JPH03264194A

JPH03264194A - 高耐食ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ

Info

Publication number: JPH03264194A
Application number: JP6045790A
Authority: JP
Inventors: Hajime Nagasaki; 長崎　肇; Hiroyuki Koike; 弘之小池; Satoyuki Miyake; 三宅　聰之; Kikuo Ishitsubo; 石坪　紀久雄; Tadao Ogawa; 忠雄小川; Toshihiko Koseki; 敏彦小関
Original assignee: Nippon Steel Corp
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 1990-03-12
Filing date: 1990-03-12
Publication date: 1991-11-25
Anticipated expiration: 2012-12-08
Also published as: JP2687033B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、ステンレス鋼のガスシールドアーク溶接に用
いるフラックス入りワイヤの改良に係り、さらに詳しく
は支間姿勢溶接においてビードの形状が良好で、アーク
の安定性に優れた高耐食ステンレス鋼溶接用フラックス
入りワイヤに関する。

〔従来の技術〕

フラックス入りワイヤを用いるステンレス鋼のガスシー
ルドアーク溶接は、能率が高く自動あるいは半自動化も
可能なため、被覆アーク溶接に代わって近年急速に普及
しつつある。

従来、ＪＩＳ　Ｚ３３２３に規定されているオーステナ
イト系ステンレス鋼及びフェライト系ステンレス鋼用フ
ラックス入りワイヤが一般的に用いられている。

近年、Ｎ添加などの製鋼技術と圧延技術の進歩により、
高Ｍｏ化し耐孔食性、耐隙間腐食性に優れ、更に硫酸環
境下の耐食性向上のためＣｕを添加した高耐食ステンレ
ス鋼が開発されて来ている。

この様な高耐食ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイ
ヤに対しても、従来用いられているフラックス入りワイ
ヤ同様の溶接作業性が要求されている。しかしながら、
高耐食ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤは充填
フラックス中に酸分調整のための合金成分を多量に含有
するため、従来同様の溶接作業を得ることは困難であり
、特に立向姿勢溶接において、アークに広がりがなく、
ビードが凸形状となる傾向があった。

溶接作業性の改善については特開昭５６−１０９１９２
号公報で開示されているが、この技術は立向、横向姿勢
溶接のみを対象としており、更に実施例からも明らかな
様に、ＪＩＳ　Ｚ３３２３に規定されているＹＦ−３０
８，ＹＦ−３１６等のオーステナイト系ステンレス鋼溶
接用フラックス入りワイヤを対象としたものであり、前
記公報で開示されているような、充填フラックスの成分
調整の適用のみでは、高耐食ステンレス鋼の溶接におけ
る問題を解決できなかった。

又、特開昭６０−１９１６９３号公報では、全姿勢溶接
の良好な充填フラックス組成が開示されているが、これ
を高耐食ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤに適
用しても、充填フラックス中に含有する合金成分及び量
が異なるため、十分な効果は得られなかった。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明は以上のような問題点を解決すべくなされたもの
であって、その目的とするところは立向姿勢溶接におい
てビード形状が良好で、アークの安定性に優れた高耐食
ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤの提供にある
。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者らは、フラックス入りワイヤによる立向姿勢溶
接における溶接作業性改善を目的に鋭意検討した。その
結果、ＳｉＯ□、　Ｚｒ０ｚ及びＴｉＯ□の含有率をコ
ントロールすることによって、良好なビード形状を良好
な溶接作業性のもとで得ることが出来ることを新たに見
出すに至った。

本発明は以上の知見に基づくものであって、その要旨と
するところは、Ｎｉ、　Ｃｒ、　Ｍｏ、　Ｃｕ及びＮの
含有量が合計でフラックス全重量に対し６０〜８０％の
フラックスを金属外皮の内部に充填してなるワイヤにお
いて、ワイヤ全重量に対し０．６〜１．２％の５ｔｏｔ
、　　０．６〜１．２％のＺｒ（ｈ＋　　１．７〜３．
７％のＴｉ（ｈを（Ｔｉ（ｈ＋Ｚｒ（ｈ）／５ｉ（ｈ＝
　３．０〜５．０の割合でフラックス中に含有せしめた
ことを特徴とする高耐食ステンレスｉｌＩ溶接用フラッ
クス入りワイヤにある。

