JP2546956B2 - 低ヒュームメタル系フラックス入りワイヤ - Google Patents

低ヒュームメタル系フラックス入りワイヤ

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JP2546956B2
JP2546956B2 JP4285033A JP28503392A JP2546956B2 JP 2546956 B2 JP2546956 B2 JP 2546956B2 JP 4285033 A JP4285033 A JP 4285033A JP 28503392 A JP28503392 A JP 28503392A JP 2546956 B2 JP2546956 B2 JP 2546956B2
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flux
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wire
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勲 藍田
池本和夫
黒川剛志
橋本哲哉
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフラックス入りワイヤに
関し、特に、ヒューム発生量を低減したガスシールドア
ーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
産業界全体で人手不足が叫ばれているなか、特に溶接技
能者の不足は深刻で、鉄骨、産機、造船などの業界で
は、高能率化、自動化、ロボット化が進められる一方、
脱3Kなどの観点より溶接作業環境改善に関する取組が
急激に進んでいる。
【0003】溶接技能者不足が一因として、ガスシール
ドアーク溶接用フラックス入りワイヤは、(1)溶接の容
易性、(2)高能率性の面より、近年需要が急速に伸びて
いる。その中で、特にメタル系フラックス入りワイヤは
これらの(1)、(2)の利点に加え、スラグの発生量が少
ないという特長を有しており、その伸長が期待されてい
る。しかしながら、この種のワイヤの最大の難点は、ヒ
ューム発生量が多く、溶接作業環境面よりその伸展に疑
問が抱かれている。
【0004】本発明は、上述の要請に鑑みて、ヒューム
発生量の少ないメタル系フラックス入りワイヤを提供す
ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、メタル系フ
ラックス入りワイヤのヒューム発生量の低減策について
鋭意研究を重ねた結果、ここに本発明を完成したもので
ある。
【0006】すなわち、本発明は、対フラックス全重量
%で、鉄粉:60〜85%、C:0.5%以下、Ti:
0.5〜3.0%、Cs及びRbの1種又は2種:0.01
〜0.3%を含有するフラックスを、鋼製外皮内に、ワ
イヤ全重量%で、10〜30%充填してなり、且つ、
{C/(Cs+Rb)}+Ti=3以上であることを特徴とす
る鉄粉系フラックス入りワイヤを要旨としている。
【0007】以下に本発明を更に詳述する。
【0008】
【作用】
【0009】まず、本発明をなすに至った各種実験の結
果を示す。
【0010】メタル系フラックス入りワイヤのヒューム
発生量を低減すべく、フラックス組成について溶接試験
により種々検討した。なお、その溶接条件は以下の如く
である。
【0011】(供試ワイヤ)ワイヤ径:1.4mmφ、外
皮金属:後述の実施例の表1(A)、断面形状:後述の図
4(A)、フラックス:メタル系(表2中のNo.1)、フラ
ックス率:15%
【0012】(溶接条件)極性:DCワイヤ(+極)、溶
接電流:350A、溶接電圧:適性(アーク長:母材表面
より1.5mm)、溶接速度:30cm/min)、チップ母材間
距離:25mm、試験板:SM490A(板厚12t)、溶
接法:下向ビードオンプレート溶接
【0013】(ヒューム測定法)後述の実施例の場合と
同一。
【0014】溶接試験の結果を図1、図2、図3に示す
ように、メタル系フラックス入りワイヤのヒューム発生
量低減の支配因子として、C量、Ti量、Cs及び
/又はRb量が重要であることが認められた。
【0015】以上の如く、メタル系フラックス入りワイ
