JP3718464B2 - ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築、橋梁、造船等における各種鋼構造物の溶接に用いるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに関し、高入熱、高パス間温度溶接において、アーク状態が極めて良好で、スパッタが少なく、溶着金属の強度、靭性が安定して得られるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
建築構造物の鉄骨等の溶接には、溶接の高能率化を図るために、ガスシールドアーク溶接が広く使われている。しかし近年では、更なる溶接の高能率化が必要とされており、溶接条件はより高入熱、高パス間温度側へと推移している状況にある。このような高入熱、高パス間温度での溶接では、溶接電流、アーク電圧が高く、各パス間の時間間隔が短いために、通常の溶接と比較すると、アーク状態が不安定になり易く、スパッタなどの溶接作業性が劣化してしまう。さらに、溶着金属の強度が低下し、靭性も劣化するため、溶接部の機械的性質が低下してしまい、JIS規格を満足できなくなるものもある。また建築鉄骨では、近年、より高靭性化を要求される傾向があり、COD特性などの要求も多く、高入熱、高パス間温度での溶接でも、十分な強度と靭性が高い溶接材料の要求が非常に高くなっている。
【0003】
このような高入熱、高パス間温度溶接における溶着金属の強度低下、靭性劣化を改善する方法として、Ti、B、Mo、Cr、Niなどを添加した溶接材料の検討が行われている。
【0004】
その例として、特開昭63−157795号公報では、高入熱、高パス間温度における溶接において、ワイヤ中にTi、B、Ni等の合金元素を添加して、靭性向上を改善したソリッドワイヤが紹介されている。また、特開平9−259713号公報では、ワイヤ中にTi−B、Moを添加することによって、高入熱、高パス間温度溶接にて、溶着金属の靭性に優れ、且つ、高COD値を有するソリッドワイヤが紹介されている。しかし、これらの方法では、高入熱、高パス間温度溶接における溶着金属の強度低下、靭性劣化といった機械的性質は改善できるが、アーク状態の不安定化、スパッタ量の増加などの溶接作業性の劣化は改善されない。
【0005】
高入熱、高パス間温度溶接における溶着金属の機械的性質の改善を行いつつ、さらに、溶接作業性を改善させる方法としては、溶接作業性に優れるフラックス入りワイヤに合金添加を行う方法がある。フラックス入りワイヤには、スラグ系と総称されているスラグ成分を主に充填したワイヤと、メタル系と総称されている主に金属成分を充填したメタル系フラックス入りワイヤがあり、フラックス充填率は10〜20%程度が主流で、JIS Z3313、他で規格化されており、これまで様々な目的に適応したフラックス入りワイヤが多数開発されている。
【0006】
例えば、特開平6−31483号公報では、充填フラックス中にCr、Nb、Vを添加することによって、高入熱溶接において、溶着金属の強度の低下や靭性劣化を改善すると共に、スパッタ発生量低減などの溶接作業性を改善したフラックス入りワイヤなどが紹介されている。しかし、この方法ではスパッタ量もそれほど低減されておらず、アーク状態に関してもやや不安定であり、溶接作業性が十分に改善されているとはいえない。
【0007】
フラックス入りワイヤの大きな特徴として、ソリッドワイヤと比較して、アーク状態の安定性などの溶接作業性が優れる反面、ビードを覆っているスラグ量が多く、溶接中のヒュームも多いなどの溶接作業上の問題点もある。さらに、溶接の溶け込みがソリッドワイヤの溶接より浅く、スラグ巻き込み、融合不良などを引き起こすことがある。そのため、溶接電流が高く、ワイヤ送給量が多い高入熱、高パス間温度での溶接でフラックス入りワイヤを使用した場合、溶接ビードのスラグ量も増え、浅溶け込み性であることから溶接欠陥などが発生しやすくなる。
