介在物が生成する傾向があり、製缶時に必要
な機械的特性を却って阻害することになる。そのため、
Ti添加量は0.005 〜0.020 %にすることが好ましい。Ti
添加量は、この範囲内であれば、必須添加元素であるNb
の効果を相殺することはない。
【0024】・B:0.0002〜0.0020% Bも組織の均一微細化に有用な元素である。詳細な機構
は不明であるが、Nbとの共存で組織をより一層微細化し
強度を向上させるのに効果がある。B添加量が0.0002%
以上で効果を発揮し、0.0020%で効果が飽和する傾向に
ある。そのため、B添加量は、0.0002〜0.0020%にする
ことが好ましい。なお、安定した材質を得るには、0.00
05〜0.0010%にすることが好ましい。
【0025】Cu、Ni、Cr、及びMoは、主に強度と延性と
のバランスの改善や、フランジ加工性の改善において有
用な選択的添加元素である。
【0026】・Cu:0.050 〜0.300 % Cu添加量は、0.050 %以上で強度増加の効果を発揮し、
強度と延性のバランスが改善される。また、Cu添加量
は、0.300 %を超えると効果が飽和する傾向にあり、そ
れ以上の添加は、却って表面欠陥の発生を顕著にし、表
面の美麗さが損なわれるため好ましくない。そのため、
Cu添加量は、0.050 〜0.300 %にすることが好ましく、
より好ましくは、0.100 〜0.200 %にする。
【0027】・Ni:0.050 〜0.300 % Ni添加量は、0.050 %以上で組織が細粒化して、機械的
特性の改善に寄与する。しかし、Ni添加量は、0.300 %
を超えると効果が飽和する傾向にあり、それ以上の添加
は、材料コストの増加をもたらす。そのため、Ni添加量
は、0.050 〜0.300 %にすることが好ましい。
【0028】・Cr:0.050 〜0.300 % Cr添加量は、0.050 %以上で組織が細粒化する効果があ
る。しかし、Cr添加量は、0.300 %を超えると効果が飽
和する傾向にあり、それ以上の添加は、Niと同様に材料
コストの増加をもたらす。そのため、Cr添加量は、0.05
0 〜0.300 %にすることが好ましい。
【0029】・Mo:0.050 〜0.300 % Mo添加量は、0.050 %以上で延性を維持しつつ強度を増
加させる効果がある。しかし、Mo添加量が0.300 %を超
えると、熱間圧延母板の硬化が著しくなり、冷間圧延時
の加工性が悪化する傾向にある。そのため、Mo添加量
は、0.050 〜0.300 %にすることが好ましい。
【0030】次に、鋼組織の限定理由について述べる。 ・フェライト単相組織 鋼組織は、実質的なフェライト単相組織とすることが、
特にフランジ加工性の改善の観点から重要である。な
お、ここでいう実質的なフェライト単相組織とは、フェ
ライト相以外の第2相の析出が、体積分率にして1%以
下、好ましくは0.5 %以下である鋼組織をいう。詳細な
機構は不明であるが、第2相として、いわゆる粗大な炭
化物が存在する場合、強度と延性とのバランスは比較的
良好であるが、フランジ加工性は顕著に劣化する。鋼組
織をフェライト単相組織にすることによるフランジ加工
性の改善効果は、組織の細粒化によってさらに顕著にな
る。
【0031】・平均結晶粒径:10μm以下 鋼組織をフェライト単相組織にし、フェライト相の結晶
粒径を変化させてフランジ加工性の改善効果を調べたと
ころ、平均結晶粒径が10μmを超えると、フランジ加工
性の改善効果が十分ではなくなり、製缶後の表面外観の
美麗さも失われることが判明した。詳細な機構は不明で
あるが、製缶後の表面外観不良、特にいわゆる肌あれ
(或いはオレンジピールとも呼ばれる。)現象のような
表面の粗度の極端な変化に対応するものと考えられる。
このような現象は、平均結晶粒径が10μmを超えると、
2ピース缶や3ピース缶に、発生する部位や程度は異な
るものの、いずれの缶にも発生することが確認されてい
る。従って、平均結晶粒径は10μm以下とした。また、
表面の美麗さへの要求が厳しい用途においては、平均結
晶粒径を 5μm以下とすることが好ましい。このような
結晶粒の細粒化は、鋼組成、冷間圧延における圧下率、
及び焼鈍温度を適正にすることによって達成することが
できる。なお、結晶粒径は、JIS G0552 に準じて測定す
るものとする(粒径を円相当径に換算したものとす
