JPH07276078A - ガスシールドアーク溶接メタル系フラックス入りワイヤ - Google Patents

ガスシールドアーク溶接メタル系フラックス入りワイヤ

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JPH07276078A
JPH07276078A JP8606094A JP8606094A JPH07276078A JP H07276078 A JPH07276078 A JP H07276078A JP 8606094 A JP8606094 A JP 8606094A JP 8606094 A JP8606094 A JP 8606094A JP H07276078 A JPH07276078 A JP H07276078A
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flux
amount
metal
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cored wire
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JP8606094A
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Tsuyoshi Kurokawa
黒川剛志
Tetsuya Hashimoto
橋本哲哉
Hideji Sasakura
笹倉秀司
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ヒューム発生量、スパッタ発生量の少ないガ
スシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤの提供。 【構成】 軟鉄製外皮として、外皮全重量に対し、C:
0.02%以下、Ti:0.01〜0.20%、Al:
0.01〜0.10%を含有し、Ti/C:≧1.0、
Al/C:≧1.5を満足する鋼であり、フラックスと
してワイヤ全重量に対し、Cs及びRbを除くアルカリ
金属の酸化物、弗化物及び炭酸塩の1種以上(アルカリ
金属元素換算値):0.01〜0.30%、Fe:4〜
27%、金属粉(対フラックス全重量)80〜90%、
Cs及び/又はRbの化合物の1種又は2種以上の合計
(Cs及び/又はRb元素換算値):0.001〜0.
10%、Mn(全合計):0.5〜3.6%、Si:
0.1〜1.8%を含み、スラッグ形成剤全重量に対
し、Alを20%以上含むスラッグ形成剤1.0
〜6.0%を含有するフラックスをワイヤ全重量に対し
10〜30%充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスシールドアーク溶
接用フラックス入りワイヤに関し、殊にヒューム発生量
とスパッタ発生量を低減することのでき、特に軟鋼や高
張力鋼の溶接に適したガスシールドアーク溶接メタル系
フラックス入りワイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤは溶接
の容易性と能率性の面から、その需要が急速に拡大しつ
つある。とりわけ、メタル系フラックス入りワイヤは、
従来の溶接用ワイヤに比較して高能率溶接が可能である
ことや、スラグ発生量が少ないという特長を有している
ことから、鉄骨・橋梁・産機などの分野への浸透ぶりに
は目を見張るものがある。
【0003】しかしながら、この種のワイヤの最大の難
点は、比較的高い電流値で使用されることから、ヒュー
ム発生量が多く、溶接作業環境を悪化させる点にある。
また、スパッタの発生量が多いことから、その除去に労
力を費やさなければならず、その量はチタニア系フラッ
クス入りワイヤを使用した場合の2〜2.5倍にも達す
ることがある。
【0004】本発明は、これらの状況に鑑みて、ヒュー
ム発生量及びスパッタ発生量の少ないガスシールドアー
ク溶接用メタル系フラックス入りワイヤを提供すること
を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】溶接ヒューム及びスパッ
タ発生量を低減する技術としては、特許第1,403,5
69号、同第1,572,313号、同第1,572,32
7号、特開昭61−169195号などがあり、特に外
皮中のC量や酸素量を低減することが知られている。
【0006】しかしながら、メタル系フラックス入りワ
イヤの場合、高溶着速度を得るために高電流(例えば、
300〜500A)で適用され、溶接ヒューム発生量が
電流の増加につれて指数的に多くなるため、従来技術で
は充分対応できない。
【0007】そこで、本発明者らは、メタル系フラック
ス入りワイヤにおけるヒューム発生量及びスパッタ発生
量の低減対策について鋭意研究を行った結果、フラック
スへのCs、Rdの添加が効果的なことを見出し既に提案
