JP2795992B2 - ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents

ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の鋼構造物の溶接に用いる
ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに関す
るものであり、さらに詳しくは300A/mm2 以上の高
電流密度溶接においても、溶接作業性に優れかつ良好な
溶け込み形状が得られるフラックス入りワイヤに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、溶接の自動化、高能率化の進展に
伴い、ガスシールドアーク溶接はますます広く使用され
ている。特に最近では1.2mmφ程度の細径ワイヤに高
電流を投与して電流密度を高め、ワイヤの溶融速度を増
加させるいわゆる高電流密度溶接法が高能率溶接法とし
て注目されている。
【0003】しかし従来の鋼ワイヤを用いる高電流密度
溶接では、スパッタの多発、耐気孔性、耐われ性および
融合不良などの問題があり、実用する上で多くの制約が
ある。即ち、鋼ワイヤをCO2 ガスと組み合わせて、例
えば300A/mm2 以上の高電流密度溶接を行う場合
(電流密度=溶接電流/ワイヤ断面積)、溶け込みは円
形の良好な形状が得られるものの、安定した溶滴移行が
困難で大粒のスパッタが多発して母材に付着し、その除
去作業も困難である他、ビード表面が不均一になる等、
安定した高能率溶接ができない。
【0004】またシールドガスとしてAr−CO2 混合
ガスを使用すると、スパッタは大幅に減少するものの、
溶け込み形状が中央部が幅の狭い過大な溶け込みのいわ
ゆるフィンガー状の溶け込み形状(図1(a))になる
ため、特に多層溶接等において、融合不良(図1
(a),1)などの欠陥を生じる他、耐気孔性や耐割れ
性にも問題があった。
【0005】このフィンガー状の溶け込み形状を円形状
の溶け込み形状(図1(b))に改善する手段として、
例えば特開昭59−45084号公報のAr−He−C
2 −O2 の4種混合ガスによる溶接法が提案されてい
る。この方法は溶滴がワイヤ先端で回転するいわゆるロ
ーテーティングスプレーアークになるためアークの広が
りにより溶け込み形状は改善されるが、微小溶滴がビー
ド止端部に付着してその除去が困難であること、また特
殊なシールドガスであるためガスのコストが高くなると
いう実用上の問題を残している。
【0006】一方、鋼ワイヤの代わりにフラックス入り
ワイヤを用い、CO2 ガスもしくはAr−CO2 混合ガ
スと組み合わせて電流密度300〜550A/mm2 で溶
接する高電流密度溶接法が特開昭56−160878号
公報に提案されている。しかしこの方法は、スラグを多
く生成するフラックス入りワイヤを用いているため、ビ
ード外観は良好であるが多層溶接においては1パス毎に
スラグを除去する必要があること、またスラグ巻き込み
等の欠陥が生じ易いこと等の問題がある他、ワイヤ突き
出し長さを非常に長くして溶接する方法のためスパッタ
が多く発生するという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決するためになされたものであって、300A/mm2
以上の高電流密度溶接において、安価なCO2 溶接でも
アークが安定でスパッタが少なく、かつ円形の良好な溶
け込み形状が得られると共に、耐割れ性が良好で融合不
良等の欠陥発生の少ない高品質な溶接部の得られる高電
流密度溶接用フラックス入りワイヤを提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係わるガスシールドアーク溶接用フラック
ス入りワイヤの要旨は、鉄粉を主体とする金属粉を90
%以上含有するフラックスを充填してなるガスシールド
アーク溶接用フラックス入りワイヤであって、ワイヤの
ポテンシャル水素量を120ppm 以下とし、かつワイヤ
全重量に対し下記成分を必須とすることにある。 30%以上のKを含むアルカリ金属;0.02〜0.2
5% 金属弗化物(F換算値)とKの比(F/K);0.01
〜0.90 Ti;0.05〜0.45% Mn+Si;2.3〜4.8%でかつMn/Si;2.
