JP3512313B2 - ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents
ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤInfo
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Description
接時に使用され、すみ肉溶接を能率よく実施することが
できるフラックス入りワイヤに関し、特に、高速溶接時
に良好なビード外観及びビード形状を得ることができる
と共に、発錆しているか又は塗料が塗布された鋼材の溶
接時において、優れた耐気孔性を得ることができるガス
シールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに関する。
ガスを使用したガスシールドアーク溶接が適用されてお
り、その溶接時においては、チタニヤ系フラックス入り
ワイヤが多用されている。これは、チタニヤ系フラック
ス入りワイヤは、高能率で全姿勢溶接を実施することが
できるワイヤであり、このワイヤを使用した溶接時にお
いて溶接作業性が優れていると共に、得られた溶接金属
のビードの外観及びビード形状が優れているからであ
る。
期間中の発錆を防止する目的で、溶接母材とする鋼材の
表面にショッププライマ(一次防錆塗料)が塗布されて
いる場合が多い。そして、これらの鋼材の溶接時におい
ては、従来、全姿勢用チタニヤ系フラックス入りワイヤ
が多く使用されている。
大部分を占めるすみ肉溶接においては、鋼材の表面に塗
布されたショッププライマに起因して、溶接金属に気孔
欠陥(ピット及びブローホール等)が発生し易くなり、
これにより、品質が低下したり、手直しが必要になるこ
とによって工程数が増加するという問題点が発生する。
そして、この傾向は、一般的に溶接速度が上昇するほど
大きくなる。従って、近時、溶接の高能率化を図るため
に、気孔欠陥の発生を抑制する特性(耐気孔性)が優れ
ていると共に、高速溶接を実施しても優れたビード外観
及びビード形状を得ることができるフラックス入りワイ
ヤの開発が要求されている。
は、例えば、溶接の前に、鋼板表面の溶接部近傍をグラ
インダ又はベーダーマシン等によって研磨して、ショッ
ププライマを除去した後、溶接する方法がある。
溶接材料等を選択する方法もある。例えば、シールドガ
ス又はフラックス入りワイヤの内部に充填されたフラッ
クスから溶接部に水素を供給する方法がある(特開昭5
0−7742号公報)。更に、ライム系の充填フラック
スを使用する方法も開示されている(特開昭49−12
0840号公報)。
成を規定すると共に、チタニヤ系の充填フラックス中の
TiO2含有量と、Fe酸化物及びMn酸化物からなる
群から選択された少なくとも1種の酸化物の含有量等を
規定する方法も開示されている(特開昭61−1499
号公報)。更にまた、チタニヤ系の充填フラックス中の
TiO2、Na2O及び金属フッ化物等の含有量を規定す
る方法も提案されている(特開平3−180298号公
報)。
を規定する方法においては、チタニヤを主成分とする充
填フラックスを使用するので、スパッタ発生量が低減す
る等、溶接作業性が良好となる。従って、近時、チタニ
ヤ系のフラックス入りワイヤを使用した溶接が広く適用
されている。
前に鋼板表面を研磨する方法を使用すると、溶接前処理
の工程数が増加するという問題点がある。また、研磨さ
れた部分は発錆し易くなるので、屋外で保管する場合の
みでなく、屋内での保管時においても、その保管期間に
制約が生じる。
された方法は、溶接部に多量の水素が供給されるので、
溶接金属の耐割れ性が低下して、高張力鋼用の溶接に適
用することが困難となる。更に、特開昭49−1208
