JP2687033B2 - 高耐食ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents
高耐食ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤInfo
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Description
用いるフラックス入りワイヤの改良に係り、さらに詳し
くは立向姿勢溶接においてビードの形状が良好で、アー
クの安定性に優れた高耐食ステンレス鋼溶接用フラック
ス入りワイヤに関する。
ールドアーク溶接は、能率が高く自動あるいは半自動化
も可能なため、被覆アーク溶接に代わって近年急速に普
及しつつある。
ステンレス鋼及びフェライト系ステンレス鋼用フラック
ス入りワイヤが一般的に用いられている。
り、高Mo化し耐孔食性、耐隙間腐食性に優れ、更に硫酸
環境下の耐食性向上のためCuを添加した高耐食ステンレ
ス鋼が開発されて来ている。
イヤに対しても、従来用いられているフラックス入りワ
イヤ同様の溶接作業性が要求されている。しかしなが
ら、高耐食ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤは
充填フラックス中に成分調整のための合金成分を多量に
含有するため、従来同様の溶接作業を得ることは困難で
あり、特に立向姿勢溶接において、アークに広がりがな
く、ビードが凸形状となる傾向があった。
で開示されているが、この技術は立向、横向姿勢溶接の
みを対象としており、更に実施例からも明らかな様に、
JIS Z3323に規定されているYF−308,YF−316等のオース
テナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤを
対象としたものであり、前記公報で開示されているよう
な、充填フラックスの成分調整の適用のみでは、高耐食
ステンレス鋼の溶接における問題を解決できなかった。
な充填フラックス組成が開示されているが、これを高耐
食ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤに適用して
も、充填フラックス中に含有する合金成分及び量が異な
るため、十分な効果は得られなかった。
のであって、その目的とするところは立向姿勢溶接にお
いてビード形状が良好で、アークの安定性に優れた高耐
食ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤの提供にあ
る。
溶接における溶接作業性改善を目的に鋭意検討した。そ
の結果、SiO2,ZrO2及びTiO2の含有率をコントロールす
ることによって、良好なビード形状を良好な溶接作業性
のもとで得ることが出来ることを新たに見出すに至っ
た。
とするところは、Ni,Cr,Mo,Cu及びNの含有量が合計で
フラックス全重量に対し60〜80%のフラックスを金属外
皮の内部に充填してなるワイヤにおいて、ワイヤ全重量
に対し0.6〜1.2%のSiO2,0.6〜1.2%のZrO2,1.7〜3.7%
のTiO2を(TiO2+ZrO2)/SiO2=3.0〜5.0の割合でフラ
ックス中に含有せしめたことを特徴とする高耐食ステン
レス鋼溶接用フラックス入りワイヤにある。
一例を示すような断面形状のワイヤで、パイプから成る
外皮1によって充填フラックス2を被包したものであ
る。
まず、第1表に示すSUS 316L鋼のパイプを用いて、第2
図に示すような断面形状のSiO2,ZrO2,TiO2構成比の異な
るワイヤ径1.2mmのフラックス入りワイヤを製造し、第
2表に示した高耐食ステンレス鋼を供試鋼板とし、第3
図に示すV溝開先内をDCRP(直流逆極性)120A,28V,CO2
100%ガスシールドの溶接条件で、半自動立向姿勢溶接
を行い、SiO2,ZrO2及びTiO2の量及び比率と溶接作業性
の関係について検討した。
合計で60〜80%(重量%)とした。
れ、ビード形状の良好な溶接作業性の得られるSiO2−Zr
O2−TiO2構成範囲を把握するに至った。すなわち第1図
は、フラックス中のSiO2,ZrO2,TiO2量と立向姿勢におけ
る溶接作業性との関係を示すものであり、SiO2量が0.6
〜1.2%(ワイヤ全重量比)でかつ、ZrO2とTiO2量の和
がSiO2の3〜5倍の範囲において、良好な溶接作業性が
得られることが明らかとなった。
るため、アークの広がりに欠け、吹き付けが弱く、ビー
ドが凸形状となる傾向を、SiO2,ZrO2,TiO2のバランスを
コントロールすることにより緩和し、アークの吹き付け
を強め、広がりを出し、スラグの流動性及び被包性を向
上させ、フラットなビード表面の形成を助長することに
よるものと考えられる。
ついて述べる。
な成分であるが0.6%未満ではその効果が発揮できず、
スラグ被包性が劣化するが、1.2%を超えるとスラグの
粘性が増し、特に立向姿勢溶接においてスラグ巻き込み
が発生しやすくなるので0.6〜1.2%に限定する。なお、
SiO2の原材料としてはケイ砂,ケイ石の他、ケイ灰石,
ジルコンサンド,カリ長石等の副成分を利用できる。
性を調整し、立向姿勢溶接において溶融金属の溶め落ち
を防ぎ、良好なビード形状を得るのに効果がある。ZrO2
の添加量が0.6%未満では、その効果が不十分であり、
1.2%を超えると凝固が早くなりすぎ、スラグの巻き込
みなどの欠陥が発生しやすくなるので0.6〜1.2%に限定
する。原材料としては酸化ジルコニウム,ジルコンフラ
ワー,ジルコンサンド等を用いる。
に、溶接金属を均一に被包し、しかも追従性の良好なス
ラグを形成し、ビード形状を良好にするが、1.7%未満
では、その効果が不十分であり、3.7%を超えるとスラ
グの流動性が劣化し、スラグ被包性が悪くなるので1.7
〜3.7%に限定する。原材料としては、ルチール,チタ