した(特願平5−285033号)。一方、外皮中のC、
Ti、Al量の調整及びフラックス中のTi、アルカリ金
属の酸化物、弗化物の調整もヒューム低減策として有効
であることを明らかにして提案した(特願平5−421
68号)。
【0008】本発明者らは、更なる低ヒューム、低スパ
ッタ化を目指して検討した結果、C、Ti、Al量を適切
にコントロールした外皮を使い、充填フラックス中のア
ルカリ金属としてCs、Rdを添加し、その他の成分とし
てAl23を20%以上(対スラグ形成剤)含有するスラ
グ形成剤を1.0〜6.0%含有させることで、ヒューム
発生量及びスパッタ発生量低減に著しい相乗効果がある
ことを究明し、ここに本発明を完成したものである。
【0009】すなわち、本発明は、軟鋼製外皮にフラッ
クスを充填してなるガスシールドアーク溶接メタル系フ
ラックス入りワイヤにおいて、 軟鋼製外皮として、外皮全重量に対する割合で、 C:≦0.02% Ti:0.01〜0.20% Al:0.01〜0.10% を含有し、且つ Ti/C:≧1.0 Al/C:≧1.5 を満足する組成の鋼であり、 フラックスとして、ワイヤ全重量に対する割合で、 Cs及びRdを除くアルカリ金属の酸化物、弗化物及び炭
酸塩の1種以上 (アルカリ金属元素換算値):0.01〜0.30% Fe:4〜27% 金属粉:80〜90%(対フラックス全重量%) Cs及び/又はRdの化合物の1種又は2種以上の合計 (Cs及び/又はRbの元素換算値):0.001〜0.1
0% Mn(外皮中のMn量も合計して):0.5〜3.6%、 Si(外皮中のSi量も合計して):0.1〜1.8% を含み、更に、 Al23をスラグ形成剤全重量に対して20%以上含む
スラグ形成剤:1.0〜6.0% を夫々含有するフラックスを鋼製外皮中にワイヤ全重量
に対して10〜30%充填してなることを特徴とするガ
スシールドアーク溶接メタル系フラックス入りワイヤを
要旨としている。
【0010】
【作用】以下に本発明を更に詳述する。まず、本発明に
おいて、ワイヤ外皮の成分を限定するに至った理由を記
述するが、外皮成分面からの溶接ヒューム及びスパッタ
低減を図る手段を検討するために各種実験を行い、それ
により得られた成果の骨子を示す実験結果例を以下に示
す。
【0011】これらの実験では、後述の表2中のNo.2
の組成のフラックス(フラックス率15%)を種々のT
i、Al量の軟鋼外皮(C:0.003〜0.03%、Mn:
0.20〜0.30%、Si:0.01〜0.03%、P:
0.08〜0.011%、S:0.005〜0.007%、
N:0.002〜0.004%)と組合わせて、1.4mm径
のフラックス入りワイヤを作製した。
【0012】次に、以下に示す一定の溶接条件で、試験
板 JIS G3106 SM490A(板厚:12mm)を
使って下向きビードオンプレート溶接を実施し、その間
の溶接ヒューム発生量をJIS Z3930に準拠して
測定した。 (溶接条件) 溶接電流:350A 溶接電圧:36V 溶接速度:30cm/分 ワイヤ突出し長さ:25mm 極性:DCワイヤ(+) シールドガス:CO2、流量25リットル/分
【0013】図1、図2、図3は、実験によって得られ
たデータを元に溶接ヒューム発生量と外皮中のTi、A
l、C量との関係を求めたものである。図1、図2、図
3に示すように、溶接ヒューム発生量を減少させるため
には、外皮成分について従来技術である低C化に加え
て、Ti、Alをそれぞれ0.01%以上での複合添加が
有効な手段であることが確認された。このうち、Alに
ついては単独では効果が少なく、Tiとの複合添加によ
り始めて顕著な効果が生じることが判明した。更に、C
s、Rdの低下により溶接ヒュームの低減効果はより顕著
となることも判明した。また、Ti、Alの溶接ヒューム
低減効果は、C≦0.02%、Ti/C≧1.0、Al/C
≧1.5で得られることも判明した。
【0014】これらTi、Alにより溶接ヒューム低減効
果が得られる理由としては、Ti、Alが酸素との親和性
が強く、高凝固点酸化物を生成するため、アーク溶接過
程においてワイヤ先端の懸垂溶滴表面に酸化皮膜を形成
し、Cと酸素との反応の結果として生じるヒューム発生
源であるCO、CO2の爆発的生成を抑制するためと考
えられる。
【0015】以上の知見に基づいて、溶接ヒューム低減
に適切な軟鋼製外皮としては、外皮全重量に対する割合
で、 C:≦0.02% Ti:0.01〜0.20% Al:0.01〜0.10% を含有し、且つ Ti/C:≧1.0 Al/C:≧1.5 を満足する組成の鋼である。
【0016】より好ましい範囲を示すと、 C:≦0.01% Ti:0.01〜0.10% Al:0.01〜0.05% を含有し、且つ、 Ti/C≧3.0 Al/C≧2.0 を満足する組成である。なお、ワイヤ製造上の圧延又は
/及び引抜工程における加工性を考慮すると、Mn:0.
