JPH03294094A - 高強度オーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents

高強度オーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ

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JPH03294094A
JPH03294094A JP9825290A JP9825290A JPH03294094A JP H03294094 A JPH03294094 A JP H03294094A JP 9825290 A JP9825290 A JP 9825290A JP 9825290 A JP9825290 A JP 9825290A JP H03294094 A JPH03294094 A JP H03294094A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高強度オーステナイト系ステンレス鋼のガス
シールドアーク溶接に用いるフラックス入すワイヤの改
良に係わり、さらに詳しくは多量の窒素を含有する高強
度オーステナイト系ステンレス鋼の溶接に当たり、母材
と同等の高い強度を得ることのできる高強度オーステナ
イト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤに関す
るものである。
(従来の技術) 最近ステンレス鋼は、耐食性、強度特性、外観の美しさ
等多くの長所を持つことから適用範囲が広がり、建築用
構造部材等強度部材としての用途が検討されつつある。
特に、窒素を添加して高強度を得るようにした高強度オ
ーステナイト系ステンレス鋼S U S 304N 2
等は強度部材として注目をあびている。
一方、オーステナイト系ステンレス鋼の溶接方法として
被覆アーク溶接、サブマージアーク溶接、ティグ溶接、
ミグ溶接、フラックス入りワイヤによるガスシールドア
ーク溶接等種々あるが、中でもフラックス入りワイヤに
よるガスシールドアーク溶接は、高能率の溶接が可能で
あるとして最近顕著に伸びている溶接方法である。
しかしながら、JIS Z3823に規定されているY
Fi0gタイプのオーステナイト系ステンレス鋼用フラ
ックス入りワイヤでは強度が不充分であり、更に、該タ
イプに窒素を添加しても5U8304N 2等の高強度
オーステナイト系ステンレス鋼と同等の強度を得るのは
困難であった。
又、オーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入
りワイヤにおける窒素の添加は、特開昭6[1−191
693号公報にて外皮又はフラックスの一方又は両方に
Nに換算してワイヤ全重量に対して0.05〜0.4w
t%含有せしめる技術が開示されているが、Nの添加の
みでは安定して強度を確保するのが困難であった。
このような現状から、安定して優れた強度特性を有する
溶接金属を得ることができ、且つ溶接作業性が良好で本
来の高能率溶接が可能なフラックス入りワイヤが強く望
まれていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、以上のような問題点を解決すべくなされたも
のであって、その目的とするところは、窒素を添加して
高強度を得るようにした高強度オーステナイト系ステン
レス鋼の溶接にあたって、引張強さが母材と同等の優れ
た強度特性を有する溶接金属を得ることができ、しかも
アーク状態、スパッタの発生、スラグ剥離性、ビード形
状等溶接作業性も優れ高能率の溶接が可能な高強度オー
ステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入すワイヤ
を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、フラックス入りワイヤによる高強度オー
ステナイト系ステンレス鋼のガスシールドアーク溶接に
おいて優れた強度特性を有する溶接金属の確保と溶接作
業性の改善を目的として鋭意検討した。
その結果、ワイヤ中のC,Mn 、Cr、Niの合金成
分及びNのガス成分量をそれぞれ適正範囲に制御し、且
つ充填フラックス中に主にスラグ剤としてのTiO2、
S i02 、Zr0zをそれぞれ適正範囲含有せしめ
ることによって、高強度オーステナイト系ステンレス鋼
の溶接においても母材と同等の強度特性を有する溶接金
属が得られ、且つ良好な溶接作業性が得られることが明
らかとなった。
本発明は、以上のごとき新たな知見に基づくものであっ
て、その要旨とするところは、ワイヤ全重量に対し、0
,07〜0.10%のC,4,0〜5.0%のMn、2
8〜27%のCr 、  9.5〜11.5%のN11
0.16〜0.33%のNを、外皮及びフラックスの一
方又は両方に含有し、且つ0,7〜3.2%のTiO2
,1,5〜3.7%(7) S i O,,0,7〜8
.2%のZrO2によって主成分が構成されるスラグ剤
をフラックス中に含有することを特徴とする高強度オー
ステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ
にある。
以下に本発明を作用と共に詳細に説明する。
(作  用) まず、本発明のフラックス入りワイヤとは、第1図(a
)〜(d)にその−例を示すような断面形状のワイヤで
、バイブ或は帯鋼から成る外皮1によって充填フラック
ス2を被包したものであり、同図(b)〜(d)のごと
く継目3を有するもの、或は同図(a)に示すような継
目のないものでもよい。
次に本発明の合金成分及びガス成分について説明する。
Cは強力なオーステナイト生成元素であり、侵入型に固
溶し強度を増大させるのに効果があり、ワイヤ全重量に
対して0.07%以上必要であるが、0.10%を超え
るとCr炭化物の析出による粒界腐食、孔食感受性が増
大する。従って0.07〜0.10%とする。
Mnはオーステナイト層の安定化と、高強度を得るため
の基本成分であるNの溶解度を高くするために4.0%
以上必要であるが、5.0%を超えるとスラグの剥離性
等溶接作業性が劣化する。従って4.0〜5.0%とす
る。
CrはN1との共存のもとてオーステナイト系ステンレ
ス鋼としての基本特性である耐食性、耐酸化性、耐熱性
、強度特性を保持するため、又、高強度を得るのに必要
最小限のNの溶解度を確保するために23%以上必要で
あるが、27%を超えると強度部材として必要な特性の
一つである靭性や延性が劣化し、さらには経済的にも高
価になる。
従って23〜27%とする。
N1は、Crとの共存のもとにオーステナイト系ステン
レス鋼としての基本特性である耐食性や強度特性を維持
し、又、オーステナイト層の安定化による靭性や延性の
確保には9.5%以上必要であるが、11.5%を超え
てもその効果は変わらず経済的に高価になる。従って9
.5〜11.5%とする。
Nは、適当量のC「及びMnの存在で確保された溶解度
及びN自体のオーステナイト層の安定化効果と相まって
、固溶強化による溶接金属の安定して高い引張強度と優
れた靭性、延性の確保に必須の成分であり、0,16%
以上必要であるが、0.33%を超えると引張強度の向
上に効果がなくなるばかりでなくブローホール発生やス
ラグ剥離性劣化が生じてしまう。従って0,16〜0.
33%とする。
なおここで言うワイヤ全重量に対する各成分の%とは、
ワイヤ外皮金属中のffi量%をM(、充填フラックス
中の各成分の重量%をMP、ワイヤ全体の中の充填フラ
ックスの割合(重量比)をRとした場合、(1)式によ
り算出した値MWを意味する。
Mw ” (1−R)XM(+RXMp −−−(1)
TiO2は、アークの吹き付け、安定性を向上させ、更
に溶接金属を均一に被包し、しかも追従性の良好なスラ
グを形成し、ビード形状を良好にするが067%未満で
は、その効果が不十分であり、3.2%を超えるとスラ
グの流動性が劣化し、スラグ被包性が悪くなるので0.
7〜3,2%とする。
原材料としてはルチール、チタン白、チタンスラグ、イ
ルミナイト更にはチタン酸カリ、チタン酸ソーダ、チタ
ン酸カルシウム等のチタン酸塩等が単独、或は複合で用
いられる。
5i02は被包性の良いスラグを形成するのに必要な成
分であるが、1.5%未満では、その効果が発揮できず
、スラグ被包性が劣化するが、3.7%を超えるとスラ
グの粘性が増しスラグ巻込みを発生しやすくするので1
.5〜3.7%とする。
原材料としてはケイ砂、ケイ石の他、ケイ灰石、ジルコ
ンサンド、カリ長石等の副成分を利用できる。
ZrO□は、スラグの凝固を円滑にするとともにスラグ
の粘性を調整し、良好なビード形状を得るのに効果があ
る。ZrO2の添加量が0.7%未満ではその効果が不
十分であり、3.2%を超えると凝固が早くなりすぎ、
スラグ巻込み等の欠陥が発生しやすくなるので0.7〜
3.2%とする。原材料としては酸化ジルコニウム、ジ
ルコンフラワージルコンサンド等を用いる。
本発明の構成は上記の通りであるが、この他アークの安
定性、スラグの被包性、剥離性向上のためにFed、A
j1203.NaF等を添加することができる。
ここで本発明の高強度オーステナイト系ステンレス鋼溶
接用フランクス入すワイヤの製造方法について言及する
と、例えば外皮を帯鋼より管状に成形する場合には、配
合、撹拌した充填フラックスをU型成形した溝に満たし
た後丸形に成形し、所定のワイヤ径迄伸線し、必要に応
じて100〜500℃で30分以上乾燥するものである
又、外皮がバイブの場合は、充填フラックス及びバイブ
を振動させてフラックスをバイブに充填する。この場合
、充填フラックスを混合、撹拌したそのままの状態で充
填すると、充填がスムーズに行われず不均一になったり
、途中につまって充填不可能になったりして均一な充填
が比較的離しいが、充填フラックスを珪酸カリや珪酸ソ
ーダの水ガラスで湿式混合し粒状にすることによって、
充填フラックスの流動性が良くなり充填がスムーズに行
われ均一な充填が可能となる。
珪酸カリや珪酸ソーダの水ガラスの添加量は、本発明の
フラックス組成の場合、フラックス100眩に対して3