40号公報に開示されたフラックスを使用した場合、こ
の充填フラックスは多量の塩基性物質を含有するので、
スパッタ発生量及びビードの伸び等の溶接作業性を向上
させることができず、作業能率が低下するという問題点
がある。
び特開平3−180298号公報に記載されたフラック
ス入りワイヤは、高速溶接になると耐気孔性が低下する
と共に、ビード形状が不良になり易いという問題点があ
る。従って、実際には50(cm/分)以下の低い溶接
速度で溶接されているため、溶接効率を十分に向上させ
ることができない。
のであって、高速溶接時においても溶接作業性を低下さ
せることなく優れた耐気孔性を得ることができると共
に、良好なビード外観及びビード形状を得ることができ
るガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを提
供することを目的とする。
ドアーク溶接用フラックス入りワイヤは、鋼製外皮中に
フラックスを充填してなるフラックス入りワイヤにおい
て、前記フラックス中のZr酸化物及びSi酸化物から
なる群から選択された少なくとも1種の酸化物の含有量
を、夫々、ZrO2換算値及びSiO2換算値としたと
きのワイヤ全重量あたりの総量でX重量%とし、前記フ
ラックス中のFe酸化物及びMn酸化物からなる群から
選択された少なくとも1種の酸化物の含有量を、夫々、
FeO換算値及びMnO換算値としたときのワイヤ全重
量あたりの総量でY重量%としたとき、前記Xが1.5
乃至6.5、Yが0.3乃至3.0であると共に、(X
/Y)が1.0乃至8.0であり、ワイヤ全重量あたり
のTi酸化物がTiO2換算値で0.5重量%以下に規
制され、ワイヤ全重量あたりのZr酸化物がZrO 2換
算値で2.5重量%以下に規制されたことを特徴とす
る。
至2.5であると共に、(X/Y)が1.3乃至5.0
であることが好ましい。
SiO2換算値で0.5乃至3.5重量%に規制されて
いることが好ましく、更に、ワイヤ全重量あたりのSi
酸化物がSiO2換算値で0.5乃至3.0重量%に規
制されていることが好ましい。
値で0.8重量%以下に規制されたことが好ましく、前
記Ti酸化物はTiO2換算値で0.5重量%以下に規
制されたことがより一層望ましい。
るために鋭意実験研究を重ねた結果、外皮に充填される
フラックスの組成を適切に規制することにより、耐気孔
性並びにビード外観及び形状の双方を向上させることが
できることを見い出した。以下に、本発明に係るフラッ
クス入りワイヤについて、詳細に説明する。
ラックスは、スラグ形成剤の種類、量及びスラグの塩基
度等によって、チタニヤ系、メタル系又はライム系等に
分類されている。本願発明者等は、先ず、すみ肉溶接を
高能率化して、溶接速度を高めるために重要な要素とな
る耐気孔性並びにビードの外観及び形状について、これ
らを向上させるための適切なフラックスの基本成分系を
規定するために鋭意実験検討を行った。
時において発生する気孔は、主として、プライマがアー
ク熱によって分解された場合に発生するH2及びCO等
のガス又はZn等の低沸点金属蒸気に起因する。そし
て、この気孔の発生は、主として溶融金属へのガスの供
給量、速度、溶融金属の凝固速度等に支配される。そこ
で、本願発明者等は、気孔の発生に影響を与える溶融金
属及びスラグの物性等に着目し、耐気孔性とビードの外
観・形状との双方を向上させる方法として、以下に示す
方法が有効であることを見い出した。
に、スラグの発生量(嵩)を低減させて、溶接時に発生
したガスを溶接金属中から速やかに浮上させ、逸散させ
ることによって、耐気孔性を向上させることができる。
また、溶融金属の流動性を高めると共に、スラグの粘性
を高めて、その凝固点を高くして、スラグによる溶融金
属の支持力を増大させることにより、ビードの外観及び