【0008】
以上に述べたように、高入熱、高パス間温度での溶接の問題点である溶着金属の強度の低下、靭性の劣化、溶接作業性の劣化を改善するためには、ソリッドワイヤおよびフラックス入りワイヤ双方の長所を取り入れたガスシールドアーク溶接用の細径ワイヤが望まれている。
【0009】
このようなフラックス入りワイヤの低スラグ化、低ヒューム化、溶込み深さなどの改善の目的から、フラックス充填率5%といった低充填率フラックス入りワイヤの技術開示が散見されている。しかしながら、従来のフラックス成分系では溶接スラグ量の過多、ヒューム発生量の過多などの問題があり、このような低充填率ワイヤは実用に供給されていないのが実状である。
【0010】
例えば、ワイヤ断面積率で5〜25%が開示されている特公昭51−1695号公報がある。この発明のフラックスのワイヤ断面積率は5%と低い例が開示されているが、充填フラックスはアーク安定剤としてグラファイトを必須成分とするTi、Al、Mg等からなるもので、その配合比2〜10%、さらに脱酸剤を20〜90%含むものであって、且つ実質的に金属酸化物を含まないフラックスを充填するワイヤである。しかし、グラファイトを含むアーク安定剤は、そのグラファイトとワイヤ中の酸素またはワイヤ表面の付着酸素とのCO反応によるアーク不安定化の要因を含み、アークが粗くなり溶接作業性を劣化してスパッタ発生量を増加させる。また、溶接金属中へC量の歩留りが過大となり溶接金属性能の調整が容易でない。
【0011】
また、特開平6−218577号公報ではフラックス充填率が5〜30%、MnおよびSの含有量そしてMn/Sの比を限定した鉄粉を40〜60%、Si、Mn、Tiの鉄合金粉からなる脱酸剤を40〜60%含むフラックスを充填したフラックス入りワイヤが開示されている。これはメタル系フラックス入りワイヤに属するワイヤであって、フラックス充填率が5%、10%のワイヤにおいて、このような金属粉からなる充填フラックスでは十分に安定したアークが得られずフラックス入りワイヤとしての優れた溶接作業性と良好な溶接結果は得られない。
【0012】
さらに、特開平3―180298号公報では、一次防錆剤であるプライマを塗布された鋼板のすみ肉溶接時におけるピット、ガス溝防止のために、TiO2をベースとしてNa2Oを含有し、金属弗化物及び水分をも必須とするワイヤである。これはワイヤ質量比%で、低充填量のTiO2、Na2Oを必須として含むフラックス入りワイヤであり、金属弗化物及び水分をも必須とするもので、その水分とガス放出の調整が容易ではなく、また、スラグの流動性が高く、ビード形成性、溶着金属の性質に問題がある。
【0013】
これらの溶接材料には、充填フラックス中にTi、B、Mo、Cr、Niといった高入熱、高パス間温度溶接における溶着金属の強度低下、靭性劣化の改善する合金元素の添加について開示がなく、高入熱、高パス間温度における溶接では適用が困難である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
高入熱、高パス間温度のガスシールドアーク溶接において、フラックス入りワイヤを使用し、溶着金属の強度低下、靭性の劣化を改善し、ソリッドワイヤの高溶着性能、生産性、低スラグ発生量とフラックス入りワイヤの安定した溶接作業性等の諸性能とを備えたガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、フラックス入りワイヤ中に、アーク安定剤および特定範囲に限定されたC、Si、Mnと共に、Ti、Bを含み、Mo、Cr、Niを単独または複合添加し、さらに、フラックス充填率を3〜10%と低充填化することにより高入熱、高パス間温度の溶接においてより改善された効果が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0016】