る。)。この測定法は、顕著な混粒組織の場合には適さ
ず、均一組織であることを前提とする。
【0032】・鋼板の板厚:0.30mm以下 この発明は、特に板厚が0.30mm以下である鋼板に適用し
た場合に、加工性の改善効果が顕著になる。この理由に
ついては不明であるが、鋼板の板厚変化に伴う破断形態
の変化に対応するものと考えられる。従って、鋼板の板
厚は、0.30mm以下とした。
【0033】・降伏強さ:40 kgf/mm2以上 降伏強さが小さい鋼板においては、この発明の要件であ
る均一微細なフェライト単相組織にすることによる加工
性改善効果が小さい。詳細な理由については不明である
が、降伏強さが40 kgf/mm2以上である鋼板にこの発明を
適用することで、従来の既存の鋼に比べ、加工性改善効
果が顕著になる。従って、降伏強さは、40 kgf/mm2以上
とし、好ましくは45 kgf/mm2以上とする。
【0034】次に、製造条件の限定理由について説明す
る。熱間圧延については、特に制限条件がなく、通常行
われている熱間圧延条件で行う。例えば、熱間圧延前の
スラブ加熱温度が1000〜1300℃、熱間圧延における、仕
上げ圧延温度が800 〜950 ℃、巻取り温度が450 〜700
℃程度にすればよい。また、焼鈍後の鋼板強度を高める
必要がある場合には、特に巻き取り温度を低くするこ
と、例えば550 ℃以下にすることが好ましい。また、熱
間圧延後に行う酸洗についても、特に制限条件がなく、
表面のスケールを除去するために通常行われている酸洗
条件で行う。なお、結晶粒の細粒化をより一層図る必要
がある場合には、仕上げ圧延終了後2秒以内に急冷を開
始するのが好ましく、この急冷は、具体的には50℃/se
c. 以上の冷却速度とする。
【0035】・冷間圧延における圧下率:70%以上 冷間圧延時における圧下率は、この発明の製造方法にお
いて重要な条件の一つである。すなわち、この圧下率を
70%以上とし、通常の冷間圧延鋼板における圧下率に比
し大きくすることで、焼鈍後の鋼組織が顕著に細粒化す
る。また、同時に組織が均一化され、混粒は生じにくく
なる。また、わずかに残留する炭化物の存在状態も、そ
れ自身が極めて均一に分散されるためか、実質的にフェ
ライト単相とみなせる組織となる。特に、圧下率を80%
以上にすれば、加工性の改善効果が顕著になり、製造時
の材質安定性が極めて良好になるので実生産上も好まし
い。この圧下率については大きいほど良く、従って、こ
の圧下率の上限は、理論的にはないが、実操業上は、冷
間圧延の設備能力によって制限される。
【0036】・連続焼鈍条件:加熱速度5℃/sec.以
上、均熱温度 720〜800 ℃ 焼鈍時の加熱速度は、組織を均一かつ微細にするため、
5℃/sec.以上、好ましくは10℃/sec.以上にする必
要がある。なお、加熱速度の増加に伴って組織の微細化
は促進されるが、実操業上では、100 ℃/sec.を超える
速度で加熱することは困難であり、効果も飽和するた
め、加熱速度の上限は、100 ℃/sec.程度となる。
【0037】均熱温度は、良好な加工性を確保するた
め、鋼板の再結晶温度以上とする必要があり、かつ、組
織の均一性の向上、及びそれに伴うフランジ加工性を改
善するため、通常よりも高い720 ℃以上の温度で均熱す
る必要がある。また、均熱温度が800 ℃を超えると、結
晶粒の粗大化のためと考えられるが、鋼板の強度が顕著
に劣化し、缶用途に使用する場合には、いわゆる肌あれ
等の欠陥が生じる可能性が高くなる。従って、均熱温度
は、720 〜800 ℃とした。この比較的広い均熱温度の範
囲で極めて安定した材質が得られる理由については不明
であるが、必須の添加元素であるNbによって、A1変態点
以上となっても再結晶化後の結晶粒の成長が抑制される
ことによるものと考えられる。
【0038】連続焼鈍後の冷却については、特に制限は
なく、通常の条件で冷却を行えばよい。特に高強度が要
求される場合は30℃/sec.以上の冷却が望ましい。な
お、焼鈍後に鋼素材の降伏応力を高める必要がある場合
には、焼鈍後、さらに2次冷間圧延を行うことが好まし
い。
【0039】・焼鈍後の2次冷間圧延における圧下率:
20%以下 圧下率を20%以下としたのは、20%を超える圧下率で2
次冷間圧延を行った場合に、鋼板の延性劣化が顕著にな
り、引張特性の面内異方性が悪化し、顕著な耳の発生を