10〜0.70%、Si:≦0.35%の範囲が望まし
い。
【0017】次に、充填するフラックス成分を限定する
に至った理由を説明する。なお、フラックス成分は、ワ
イヤ全体に対する重量%である。
【0018】Cs及び/又はRdの化合物:Cs及びRdの
化合物の1種又は2種の合計(Cs、Rdの換算値)が0.
001%未満ではヒューム低減の効果がない(図3参
照)。しかし、0.10%を超えると耐吸湿性の悪化に伴
い耐気孔性の低下や溶着金属の拡散性水素量が増大し、
耐割れ性が劣化する。よって、Cs及びRdの化合物の1
種又は2種の合計(Cs、Rdの換算値)を0.001〜0.
10%の範囲で添加する。なお、CsやRdは適当な形で
添加されるが、特にCsはCs2CO3として、或いはTi
2、SiO2等との複合酸化物の形で添加できる。
【0019】Cs及びRdを除くアルカリ金属の酸化物、
弗化物及び炭酸塩の1種以上:アーク安定性及びスパッ
タ量低減を図るため、Li、Na、K等のアルカリ金属成
分(但し、Cs及びRdを除く)を添加する。これらのアル
カリ金属は、吸湿性が著しいため、酸化物、弗化物の形
で1種以上用いるのが好ましい。しかし、これらのアル
カリ金属の酸化物、弗化物及び炭酸塩の添加量(アルカ
リ金属元素換算値)は、0.01%未満ではアーク安定性
向上及びスパッタ低減の効果が得られず、また、0.3
0%を超えるとこれらアルカリ金属が高蒸気圧を有する
ため、却ってスパッタが増大する他にTi、Alによる溶
接ヒューム低減効果が得られないため、0.01〜0.3
0%の範囲とする。
【0020】なお、アルカリ金属酸化物としては、長
石、無水珪酸ソーダ、水ガラス、Li、Na、K等の複合
酸化物が挙げられ、同弗化物としては、氷晶石、珪弗化
カリ、珪弗化ソーダ等の弗化物が挙げられる。少量のア
ルカリ金属の炭酸塩もアーク熱により分解して酸化物と
なるため、同様の効果が得られる。
【0021】Fe:Feは主に鉄粉として添加される。F
e量は、高溶着速度を得るためにフラックス率に応じて
添加する。フラックス率(フラックスの対ワイヤ全重量
%)は、10%未満では外皮金属の肉厚が厚すぎるため
大粒のスパッタが増大する。一方、30%超では外皮金
属の肉厚の減少にともないワイヤが柔らかくなるため、
送給性が低下するほか、アークの拡がりが著しくなり、
溶込み深さの低下やアンダーカットが生じやすくなる。
このため、フラックス率としては10〜30%の発生で
あることが必要である。
【0022】Feは、上述のフラックス率に応じて添加
するが、4%未満ではメタル系フラックス入りワイヤの
特徴である顕著な高溶着速度が得られず、27%超では
脱酸剤など他の成分が不足し、所定の溶接金属の機械的
性質の確保やピット、ブローホール等の溶接欠陥防止が
困難となる。したがって、Fe量は4〜27%の範囲と
する。なお、脱酸剤やアーク安定剤として添加されるF
e−Si、Fe−Si−Ti等に含有量される量も同等の効
果があり、その場合には、Fe量と併せて4〜27%に
調整する。
【0023】金属粉:メタル系フラックス入りワイヤの
特長である高溶着速度特性及び連続多層溶接可能なスラ
グ量を確保するために、酸化物、弗化物、炭酸塩等の非
金属物質を除くフラックス中の金属粉比率を80〜90
%にする必要がある。
【0024】Mn:Mnは、脱酸剤、強度や焼入れ性向上
による靭性改善及び溶融金属のスラグの粘性増加による
ビード形状改善(特に水平すみ肉の場合)のために、外皮
中のMn量も考慮して添加する。その場合、Mn量は、
0.5%未満では軟鋼用としても充分な強度が得られ
ず、またビード形状も良好でない。またMnが3.6%超