本発明のガスシールドアーク溶接用ワイヤは、詳しくは、鋼製外皮にフラックスを充填したワイヤであり、ワイヤ全質量でアーク安定剤としてNa 2 OとTiO 2 を含む合成物であるチタン酸ソーダまたはチタン酸珪酸ソーダ:0.15〜1.8%(全ワイヤ質量%、以下同じ)、或いは前記Na 2 OとTiO 2 を含む合成物と合成物以外のNa 2 O源をNa 2 O換算値で0.3%以下および合成物以外のTiO 2 源をTiO 2 換算値で1.5%以下の1種または2種との合計で0.15〜1.8%、C:0.02〜0.15%、Si:0.3〜1.8%、Mn:0.8〜4.0%、Ti:0.02〜0.3%、B:0.001〜0.010%(10〜100ppm)を含有し、フラックス充填率が3〜7.5質量%である。
【0017】
前記した成分に加える合金剤は、Mo:0.7%以下、Ni:1.5%以下、Cr:1.0%以下の1種または2種以上を含有させたワイヤである。
【0018】
前記した成分において、下記式のカーボン当量(Ceq.)が0.25〜1.0であるワイヤである。
Ceq.=C+0.07Si+0.1Mn+0.75Ti+5B+0.14Mo+0.04Ni+0.11Cr+1.36N+0.05Cu ・・・(1)
【0019】
さらに、充填フラックスに鉄を含むワイヤである。
【0020】
また、鋼製外皮に継ぎ目がない前記したワイヤである。
【0021】
以上の鋼製外皮の表面には、銅めっきが施されている前記したワイヤである。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、充填フラックスにNa2OおよびTiO2を含む合成物、或いはNa 2 OおよびTiO 2 を含む合成物とNa 2 O源およびTiO 2 源の1種または2種を複合添加したアーク安定剤を含有させることにより、溶接時の溶滴の離脱を促進して溶滴の細粒化および移行回数を増加させてアーク安定化を解決し、適正な範囲のC、Si、Mnと共に、高入熱、高パス間温度溶接による溶着金属の機械的性質劣化の問題に対してTi、B、Mo、Ni、Crを添加することによって強度低下、靭性劣化を改善し、フラックス入りワイヤの改善すべき点であり、より向上が望まれる溶着速度が低い、ヒュームが多い、溶け込みが浅い、または、スラグ発生量が多い等のことに対してフラックス充填率を3〜7.5%と低くすることで解決できることを、多くの実験によって要求される多くの課題解決に極めて有効であることを究明した全く新しいアーク溶接用フラックス入りワイヤである。
【0023】
以下に本発明のフラックス入りワイヤにおける成分等の限定理由を述べる。
【0024】
C:0.02〜0.15%について、Cは固溶強化による溶着金属の強度を調整する最も重要な元素の1つであり、靭性にも大きく関係する。そのため、Cの添加量が0.02%未満になると、高入熱、高パス間温度溶接では、必要な強度が確保できない。また添加量が0.15%を超えると、溶着金属の組織がマルテンサイト化して強度が過剰に高くなって靭性も劣化し、スパッタが多発して溶接作業性が劣化する。
【0025】
Si:0.3〜1.8%について、Siは脱酸剤として使用し、溶接金属中の酸素量を低減させる効果がある。しかし、0.3%未満では脱酸力が不足して溶接金属にブローホールが発生し、また1.8%を超えると溶接金属中へのSi成分の歩留りが過大となり、結晶粒が粗大化して靭性が劣化する。
【0026】
Mn:0.8〜4.0%について、Mnは溶接金属の脱酸を促進すると共に、溶融金属の流動性を高め、溶接ビード形状を改善する。また、溶接金属に歩留まることにより、溶接金属の性能を調整し、その強度を高める効果がある。これらの効果を得るためには0.8%以上の添加が必要であるが、4.0%を超えると溶滴が大きくなりスパッタ低減効果が無くなり、溶接金属へのMn成分の歩留りが過大となって溶接金属の強度が高まり、割れが発生しやすくなる。
【0027】
充填フラックスのSiよおよびMn含有量は金属Si、金属MnまたはFe−Si、Fe−Si−Mn、Fe−Mn等鉄合金のSi、Mnの換算値である。
【0028】