以下に本発明を作用と共に詳細に説明する。

〔作　用〕

まず本発明のフラックス入りワイヤとは第２図にその一
例を示すような断面形状のワイヤで、パイプから戒る外
皮ｌによって充填フラックス２を被包したものである。

次に、本発明は以下の実験結果に基づくものである。ま
ず、第１表に示すＳＯ５３１６Ｌ　ｓｉＩのパイプを用
いて、第２図に示すような断面形状のＳｉＯ□。

ＺｒＯ，、ＴｉＯ□構戒比構成なるワイヤ径１．２　ｍ
のフラックス入りワイヤを製造し、第２表に示した高耐
食ステンレス鋼を供試鋼板とし、第３図に示す■溝開先
内をＤＣＲＰ　（直流逆極性）１２ＯＡ。

２８Ｖ、Ｃ（ｈｌｏＯ％ガスシールドの溶接条件で、半
自動立向姿勢溶接を行い、ＳｉＯ□、　ＺｒＯ２及びＴ
ｔ０２の量及び比率と溶接作業性の関係について検討し
た。

なお、フラックス中のＮｔ＋　Ｃｒ＋　Ｍｏ、　Ｃｕ及
びＮの含有量は合計で６０〜８０％（重量％）とした。

その結果、立向姿勢溶接においてアークの安定性に優れ
、ビード形状の良好な溶接作業性の得られるＳｉＯ□−
ＺｒＯ□−ＴｉＯ□構戒範構成把握するに至った。すな
わち第１図は、フラックス中の５ｉＯｚＺｒＯ□ＴｉＯ
□量と立向姿勢における溶接作業性との関係を示すもの
であり、５ｉＯｚ量が０．６〜１．２％（ワイヤ全重量
比）でかつ、ＺｒＯ□とＴｉＯ□量の和がＳｉＯ□の３
〜５倍の範囲において、良好な溶接作業性が得られるこ
とが明らかとなった。

これは、フラックス中に合金成分を多量に含有している
ため、アークの広がりに欠け、吹き付けが弱く、ビード
が凸形状となる傾向を、ＳｉＯ□。

ＺｒＯ□、　ＴｉＯ□のバランスをコントロールするこ
とにより緩和し、アークの吹き付けを強め、広がりを出
し、スラグの流動性及び被包性を向上させ、フラットな
ビード表面の形成を助長することによるものと考えられ
る。

以下に本発明において規定した各種数値の限定理由につ
いて述べる。

まず、ＳｉＯ□は被包性の良いスラグを形成するのに必
要な成分であるが０．６％未満ではその効果が発揮でき
ず、スラグ被包性が劣化するが、１．２％を超えるとス
ラグの粘性が増し、特に立向姿勢溶接においてスラグ巻
き込みが発生しやすくなるので０．６〜１．２％に限定
する。なお、Ｓｉｎｇの原材料としてはケイ砂、ケイ石
の他、ケイ灰石、ジルコンサンド、カリ長石等の副成分
を利用できる。

Ｚｒ（ｈはスラグの凝固を円滑にするとともにスラグの
粘性を調整し、立向姿勢溶接において溶融金属の溶は落
ちを防ぎ、良好なビード形状を得るのに効果がある。Ｚ
ｒＯ２の添加量が０．６％未満では、その効果が不十分
であり、１６２％を超えると凝固が早くなりすぎ、スラ
グの巻き込みなどの欠陥が発生しやすくなるので０．６
〜１．２％に限定する。

原材料としては酸化ジルコニウム、ジルコンフラワー、
ジルコンサンド等を用いる。

ＴｉＯ２は、アークの吹き付け、安定性を向上させ、更
に、溶接金属を均一に被包し、しかも追従性の良好なス
ラグを形威し、ビード形状を良好にするが、１．７％未
満では、その効果が不十分であり、３．７％を超えると
スラグの流動性が劣化し、スラグ被包性が悪くなるので
１．７〜３．７％に限定する。

原材料としては、ルチール、チタン白、チタンスラグ、
イルミナイト更にはチタン酸カリ、チタン酸ソーダ、チ
タン酸カルシウム等のチタン酸塩等が単独あるいは複合
で用いられる。