〜15リットル程度で十分である。充填を行った後、所
定のワイヤ径迄伸線する。
(実 施 例) 第1表に示すステンレス鋼のバイブ及び帯鋼を用い第2
表に示す組成のワイヤ1.2mm’を製造した。
なお、外皮としてバイブ記号P−1,P−2゜P−3を
用いたものは第1図(a)に示すシームレスタイプ、帯
鋼記号H−1を用いたものは第1図(b)、帯鋼記号H
−2を用いたものは第1図(d)に示す断面形状とした
第2表に示すワイヤのJIS Z3323に規定された
方法に基づいた溶接金属の分析結果を第3表に示す。
第2表のワイヤを用いて第4表に示す板厚20+amの
代表的な高強度オーステナイト系ステンレス鋼S OS
 304N 2に対して、下向姿勢にて溶接を行った。
開先形状は第2図に示す通りで、母材lの板厚T ; 
20++n、母材2の板厚;611%開先角度θ;70
″、ルートギャップG;6龍とした。この時の溶接条件
は、電流170〜23OA (直流逆極性)、電圧28
〜82V、速度35〜45as/1n 、  100%
CO2;20リットル/m1nのシールドとした。
この溶接において、溶接作業性、引張強度、衝撃靭性及
び側曲げ性能を評価した。その結果を第5表に示す。
Mn量が不足したワイヤ&11は、溶接作業性、引張強
度に問題があり、側曲げ試験においても欠陥が認められ
た。
TiO2量及びNi量が不足したワイヤN112は、溶
接作業性、衝撃靭性に問題があり、側曲げ試験において
は割れが発生した。
5in2量が過剰でCJIが不足したワイヤNa13は
、溶接作業性、引張強度に問題があり、側曲げ試験にお
いても欠陥が認められた。
Cr量が過剰になったワイヤNci14は、衝撃靭性に
量刑があり、側曲げ試験においては割れが発生した。
TiO2量及びMn量が過剰になったワイヤ黒15は、
溶接作業性に問題があり、側曲げ試験においても欠陥が
認められた。
ZrO2量及びN量が過剰になったワイヤ随1Bは、溶
接作業性に問題があり、側曲げ試験においても欠陥が認
められた。
5in2量が不足しNi量が過剰になったワイヤk17
は、溶接作業性に問題があり、側曲げ試験においても欠
陥が認められた。
Ni量が過剰になりN量が不足したワイヤklBは、引
張強度に問題があった。
Zr02jiが不足しC量が過剰になったワイヤ魔19
は、溶接作業性、衝撃靭性に問題があり、側曲げ試験に
おいても欠陥が認められた。
Cr量が不足したワイヤNo、20は、引張強度に問題
があった。
これらに対し、C,Mn、Cr、N1 、Nを外皮及び
フラックスの一方又は両方に適正量含有し、且つTiO
2,5i02.ZrO2をフラックス中に適正量含有す
る本発明ワイヤ1lkL1〜10の場合には、溶接作業
性、機械的性能のいずれも極めて良好であった。
なお、溶接作業性の評価は、実用上良好な場合をO5実
用上若干問題がある程度をΔ、実用に供し得ない程度に
不良な場合を×と判定した。継手引張試験では、70)
cgf/d以上を良好、これ未満を不良と判定した。ま
た、衝撃試験では、2.8kgf−m以上を良好、これ
未満を不良と判定した。
側曲げ試験では、2本の試験片全てが無欠陥の場合を良
好、それ以外を不良と判定した。
第 3 表 574− (発明の効果) 以上のように本発明は、高強度オーステナイト系ステン
レス鋼溶接用フラッグス入りワイヤにおいて、ワイヤ全
重量に対してC,Mn 、Cr 。
N1.N量を特定し、且つ充填フラックス中のT iO
2、S t 02 r  Z r O2の量を特定する
ことにより、溶接作業性が良好で、溶接欠陥も無く機械
的性質も極めて優れた溶接金属を容易に得ることのでき
るフラックス入りワイヤを提供するものであって、特に
強度部材としての高強度オーステナイト系ステンレス鋼
の高能率溶接に大きく貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)= (b)、(e)、 (d)は各種フラ
ックス入りワイヤの断面形状を示す模式図、第2図は下
向溶接を行ったS U S 304N 2鋼板の開先形
状を示す断面図である。 1・・・外 皮       2・・・充填フラックス
3・・・継 目 ((:L) (b) <C) (め)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. ワイヤ全重量に対し、0.07〜0.10%のC、4.
    0〜5.0%のMn、23〜27%のCr、9.5〜1
    1.5%のNi、0.16〜0.33%のNを、外皮及
    びフラックスの一方又は両方に含有し、且つ0.7〜3
    .2%のTiO_2、1.5〜3.7%のSiO_2、
    0.7〜3.2%のZrO_2によって主成分が構成さ
    れるスラグ剤をフラックス中に含有することを特徴とす
    る高強度オーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラック
    ス入りワイヤ。
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