JPS6233102A

JPS6233102A - 持続性殺虫具

Info

Publication number: JPS6233102A
Application number: JP17241185A
Authority: JP
Inventors: Atsunori Okada; 篤典岡田; Kunitatsu Fujiwara; 藤原　邦達
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1985-08-07
Filing date: 1985-08-07
Publication date: 1987-02-13

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は持続性殺虫具に関し、詳しくは屋内外を問わず
使用でき、しかも安全性に優れており、いわゆる使い捨
てタイプの殺虫具として広範囲に使用することのできる
持続性殺虫具に関する。

〔従来技術及び発明が解決しようとする問題点〕従来、
蚊、ハエなどの室内衛生害虫を駆除するための殺虫剤の
気化方式には、１）蚊とり線香のように点火燃焼によっ
て発生する熱量によって殺虫剤を気化させるもの、２）
電気ヒーターによって金属プレート面を加熱し、このプ
レート面に殺虫剤を浸透した薄片マットをおいて、殺虫
剤を気化蒸散させるもの、３）気温程度の低沸点、低蒸
気圧を持つ殺虫剤を浸透させた薄片を室内に吊りさげる
ことによって、殺虫剤蒸気を自然に気化拡散させるもの
、などが存在している。

しかし、上記の１）では点火、燃焼という点で火災の危
険性があり、しかも燃焼、残灰のための容器や受は皿な
どが必要である、２）では電源および電気コード、なら
びに専用の防災型のヒーター装置を必要とする、さらに
３）では気温程度で気化する殺虫剤の選択範囲には限界
があり、また気温の高低によって殺虫剤の気化効率が不
安定になる、などの問題がある。

本発明は上記従来の問題点を悉く解消し、特に従来のも
のではなしえなかった屋外での使用および家具９戸棚等
の密閉空間内における使用を可能にした全く新しいタイ
プの殺虫具の提供を目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

すなわち本発明は、無酸素的に密封されており、かつ酸
化反応により発熱しうる金属粉末および酸化を促進しう
る化学物質よりなる酸化発熱部と、殺虫剤を浸透させた
薄片マットまたはペーパーよりなる蒸散部とを、前記酸
化発熱部の開封後に発生する金属粉末の酸化反応に伴う
熱量によって前記蒸散部から殺虫剤を効果的に気化蒸散
させる位置に設けてなる持続性殺虫具を提供するもので
ある。

本発明の持続性殺虫具は基本的に酸化発熱部と蒸散部と
よりなるものである。

ここで酸化発熱部は、酸化反応により発熱しうる金属粉
末および酸化を促進しうる化学物質よりなる。酸化反応
により発熱しうる金属粉末としては様々なものがあるが
、例えば鉄粉末はこれらの中でも安価に、しかも容易に
入手しうる点で好適である。

次に酸化を促進しうる化学物質、すなわち酸素を供給し
うる化学物質としては、例えばサラシ粉。

高度サラシ粉など水と反応して酸素を供給する化学物質
の他、過マンガン酸カリウムなど過酸化水素と反応して
酸素を供給する化学物質などが挙げられる。特に、使い
捨て用の殺虫具ということより入手が容易で、しかも安
価であり、さらに安全性等の面を考慮するとサラシ粉ま
たは高度サラシ粉を用いることが好適である。

言うまでもなく、酸化反応により発熱しうる金属粉末は
、上記の如き酸化を促進しうる化学物質がなくとも空気
中の酸素によって酸化熱を発生しうるので、酸化発熱部
をこの酸化反応により発熱しうる金属粉末を密封するこ
とにより形成することも可能である。しかしながら、本
発明の場合、鉄粉と酸化を促進しうる化学物質を併用す
ることによって発熱反応をより有効に進められるため、
殺虫剤の種類の選択に幅をもたせることができ、他方、
鉄粉末のみの場合に空気中の酸素の接触作用範囲が限定
されて発熱反応が停止する欠陥を克服することができる
。

上記の酸化発熱部はその内部または空気中の酸素との酸
化反応が起こらないように無酸素的に密封されており、
使用時に開封される。

次に蒸散部は、殺虫剤を浸透させた薄片マントまたはペ
ーパーよりなる。

ここで殺虫剤としては特に制限はなくその用途等に応じ
て適宜選定すればよいが、通常は例えばリン酸０．Ｏ−
ジメチル−〇−（２，２−ジクロルビニル）（ＤＤＶＰ
）、　　ピレトリン、アレスリンなど低沸点の家庭用殺
虫剤を用いる。

本発明の持続性殺虫具は上記の酸化発熱部と蒸散部とを
、酸化発熱部の開封後に発生する金属粉末の酸化１反応
に伴う熱量によって蒸散部から殺虫剤を効果的に気化蒸
散させる位置に設けてなるものである。勿論、使用する
殺虫剤の種類によってその蒸散速度は異なるので一概に
は決定できないが、一般的には金属粉末の酸化反応に伴
う熱量が大きい場合には、酸化発熱部と蒸散部との位置
を離し、逆の場合には両者の位置を近づけるなどの工夫
を施せばよい。

また、殺虫剤の効果的な気化蒸散を行なうためには、酸
化発熱の速度をコントロールすることが好ましい、その
ため、例えば上記の酸化を促進しうる化学物質としてサ
ラシ粉と水とを組合せて用いる場合、水がサラシ粉と一
度に反応しないようにすることも有効である。さらに、
たとえ水がサラシ粉と一度に反応したとしても、この反
応により供給される酸素が急激に金属粉末を酸化させな
いような工夫を施すことにより、酸化発熱の速度をコン
トロールすることができる。

さらに、本発明においては食塩、塩化カリウム。

塩化マグネシウム等の塩類、活性炭等の反応調節物質を
添加することもできる。

したがって、金属粉末、酸化を促進しうる化学物！（酸
素を供給しうる化学物質）１反応調節物質の種類、使用
量およびこれらの組合せ方などを調整することによって
発熱温度、持続時間などをコントロールする。

なお、前記の酸化発熱部と蒸散部とは直接的に接触のな
い方がより好ましい。したがって、通常はさらに伝熱性
などの点を考慮して両者の間にプレート、例えばアルミ
箔などの金属プレート；不燃性プラスチック箔プレート
などのプラスチックプレート等を介在させる。

さらに、使用する殺虫剤の種類にもよるが、蒸散部のマ
ットまたはペーパーに浸透させた殺虫剤の自然蒸散を防
ぐ意味で、この蒸散部も外気と触れないようにしておく
ことが好ましい。

次に、本発明の好適な一態様を図面により説明する。第
１図は本発明の一態様の断面の模様を示す説明図である
。

図中、符号Ａは酸化発熱部であって、この酸化発熱部Ａ
の最上部には酸化反応により発熱しうる金属粉末層１が
設けられている。この金属粉末層１は例えば金属鉄粉末
などより形成されている。

この金属粉末層の下部には酸化を促進しうる化学物質２
、例えばサラシ粉が充填されている。この酸化を促進し
うる化学物質２を充填した層中には、これと反応して酸
素を供給する水３が、例えばプラスチックの会４に詰め
られて配置されている。

なお、図中、符号５は突起であって、この突起により水
を詰めたプラスチックの袋４を破り、水と酸化を促進し
うる化学物質２とを反応させて酸素を供給する。

このような酸化発熱部への上部には蒸散部Ｂが設けられ
ている。蒸散部Ｂは殺虫剤を浸透させた薄片マットまた
はペーパーよりなるものである。

さらに、酸化発熱部Ａと蒸散部Ｂとの間にはアルミ箔な
どよりなる金属プレート６が介在せしめられている。

なお、図中符号７は容器である。この容器７は保温性の
ものが好ましく、またある程度の強度を保持するために
、例えばプラスチックなどにより形成される。この容器
７の内面の適宜箇所に前記した突起５が形成されている
。この突起５は１箇所のみでなく、複数箇所に形成する
こともできる。

容器７の上部は開口されて開口部８を形成しており、こ
の開口部８をプラスチックシートなどの蓋材９で被覆し
密封している。

このような本発明の持続性殺虫具を使用するには蓋材９
を除去し、突起５により袋４を破裂させ、袋４中の水３
と酸化を促進しうる化学物質２とを反応させて酸素を供
給し、この酸素により金属粉末層１を酸化させ、その酸
化熱により、加熱させる金属プレート６上に置かれた、
その温度帯に相応する気化温度、蒸気圧を有する殺虫剤
を浸透させた薄片マットまたはペーパーよりなる蒸散部
Ｂから、殺虫剤を蒸散せしめるのである。

なお、金属粉末と酸化を促進しうる化学物質などの割合
や金属プレート面への伝熱条件に係る器具自体の構造を
適宜選定することにより、金属プレート面の温度と持続
時間の関係をある程度調整することが可能である。

