JPS6234697A - 溶接用フラツクス入りワイヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） 本発明は溶接用フラックス入すワイヤに係り、特に溶接
部乃至は溶着金属の品質の向上を図る一方、溶接作業性
、特に溶着スピードの向上を図り得る溶接用フラックス
入すワイヤに関するものである。

（従来技術） 近年、アーク溶接の分野においては、従来からの手溶接
或いはソリッドワイヤに代わって、フラックスを内蔵し
た溶接用フラックス入りワイヤ（溶接用複合ワイヤ）、
すなわち管状を呈する金属外皮内に所定のフラックスが
内蔵せしめられてなるフラックス入すワイヤが、溶接施
工の高能率化や省力化等を図るために、広く用いられる
ようになってきた。

そして、このような溶接用フラックス入りワイヤは、一
般に、（ａ）炭素鋼或いは低合金鋼等からなる長尺の金
属管を予め作製しておき、その金属管内にチタニア系、
ライム系あるいはライムチタニア系等の所定のフラック
ス粉粒体を一端から振動を与えつつ供給して、充填せし
めた後、所望の外径まで伸線加工することにより、或い
は（ｂ）同様な金属材料からなる長尺の金属帯（ストリ
ップ）を成形して、同様なフラックス粉粒体を充填乃至
は収容せしめた後、該金属帯の幅方向の両端部を溶接や
ろう付け等の適当な接合手法によって接合せしめ、そし
てその後、所望の外径まで伸線加工することにより、製
造されている。

なお、ここで用いられるフラックスの原料としては、主
として脱酸、或いは合金添加用として用いられる金属、
合金鉄粉末や、スラグ生成剤として用いられる酸化物粉
末や、アーク安定剤として用いられるフッ化物等があり
、それら原料が混合されてフラックスが調整され、それ
が上記の金属管乃至は金属帯内に充填せしめられるよう
になっている。

ところで、こうして得られる溶接用フラックス入りワイ
ヤにあっては、ワイヤ（外皮）表面に合わせ目（開口部
）がないところから、ワイヤ表面に金属被膜を施すこと
が可能であり、このため該ワイヤには、従来から、Ｃｕ
メッキの如きメッキが施されて、溶接時の給電性１通電
性を改善し、また保存時の耐錆性の付与を図る試みが行
われている。

（解決課題） しかしながら、そのようなＣｕメッキ等の金属被覆を施
してなるフラックス入りワイヤを使用して、アーク溶接
を行った場合において、かかるワイヤ表面の金属被覆層
は、外皮自体、或いはフラックス層に比べて電気抵抗が
小さいために、溶接電流の大半が該金属被覆層を流れ、
溶接能率が上がらないという問題を内在している。この
ため、メッキ等の金属被覆を施さない溶接用フラックス
入りワイヤも検討されてはいるが、これだけでは、ワイ
ヤ全体の溶融を考えたとき充分ではなく、溶着速度、ひ
いては溶接能率の更なる改善のためには、フラックス入
りワイヤをより一層溶は易くすることが望ましい。

（解決手段） ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為さ
れてものであって、その特徴とするところは、金属管に
溶接用フラックスを充填せしめることにより、又は金属
帯を成形して溶接用フラックスを充填した後、該金属帯
の幅方向の両端部を溶接、ろう付け等にて接合せしめる
ことにより製造された、ワイヤ表面に合わせ目のない溶
接用フラックス入りワイヤにおいて、前記溶接用フラッ
クス組成が、重量百分率で、 ３０．０％≦酸化物≦７５．０％ 鉄以外の金属≧１７．０％ 鉄粉十合金鉄中の鉄≧８．０％ であり、ワイヤ全重量に対する溶接用フラックスの充填
率が１０．０％〜２５．０％であり、且つワイヤ表面に
金属被膜処理を施こさないようにしたことにあり、これ
によって、溶接部乃至は溶着金属の品質の向上を図りつ
つ、溶着速度を効果的に増大せしめて、以て溶接能率を
著しく改善せしめ得たのである。

ところで、このような本発明に従う溶接用フラックス入
りワイヤを構成する外皮としての金属管若しくは金属帯
としては、従来から溶接用フラックス入りワイヤの外皮
として用いられている金属管若しくは金属帯の全てが対
象とされるものであるが、本発明では、特に、炭素鋼や
低合金鋼等の材料を用いた電縫管を外皮とする場合にお
いて、好適に適用されるものである。

また、目的とする溶接用フラックス入りワイヤを製造す
るために、上記の金属管若しくは金属帯内に充填せしめ
られるフラックスを構成する原料としては、該目的とす
る溶接用ワイヤに応じて公知のものが適宜に組み合わせ
られ、所定の配合割合において用いられ、一般には主と
して脱酸或いは合金添加用として用いられる金属、合金
鉄粉末、例えば鉄粉、フェロマンガン、金属マンガン、
フェロシリコン、フェロモリブデン等、またスラグ生成
剤として用いられる酸化物粉末、例えばＴｉ０８（ルチ
ール）、ジルコン、シリカ、アルミナ等があり、それら
が所定の割合において粉末混合されて、フラックス原料
混合物として用いられることとなる。