ン白,チタンスラグ,イルミナイト更にはチタン酸カ
リ,チタン酸ソーダ,チタン酸カルシウム等のチタン酸
塩等が単独あるいは複合で用いられる。
iO2で3.0〜5.0の割合とすることがポイントのひとつで
あるが、これは3.0未満の場合にはアークの安定性が劣
り、ビード形状が悪くなり、5.0を超えるとアークの広
がりに欠け、ビードが凸傾向となるため、前述の範囲に
コントロールする必要がある。
ガン,窒化クロム等窒素を比較的多量に含有する金属粉
を用いて添加する。
る。
す組成のフラックス入りワイヤを製造し、第2表に示し
た高耐食ステンレス鋼を供試鋼板とし、第3図に示すV
溝開先内をDCRP(直流逆極性)120A,28V,CO2100%ガス
シールドの溶接条件で、半自動下向姿勢及び立向姿勢溶
接を行い、それぞれの溶接作業性を比較した。なお、ワ
イヤ径は1.2mmとし、断面形状は第2図に示すものとし
た。
ワイヤNo.12はスラグの被包性が不十分であり、ZrO2含
有量の少ないワイヤNo.13はビード形状が不良であり、T
iO2含有量の少ないワイヤNo.15はアーク状態が不良で、
スラグの被包性も悪く、ビード形状が不良であった。
はアーク状態,スラグ被包,ビード形状が悪く、更にス
パッタの増加も認められる結果となった。
ラグを巻き込みやすくアークも不安定となり、スパッタ
がやや増加し、TiO2含有量の多いワイヤNo.17はスラグ
被包性が不十分でビード形状が不良となった。
ークの安定性に劣り、ビード形状が悪く、5.0を超える
ワイヤNo.3,18はアークの広がりに欠け、凸形のビード
形状になる結果となった。
本発明の場合には、いづれもアーク状態が良好で、スパ
ッタが少なく、スラグ被包性,ビード形状も良好な溶接
作業性を示した。
て良好,○:良好,△:やや不良,×:不良を示すもの
である。
ラックス入りワイヤにおけるフラックス組成を特定する
ことにより、フラックス中の合金成分が多量に含有され
ていてもアークに広がりがあり、良好なビード形状の得
られることを可能にしたものであって、ステンレス鋼溶
接の品質向上に大きく貢献するものである。
勢における溶接作業性の関係を示す図、第2図はフラッ
クス入りワイヤの断面形状を示す模式図、第3図は溶接
作業性の調査に用いた供試鋼板の開先形状を示す図であ
る。 1……外皮、2……充填フラックス
Claims (1)
- 【請求項1】Ni,Cr,Mo,Cu及びNの含有量が合計でフラ
ックス全重量に対し60〜80%のフラックスを金属外皮の
内部に充填してなるワイヤにおいて、ワイヤ全重量に対
し0.6〜1.2%のSiO2,0.6〜1.2%のZrO2,1.7〜3.7%のTi
O2を(TiO2+ZrO2)/SiO2=3.0〜5.0の割合でフラック
ス中に含有せしめたことを特徴とする高耐食ステンレス
鋼溶接用フラックス入りワイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6045790A JP2687033B2 (ja) | 1990-03-12 | 1990-03-12 | 高耐食ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6045790A JP2687033B2 (ja) | 1990-03-12 | 1990-03-12 | 高耐食ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03264194A JPH03264194A (ja) | 1991-11-25 |
JP2687033B2 true JP2687033B2 (ja) | 1997-12-08 |
Family
ID=13142818
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6045790A Expired - Lifetime JP2687033B2 (ja) | 1990-03-12 | 1990-03-12 | 高耐食ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2687033B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3017059B2 (ja) * | 1995-10-25 | 2000-03-06 | 株式会社神戸製鋼所 | Cr−Ni系ステンレス鋼溶接用高窒素フラックス入りワイヤ |
JP3017063B2 (ja) * | 1995-11-07 | 2000-03-06 | 株式会社神戸製鋼所 | Cr−Ni系ステンレス鋼の全姿勢溶接用高窒素フラックス入りワイヤ |
EP0867256B1 (en) * | 1996-09-13 | 2001-12-19 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Welding material for stainless steels |
US6042782A (en) * | 1996-09-13 | 2000-03-28 | Sumikin Welding Industries Ltd. | Welding material for stainless steels |
JP5098217B2 (ja) | 2005-09-28 | 2012-12-12 | 新日鐵住金株式会社 | 溶接部の耐食性および耐亜鉛脆化割れ性に優れた亜鉛めっき鋼板の溶接継手並びにその製造方法 |
-
1990
- 1990-03-12 JP JP6045790A patent/JP2687033B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03264194A (ja) | 1991-11-25 |
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