0〜4.5 以下に本発明に係わるワイヤを上記構成にした理由を詳
細に説明する。
【0009】
【作用】本発明者らは、高電流密度ガスシールド溶接に
おけるアーク現象およびビード形成性等について種々実
験を重ねた結果、次のような知見を得た。 (1)CO2 溶接におけるアーク安定性は、鋼ワイヤよ
りフラックス入りワイヤが優れる。また多層溶接を想定
した場合は、極力スラグ生成量を少なくした方が溶着速
度が早くかつスラグ巻き込み等の溶接欠陥が発生しにく
いため、高能率な連続多層溶接が可能になる。 (2)溶け込み形状はアークの広がりに支配され、アー
クの広がりの大きい方が円形の良好な溶け込みが得られ
る。金属粉系フラックス入りワイヤのアークの広がりは
主として充填フラックス中のアルカリ量に依存するが、
溶滴移行性やアーク安定性の観点からある範囲に制御す
る必要がある。 (3)高電流密度溶接における溶接金属の材質を高品質
なものにするには、脱酸性元素の調整が必要である。 本発明は上記知見に基づいて完成したものであり、以下
に本発明の構成理由について詳細に説明する。
【0010】まず本発明においてフラックス中の金属粉
を90%以上と限定したのは、余分なスラグを溶接中に
生成させず溶着速度を高めると共に、スラグを除去しな
くとも連続多層溶接が可能でスラグ巻き込み等の溶接欠
陥を生じさせない高品質な溶接部を得るためである。フ
ラックス中の金属粉の比率が90%未満では、相対的に
スラグ形成剤が多くなり溶着効率が低下すると共に生成
スラグ量が多くなって、1パス毎にスラグを除去する必
要があり溶接能率が低下する。またスラグ巻き込み等の
溶接欠陥も発生しやすくなる。従ってフラックスの90
%以上は金属粉でなければならない。なお、ここでいう
金属粉とは、鉄粉の他、Si,Mn,Ti,Al,M
g,Ca等の脱酸性元素とNi,Cr,Mo,Cu,B
等の合金元素を意味している。これら元素の添加方法と
しては、各々単体で添加しても、またこれらの元素の合
金として添加してもよい。
【0011】次にワイヤのポテンシャル水素量を120
ppm と限定したのは次の理由による。即ちワイヤ中の水
素は充填フラックス、鋼外皮およびワイヤ表面付着物に
含有されているが、この水素は溶接中のアーク雰囲気の
水素分圧を上げて溶融金属に侵入し、特に母材の板厚が
厚い場合や拘束の大きい場合などに、この水素に起因す
る低温割れが発生することがある。またアーク雰囲気中
の水素は、アークの冷却作用が大きいためアークの断面
が収縮するいわゆる熱的ピンチ効果により、アークが集
中する結果フィンガー状の溶け込みを形成し、融合不良
等の欠陥を生じ易い。これらを防止するためにはワイヤ
のポテンシャル水素量を低く押さえることが必要であ
り、実験の結果、後述するアルカリ等のフラックス成分
を調整したとしても120ppm 以下に制限する必要があ
る。120ppm 以下であれば上記問題は発生せずに良好
な溶け込み形状が得られると共に低温割れも発生しな
い。従ってワイヤ中のポテンシャル水素量は120ppm
以下とした。なおワイヤのポテンシャル水素量は、不活
性ガス雰囲気中で2000℃以上に加熱して抽出される
全水素量を示し、充填フラックス、外皮および表面付着
物に含有する水素量の合計した値である。
【0012】高電流密度溶接において円形の良好な溶け
込み形状を得るためにはアークの集中を抑制しアークを
広げる必要がある。アルカリ金属はアーク安定剤として
溶接材料によく用いられているが、本発明においてはア
ークを安定化してスパッタを低減させると共にアークの
広がりを得るために添加する。アルカリ金属としては
K,Na,Li,Rb,Csなどかあるが、本発明の目
的に最もよく合致するのはKである。即ち、Kは高電流
密度溶接においてもアークを広げる作用とアーク安定化
効果が大きく、良好な溶け込み形状が得られ易い。一
方、K以外のアルカリ金属はアーク安定化効果はあるが
アークを広げる作用はそれほど大きくなく、Kを除いた
アルカリ金属の添加のみでは溶け込み形状を改善できな
い。良好な溶け込み形状とアーク安定性を確保するため
には、アルカリ金属中にKが30%以上含む必要があ
る。30%以上のKを含むアルカリ金属がワイヤ全重量
に対して0.02%未満では上記効果が得られず、一
方、0.25%を越えて添加するとアークの安定性やア
ークの広がりをそれ以上に改善することはできないばか
りでなく、逆に溶滴移行性が劣化してスパッタが多くな
る。従って30%以上のKを含むアルカリ金属の添加量
は0.02〜0.25%とする。なお、アルカリ源とし
ては上記アルカリ金属の酸化物、弗化物、炭酸塩、珪酸
塩等の他、フラックスの造粒用バインダーとして用いら
れる水ガラス成分(K2 SiO3 ,NA2 SiO3 等)
も挙げられる。
【0013】更に実際の溶接において、溶接条件の変動
即ち溶接速度、ワイヤ突き出し長さ、あるいはトーチ角
度等が変動すると、アーク安定性の劣化を招きスパッタ
増大を招くことがあるが、このような悪条件下でもスパ