本発明は、以上のスラグ剤主成分を（Ｔｉ（ｈ　＋Ｚｒ
０ｚ）　／　５ｉＯ１で３．０〜５．０の割合とするこ
とがポイントのひとつであるが、これは３．０未満の場
合にはアークの安定性が劣り、ビード形状が悪くなり、
５．０を超えるとアークの広がりに欠け、ビードが凸傾
向となるため、前述の範囲にコントロールする必要があ
る。

なお、フラックス中の添加元素であるＮは、窒化マンガ
ン、窒化クロム等窒素を比較的多量に含有する金属粉を
用いて添加する。

以下に実施例により本発明の効果を具体的に説明する。

〔実施例〕

第１表に示すＳＵＳ　３１６Ｌ綱のバイブを用い、第３
表に示す＃Ｊｌ威のフラックス中りワイヤを製造し、第
２表に示した高耐食ステンレス鋼を供試鋼板とし、第３
図に示すＶ溝開先内をＤＣＲＰ　（直流逆極性）１２０
Ａ、２８Ｖ、Ｃｏ、１００％ガスシールドの溶接条件で
、半自動下向姿勢及び立向姿勢溶接を行い、それぞれの
溶接作業性を比較した。

なお、ワイヤ径は１．２ｍとし、断面形状は第２図に示
すものとした。

その結果は第４表に示すとおりで５ｉ（ｈ含有量の少な
いワイヤＮｏ、１２はスラグの被包性が不十分であり、
ＺｒＯ□含有量の少ないワイヤｋ１３はビード形状が不
良であり、ＴｉＯ□含有量の少ないワイヤ咀１５はアー
ク状態が不良で、スラグの被包性も悪く、ビード形状が
不良であった。

また、ＳｉＯ２，Ｚｒ０ｚ及びＴｉ（ｈ含有量の少ない
ワイヤ恥、２２はアーク状態、スラグ被包、ビード形状
が悪く、更にスパッタの増加も認められる結果となった
。

ＳｉＯ□あるいはＺｒＯ２含有量の多いワイヤ弘１４゜
１６は、スラグを巻き込みやすくアークも不安定となり
、スパッタがやや増加し、Ｔｉ（ｈ含有量の多いワイヤ
恥１７はスラグ被包性が不十分でビード形状が不良とな
った。

（ＺｒＯｚ　＋　Ｔｉ０２）　／　Ｓｔａｇが３．０未
満のワイヤＮｃＬ４゜２３はアークの安定性に劣り、ビ
ード形状が悪く、５．０を超えるワイヤＮｏ、３．１８
はアークの広がりに欠け、凸形のビード形状になる結果
となった。

これらに対し、フラックス成分範囲及び比率が適正な本
発明の場合には、いづれもアーク状態が良好で、スパッ
タが少なく、スラグ被包性、ビード形状も良好な溶接作
業性を示した。

なお、第４表における溶接作業性の評価は、◎：極めて
良好、○：良好、Δ：やや不良、×：不良を示すもので
ある。

〔発明の効果〕

以上のように本発明は、高耐食ステンレス鋼溶接用フラ
ックス入りワイヤにおけるフラックス組成を特定するこ
とにより、フラックス中の合金成分が多量に含有されて
いてもアークに広がりがあり、良好なビード形状の得ら
れることを可能にしたものであって、ステンレス鋼溶接
の品質向上に大きく貢献するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はフラックス中のＳｆＯ，、ＺｒＯ２、　ＴｆＯ
ｚ含有量と立向姿勢における溶接作業性の関係を示す図
、第２図はフラックス入りワイヤの断面形状を示す模式
図、第３図は溶接作業性の調査に用いた供試鋼板の開先
形状を示す図である。

Claims

【特許請求の範囲】

Ｎｉ、Ｃｒ、Ｍｏ、Ｃｕ及びＮの含有量が合計でフラッ
クス全重量に対し６０〜８０％のフラックスを金属外皮
の内部に充填してなるワイヤにおいて、ワイヤ全重量に
対し０．６〜１．２％のＳｉＯ＿２、０．６〜１．２％
のＺｒＯ＿２、１．７〜３．７％のＴｉＯ＿２を（Ｔｉ
Ｏ＿２＋ＺｒＯ＿２）／ＳｉＯ＿２＝３．０〜５．０の
割合でフラックス中に含有せしめたことを特徴とする高
耐食ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ。