JPS6234339Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、１個の十字揺動自在な変速操作レバ
ーの一連の操作により、直列に連動連結された高
低速二段に切換え可能な第１及び第２変速部が共
に低速状態である第１速状態、前記第１変速部が
高速状態で前記第２変速部が低速状態である第２
速状態、前記第１変速部が低速状態で前第２変速
部が高速状態である第３速状態、前記両変速部が
共に高速状態である第４速状態が現出されるよう
に構成した走行用変速装置の操作部構造に関す
る。

上記操作部構造において、従来、例えば実開昭
54−151765号公報に記載されているように、変速
操作レバーを第１変速部の第１操作部材と第２変
速部の第２操作部材とに択一的に連係して操作す
るものであつたため、第８図に示すように、操作
レバー１９に対するガイド溝３３が複雑なものと
なつており、変速操作に手間が掛かる欠点があつ
た。

本考案は、操作レバー経路を簡略化することに
より、上記欠点を解消することを目的とする。

次に、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図に示すように、前部に配置した原動部
１、及び、その後方に配置した運転部２を備えさ
せると共に左右一対の後車輪３ａ，３ｂを駆動自
在に備えさせた自走機体の後部に、ロータリー耕
耘装置等の作業装置を連結するための上下駆動揺
動自在なリフトアーム４、及び、連結作業装置に
動力伝達するための動力取出軸５を付設し、もつ
て、各種作業装置を機体後部に昇降操作及び駆動
自在に連結するための農用トラクターを構成して
ある。

機体の変速走行を可能にするに、第２図に示す
ように、エンジンＥの出力をクラツチ６を介して
前後進切換え可能な主変速装置７に伝達し、この
主変速装置７の出力を副変速装置８を介して左右
後輪３ａ，３ｂの差動装置９に伝達するようにし
てある。

そして、前記副変速装置８を構成するに、第２
図に示すように、前記主変速装置７に連動連結さ
れた入力軸１０に摺動及び一体回転自在に取付け
てあるシフトギア１１を、中間軸１２の第１ギア
１３と第２ギア１４とに咬合切換えすることによ
り高低速２段に切換えられるように構成したギア
式第１変速部８ａと、前記差動装置９に連動連結
された出力軸１５の摺動及び一体回転自在に取付
けてあるシフトギア１６を、前記中間軸１２の第
３ギア１７と第４ギア１８とに咬合切換えするこ
とにより高低速２段に切換えられるように構成し
たギア式第２変速部８ｂとを直列に連動連結して
あると共に、第３図ないし第５図に示す操作部構
造に基いて両変速部８ａ，８ｂが共に低速状態で
ある第１速状態、第１変速部８ａが高速状態で第
２変速部８ｂが低速状態である第２速状態、第１
変速部８ａが低速状態で第２変速部８ｂが高速状
態である第３速状態、両変速部８ａ，８ｂが共に
高速状態である第４速状態に変速できるようにし
てある。

すなわち、１個の操作レバー１９の環状基部
を、前記第１変速部８ａのシフトギア１１を摺動
操作するための回転軸２０に揺動アーム２１及び
２２、押引きロツド２３並びに連結ピン２４を介
して連動させてある回転軸式第１操作部材２５に
その回転軸芯Ｐに直交あるいはほぼ直交する枢支
ピン２６により取付けて、前記レバー１９を、第
１操作部材２５に対してそれと一体揺動させられ
ると共に前記枢支ピン２６の軸芯周りで相対揺動
させられるように、すなわち、十字揺動操作でき
るようにしてある。前記第２変速部８ｂのシフト
ギア１６を摺動操作するための回転軸２７に揺動
アーム２８及び２９、並びに、押引きロツド３０
を介して連動させた筒軸式第２操作部材３１を、
前記第１操作部材２５に相対揺動自在に取付けて
ある。前記操作レバー１９に対するガイド３２
に、平行あるいはほぼ平行に配置すると共に前記
第１及び第２操作部材２５，３１の揺動方向に沿
わせた第１ないし第３溝部分３３ａ，３３ｂ，３
３ｃ、前記第２溝部分３３ｂの一端側と前記第１
溝部分３３ａの一端側とを連通連結する第４溝部
分３３ｄ、前記第２溝部分３３ｂの他端側と前記
第３溝部分３３ｃの一端側とを連通連結する第５
溝部分３３ｅから成るガイド溝３３を備えさせて
ある。前記第２操作部材３１に、操作レバー１７
に対するアーム式の第１及び第２の被係合部３１
ａ，３１ｂを設けると共に、操作レバー１９が第
２溝部分３３ｂに位置されると、両被係合部３１
ａ，３１ｂが共に操作レバー１９に係合されるよ
う操作レバー１９の移動軌跡内に位置し、かつ、
操作レバー１９が第１溝部分３３ａあるいは第２
溝部分３３ｂに位置されると、いずれか一方の被
係合部３１ａ又は３１ｂが操作レバー１９の移動
軌跡から外れるようにして、操作レバー１９を第
２溝部分３３ｂに位置させた時にのみ第２操作部
材３１の操作が可能になるようにしてある。