ヤのヒューム発生量の減少は、(a)C量の低減、(b)T
i量の増加、(c)Cs及び/又はRbの添加、が必須であ
り、これらのうちのどの条件が欠けても有効な手段とは
ならないことが判明した。すなわち、上記3因子をすべ
て規制することによって始めて画期的な低ヒューム化が
達成できるものである。
【0016】以上の実験結果に基づいて完成した本発明
におけるフラックス入りワイヤの成分等の限定理由を示
す。なお、フラックス成分は対フラックス全重量%であ
る。
【0017】鉄粉:60〜85% 鉄粉が60%未満ではメタル系フラックス入りワイヤの
特徴である能率性が低下する。しかし、85%を超える
と他の成分(脱酸剤など)が不足し、ピット、ブローホー
ル等の溶接欠陥が発生し、良好な溶接金属の確保が困難
である。
【0018】C:0.5%以下 Cは0.5%を超えるとヒュームが増え(図1参照)、ま
たスパッタも増えるので、0.5%以下に規制する。
【0019】Ti:0.5〜3.0% Tiは、0.5%未満ではヒューム低減の効果がない(図
2参照)。しかし、3.0%を超えるとスラグ量が増え、
溶接金属の靭性及び耐割れ性の面で好ましくない。な
お、Tiは金属単体のほか、鉄合金、酸化物などの形で
添加できる。
【0020】Cs及び/又はRb:0.01〜0.3% Cs及びRbの1種又は2種の合計が0.01%未満では
ヒューム低減の効果がない(図3参照)。しかし、0.3
%を超えると耐吸湿性の悪化に伴い耐気孔性の低下や溶
着金属の拡散性水素量が増大し、耐割れ性が劣化する。
なお、CsやRbは適当な形で添加されるが、特にCsは
Cs2CO3として、或いはTiO2、SiO2等との複合酸
化物の形で添加できる。
【0021】{C/(Cs+Rb)}+Ti=3以上 但し、Cと(Cs及びRb)との比率と、Tiとの関係は、
溶接欠陥の観点より規制される。すなわち、{C/(Cs
+Rb)}+Tiの合計量が3未満では溶込み深さが浅くな
り、特に開先内の溶接においては溶込み不足、融合不良
等の溶接欠陥が発生し易くなるので、3以上とする必要
がある。なお、この式の第1項は無次限数、第2項は%
であるが、それぞれの数値を加えたものが3以上とす
る。
【0022】フラックス率:10〜30% フラックス率(対ワイヤ全重量%)が10%未満では大粒
のスパッタが増大する。一方、30%を超えると外皮金
属の厚さ減少に伴いワイヤが柔らかくなるため送給性が
低下する他、アーク不安定によるアンダーカット等の欠
陥が発生し易くなる。したがって、フラツクス率は10
〜30%の範囲とする。
【0023】なお、フラックスにはメイル系フラックス
入りワイヤにおいて通常添加される他の成分を添加する
ことができるのは云うまでもない。
【0024】また、外皮金属としては通常の軟鋼材でよ
いが、特に、その化学成分がC:0.01%以下、Ti:
0.01〜0.2%を含む外皮金属を用いると、低ヒュー
ム化に有効である。Ti/C=5以上の場合、更にヒュ
ーム低減に効果的である。
【0025】本発明の適用母材鋼種は主として軟鋼、高
張力鋼であるが、用途により低合金鋼、高合金鋼などに
拡大しても差し支えない。
【0026】シールドガスの種類としては炭酸ガスが主
体であるが、Ar、He等でもよく、それらの混合物でも
適用できる。
【0027】また、ワイヤの断面形状も何ら制限がな
く、例えば、図4(A)、(B)、(C)、(D)等に示す種々
の形状のものが使用できる。(D)の形状の場合はワイヤ
表面にAl、Cu等のメッキ処理を施してもよく、メッキ
量は0.05〜0.30%が適当である。ワイヤ径も用途
に応じて1.2mmφ、1.4mmφ、1.6mmφ、2.0mm
φ、2.4mmφ、3.2mmφの中から任意に決めることが
できる。
【0028】次に本発明の実施例を示す。
【0029】
【実施例】
【0030】表1に示す外皮金属を用い、表2に示す成
分組成の充填用フラックスを作成し、図4(A)の断面形
状にて供試ワイヤ(ワイヤ径1.2mmφ)を作成した。次
いで、各ワイヤを使用し、下記条件で溶接を行ない、ヒ
ューム発生量、作業性等について調査した。
【0031】(溶接条件)極性:DCワイヤ(+)、溶接
電流:300A、電圧:適性(アーク長:母材表面より