Ti:0.02〜0.3%について、Tiは溶着金属の組織を微細化する働きがあり、溶着金属の強度、靭性を改善するためには、必要不可欠の元素である。さらに、Bを同時添加することによって、更なる高靭性化が得られる。そのため、本発明のような高入熱、高パス間温度での溶接では、Tiの添加量が0.02%未満になると、組織が微細化されず、必要な靭性が確保されない。しかし、添加量が0.3%を超えると、硬度上昇によって靭性が低下し、強度も過剰に高くなってしまう。
【0029】
B:0.001〜0.01%について、Bは、Tiと同時添加することによって高靭性を得るために必要不可欠の元素である。そのため、添加量が0.001%(10ppm)未満になると、微細組織が形成されず、靭性向上が得られない。しかし、添加量が0.01%(100ppm)になると、溶着金属の硬度が上昇して過強度、靭性劣化を引き起こしてしまう。
【0030】
Mo:0.7%以下について、Moは溶着金属の組織を微細化し、高入熱、高パス間温度での溶接において強度を確保するのに重要な元素である。しかし、過剰添加は溶着金属の過強度、靭性劣化を起こすために、上限を0.7%以下とした。
【0031】
Ni:1.5%以下について、Niは固溶強化によって、溶着金属の強度を向上させ、且つ耐食性と靭性を向上させる働きを持つ。しかし、1.5%を超える添加は、強度過剰になり、高温割れの原因となる。
【0032】
Cr:1.0%以下について、Crは、Moと同様に高温強度を確保するのに重要な元素であり、溶接金属の耐熱性、耐食性および耐候性を向上させる働きを持つ。しかし、1.0%を超える添加は、過強度、靭性劣化を引き起こすことから、上限を1.0%とした。
【0033】
また、本発明においては、C、Si、Mn、Ti、B、Mo、Ni、Cr、N、Cu、の各成分において、式(1)で規定される炭素当量Ceq.が0.25〜1.0の範囲内であることが必要である。炭素当量Ceq.が0.25未満になると、高入熱、高パス間温度溶接における溶接金属の強度が十分に確保されず、また、1.0を超えると、強度が超過し、靭性が劣化する。
Ceq.=C+0.07Si+0.1Mn+0.75Ti+5B+0.14Mo+0.04Ni+0.11Cr+1.36N+0.05Cu ・・・(1)
次にアーク安定剤の添加量とその効果について記述する。
【0034】
Na2OおよびTiO2を含む合成物であるチタン酸ソーダまたはチタン酸珪酸ソーダ:0.15〜1.8%について、1.8%を超えると、アーク切れは防止できるが、アーク長が必要以上に長くなり、その結果、スパッタ発生量が増加し、ヒュームの発生量も増加する。よって、0.15〜1.8%においては、溶接中のアーク状態が非常に良好で溶滴が小さく、スパッタ発生量が極めて少ない。
【0035】
Na2OおよびTiO2を含む合成物は、SiO2を含む三成分系の合成物、Na2OとTiO2の割合が種々変化した合成物であっても同様な効果が得られ、本発明技術思想に含まれる。Na2OおよびTiO2を含む合成物はチタン酸ソーダであり、例えば、水酸化ナトリウムとルチールを所望の割合で配合して高温処理する方法で得ることができるが、Na2Oが10〜50%で、TiO2が50〜90%の範囲内の割合の合成物とすることが好ましい。例えば、13Na2O−80TiO2、20Na2O−73TiO2、42Na2O−53TiO2、或は13Na2O−25SiO2−58TiO2を主要成分とする合成物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。13Na2O−25SiO2−58TiO2(チタン酸珪酸ソーダ)は、チタン酸ソーダに比較して、スラグの流動性が増してビード表面を均一に覆ってビード形成を良好にする。
【0036】