要するに、操作レバー１９がガイド溝３３に沿
わさて操作され、第６図イに示すように、第１溝
部分３３ａの一端部に位置されると、第１及び第
２操作部材２５，３１が共に低速位置に在つて前
記第１速状態が現出され、第６図ロに示すよう
に、第１溝部分３３ａの中間部に位置されると、
第１操作部材２５が中立位置で第２操作部材３１
が低速位置に在つて中立状態が現出され、第６図
ハに示すように、第４溝部分３３ｄに位置される
と第１操作部材２５が高速位置で第２操作部材３
１が低速位置に在つて前記第２速状態が現出さ
れ、第６図ニに示すように、第２溝部分３３ｂの
中間部に位置されると第１及び第２操作部材２
５，３１が共に中立位置に在つて中立状態が現出
され、第６図ホに示すように、第５溝部分３３ｅ
に位置されると、第１操作部材２５が低速位置で
第２操作部材３１が高速位置に在つて前記第３速
状態が現出され、第６図ヘに示すように、第３溝
部分３３ｃの中間部に位置されると、第１操作部
材２５が中立位置で第２操作部材３１が高速位置
に在つて中立状態が現出され、第６図トに示すよ
うに、第３溝部分３３ｃの一端部に位置される
と、第１及び第２操作部材２５，３１が共に高速
位置に在つて前記第４速状態が現出されるように
してある。