では溶着金属強度が過剰となり、低温割れが生じ易くな
るので、0.5〜3.6%の範囲とする。なお、Mn源と
しては、Mn、Fe−Mn、Fe−Si−Mnなどが挙げられ
る。
【0025】Si:SiはMnと同様の作用効果を及ぼ
し、外皮中のSi量も考慮して添加する。その場合、Si
量は、0.1%未満では、脱酸剤、靭性改善及びビード
形状改善効果が得られず、また1.8%超では、溶着金
属中のSi量が過剰となり、逆に靭性や延性が低下する
ので、0.1〜1.8%の範囲とする。なお、Si源とし
てはSiやFe−Si−、Fe−Si−Mn、Fe−Si−Mg
等の合金が挙げられる。
【0026】Al23を含有するスラグ形成剤:Al23
は、他の酸化物に比較して、低スパッタ効果が著しく
(図4参照)、特に本発明で規制した組成の軟鋼外皮とC
s又は/及びRdの化合物を添加したフラックスとの組合
せにおいて、更にスラグ形成剤としてAl23を適用す
ることで低スパッタの効果は最も発揮する。
【0027】すなわち、本発明に係るスラグ形成剤は、
主成分としてAl23を20%以上含有するものであれ
ばよい。何故ならば、20%未満では該スラグ形成剤中
で相対的にAl23の量が少なくなり、低スパッタ効果
を充分に発揮し得なくなる。したがって、該スラグ形成
剤には80%未満の範囲において他のスラグ形成剤を副
成分として任意に選択し配合することができる。Al2
3以外のこれらのスラグ形成剤としては、一般の酸化
物、例えばTiO2、SiO2、ZrO2、MnO、MgO或い
は鉄酸化物(Fe23、Fe24、FeOなど)等が挙げら
れ、単独或いは2種以上を組合せて配合することもでき
る。
【0028】但し、Al23を含有するスラグ形成剤
は、フラックス中に6%を越えて添加した場合にはスラ
グ量が増大したり、スラグ巻き込み等の障害が現われ、
一方、1%未満ではスラグ形成剤の効果を十分発揮し得
ない。このため、本発明のメタル系フラックス入りワイ
ヤは、スラグ形成剤としてAl23を20%以上(対スラ
グ形成剤全量)含有するスラグ形成剤を1〜6%の範囲
で必須的に含有させる必要がある。
【0029】フラックス率:フラックス率を高くする
と、外皮金属中の肉厚が薄くなりすぎてワイヤが軟弱に
なるため、送給が不安定となり、ひいてはアーク不安定
によるアンダーカット等の欠陥が発生し易くなる。一
方、フラックス率が低くすぎると、スパッタ発生量が多
くなると共に鉄粉やスラグ形成剤等の他成分を十分配合
できなくなる。このようなことから、フラックス率を1
0〜30%にする必要がある(図5参照)。
【0030】金属Al:フラックス中にAlを添加する
と、溶着金属の粘性が上がり、水平すみ肉でのビード形
状が向上する効果が得られるので、本発明においては必
要に応じて添加することができる。添加する場合、Al
が0.1%未満では水平すみ肉形状が悪化し、1.0%を
超えると溶接金属の耐高温割れ性が低下するので、0.
1〜1.0%の範囲とする。
【0031】なお、本発明の適用母材鋼種は、主とし
て、軟鋼、高張力鋼であるが、用途によりNi、Cr、M
o及びCuなどの金属又は合金を添加して低合金鋼、高合
金鋼などに拡大適用しても差し支えない。
【0032】また、シールドガスの種類としては、炭酸
ガスが主体であるが、Ar、He等でもよく、それらの混
合ガスでも適用できる。更に、フラックス入りワイヤの
断面形状も何ら制限がなく、例えば、図4の(A)、
(B)、(C)、(D)等に例示される種々の形状のものが使
用できる。(D)の形状の場合はワイヤ表面にAl、Cu等
のメッキ処理を施してもよく、メッキ量は0.05〜0.