形状を良好にすることができる。
成分として、従来のフラックス成分とは異なる成分系で
あるZr酸化物及びSi酸化物のいずれか一方又は両方
を添加すると共に、TiO2含有量を規制することによ
り、スラグの粘性を高めると共に、スラグの凝固点を高
くすることができ、更に、スラグの嵩を低減させること
ができる。また、フラックス中にFe酸化物及びMn酸
化物のいずれか一方又は両方を添加することによって、
溶融金属中の酸素量を増加させることができ、これによ
り、溶融金属の粘性を低下させて、流動性を高めること
ができる。
接用フラックス入りワイヤに含有されるフラックス成分
の組成限定理由について説明する。
選択された少なくとも1種の酸化物(ZrO2換算値及
びSiO2換算値としたときのワイヤ全重量あたりの総
量):1.5乃至6.5重量% Zr酸化物及びSi酸化物は、本発明に係るフラックス
入りワイヤにおけるフラックスの主成分であり、スラグ
形成剤として作用して、スラグの粘性を高めると共に、
スラグの凝固点を高くする作用を有する成分である。ま
た、Zr酸化物及びSi酸化物は、他のスラグ形成剤と
比較して、その添加量が同量であっても、スラグの発生
量(嵩)を低減させることができる。
からなる群から選択された少なくとも1種の酸化物のワ
イヤ全重量あたりの含有量を、夫々、ZrO2換算値及
びSiO2換算値としたときの総量でX重量%としたと
き、Xが1.5未満であると、形成されるスラグ量が不
足するので、ビード表面全体がスラグによって被覆され
ず、ビードの外観が不良となる。
スラグ量が過多となって、プライマから発生するガスの
浮上及び逸散を阻害するので、気孔の発生量が極めて多
くなる。また、ヒューム及びスパッタの発生量が増加す
る。従って、Zr酸化物及びSi酸化物からなる群から
選択された少なくとも1種の酸化物のワイヤ全重量あた
りの含有量を、夫々、ZrO2換算値及びSiO2換算値
としたときのワイヤ全重量あたりの総量Xは、1.5乃
至6.5とする。なお、前記Xは、好ましくは、2.0
乃至5.0である。
量については、ZrO2換算値は3.0重量%以下であ
ることが好ましく、SiO2換算値はビードの外観(光
沢)の観点から、0.5乃至3.5重量%とすることが
好ましい。更に好ましくは、ZrO2換算値が2.5重
量%以下、SiO2換算値が0.5乃至3.0重量%で
ある。このZrO2源(Zr酸化物)及びSiO2源(S
i酸化物)としては、酸化ジルコニウム、ジルコンサン
ド、珪砂及び長石等がある。
%以下 Ti酸化物はスラグ形成剤としての作用を有する。ま
た、アークを安定化させることを目的として、Ti酸化
物をフラックス中に添加することもある。しかし、ワイ
ヤ全重量あたりのTi酸化物の含有量がTiO2換算値
で1.0重量%を超えると、スラグ量(嵩)が増加して
耐気孔性が劣化すると共に、スラグの焼付きが発生して
ビードの外観が低下する。従って、ワイヤ全重量あたり
のTi酸化物の含有量は、TiO2換算値で1.0重量
%以下とする。
TiO2換算値で0.8重量%以下であり、更に好まし
くは、0.5重量%以下である。このTiO2源(Ti
酸化物)としては、ルチール、合成ルチール、ルコキシ
ン及びチタン酸カリウム等がある。
選択された少なくとも1種の酸化物(FeO換算値及び
MnO換算値としたときのワイヤ全重量あたりの総
量):0.3乃至3.0重量% Fe酸化物及びMn酸化物は、溶融金属中の酸素量を増
加させる成分であり、溶融金属の粘性を低下させて流動
性を向上させる効果を有する。フラックス中のFe酸化
物及びMn酸化物からなる群から選択された少なくとも
1種の酸化物のワイヤ全重量あたりの含有量を、夫々、
FeO換算値及びMnO換算値としたときの総量でY重
量%としたとき、Yが0.3未満であると、これらの効