Na2O源をNa2O換算値で0.3%以下添加について、このNa2O源は、Na2OおよびTiO2又はSiO2を含む合成物以外の添加成分であり、溶接中のアーク長変動を少なくし、溶滴移行回数の増加、即ち、溶滴の細粒化を促進させる効果を有する。しかしながら、0.3%を超えると溶滴移行回数は減少し、アーク長のみが長くなる傾向があり、その結果、スパッタ発生量が増加する。Na2O源としては、炭酸ソーダ、ソーダガラスがある。
【0037】
TiO2源をTiO2換算値で1.5%以下添加について、このTiO2源は、Na2OおよびTiO2を含む合成物以外の添加成分であり、アーク安定剤として溶滴先端に発生するアークの発生面積を拡大させることにより、溶滴移行を安定させる下向きの電磁ピンチ効果を促進させる効果を有する。しかし、1.5%を超えると、下向きの電磁ピンチ効果が過大となり、溶滴移行を不安定にしてスパッタ発生量が多くなる。TiO2源としては酸化チタン、ルチール、チタンスラグ、イルミナイト等がある。
【0038】
前記アーク安定剤であるNa 2 OおよびTiO 2 を含む合成物:0.15〜1.8%、或いは該合成物と前記Na2O源のNa2O換算値0.3%以下および前記TiO2源のTiO2換算値1.5%以下の1種または2種の合計:0.15〜1.8%について、アーク安定剤が0.15%未満では、ソリッドワイヤの溶接と同様に、溶滴が移行した瞬間に発生するアーク切れが防止できず、アーク状態が向上せず、スパッタ発生量が減少しないので、ソリッドワイヤを超える改善はできない。一方、1.8%を超えると、アーク切れは防止できるが、アーク長が必要以上に長くなり、その結果、スパッタ発生量が増加し、ヒュームの発生量も増加する。よって、アーク安定剤の添加量は0.15〜1.8%において溶接中のアーク状態が非常に良好で溶滴が小さく、スパッタ発生量が極めて少ない。
【0039】
充填フラックスに含有させる鉄は、溶着速度を上げ、または、充填率を調整する目的で添加する。その好ましい添加量は、5%以下を含ませることができる。この鉄成分は、脱酸剤のSおよびMnの原料である鉄合金の鉄成分および鉄粉の合計値である。鉄粉を添加せず、金属Si、金属Mn、金属Mo、金属BまたはSi―Mn合金を使用する場合には、充填フラックス中に鉄粉を含まない場合がある。
【0040】
本発明のフラックス入りワイヤの断面形状を図1(a)および(b)に示す。同図1(a)は、軟鋼性のパイプの鋼製外皮1に充填フラックス2を充填した後、伸線した断面、または、帯鋼を成形工程でフラックス充填、O形に成形し、次いで溶接、伸線したワイヤの断面の模式図である。この鋼製外皮に継ぎ目のないワイヤは、大気中の水分を吸湿することなく、より良好な溶接金属性能を得ることができる。
【0041】
また、図1(b)に示す鋼製外皮1に継ぎ目を有するフラックス入りワイヤは、帯鋼を成形工程で、フラックス充填、O形に成形、さらに伸線したワイヤの断面模式図である。このワイヤにおいても、充填率が低いことから、外皮継ぎ目の接触面積が広くなり、充填フラックスと大気との遮断効果が大きく、大気水分の吸湿が極めて少ない。また、鋼製外皮の継ぎ目の形状は、図示に限られるものでなく、斜め継ぎであってもよく、外気との遮断効果はさらに向上する。
【0042】
鋼製外皮表面に銅めっきを有することにより、外皮表面に錆が発生しない、または、通電性と共にワイヤ送給性を良好にすることができる。また、ワイヤ表面にめっきを施さないワイヤは、ワイヤ表面に防錆剤、潤滑剤を適宜付着させて、耐錆性とワイヤ送給性を確保する。
【0043】
本発明フラックス入りワイヤの充填フラックス充填率は3〜7.5%とする。充填率が3%未満であると、フラックス充填および成形が困難となり、生産性が悪くなる。充填率が7.5%を超えるとスラグ生成量、スパッタ発生量が増えて、ワイヤの諸性能改善ができず、また、ワイヤ製造時の伸線性が劣り、断線による生産性の低下をきたす。しかし、より高い生産性と、スラグ過多、耐吸湿性を考慮した場合、フラックス充填率は3.5〜7.5%が好ましい。
【0044】