1.5mm)、速度:30cm/min、シールトガス:100
%CO2、25l/min、チップ母材間距離:25mm、試
験板:JIS G 3106、SM490A(12mmt)、
溶接法:下向ビードオンプレート溶接
【0032】(ヒューム測定法)JIS Z 3930
「被覆アーク溶接棒の全ヒューム量測定方法」に準じ、1
分間溶接した際に発生するヒュームの重量を測定するこ
とにより、単位時間当たりの値(g/min)(繰返し回数=
3の平均)を求めた。ヒュームは図5に示す補集箱を備
えた装置により回収した。
【0033】(作業性)官能判定により評価した。
【0034】これらの実験結果を表3に示すが、下記の
如く考察できる。
【0035】(1)実験No.1〜7は本発明の要件を満
足する本発明例であり、ヒューム発生量が極めて少なく
なっている(従来品の約1/2)。
【0036】(2)実験No.17、18の比較例は、低
ヒューム化に関与している3要件(C量、Ti量、Cs及
び/又はRb量)をすべて満足していない例であり、ヒュ
ーム発生量が極めて多い。 (3)実験No.8の比較例は、C量が本発明範囲外であ
り、ヒューム発生量が増加している。 (4)実験No.9、10の比較例は、Ti量が本発明範
囲外にあるもので、少なすぎるとヒューム発生量が増加
し、多すぎると耐割れ性の面で問題がある。
【0037】(5)実験No.11、12の比較例は、C
s及び/又はRb量が本発明の囲外にあるもので、少なす
ぎるとヒューム発生量が増加し、多すぎるとワイヤの耐
吸湿性が劣化し、耐気孔性、耐割れ性等が低下する。 (6)実験No.13、14の比較例は、フラックス率が
本発明範囲外にあるもので、小さすぎると大粒のスパッ
タが増大し、大きすぎると送給性が劣化する。 (7)実験No.15、19の比較例は、鉄粉量が本発明
範囲外であり、少なすぎると能率性が劣化する。多すぎ
ると他の成分(脱酸剤等)が不足し、ピット、ブローホー
ル等の欠陥が発生する。 (8)実験No.17は、{C/(Cs+Rb)}+Ti量が本
発明範囲外であり、溶込みが浅く、開先内の溶接におい
て欠陥が発生し易い。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
ヒューム発生量の少ないメタル系フラックス入りワイヤ
を提供できるので、溶接作業環境面の問題がなく、その
利用の伸展に寄与する効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】フラックス中のC量とヒューム発生量の関係を
示す図である。
【図2】フラックス中のTi量とヒューム発生量の関係
を示す図である。
【図3】フラックス中のCs(Rb)量とヒューム発生量の
関係を示す図である。
【図4】(A)〜(D)フラックス入りワイヤの断面形状の
例を示す断面図である。
【図5】ヒューム発生量測定装置を示す図である。
【符号の説明】
M 外皮金属 F フラックス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本哲哉 神奈川県藤沢市宮前字裏河内100−1株 式会社神戸製鋼所藤沢事業所内 (56)参考文献 特公 平8−22474(JP,B2) 特公 平4−46677(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対フラックス全重量%で、鉄粉:60〜
    85%、C:0.5%以下、Ti:0.5〜3.0%、Cs
    及びRbの1種又は2種:0.01〜0.3%を含有する
    フラックスを、鋼製外皮内に、ワイヤ全重量%で、10
    〜30%充填してなり、且つ、{C/(Cs+Rb)}+Ti
    =3以上であることを特徴とする鉄粉系フラックス入り
    ワイヤ。
  2. 【請求項2】 鋼製外皮がC:0.01%以下、Ti:
    0.01〜0.20%を含むものである請求項1に記載の
    フラックス入りワイヤ。
JP4285033A 1992-09-30 1992-09-30 低ヒュームメタル系フラックス入りワイヤ Expired - Lifetime JP2546956B2 (ja)

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