ッタ発生量を最小限に押さえる条件について検討した。
その結果アーク長が極端に長い場合や短い場合にアーク
安定性は劣化しスパッタが多発するが、アーク長が一定
に保持できればスパッタを減少できる。そして上記要件
を満足した上で、更にアークを広げかつアーク長を長く
する作用を持つKとその反対の作用を持つFを適正に添
加すれば目的が達成できることを究明した。即ち表1に
示す基本フラックスにKとFの量を種々変化させたフラ
ックスを鋼製外皮に充填率が12%となるように充填
し、図2(d)の断面形状の1.2mmφのワイヤを試作
し実験を行った。図4はこれら試作ワイヤのスパッタ量
および溶け込み形状を示す実験結果のグラフである。な
おスパッタ量の採取は銅製捕集箱を用い、またビード溶
け込み形状は図3に示すように、最大溶け込み深さ
(P)の1/2の位置(P/2)における溶け込み幅
(W1)と最大ビード幅(W)の比W1/Wを測定し
た。この場合、W1/W<0.5がいわゆるフィンガー
状の溶け込み形状とした。但し本実験を行った高電流密
度溶接条件は下記の通りである。 [溶接条件] 溶接電流;500A、 電流密度;442A
/mm2 、アーク電圧;44V、 溶接速度;
50cm/min 、ワイヤ突出し長さ;25mm、 シー
ルドガス;CO2 25l/min 、溶接姿勢;下向き、
ビードオンプレート溶接
【0014】
【表1】
【0015】図4から、FとKの比F/Kが0.01未
満では溶け込み形状はW1/Wが0.5以上で良好であ
るが、アーク長が過大になりすぎ溶滴移行性が劣化し大
粒のスパッタが発生する。逆にF/Kが0.90を超え
るとFの影響が強くなりすぎてアークが集中し、W1/
Wが0.5以下のフィンガー状の溶け込み形状となって
融合不良等の欠陥を生じる。F/Kの比が0.01〜
0.90の範囲ではアーク長およびアークの広がりが適
正に維持されて、スパッタ量、溶け込み形状も良好とな
る。従ってF/Kの比は0.01〜0.90とした。な
お弗素源としてはLi,Na,K,Mg,Ca,Al等
の弗化物やK2 SiF6 等の珪弗化アルカリ金属化合物
等が用いられる。
【0016】Tiは主として脱酸剤としての機能を発揮
して溶接金属の機械的性質を改善する。特に入熱の高く
なる高電流密度溶接においてミクロ組織の微細化に効果
がある。さらにTiは電離電圧が低いため優れたアーク
安定化作用を有しスパッタの抑制にも効果を発揮する。
Tiが0.05%以下では上記効果が発揮されずスパッ
タの発生や溶接金属の機械的性質特に靭性の劣化を生じ
る。一方0.45%を超えると溶接金属が多量に歩留ま
り機械的性質が劣化する。従ってTiの添加量は0.0
5〜0.45%とする。
【0017】Si,Mnはいずれも脱酸剤としての機能
を有するが、この機能を発揮させるためにはSi,Mn
の合計が2.3%以上でなければならない。2.3%未
満では脱酸不足による気孔が発生する。逆にSi,Mn
の合計が4.8%を超えると溶接金属の強度が高くなり
すぎ靭性が劣化したり割れが発生するのでこれらの合計
が4.8%を上限とする。またSi,Mnが上記範囲を
満足した上でMn/Siを規定したのは溶接金属の機械
的性質特に靭性を向上させるためである。即ちMnは高
電流密度溶接のような入熱の高い場合に焼入れ性を高め
て靭性劣化を防止する効果を有するが、Mn/Siが
2.0未満ではこの効果が発揮されず溶接金属材質に問
題を生じる。一方Mn/Siが4.5を超えると溶接金
属の強度が高くなりすぎて靭性が劣化する。従ってMn
/Siは2.0〜4.5の範囲とする。
【0018】以上が本発明の主要構成であるが、アーク
の安定化やビード形状の良好化を図るために、例えばT
iO2 ,SiO2 ,MnO,ZrO2 ,MgO,Fe
O,Al2 3 等の酸化物、CaCO3 ,MgCO3
の炭酸塩などの非金属成分をその総量が10%を超えな
い範囲で添加することができる。
【0019】さらに溶接金属の機械的性質を向上させる
ためにNi,Mo,B,Crなどの合金元素を添加でき
る。特にMoは高電流密度溶接による連続多層大入熱溶
接においては、強度低下や靭性劣化の防止に効果があ
る。
【0020】また本発明は、フラックスの充填率は上述
の構成要件を満たす限り7〜20%の範囲で選択でき、
ワイヤ径は特に制限されないが高電流密度溶接法におい
ては溶着速度の観点から1.2〜1.6mmφ程度の細径
ワイヤの方が望ましい。ワイヤの断面形状は図2の何れ
の形状も採用できるがアークの安定性、ワイヤ送給性お
よび直進性の優れた図2(d)のシームレスタイプが最
適である。
【0021】以上のように構成されたフラックス入りワ
イヤを用いて電流密度300A/mm2 以上の高電流密度
溶接を行うと、アークが安定でスパッタが少なく、かつ
良好な溶け込み形状が得られるため、融合不良等の溶接
欠陥発生の少ない高品質な溶接部が高能率で得られる。
次に実施例に基づいて本発明ワイヤを更に具体的に説明
する。
【0022】
【実施例】表2に本発明ワイヤおよび比較ワイヤのフラ