果を十分に得ることができず、溶融金属と母材との融合
性が劣化して、アンダカット及びオーバラップ等の溶接
欠陥が発生しやすくなる。また、耐気孔性も劣化する。
びヒュームの発生量が増加すると共に、形成されるスラ
グの粘性が低下して、ビード形状が不良となる。従っ
て、Fe酸化物及びMn酸化物からなる群から選択され
た少なくとも1種の酸化物のワイヤ全重量あたりの含有
量を、夫々、FeO換算値及びMnO換算値としたとき
の総量Yは、0.3乃至3.0とする。
である。このFeO源(Fe酸化物)としては、スケー
ル、赤鉄鉱及びイルミナイト等があり、MnO源(Mn
酸化物)としては、二酸化マンガン及び焼成マンガン等
がある。
なくとも1種の酸化物の総量Yは、Zr酸化物及びSi
酸化物からなる群から選択された少なくとも1種の酸化
物の総量Xに応じて、適切に増減させる必要がある。こ
れは、Fe酸化物及びMn酸化物と、Zr酸化物及びS
i酸化物とは、スラグの粘性に対して互いに相反する効
果を有するからである。即ち、Zr酸化物及びSi酸化
物はスラグの粘性を高める効果を有するが、Fe酸化物
及びMn酸化物はスラグの粘性を低下させる効果を有す
るからである。
性が低下して、ビード形状が凸状となって劣化する。ま
た、スラグの焼付きが発生して、スラグの剥離性が悪化
する。一方、X/Yが8.0を超えると、スラグの粘性
が高くなりすぎて、耐気孔性が劣化する傾向がある。従
って、X/Yは1.0乃至8.0とする。なお、好まし
くは、1.3乃至5.0である。
ス入りワイヤにおけるフラックスに含有される酸化物の
含有量及びこれらの比を適切に規定することにより、高
速すみ肉溶接時における耐気孔性を向上させることがで
きると共に、ビードの外観及びビード形状を良好にする
ことができる。
スラグ形成剤の成分として、Zr酸化物、Si酸化物、
Fe酸化物、Mn酸化物及びTi酸化物の他に、K
2O、Na2O、MgO及びAl2O3等が含有される場合
があるが、これらの含有量は総量で1重量%以下とす
る。また、フラックス中には、必要に応じて、Mn、S
i等の脱酸剤及び鉄粉等を添加することができる。
しては種々の形状のものがあるが、本発明においては特
に限定されず、図1に形状例として示すように、種々の
形状のフラックス入りワイヤを使用することができる。
即ち、図1(a)は帯板状の金属外皮Mの内部にフラッ
クスFを充填しながら、金属外皮Mの両端縁を突き合わ
せるようにして管状に曲げ加工し、その後、所定の径ま
で伸線したものである。このワイヤの突き合わせ端面は
平坦であるが、図1(b)はその突き合わせ端面が湾曲
したものである。図1(c)は突き合わせ端部をL字状
に屈曲させ、突き合わせ端面を広くしたものである。ま
た、図1(d)はシームレスの金属外皮Mの内部にフラ
ックスFを充填したものである。
入りワイヤを使用した場合は、ワイヤ表面にAl又はC
u等のメッキ処理を施してもよい。ワイヤ全重量あたり
のメッキ量が0.05重量%以下であると、耐錆性、ワ
イヤ送給性及び通電性等を向上させる効果が低下する。
一方、メッキ量が0.20重量%を超えると、生産性が
低下すると共に、溶接金属の靱性が低下する。従って、
ワイヤ全重量あたりのメッキ量は0.05乃至0.20
重量%であることが好ましい。
て、例えば、1.2、1.4、1.6、2.0、2.4
及び3.2mm等の種々の直径のワイヤを選択すること
ができる。更に、本発明のフラックス入りワイヤを使用
して溶接する場合、CO2ガス又はAr−CO2混合ガス
等のシールドガスを使用することができる。
用フラックス入りワイヤの実施例についてその比較例と
比較して具体的に説明する。
化物、Fe酸化物、Mn酸化物及びTi酸化物の含有量
を種々に変化させて、下記表1に示す溶接条件でT継手
の水平すみ肉溶接を実施し、溶接後の気孔発生数並びに