以上が本発明を構成する基本成分およびワイヤ構造であるが、充填フラックスに添加できる成分にはAl、Mg、Zr等の脱酸剤を通常のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤと同様に、溶接金属の脱酸不足によるブローホールの発生防止および、または機械的性質の調整のために含有させる。しかし、これらが過剰に含有されるとスラグ焼き付きによるスラグ剥離性不良、ビード外観不良、又は溶接金属の強度が過大となり耐割れ性が劣化する。なお、脱酸剤は溶接金属中に歩留り合金剤として働く以外にもスラグ化し、溶融スラグの組成および生成量にも影響し、本発明の目的効果を損なう場合があるので、種類、含有量は適宣制限することが好ましい。
【0045】
本発明は溶接ビードを覆っているスラグの剥離性を向上させる成分として、Bi、S等を本発明の基本的な技術思想に影響を与えない範囲で適宣添加できる。
【0046】
また、充填フラックスに含まれる金属成分は鋼製外皮の成分とその含有量を考慮して各限定した範囲内で配合成分を調整する。
【0047】
本発明フラックス入りワイヤの径は細径であり、溶接時の電流密度を高くし、高溶着率を得るために直径0.8〜2.0mmが好ましい。
【0048】
本発明フラックス入りワイヤを使用するアーク溶接時のシールドガスは、CO2ガスを使用して十分な溶接作業性が得られるが、さらに溶接作業環境面からヒューム発生量が少なくなるAr―CO2混合ガスを使用してもよい。
次に、本発明品のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤの製造法を説明する。
【0049】
本発明フラックス入りワイヤの製造方法は、鋼製外皮に継ぎ目を有しない図1(a)に示すワイヤは軟鋼性のパイプをコイル状にして振動装置に設置し、充填フラックスを振動充填した後、縮径して素線とし、さらに伸線して0.8〜2.0mmの所定径の製品とする方法、また、帯鋼を成形工程で順次、U字形、フラックス充填、O形、溶接後、縮径して素線とし、引き続いて伸線してワイヤとする。
【0050】
また、鋼製外皮に継ぎ目を有する図1(b)に示すワイヤの製造方法は、帯鋼を成形工程で順次、U字形、フラックス充填、O形した後、縮径して素線とし、引き続いて、伸線してワイヤを製造する。これらの製造方法における伸線工程の中間においては適宣、通常の焼鈍工程を採用する方法である。
【0051】
本発明フラックス入りワイヤの基本とするアーク安定剤であるNa2OおよびTiO2の合成物、Na2O、TiO2の含有量とその作用および効果についての基本的な発明思想は、本発明者らが先に出願した特許願2000−18393、特許願2000−18394および特許願2000−18395の3出願において開示した技術思想を採用したものである。
【0052】
【実施例】
以下に本発明の総括した実施例と比較例を用いて総括的に説明する。
【0053】
本発明および比較例に用いた継ぎ目なしワイヤ用の軟鋼パイプの成分は、表1に示すP1、2、3を、また、継ぎ目ありのワイヤ用の帯鋼は表1のH1、H2、H3を使用し、表2に示す組成のフラックスを充填後、圧延およびダイス伸線、軟化および脱水素処理として中間焼鈍を施し、ワイヤ記号W7、W8、W14〜W16およびW26〜W31を除いてめっき処理を行い、鋼製外皮に継ぎ目なし、または継ぎ目ありのワイヤ径1.2mmのフラックス入りワイヤを製造した。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
表2に示すワイヤ記号W1〜W8およびW10〜W15は本発明の実施例であり、ワイヤ記号W17〜W32は比較例である。
【0057】
表3に示す成分の鋼板(B1、B2)を用いて表4に示す開先形状(K1、K2)に、溶接電流400A、アーク電圧40V、溶接速度24cm/min、入熱量が40kJとし、パス間温度が350℃以下の溶接条件で溶接を行い、溶着金属性能試験を行った。また、スパッタ発生量、溶滴移行回数、溶滴移行回数の標準偏差、スラグ状態、溶込み深さの測定は、表3に示す鋼板B1の板厚20mm、幅60mm、長さ400mmの試験片を用いて前記溶接条件で溶接を行った。