ックス組成を示す。何れも軟鋼外皮C:0.049、S
i:0.02%、Mn:0.29%、残実質的Feより
なる軟鋼外皮を用い、断面形状が図2(d)のようにな
るフラックス入りワイヤ(1.2m)を作製した。なお
表2の中のフラックス中の金属粉とは、鉄粉の他Fe−
Si,Fe−Mn,Fe−Ti,Fe−Mo,Al−M
g等の金属粉の合計を示す。これらワイヤを用いて、図
5に示す断面形状の鋼板試験片(鋼種SM−50B,t
=25mm,w=150mm,長さ500mm)に、表3に示
す高電流密度溶接条件でビードオンプレート溶接を行っ
た。また図6に示す継手形状の鋼板試験片(SM−50
B,t=25mm,G=12mm,θ=35°)を表4に示
す溶接条件で連続多層溶接(4層溶接)を行い継手溶接
試験を行った。その結果を表5に示す。なおビードオン
プレート溶接における評価基準として、アークの安定性
については非常に良好を二重丸印、やや不安定ではある
が実用できるものを一重丸印、アーク不安定でスパッタ
多発し実用不可をバツ印とした。またスパッタ量につい
ては、図4の実験と同じく銅製捕集箱を用いて採取し、
溶け込み形状についても図4の実験と同様W1/Wを測
定した。継手溶接試験においては、X線試験により溶接
欠陥の調査を行うと共に、機械試験を実施して溶接金属
の引張強度および靭性(0℃における衝撃吸収エネルギ
ー)を調査した。
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】
【0028】表2および表5においてNo.1〜No.9が
本発明例、No.10〜No.20が比較例である。本発明
の要件を満足するNo.1〜No.9はいずれも、高電流密
度溶接においてもアーク安定性、スパッタ、溶け込み形
状および継手性能が良好であった。
【0029】これに対し、No.10はフラックス中の金
属粉が少ないため相対的にスラグ量が多くなりスラグ巻
き込みが生じている。またNo.11はポテンシャル水素
量が多くフィンガー状の溶け込みとなりX線性能が悪
い。No.12,13,14はアルカリ量が本発明の要件
を満足していないためいずれもスパッタが多発したり溶
け込み形状がフィンガー状となった。さらにNo.15は
F/Kの比が小さくてスパッタが多く、逆にNo.16は
F/Kの比が大きくて融合不良が発生した。またNo.1
6〜No.20はいずれもTi,Si,Mnの添加量ある
いはその比率が本発明の要件を外れているため、特に継
手性能が劣化した。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のガスシー
ルドアーク溶接用フラックス入りワイヤは、高電流密度
溶接において、安価なCO2 ガスを使用してもアークが
安定でスパッタが少なく、さらにビードの溶け込み形状
が良好で融合不良等の溶接欠陥発生がなく良好な溶接部
が高能率で得られる。従って溶接の高能率化、低コスト
化および溶接部の信頼性向上に大きく貢献するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接継手部の溶け込み形状を示す模式図であ
る。
【図2】フラックス入りワイヤの断面図である。
【図3】溶接継手部の溶け込み形状を示す図である。
【図4】F/Kとスパッタ量および溶け込み形状の関係
を示す実験結果の図である。
【図5】ビードオンプレートの試験片断面図である。
【図6】継手溶接部試験片断面図である。
【符号の説明】 1 融合不良 2 鋼製外皮 3 フラックス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−215395(JP,A) 特開 平4−91866(JP,A) 特許2674854(JP,B2) 特許2673588(JP,B2) 特許2674860(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 35/368

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼製外皮中に鉄粉を主体とする金属粉を
    90%以上含有するフラックスを充填してなるガスシー
    ルドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、ワイ
    ヤのポテンシャル水素量が120ppm 以下であり、かつ
    ワイヤ全重量に対し下記成分を必須とすることを特徴と
    するガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。 30%以上のKを含むアルカリ金属;0.02〜0.2
    5% 金属弗化物(F換算値)とKの比(F/K);0.01
    〜0.90 Ti;0.05〜0.45% Mn+Si;2.3〜4.8%でかつMn/Si;2.
    0〜4.5
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