もたらすからである。なお、板の成形性がより必要とさ
れる場合には、2次冷間圧延を、圧下率が 5%以下の調
質圧延とすることが好ましい。
【0040】また、この発明鋼は、以下の実施例でも述
べるが、通常の低炭素アルミキルド鋼を連続焼鈍してい
るにもかかわらず、いわゆる耐時効特性に優れ、ストレ
ッチャーストレインの発生に伴う表面欠陥は起こしにく
い。これについても詳細な機構は不明であるが、添加し
たNbが寄与しているものと考えられる。一方、この発明
鋼においては、ほぼ従来の低炭素アルミキルド鋼と同等
程度の塗装時の焼付け硬化現象を発現しうるため、缶強
度特性を有利に確保することができる。また、この発明
の鋼板は、このままの状態で使用してもさらに樹脂フィ
ルムをラミネートしても、、ぶりきやティンフリースチ
ール等の表面処理鋼板として使用しても、さらに樹脂フ
ィルムをラミネートしても、上述したこの発明の作用は
何ら変化なく発揮できるのはいうまでもない。
【0041】
【実施例】次にこの発明の実施例について説明する。 ・実施例1 表1に示す成分組成を含み、残部が実質的にFeからなる
鋼を実機転炉で溶製し、鋼スラブを、1200℃で再加熱し
た後、熱間圧延を、仕上げ圧延温度が880 〜910 ℃の範
囲、巻取り温度が500 ℃の条件下で行った。次いで、通
常の酸洗を行ってから、冷間圧延を、圧下率が85%の条
件下で行い、0.20mmの薄鋼板にした。前記薄鋼板は、連
続焼鈍炉にて、加熱速度を15℃/secとし、730 ℃、15秒
間の均熱焼鈍を行い、その後、圧下率が1〜3%である
調質圧延を行い、それから、ハロゲンタイプの電気錫め
っきラインにて25番相当の錫めっきを連続的に施してぶ
りきに仕上げた。なお、表1中に示す鋼1〜8は適合例
であり、鋼9〜13は鋼組成が発明の鋼組成の範囲外で
ある比較例であり、これらの鋼1〜13からそれぞれ製
造した錫めっき鋼板について、引張試験及び穴拡げ試験
を行い、併せて、結晶組織と平均結晶粒径についても調
べた。
【0042】引張試験は、小型の引張試験片(平行部長
さ30mm, 平行部幅10mm) を用いて行い、降伏強さ、引張
強さ、伸びを測定し、強度及び延性を評価した。穴拡げ
試験は、鋼板に10mmφの打抜き穴を開け、それを球頭パ
ンチで押し拡げて破断が生じたときの穴の径を測定し、
初期穴径に対する穴拡げ増加率(%)でフランジ加工性
を評価した。なお、フランジ加工性は、前記増加率が4
0%以上を合格レベルとした。これらの結果を表2に示
す。なお、表2に示す鋼 3′,4′は、鋼3,4 と成分組成
は同じであるが、上述した製造条件のうち、仕上げ圧延
から巻き取るまでの間の冷却条件をさらに限定したもの
であり、すなわち、仕上げ圧延直後2秒以内に70℃/se
c. の冷却速度で急冷し、巻き取ったものである。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】表2の結果から、適合例(鋼1〜8)は、
鋼組織が、平均結晶粒径6μm以下であり、混粒組織を
含まない均一かつ微細なフェライト単相組織であり、強
度と延性がともに良好で、穴拡げ増加率が大きくフラン
ジ加工性が優れている。一方、比較例(鋼9〜13)に
おいては、鋼9〜12が、フランジ加工性が十分でな
く、鋼13はフランジ加工性が良好であるものの、強度
が不足している。また、仕上げ圧延から巻き取るまでの
間で急冷した発明鋼 3′,4′は、強度と延性の特性が優
れているとともに、特に結晶粒径が発明鋼 3,4に比べて
より一層微細になっているのがわかる。
【0046】・実施例2 表3に示す成分組成を含み、残部が実質的にFeからなる
鋼を転炉で溶製し、表4に示す製造条件で、板厚が0.18
mmの鋼板にし、その後、通常のCrめっきを施してティン
フリースチール鋼板とした。なお、この場合も、焼鈍後
に調質圧延を施したが、この圧延における圧下率は一律
1.5 %とした。表4中の条件1は適合例であり、条件2
〜4が製造条件が発明の範囲外にある比較例である。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】ティンフリースチール鋼板の表面に、塗装
・印刷・透明ニス仕上げを行った後、プレス油をほとん
ど使用せずに前記鋼板をカップ状に絞り、さらに2度の
再絞り加工を施す深絞り成形(成形条件を表5に示