ビードの外観及び形状を調査した。なお、気孔発生数と
は、溶接線1mあたりに発生した気孔の個数である。ま
た、ビードの外観・形状については、良好であるものを
○、やや不良であるものを△、不良であるものを×とし
て評価した。
ヤとして、図1(a)に示す形状であって、外皮は軟鋼
製であり、直径が1.4mmのものを使用した。なお、
ワイヤ組成については、特定成分の増減に伴って鉄粉量
を増減させ、他成分の含有量は後述する下記表3乃至5
に示す実施例No.1と同様とした。
の外観・形状をとり、横軸にワイヤ全重量あたりの特定
成分の含有量をとって、フラックス組成と、耐気孔性及
びビード外観・形状との関係を示すグラフ図である。ま
た、図4は縦軸に気孔発生数及びビードの外観・形状を
とり、横軸にワイヤ全重量あたりの特定成分の含有量比
をとって、フラックス組成と、耐気孔性及びビード外観
・形状との関係を示すグラフ図である。
はワイヤ全重量あたりのTi酸化物の含有量(TiO2
換算値)を示し、[ZrO2+SiO2]はワイヤ全重量
あたりのZr酸化物及びSi酸化物からなる群から選択
された少なくとも1種の酸化物の含有量(夫々、ZrO
2換算値及びSiO2換算値としたときの総量)Xを示
す。また、[FeO+MnO]はワイヤ全重量あたりの
Fe酸化物及びMn酸化物からなる群から選択された少
なくとも1種の酸化物の含有量(夫々、FeO換算値及
びMnO換算値としたときの総量)Yを示す。
%以下であると共に、[ZrO2+SiO2]が1.5乃
至6.5重量%であると、ビードの外観及び形状が良好
であると共に気孔発生数も1(個/m)以下となり、耐
気孔性が優れたものとなった。また、図3に示すよう
に、[FeO+MnO]が0.3乃至3.0重量%であ
ると、ビードの外観及び形状が良好であると共に気孔が
発生しなかった。更に、図4に示すように、特定成分の
含有量比([ZrO2+SiO2]/[FeO+Mn
O])が1乃至8であると、ビードの外観及び形状が良
好であると共に、気孔発生数が2(個/m)以下となっ
た。特に、この含有量比を1.3乃至5.0とすると、
ビードの外観及び形状が極めて優れたものになると共
に、気孔の発生を完全に防止することができた。
て、下記表2に示す溶接条件でT継手の水平すみ肉溶接
を高溶接速度で実施し、耐気孔性並びにビードの外観及
び形状を評価すると共に、溶接作業性を評価した。本実
施例においては、フラックス入りワイヤとして、図1
(b)に示す形状であって、外皮は軟鋼製であり、直径
が1.2mmのものを使用した。
3乃至5に示し、評価結果を下記表6に示す。但し、下
記表4に示すワイヤ組成欄において、その他の成分とし
ては、Na2O、K2O、Al2O3及びMgO並びに金属
フッ化物等がある。また、下記表5に示す脱酸剤として
は、Mn及びSi等がある。更に、下記表6に示す耐気
孔性及びビード外観・形状の評価結果欄においては、極
めて優れた結果が得られたものを◎、良好であったもの
を○、やや不良であったものを△、不良であったものを
×とした。また、溶接作業性の評価結果欄においては、
溶接作業性について特に課題が発生しなかったものを
−、溶接時にヒューム及びスパッタが発生したもの又は
スラグの剥離性が低下したものをその程度に応じて△又
は×とした。
中のスラグ形成剤の組成及び含有量比が本発明の範囲内
である実施例No.1乃至6は、耐気孔性が優れている
と共に、ビードの外観及び形状についても良好なものと
なった。また、溶接作業性についても問題はなかった。
ち、ZrO2換算値とSiO2換算値との総量が本発明範
囲の下限未満であるので、ビードの外観及び形状が不良
となった。比較例No.12は、Xの値が本発明範囲の
上限を超えているので、耐気孔性が低下した。また、溶
接時にヒューム及びスパッタが多発した。比較例No.