30%が適当である。ワイヤ径も用途に応じて1.2mm
φ、1.4mmφ、1.6mmφ、2.0mmφ、2.4mmφ、
3.2mmφの中から任意に決めることができる。なお、
(D)の形状の継ぎ目の無い場合は、より本発明の効果
(低ヒューム、低スパッタ)を引き出すことができるので
望ましい。
【0033】次に本発明の実施例を示す。
【0034】
【実施例】表1に示す組成の鋼からなる外皮金属を用
い、表2に示す成分組成の充填用フラックスを作製し、
図6中の(B)の断面形状にて供試ワイヤ(ワイヤ径1.4
mmφ)を作製した。次いで各フラックス入りワイヤを使
用し、以下の条件で溶接を行い、ヒューム発生量、スパ
ッタ発生量、作業性等について調査した。その結果を表
3に示す。
【0035】(溶接条件) 極性:DCワイヤ(+) 溶接電流:350A 電圧:37±3V 速度:30cm/min シールドガス:100%CO2、25リットル/min チップ母材間距離:25mm 試験板:JIS G 3106、SM490A(12mm2) 溶接法:下向きビードオンプレート溶接
【0036】(ヒューム測定法)JIS Z 3930
「被覆アーク溶接棒の全ヒューム測定方法」に準じて、
1分間溶接した際に発生するヒュームの重量を測定する
ことにより、単位時間当たりの値(g/min)(繰返し数=
3の平均値)を求めた。ヒュームは図7に示す補集箱を
備えた装置により回収した。
【0037】(スパッタ発生量)スパッタ発生量の測定
には、図8に示す装置(3はスパッタ補集板、4はワイ
ヤ送給装置、5はトーチ、6は母材、7は台車を示す)
を使用し、補集板を用いてアーク点のまわりに飛散する
スパッタを補集し、重量を測定することにより求めた。
測定時間は1分間とし、単位時間当たりの量(g/min)
(繰返し数=3の平均値)を求めた。
【0038】(作業性)作業性は官能評価により評価し
た。
【0039】表3において、実験No.2、3、6、7、
16、19、25は本発明例であり、いずれもヒューム
発生量及びスパッタ発生量が極めて少なくなっている。
これに対し、他の実験No.の比較例は、本発明の要件を
完全に満足していないため、以下に示すとおり、ヒュー
ム発生量及びスパッタ発生量が多く、或いは少ない場合
でも溶接作業性等の他の性能が劣っている。
【0040】実験No.1及び4は、Cs、Rdが本発明範
囲外にあるもので、少なくすぎるとヒューム発生量が増
加し、多すぎるとワイヤの耐吸湿性が劣化し、耐気孔
性、耐割れ性等が低下する。
【0041】実験No.5及び8は、Cs、Rd以外のアル
カリ金属が本発明範囲外にあるもので、少なすぎるとア
ーク安定性が悪く、スパッタが増加する。多すぎても却
ってスパッタが増大する他ヒューム発生量低減効果が損
なわれる。
【0042】実験No.9、10、11は、Fe量及び金
属粉量が本発明の範囲外にあるもので、少なすぎると溶
接の能率低下やスパッタ増大をひきおこし、多すぎると
溶接金属の機械的性質の確保やピット・ブローホール等
の溶接欠陥の防止が困難になる。
【0043】実験No.12及び13は、Mn量が本発明
の範囲外にあるもので、少なすぎると十分な強度が得ら
れず、またビード形状も劣化する。多すぎると強度が過
剰となり、低温割れが生じ易い。
【0044】実験No.14及び15は、Si量が本発明
の範囲外にあるもので、少なすぎるとビード形状が劣化
し、多すぎると溶接金属の靭性や延性が低下する。
【0045】実験No.17は、外皮金属のC量が本発明
の範囲外にあるもので、ヒューム発生量及びスパッタ発
生量が増加している。
【0046】実験No.18及び22は、外皮金属のAl
量が本発明の範囲外にあるもので、少なすぎるとヒュー
ム発生量及びスパッタ発生量が増加し、多すぎると溶接
金属の延性が低下する。
【0047】実験No.20及び21は、外皮金属のTi
量が本発明の範囲外にあるもので、少なすぎるとヒュー
ム発生量及びスパッタ発生量が増加し、多すぎると溶接
金属への歩留まり高くなり、延性が低下する。
【0048】実験No.23は、フラックス中のAl23
の量が本発明の範囲外にあるもので、20%以下(対フ
ラックス全重量%)であるとスパッタが増加することを
示す。
【0049】実験No.24及び26は、フラックス率が
本発明の範囲外にあるもので、フラックス率が減少する