す。)を行い、割れなどの発生の有無、ネッキング等の
絞りしわなどの発生の有無、及び、肌あれ等の表面外観
の良否について調査した。これらの調査結果を表6に示
す。
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】表6の結果から、適合例(条件1)で製造
した鋼板は、割れなどの発生がなく、ネッキング等の絞
りしわなどの発生もなく、肌あれ等の表面外観不良も認
められなかった。一方、比較例(条件2〜4)において
は、条件2で製造した鋼板では割れの発生が認められ、
条件3で製造した鋼板では軽度のしわが認められ、条件
4で製造した鋼板では重度のしわ及び肌あれが認められ
た。
【0053】薄鋼板の成形においては、通常、極めて小
さなダイス径の金型で成形されるため、当該部分での曲
げ・曲げ戻し変形及びそれに続く引張変形によって、鋼
板が局部的にネッキングを生じるため、微細な「しわ」
が円筒状に生成することがあり、特に従来のような低
(高)炭素アルミキルド鋼を2次冷間圧延で加工硬化さ
せたものでは、このような表面欠陥が顕著であった。発
明鋼は、上記のように絞り・再絞り容器に使えるが、こ
の他にいわゆる、「しごき」加工が付与される用途にお
いても十分に使用できることが確認できた。詳細な機構
は不明であるが、鋼組織が実質的に単相組織であり、均
一性が高いことが有利に寄与しているものと考えてい
る。また、発明鋼は、通常の塗装・印刷を施して使用す
る製缶の用途だけでなく、樹脂フィルムをラミネート加
工した鋼板を製缶する方法においても、優れた表面性状
を有する点から使用することができる。
【0054】・実施例3 表3に示す成分組成を含み、残部が実質的にFeからなる
鋼を転炉で溶製し、表4に示す条件1で製造した鋼板に
ついて、さらに種々の圧下率(条件A〜E)で2次冷間
圧延を施した場合の、強度と伸びの関係、及び、切欠き
を設けた場合の引張強さの変化割合を調査した。
【0055】切欠きを設けた場合の引張強さの変化割合
は、通常のJIS 5 号試験片に加工したのち、平行部に2
mmVノッチを機械加工した試験片を作製し、切欠きの
ある場合とない場合の引張強さを測定することによって
算出した。条件A〜Dが発明例、条件Eが比較例であ
る。なお、いずれの条件A〜Eとも、2次冷間圧延後の
最終の板厚は一定になるように、熱間圧延母板の厚みを
調整した。表7にこれらの調査結果を示す。なお、表7
中において、切欠きを設けた場合の引張強さの変化割合
の数値は、符号が正の場合には、切欠きを設けることに
よって強度が増加したことを意味し、一方、符号が負の
場合には、切欠きを設けることによって延性が低下し、
いわゆる低応力破壊が起こりやすいことを意味する。
【0056】
【表7】
【0057】表7の結果から、適合例(条件A〜D)
は、いずれも切欠きを設けた場合の引張強さの変化割合
が1%以下であり、切欠きが存在しても、強度の変化は
ほとんど認められなかったのに対し、2次冷間圧延の圧
下率20%を超える比較例(条件E)は、切欠きの存在
によって延性の低下が著しく、製缶割れなどの不具合を
招く危険性が高いので、十分な缶強度を安定して得るこ
とができない。
【0058】
【発明の効果】この発明によれば、製缶時の深絞り性及
びフランジ加工性と、製缶後の表面性状とに優れ、しか
も、十分な缶強度を有する製缶用鋼板の提供が可能にな
る。従って、従来の製缶用鋼板では加工性の点で不具合
を生じていた用途、特に、フランジ加工性の不足によっ
て割れなどを生じていた用途などにおいて、この発明鋼
板を使用すれば、健全な缶を製造することができる。ま
た、製缶後の外観不良、特に肌あれが生じていた用途に
対しては、これらの防止に有効である。また、強度と延
性のバランスが良好であるため、絞り・再絞りが繰り返
されるDTR缶やDRD缶などにおいて散発するネッキ
ング発生などの問題も回避できる。さらに、合金元素の
添加も最小限に抑制しているため、溶接部の硬化に伴う