本発明にあっては、かかるフラックス原料混合物中のフ
ラックス組成において、酸化物が３０．０％〜７５．０
％（重量基準、以下同じ）、鉄以外の金属が１７．０％
以上、鉄粉と合金鉄中の鉄の合計量が８．０％以上とな
るようにフラックスを構成せしめるようにしたものであ
り、それらの範囲外の値においては、本発明の目的を良
好に達成することができないのである。すなわち、鉄以
外の金属の割合が１７％よりも少ない場合や、鉄粉と合
金鉄中の鉄の合計量が８％よりも少ない場合にあっては
、溶着スピードを充分に高め得す、そのために溶接能率
の改善を図ることが困難となるのである。また、酸化物
の割合が３０％よりも少なくなると、溶接時に溶着部に
供給されるスラグが不足し、溶接部のカバーが不十分と
なって、溶接部の外観不良（ムラ）を生ずる問題があり
、また７５％を越えるようになると、スラグの巻き込み
や溶は残りを惹起する等の問題を生ずるからである。

なお、かかる溶接用フラックス原料混合物中の酸化物は
、上記したように通常の成分が用いられるものであるが
、本発明にあっては、好適にはＴｉＯ２を必須成分とし
て含み、且つＺｒ０ｚ、５ｉ０２　、ＭｎＯ，Ａｌｚ　
Ｏｓ　、ＭｇＯ，ＣａＯ，ＮａｚＯ，ＫｔＯ，Ｂｚ　Ｏ
ｘ　、Ｆｅｚ　０３のうちの１種または２種以上を含ん
で構成されるものが好適に用いられ、また前記鉄以外の
金属としても好適にはＭｎ、Ｓｔを必須成分として含む
とともに、Ｔｉ。

Ａｊ！、Ｍｇ、Ｚｒ、Ｂ、Ｂｉ、Ｐｂ、ＴＩ、Ｃｒ。

Ｎｉ、Ｍｏ、Ｎｂ、Ｔａのうちの１種または２種以上を
含むものであることが望ましいのである。

そして、この所定組成のフラックス原料混合物は、その
ままで、或いはそれを金属管もしくは金属帯の長手方向
において、均一な組成のフラックスとして充填せしめる
ために、一般に有機質もしくは無機質の粘結剤の存在下
において、造粒せしめられて、均一なフラックス組成か
らなる所定粒形の粉粒体とされて、目的とする金属管若
しくは金属帯に充填せしめられることとなるが、本発明
では、特にかかる溶接用フラックスの充填率をワイヤ全
重量に対して、１０．０％〜２５．０％となるように規
制したのである。けだし、フラックス充填率が余りにも
低くなると、溶接部におけるスラグ不足を惹起し、上記
したような溶接部の欠陥を惹起するようになるからであ
り、また充填率が余りにも高すぎると、目的とする線径
のワイヤを得るための伸線工程（線引き作業）に各種の
支障を、例えば引抜き割れ等の問題を惹起することとな
るからである。

なお、金属帯を用いて本発明に従うフラックス入りワイ
ヤを製造するに際しては、上記の如き溶接用フラックス
が充填せしめられた金属帯に対しては、その充填操作の
ために該金属帯は、例えばＵ字型等の形状に成形されて
いるが、さらにそのような形状から必要に応じてパイプ
状に成形されるとともに、その幅方向の両端部が溶接や
ろう付け等の適当な接合手法によって接合せしめられ、
これによってワイヤ表面に合わせ目のない溶接フラック
ス入すワイヤとされることとなる。

そして、このようにして得られた本発明に従う溶接用フ
ラックス入すワイヤは、その表面に合わせ目のない形態
を呈するものであるが、そのワイヤ表面には従来のよう
にＣｕメッキ等による金属被膜は施されずに、そのまま
の状態において溶接作業に用いられることなるのである
。けだし、ワイヤ表面にＣｕメッキ等の金属被膜が存在
すると、溶接電流がワイヤ表面に分流し、外皮である金
属管若しくは金属帯の溶融速度が低下し、このために溶
接作業性、更には溶接能率を悪化せしめるからである。

このように、本発明に従う溶接用フラックス入リワイヤ
は、その表面に何等の金属被膜をも施さずに、そのまま
溶接に用いられるものであるが、必要に応じて防錆・潤
滑等を目的として、黒鉛や二硫化モリブデン等をワイヤ
表面に塗布したりすることは、何等差し支えない。