とスパッタが増加し、フラックス率が大きくなりすぎる
とアーク不安定となる。
【0050】実験No.27及び28は、フラックス中の
金属Alの量が本発明の範囲外にあるもので、少なすぎ
るとビード形状が劣化し、多すぎると溶接金属の耐割れ
性が低下する。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
高溶着速度を得るために高電流で適用しても、従来より
もヒューム発生量及びスパッタ発生量の少ないガスシー
ルドアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤを提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】外皮中のC量とヒューム発生量の関係を示す図
である。
【図2】外皮中のTi量とヒューム発生量の関係を示す
図である。
【図3】フラックス中のCs、Rb量とヒューム発生量の
関係を示す図である。
【図4】スラグ形成剤の種類とスパッタ発生量の関係を
示す図である。
【図5】フラックス率とスパッタ発生量の関係を示す図
である。
【図6】フラックス入りワイヤの断面形状の例を示す図
である。
【図7】ヒューム補集箱を備えた装置を示す図である。
【図8】スパッタ補集箱を備えた装置を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟鋼製外皮にフラックスを充填してなる
    ガスシールドアーク溶接メタル系フラックス入りワイヤ
    において、 軟鋼製外皮として、外皮全重量に対する割合で、 C:≦0.02% Ti:0.01〜0.20% Al:0.01〜0.10% を含有し、且つ Ti/C:≧1.0 Al/C:≧1.5 を満足する組成の鋼であり、 フラックスとして、ワイヤ全重量に対する割合で、 Cs及びRdを除くアルカリ金属の酸化物、弗化物及び炭
    酸塩の1種以上 (アルカリ金属元素換算値):0.01〜0.30% Fe:4〜27% 金属粉:80〜90%(対フラックス全重量%) Cs及び/又はRdの化合物の1種又は2種以上の合計 (Cs及び/又はRbの元素換算値):0.001〜0.1
    0% Mn(外皮中のMn量も合計して):0.5〜3.6%、 Si(外皮中のSi量も合計して):0.1〜1.8% を含み、更に、 Al23をスラグ形成剤全重量に対して20%以上含む
    スラグ形成剤:1.0〜6.0% を夫々含有するフラックスを鋼製外皮中にワイヤ全重量
    に対して10〜30%充填してなることを特徴とするガ
    スシールドアーク溶接メタル系フラックス入りワイヤ。
  2. 【請求項2】 外皮金属が継ぎ目の無いものである請求
    項1に記載のガスシールドアーク溶接メタル系フラック
    ス入りワイヤ。
  3. 【請求項3】 フラックス中にワイヤ全重量比で金属A
    lを0.1〜1.0%含有する請求項1又は2に記載のガ
    スシールドアーク溶接メタル系フラックス入りワイヤ。
JP8606094A 1994-03-31 1994-03-31 ガスシールドアーク溶接メタル系フラックス入りワイヤ Pending JPH07276078A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100347293B1 (ko) * 1999-12-29 2002-08-07 현대종합금속 주식회사 2전극 고속필렛 가스실드 아크 용접용 메탈계 플럭스 충전 와이어
JP2005186138A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Kobe Steel Ltd ガスシールドアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤ及びガスシールドアーク溶接方法
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JP2024039483A (ja) * 2022-09-09 2024-03-22 四国溶材株式会社 フラックス入りワイヤ

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