13は、TiO2換算値が本発明範囲の上限を超えてい
るので、耐気孔性、ビード形状及び外観が若干劣ったも
のとなった。また、スラグの剥離性も低下した。
O換算値とMnO換算値との総量が本発明範囲の下限未
満であるので、特に耐気孔性が低下した。比較例No.
15はYの値が本発明範囲の上限を超えているので、特
に、ビードの外観及び形状が低下した。また、溶接時に
ヒューム及びスパッタが多発した。比較例No.16は
(X/Y)の値が本発明範囲の下限未満であるので、耐
気孔性は優れたものとなったが、ビードの外観及び形状
が不良となった。また、スラグ剥離性が低下した。比較
例No.17は(X/Y)の値が本発明範囲の上限を超
えているので、特に、耐気孔性が低下した。
フラックス入りワイヤにおけるフラックス中の酸化物の
含有量及びその含有量の比率を適切に規制しているの
で、高速溶接時においても、溶接作業性を低下させるこ
となく優れた耐気孔性を得ることができると共に、良好
なビード外観及びビード形状を得ることができる。ま
た、各酸化物の含有量及びその含有量の比率を厳密に規
定すると、より一層耐気孔性、ビード外観及び形状を良
好にすることができる。
クス入りワイヤの形状例を示す断面図である。
り、横軸にワイヤ全重量あたりの特定成分の含有量をと
って、フラックス組成と、耐気孔性及びビード外観・形
状との関係を示すグラフ図である。
り、横軸にワイヤ全重量あたりの特定成分の含有量をと
って、フラックス組成と、耐気孔性及びビード外観・形
状との関係を示すグラフ図である。
り、横軸にワイヤ全重量あたりの特定成分の含有量比を
とって、フラックス組成と、耐気孔性及びビード外観・
形状との関係を示すグラフ図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 鋼製外皮中にフラックスを充填してなる
フラックス入りワイヤにおいて、前記フラックス中のZ
r酸化物及びSi酸化物からなる群から選択された少な
くとも1種の酸化物の含有量を、夫々、ZrO2換算値
及びSiO2換算値としたときのワイヤ全重量あたりの
総量でX重量%とし、前記フラックス中のFe酸化物及
びMn酸化物からなる群から選択された少なくとも1種
の酸化物の含有量を、夫々、FeO換算値及びMnO換
算値としたときのワイヤ全重量あたりの総量でY重量%
としたとき、前記Xが1.5乃至6.5、Yが0.3乃
至3.0であると共に、(X/Y)が1.0乃至8.0
であり、ワイヤ全重量あたりのTi酸化物がTiO2換
算値で0.5重量%以下に規制され、ワイヤ全重量あた
りのZr酸化物がZrO 2換算値で2.5重量%以下に
規制されたことを特徴とするガスシールドアーク溶接用
フラックス入りワイヤ。 - 【請求項2】 前記Xが2.0乃至5.0、Yが0.5
乃至2.5であると共に、(X/Y)が1.3乃至5.
0であることを特徴とする請求項1に記載のガスシール
ドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。 - 【請求項3】 ワイヤ全重量あたりのSi酸化物がSi
O2換算値で0.5乃至3.5重量%に規制されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガスシールド
アーク溶接用フラックス入りワイヤ。 - 【請求項4】 ワイヤ全重量あたりのSi酸化物がSi
O2換算値で0.5乃至3.0重量%に規制されている
ことを特徴とする請求項3に記載のガスシールドアーク
溶接用フラックス入りワイヤ。
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JP15672897A JP3512313B2 (ja) | 1997-06-13 | 1997-06-13 | ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ |
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1997
- 1997-06-13 JP JP15672897A patent/JP3512313B2/ja not_active Expired - Fee Related
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