この場合、金属プレート面の温度とその持続時間に相応
する気化温度ならびに蒸気圧を有する殺虫剤を選択し、
これを薄片マットまたはペーパーに浸透させた上で、金
属プレート面上に置くことによって所期の殺虫効果を発
揮させることができる。

〔発明の効果〕

畝上の如き本発明の持続性殺虫具は、現在冬期に暖房用
として多用されている金属鉄粉酸化発熱保温装置に用い
られており、夏期にはその需要が激減する金属鉄粉末な
どを安価に活用することが可能であり゛、結果的に従来
の殺虫剤気化装置と対比して、以下のような特徴がある
。

（１）　　電源および電気コードなどが不要であり、野
外での登山、キャンプをはじめ、家具１戸棚。

引出し、押入れなどの密閉空間の内部のほか、一般室内
での持続性殺虫具として広く使用することができる。

（２）点火が不要であり、火災についての危険性がなく
安全性に優れており、しかも燃焼、残灰のための容器、
受皿などが不要である。

（３）防災型の特殊な加温、加熱装置が不要であり、上
記（２）とも相俟って小型化が可能で携帯性に優れたも
のとすることができる。

（４）殺虫剤の種類の選択に幅があり、したがって、そ
の加熱、気化温度ならびにその持続時間の調節が可能で
ある。

したがって、本発明の持続性殺虫具は、いわゆる使い捨
てタイプの殺虫具として広範囲の用途に使用することが
できる。勿論、中身を入れ替えすることにより継続使用
の可能なものとすることも可能である。

なお、本発明は殺虫具に関するものであるが、殺虫剤の
代わりに芳香剤、脱臭剤などを用いることにより、持続
性芳香剤、持続性脱臭剤等として応用することもできる
。

〔実施例〕

次に、本発明の実施例を示す。

実施例１金属粉末として粉末鉄２０ｇ、酸化を促進しうる化学物
質としてサラシ粉１ｇおよび水４ｍｌ。

添加触媒物質として食塩２ｇおよび活性炭０．２ｇを用
い、第１図に示す如き形状の殺虫具について、１５℃の
温度下において酸化反応を生ぜしめ金属プレート６０表
面温度の経時的変化を調べた。結果を第２図に示す。こ
の第２図より次のことが判る。

すなわち、当初温度は８０℃程度であり、その後２時間
以上に亘り５０℃以上の表面温度を維持している。この
実験が１５℃の温度下において行なわれたことを考慮す
るならば、室内等における蚊などの防除が必要になる夏
期には、６０℃以上の温度を２時間以上維持することは
確実であろうと思われる。したがって、持続性殺虫具と
して有効に使用することができるものと期待される。

なお、比較のために同様の条件でサラシ粉の使用量を５
ｇに変えて金属プレート６の表面温度の経時的変化を調
べたところ、当初表面温度は９０℃近い値を示すが、そ
の後急速に低下し、１時間程度で４０℃付近にまで低下
してしまった。したがって、サラシ粉の使用量をあまり
増加させると逆効果となり、この条件におけるサラシ粉
の好適な使用量は０．５〜３ｇ程度であると思われる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の持続性殺虫具の一態様の断面の模様を
示す説明図、第２図は実施例１における金属プレートの
表面温度の経時的変化を示すグラフである。Ａ・・・酸化発熱部。Ｂ・・・蒸散部。１・・・金属粉末層。２・・・酸化を促進しうる化学物質。３・・・水。４・・・袋。５・・・突起。６・・・金属プレート。７・・・容器。８・・・開口部。９・・・蓋材

Claims

【特許請求の範囲】１、無酸素的に密封されており、かつ酸化反応により発
熱しうる金属粉末および酸化を促進しうる化学物質より
なる酸化発熱部と、殺虫剤を浸透させた薄片マットまた
はペーパーよりなる蒸散部とを、前記酸化発熱部の開封
後に発生する金属粉末の酸化反応に伴う熱量によって前
記蒸散部から殺虫剤を効果的に気化蒸散させる位置に設
けてなる持続性殺虫具。２、金属粉末が、鉄粉末である特許請求の範囲第１項記
載の持続性殺虫具。３、酸化を促進しうる化学物質が、サラシ粉または高度
サラシ粉である特許請求の範囲第１項記載の持続性殺虫
具。４、殺虫剤がリン酸０，０−ジメチル−０−（２，２−
ジクロルビニル）である特許請求の範囲第１項記載の持
続性殺虫具。