（発明の効果） 以上の説明から明らかなように、本発明は、溶接用フラ
ックス入りワイヤのワイヤ表面の金属被膜を排除すると
ともに、充填される溶接フラックスを構成する酸化物、
鉄以外の金属並びに（鉄粉十合金鉄中の鉄）の組成を規
制し、更にその充填率を規制するようにしたものであっ
て、これによりフラックス入りワイヤ全体としての溶融
性を効果的に高めて、溶着速度を著しく向上せしめ、ま
た溶接作業性を改善し、更には溶接部乃至は溶接金属の
品質の向上を効果的に達成せしめ得たものであり、そこ
に本発明の大きな工業的意義が存するものである。

（実施例） 以下に、本発明を更に具体的に明らかにするために、本
発明の実施例を示すが、本発明がそのような実施例に記
載もののみに限定して解釈されることを意図するもので
ないことは言うまでもないところである。なお、実施例
中における百分率は特に断わりのない限り、重量基準に
よるものである。

まず、下記第１〜２表に示される組成を有するフラック
ス原料混合物の粉粒体を用いて、それを、炭素ｍ（ＳＰ
ＣＣ）からなる電縫管内に公知の振動充填手法によって
管長手方向の全体に渡って充填せしめた後、ワイヤ径が
１，２鶴φになるまで線引きすることにより、目的とす
る各種のフラックス入りワイヤを製造した。その際のフ
ラックス充填率は下記第１〜２表に示される通りであっ
た。

次いで、得られた各種のフラックス入りワイヤを用いて
、下記溶接条件の下に、それぞれアーク溶接を行い、こ
の溶接作業性並びに溶着速度について調べ、その結果を
下記第１〜２表に合わせ示した。かかる第１〜２表には
、また、溶接作業性および溶着速度を合わせた総合評価
の結果も示されている。なお、溶接作業性の評価は、ア
ークの安定性、スパッタ、ヒユーム、スラグ剥離性およ
びビード外観を基準にして総合的に判断されたものであ
る。また、金属被膜を施さないワイヤにあっては、防錆
・潤滑剤として、黒鉛および二硫化モリブデンをワイヤ
表面に塗布して、溶接作業を行った。

椛援条註 溶接電流・・・・・・・３００Ａ アーク電圧・・・・・・３２Ｖ 溶接速度・・・・・・・３０ｃｍ／ｗｉｎシールドガス
（ＣＯｚ）流量・・・２０１／ｍｉｎワイヤ突出長・・
・・・２０ｍｍ 母材・・・・・５Ｓ−４１（ｔ＝１２１）第１〜２表の
結果から明らかなように、本発明に従って、ワイヤ表面
に金属被膜を施さず、またフラックス組成を、酸化物、
鉄以外の金属および鉄粉と合金鉄中の鉄の合計量に関し
て、所定の割合に規制するとともに、その充填量を規制
することにより、溶接作業性が改善され、また溶着速度
が効果的に向上せしめられ得て、その溶接能率が著しく
改善されていることが理解される。

Ｗ、。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 （１）金属管に溶接用フラックスを充填せしめることに
   より、又は金属帯を成形して溶接用フラックスを充填し
   た後、該金属帯の幅方向の両端部を溶接、ろう付け等に
   て接合せしめることにより製造された、ワイヤ表面に合
   わせ目のない溶接用フラックス入りワイヤにおいて、前
   記溶接用フラックス組成が、重量百分率で、 ３０．０％≦酸化物≦７５．０％ 鉄以外の金属≧１７．０％ 鉄粉＋合金鉄中の鉄≧８．０％ であり、ワイヤ全重量に対する溶接用フラックスの充填
   率が１０．０％〜２５．０％であり、且つワイヤ表面に
   金属被膜処理を施していないことを特徴とする溶接用フ
   ラックス入りワイヤ。 （２）溶接用フラックス中の前記酸化物が、ＴｉＯ＿２
   を必須成分として含み、且つ、ＺｒＯ＿２、ＳｉＯ＿２
   、ＭｎＯ、Ａｌ＿２Ｏ＿３、ＣａＯ、Ｎａ＿２Ｏ、Ｋ＿
   ２Ｏ、Ｂ＿２Ｏ＿３、Ｆｅ＿２Ｏ＿３のうちの１種また
   は２種以上を含むものであり、そして前記鉄以外の金属
   が、Ｍｎ、Ｓｉを必須成分として含み、且つＴｉ、Ａｌ
   、Ｍｇ、Ｚｒ、Ｂ、Ｂｉ、Ｐｂ、Ｔｌ、Ｃｒ、Ｎｉ、Ｍ
   ｏ、Ｎｂ、Ｔａのうちの１種または２種以上を含むもの
   である特許請求の範囲第１項記載の溶接用フラックス入
   りワイヤ。