【0058】
スパッタ発生量は、1分間の連続溶接を行い、その溶接中に発生したスパッタの捕集作業を1つのワイヤに対して3回行い、その捕集量(g/min)の平均値で評価した。スパッタ発生量は捕集量が1.0g/min以下を良好とした。
【0059】
アーク溶接の溶滴移行回数、溶滴移行周期の標準偏差については、溶接中のアーク現象を高速度ビデオカメラにて撮影し、1秒間の溶滴移行回数を計測し、1つのワイヤに対して3回行い、その平均値で評価した。溶滴移行回数は40回/sec以上を良好とした。
【0060】
スラグ状態については、溶接後の溶接ビード上に生成したスラグの生成量および剥離性を目視および小ハンマーよる打撃にて調査した。
【0061】
溶込み深さは下向きビードオンプレート溶接を行い、その溶接ビードを垂直方法に切断し、その断面を研磨、腐食して溶込み状態を観察し、鋼板上面表面から溶込み最下部までの距離を計測し、3回計測した結果の平均値を溶込み深さとして評価した。溶込み深さは6mm以上を良好とした。
【0062】
溶接金属の機械的性質は引張試験片(JIS Z 2201 A1号)および衝撃試験片(JIS Z 2242 4号)を作成し、試験した。引張強さは鋼板B1を用いた場合490〜590N/mm2、鋼板B2の場合520〜620N/mm2を良好とし、衝撃値は0℃において47J以上を良好とした。
【0063】
表5に溶接試験結果および溶接作業性の評価結果を示す。
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
ワイヤ記号W1〜W8およびW10〜W15に示す本発明ワイヤは溶滴移行回数および溶滴移行周期の標準偏差は共に良好で安定した溶接を行うことができ、その結果、スパッタ発生量が少ない。また、ビード表面に生成するスラグは、ソリッドワイヤに比べてやや多いが、生成量自体は少量で、ビード表面に全体に薄く均一に生成しており、且つその剥離性は軽くハンマーで打撃を加えると容易に剥離して良好な結果が得られた。さらに溶け込みに関しても、従来のフラックス入りワイヤよりも深く、ソリッドワイヤ並みの深さが得られ、溶接欠陥もなく非常に良好な結果であった。また、引張強さおよび靭性も良好な結果が得られ、極めて満足な結果であった。
【0068】
これに対し、比較例であるワイヤ記号W17〜W32は以下の如く、本発明例に比較して問題点があった。
【0069】
ワイヤ記号W17は、アーク安定剤であるNa2O源のNa2O換算値が少ないので、スパッタ量が多く、溶接の溶滴移行回数も少なく、さらには、溶滴移行周期の標準偏差も大きくなってアーク状態も不安定であった。また、Tiが多いので、引張強さが高く靱性が低くなった。
【0070】
ワイヤ記号W18は、アーク安定剤であるNa2OおよびTiO2を含む合成物、Na2O源のNa2O換算値およびTiO2源のTiO2換算値の合計量が多いので、アーク長が伸びてスパッタ量が多くなった。また、Cが少ないので、引張強さが低くなった。
【0071】
ワイヤ記号W19は、アーク安定剤であるNa2OおよびTiO2を含む合成物が多いので、アーク長が伸びてスパッタ量が多くなった。また、Siが少ないので、溶接金属にブロホールが生じて引張試験における伸びが低くなった。
【0072】
ワイヤ記号W20は、Na2O源のNa2O換算値が多いので、アーク長が伸びてスパッタ量が多くなった。また、Siが多いので、靱性が低くなった。
【0073】
ワイヤ記号W21は、TiO2源のTiO2換算値が多いので、アーク長が伸びてスパッタ量が多くなった。また、Mnが少ないので、溶接金属の流動性が悪くビード外観が不良で引張強さも低くなった。
【0074】
ワイヤ記号W22は、フラックス充填率が少ないので、ワイヤ生産性が不良でフラックス充填率が不均一となったのでアークが不安定でスパッタ発生量が多かった。また、Tiが少ないので、靱性が低くなった。
【0075】