前記操作レバー１９を構成するに、第７図に示
すように、前記第２被係合部３１ｂに対する係合
部１９ａを前記揺動アーム２２に兼用させせても
よい。

尚、上記操作部構造は、前記第１及び第２変速
部８ａ，８ｂが高速用と低速用の伝動ベルトを択
一的に緊張状態に操作する変速構成のものにも適
用できる。

以上要するに、本考案は、冒記した走行用変速
装置の操作部構造において、平行あるいはほぼ平
行な第１ないし第３溝部分、前記第２溝部分の一
端側と前記第１溝部分の一端側とを連通連結する
第４溝部分、前記第２溝部分の他端側と前記第３
溝部分の一端側とを連通連結する第５溝部分から
成るガイド溝を、前記操作レバーに対するガイド
に備えさせ、前記第１変速部の第１操作部材と前
記第２変速部の第２操作部材とをほぼ同軸芯周り
で前記第１ないし第３溝部分の方向に相対揺動自
在に並設し、前記操作レバーを前記第１操作部材
に対して、第１操作部材の揺動軸芯に直交又はほ
ぼ直交する軸芯周りで相対揺動可能に連動連結し
て、前記操作レバーの第１操作部材に対する相対
揺動操作によつて前記第４及び第５溝部分に沿う
操作を許容し、前記操作レバーの第１操作部材と
の一体揺動操作によつて前記第１乃至第３溝部分
に沿う操作を許容するように構成するとともに、
前記第４及び第５溝部分のうちの一方の溝部分に
沿う第２溝部分側への操作レバーの操作に伴つ
て、操作レバーと前記第２操作部材とを連係し
て、操作レバーの第２溝部分に沿う操作に連動し
て前記第２操作部材を一体揺動させ、第２溝部分
から他方の溝部分に沿う操作レバーの操作に伴つ
て、操作レバーと前記第２操作部材との連係を解
除する被係合部を前記第２操作部材に設けて、前
記第１溝部分の一端部を前記第１速位置に、前記
第４溝部分を前記第２速位置に、前記第５溝部分
を前記第３速位置に、前記第３溝部分の一端部を
前記第４速位置になるように構成してある事を特
徴とするから、従来に比して、操作レバー１９の
ガイド溝３３が簡単なものになり、変速を容易迅
速に行わせられるようになつた。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る走行用変速装置の操作部構
造の実施例を示し、第１図は農用トラクターの側
面図、第２図は伝動系の概略図、第３図は操作レ
バー取付部の斜視図、第４図は操作レバー取付部
の背面図、第５図は操作レバー取付部の側面図、
第６図イないしトは操作レバーと被係合部との位
置関係を示す側面図、第７図は操作レバーの別実
施構造を示す背面図、第８図はレバーガイドの従
来構造を示す平面図である。 ８ａ……第１変速部、８ｂ……第２変速部、１
９……操作レバー、２５……第１操作部材、３１
……第２操作部材、３１ａ，３１ｂ……被係合
部、３２……ガイド、３３……ガイド溝、３３ａ
……第１溝部分、３３ｂ……第２溝部分、３３ｃ
……第３溝部分、３３ｄ……第４溝部分、３３ｅ
……第５溝部分、Ｐ……軸芯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １個の十字揺動自在な変速操作レバー１９の一
   連の操作により、直列に連動連結された高低速二
   段に切換え可能な第１及び第２変速部８ａ，８ｂ
   が共に低速状態である第１速状態、前記第１変速
   部８ａが高速状態で前記第２変速部８ｂが低速状
   態である第２速状態、前記第１変速部８ａが低速
   状態で前記第２変速部８ｂが高速状態である第３
   速状態、前記両変速部８ａ，８ｂが共に高速状態
   である第４速状態が現出されるように構成した走
   行用変速装置の操作部構造であつて、平行あるい
   はほぼ平行な第１ないし第３溝部分３３ａ，３３
   ｂ，３３ｃ、前記第２溝部分３３ｂの一端側と前
   記第１溝部分３３ａの一端側とを連通連結する第
   ４溝部分３３ｄ、前記第２溝部分３３ｂの他端側
   と前記第３溝部分３３ｃの一端側とを連通連結す
   る第５溝部分３３ｅから成るガイド溝３３を、前
   記操作レバー１９に対するガイド３２に備えさ
   せ、前記第１変速部８ａの第１操作部材２５と前
   記第２変速部８ｂの第２操作部材３１とをほぼ同
   軸芯Ｐ周りで前記第１ないし第３溝部分３３ａ，
   ３３ｂ，３３ｃの方向に相対揺動自在に並設し、
   前記操作レバー１９を前記第１操作部材２５に対
   して、第１操作部材２５の揺動軸芯に直交又はほ
   ぼ直交する軸芯周りで相対揺動可能に連動連結し
   て、前記操作レバー１９の第１操作部材２５に対
   する相対揺動操作によつて前記第４及び第５溝部
   分３３ｄ，３３ｅに沿う操作を許容し、前記操作
   レバー１９の第１操作部材２５との一体揺動操作
   によつて前記第１乃至第３溝部分３３ａ，３３
   ｂ，３３ｃに沿う操作を許容するように構成する
   とともに、前記第４及び第５溝部分３３ｄ，３３
   ｅのうちの一方の溝部分３３ｄ又は３３ｅに沿う
   第２溝部分３３ｂ側への操作レバー１９の操作に
   伴つて、操作レバー１９と前記第２操作部材３１
   とを連係して、操作レバー１９の第２溝部分３３
   ｂに沿う操作に連動して前記第２操作部材３１を
   一体揺動させ、第２溝部分３３ｂから他方の溝部
   分３３ｅ又は３３ｄに沿う操作レバー１９の操作
   に伴つて、操作レバー１９と前記第２操作部材３
   １との連係を解除する被係合部３１ａ，３１ｂを
   前記第２操作部材３１に設けて、前記第１溝部分
   ３３ａの一端部を前記第１速位置に、前記第４溝
   部分３３ｄを前記第２速位置に、前記第５溝部分
   ３３ｅを前記第３速位置に、前記第３溝部分３３
   ｃの一端部を前記第４速位置になるように構成し
   てある事を特徴とする走行用変速装置の操作部構
   造。