溶接部継手特性の劣化などの問題もない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒谷 昌利 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 加藤 俊之 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 久々湊 英雄 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、 C:0.020 〜 0.150%、Si:0.05%以下、 Mn:1.00%以下、P:0.050 %以下、 S:0.010 %以下、N:0.0100%以下、 Al:0.100 %以下、Nb:0.005 〜0.025 %を含有し、残
    部が不可避的不純物と鉄からなり、実質的なフェライト
    単相組織であり、降伏強さが40kgf/mm2 以上、平均結晶
    粒径が10μm以下、板厚が0.300mm 以下であることを特
    徴とする、製缶時の深絞り性及びフランジ加工性と、製
    缶後の表面性状とに優れ、十分な缶強度を有する製缶用
    鋼板。
  2. 【請求項2】 重量比で、 C:0.020 〜 0.150%、Si:0.05%以下、 Mn:1.00%以下、P:0.050 %以下、 S:0.010 %以下、N:0.0100%以下、 Al:0.100 %以下、Nb:0.005 〜0.025 %の他、さら
    に、 Ti:0.005 〜0.020 %、B:0.0002〜0.0020%の少なく
    とも1種と、 Cu:0.050 〜0.300 %、Ni:0.050 〜0.300 %、 Cr:0.050 〜0.300 %、Mo:0.050 〜0.300 %の少なく
    とも1種とを含有し、残部が不可避的不純物と鉄からな
    り、実質的にフェライト単相組織であり、降伏強さが40
    kgf/mm2 以上、平均結晶粒径が10μm以下、板厚が0.30
    0mm 以下であることを特徴とする、製缶時の深絞り性及
    びフランジ加工性と、製缶後の表面性状とに優れ、十分
    な缶強度を有する製缶用鋼板。
  3. 【請求項3】 重量比で、 C:0.020 〜 0.150%、Si:0.05%以下、 Mn:1.00%以下、P:0.050 %以下、 S:0.010 %以下、N:0.0100%以下、 Al:0.100 %以下、Nb:0.005 〜0.025 %を含有し、残
    部が不可避的不純物と鉄からなる鋼素材を、通常の条件
    下で熱間圧延及びそれに引き続く酸洗の後、70%以上の
    圧下率で冷間圧延を行い、その後、加熱速度が5 ℃/se
    c.以上、均熱温度が720 〜800 ℃の条件下で連続焼鈍し
    てから20%以下の圧下率で2次冷間圧延を行うことを特
    徴とする、板厚が0.300mm 以下である、製缶時の深絞り
    性及びフランジ加工性と、製缶後の表面性状とに優れ、
    十分な缶強度を有する製缶用鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 重量比で、 C:0.020 〜 0.150%、Si:0.05%以下、 Mn:1.00%以下、P:0.050 %以下、 S:0.010 %以下、N:0.0100%以下、 Al:0.100 %以下、Nb:0.005 〜0.025 %の他、さら
    に、 Ti:0.005 〜0.020 %、B:0.0002〜0.0020%の少なく
    とも1種と、 Cu:0.050 〜0.300 %、Ni:0.050 〜0.300 %、 Cr:0.050 〜0.300 %、Mo:0.050 〜0.300 %の少なく
    とも1種とを含有し、残部が不可避的不純物と鉄からな
    る鋼素材を、通常の条件下で熱間圧延及びそれに引き続
    く酸洗の後、70%以上の圧下率で冷間圧延を行い、その
    後、加熱速度が5 ℃/sec.以上、均熱温度が720 〜800
    ℃の条件下で連続焼鈍してから20%以下の圧下率で2次
    冷間圧延を行うことを特徴とする、板厚が0.300mm 以下
    である、製缶時の深絞り性及びフランジ加工性と、製缶
    後の表面性状とに優れ、十分な缶強度を有する製缶用鋼
    板の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載の製造方法におい
    て、 前記2次冷間圧延が、圧下率が 5%以下の調質圧延であ
    ることを特徴とする製缶用鋼板の製造方法。
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