ワイヤ記号W23は、フラックス充填率が多いので、スラグ生成量およびスパッタ発生量が多く、スラグ剥離性が悪く、さらに溶込み深さも浅くなった。また、Mnが多いので引張強さが高く、さらにクレータ部に高温割れが生じた。
【0076】
ワイヤ記号W24は、Cが多いので、スパッタ発生量が多く、また引張強さが高く靱性が低くなった。
【0077】
ワイヤ記号W25は、Bが少ないので、靱性が低くなった。
【0078】
ワイヤ記号W26はBが多いので、W27はMoが多いので、W29はCrが多いので、W31はCeq.が高いので、いずれも引張強さが高く靱性が低くなった。
【0079】
ワイヤ記号W28は、Niが多いので、引張強さが高く、さらにクレータ部に高温割れが生じた。
【0080】
ワイヤ記号W30は、Ceq.が低いので、引張強さが低くなった。
【0081】
ワイヤ記号W32はソリッドワイヤであり、本発明例と比較するとアーク状態は不安定であり、スパッタ発生量が多く、溶滴移行回数、移行周期の標準偏差共に高かった。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤは、特に建築構造物の鉄骨等の高入熱、高パス間温度の溶接において、溶着金属の強度低下、靭性劣化を改善し、アークが極めて安定し、溶滴移行回数が多く、溶滴が細粒移行してスパッタ発生量が少なく、溶け込みが深く、従来のソリッドワイヤおよびフラックス入りワイヤの良い点をさらに向上させ、溶接作業性および溶接ビード形状が良好であり、合金成分の添加調整が容易であることから、溶接部の高品質化、溶着効率が優れて高能率化に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤの断面を示し、(a)は継ぎ目なしワイヤ、(b)は継ぎ目ありワイヤの断面模式図である。
【符号の説明】
1 鋼製外皮
2 フラックス
3 継ぎ目
Claims (6)
- ガスシールドアーク溶接用ワイヤにおいて、鋼製外皮にフラックスを充填したワイヤであり、
ワイヤ全質量でアーク安定剤としてNa2OとTiO2を含む合成物であるチタン酸ソーダまたは、チタン酸珪酸ソーダ:0.15〜1.8%(全ワイヤ質量%、以下同じ)、或いは前記Na 2 OとTiO 2 を含む合成物と合成物以外のNa2O源をNa2O換算値で0.3%以下および合成物以外のTiO2源をTiO2換算値で1.5%以下の1種または2種との合計で0.15〜1.8%、
C:0.02〜0.15%、
Si:0.3〜1.8%、
Mn:0.8〜4.0%、
Ti:0.02〜0.3%、
B:0.001〜0.01%を含み、
フラックス充填率が3〜7.5質量%であることを特徴とするガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。 - 質量%で、
Mo:0.7%以下、
Ni:1.5%以下、
Cr:1.0%以下
の1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。 - 下記式のカーボン当量(Ceq.)が0.25〜1.0であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
Ceq.=C+0.07Si+0.1Mn+0.75Ti+5B+0.14Mo+0.04Ni+0.11Cr+1.36N+0.05Cu ・・・(1) - 充填フラックスに鉄粉を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
- 鋼製外皮に継ぎ目のないことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
- 鋼製外皮表面に銅めっきを有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
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