JPS6231611Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、シリンダーの側方の、燃料タンクの
上方位置に設けたマフラーを覆うマフラーカバー
に係るものである。

従来、この種のマフラーカバーにおいては、マ
フラーと燃料タンクが近接していると、マフラー
の熱により燃料タンクが加温され、エンジンの不
調をきたし、また離れすぎると、フアンの吸風孔
に作業者の指が侵入するおそれがあるので、別途
のガードを必要としていた。またシリンダーの周
囲を通つてマフラーの外周を通過する冷却風は、
マフラーによつて加熱され、一部がフアンの吸風
孔に吸入されるので、シリンダーの冷却効果が低
下して、エンジンの不調、あるいは効率の低下を
生じていた。

本考案は、マフラーカバーの内面の下部に水平
方向の断熱板を設けるとともに、断熱板と底面と
の間に、フアンの吸風孔に向つて開口する通路を
形成することにより、マフラーの熱によつて燃料
タンクが加熱されることがなく、しかも吸風孔に
特別のガードを設ける必要がなく、さらに吸風孔
にはマフラーによつて加温された空気が吸風され
ることがなく、シリンダーの冷却効果を高めて、
エンジンの効率の低下を防止しようとするもので
ある。以下、図面を用いて本考案の１実施例につ
いて詳細な説明を行なう。

第１図、第２図において、１はエンジンのクラ
ンクケース３の上部に固着するシリンダーで、外
周にフイン４，４…を備え、内部にピストン５が
摺動自在に嵌合している。７はクランクケース３
に回転自在に軸支されたクランク軸で、中央部に
クランク９，９が固着され、１端にマグネツトホ
イル１１が固着され、他端に始動用のリコイルス
ターター装置１３が設けられている。１５は連結
杆で、上端はピストンピン１７によりピストン５
に枢着され、下端はクランク９，９に固着するク
ランクピン１９に枢着している。２１はマグネツ
トホイル１１の外側面に設けた遠心クラツチで、
所定の回転速度以上になると遠心力によりシユー
２３が外方に設けたクラツチドラム２５に接触し
て動力を伝動軸２７に伝達するものである。２９
はマグネツトホイル１１の内側に設けたフアンで
ある。３１はマグネツトホイル１１の上方に近接
して設けたコイルで、マグネツトホイル１１の外
周部に埋設したマグネツト（図示せず）に感応し
て一次電流を生じ、さらにこの一次電流に感応し
て二次電流を生じて点火プラグ３３において放
電、着火せしめるものである。３５はフアン２
９、コイル３１を覆うフアンカバーで、クランク
ケース３にボルト３６，３６により結合されたフ
アンケース３８に固着されている。３９はクラン
クケース３の下方に設けた燃料タンク、４１は吸
入口４３に連通する気化器、４５はエヤクリーナ
ー、４７はスロツトルワイヤーである。５１はコ
イル３１と点火プラグ３３を接続する点火配線、
５３は排気口５５に連通するマフラーである。５
７はねじ５９，６１によりシリンダー１に固着さ
れたシリンダーカバーで、シリンダー１の上部お
よび側部を覆つて設けられている。６３はシリン
ダーカバー５７の上部に、フアンカバー３５に近
接する位置に設けた開口部、６５は開口部６３お
よび点火プラグ３３を覆う蓋部で、シリンダーカ
バー５７にねじ６７，５９により着脱自在に固着
している。７５，７５…はフアン２９の吸風孔
で、クランクケース３に近接する位置に、フアン
ケース３８に開口している。７７はシリンダーカ
バー５７にねじ７９によつて固着されたマフラー
カバーで、マフラー５３の外周を覆つて設けら
れ、排風孔８１，８１が設けられている。８３は
マフラーカバー７７の内面下部に水平方向に固着
して設けた断熱板で、下方の底面８５との間に通
風路８７が形成されている。通風路８７はフアン
２９の吸風孔７５に向つて開口し、反対側は連通
孔８９によつて大気に連通している。なお、９１
は燃料タンク３９の下面に設けられた脚で、燃料
タンク３９を合成樹脂材により中空成形する際
に、同質材料、弾性材料あるいは金属材料（板状
に折り曲げたものでもよい）をインサートして１
体に固着したものである。

以上の実施例において、リコイルスターター装
置１３によりエンジンを始動し、回転速度を大き
くすると、遠心クラツチ２１のシユー２３がクラ
ツチドラム２５に接触して伝動軸２７が駆動す
る。フアン２９によつて発生する送風はコイル３
１の外周からシリンダー１の外周を通り、さらに
マフラー５３の外周を通つてマフラーカバー７７
の排風孔８１から大気に排出され、コイル３１、
シリンダー１、マフラー５３を冷却するものであ
る。マフラー５３の周辺を通る送風は断熱板８３
によつて吸風孔７５に吸風されることを妨げられ
ている。この断熱板８３の形状は、吸風孔７５の
側をさらに上方に折り曲げてマフラー５３を覆う
ような形状とすれば、熱せられた送風が吸風孔７
５に吸風されることを、より有効に防ぐことがで
きるものである。また、吸風孔７５には、連通孔
８９，８９から吸引された大気が通風路８７を通
つて吸風されるものである。さらに燃料タンク３
９は断熱板８３によつて遮蔽されるので、マフラ
ー５３によつて加熱することはない。

また、マフラーカバー７７の底面８５は燃料タ
ンク３９に近接する位置にあるので、作業質の指
が、この近くの吸風孔７５に侵入することはな
い。なお、他の吸風孔７５については、必要に応
じて格子状のガード（図示せず）によつて保護さ
れているものである。

本考案は請求の範囲に記載のとおりの構成であ
るから、燃料タンク内の燃料がマフラーの熱によ
つて加温されて温度上昇し、エンジンの不調をき
たすことを防止し、またマフラーによつて加熱さ
れた送風がフアンの吸風孔に吸風されてシリンダ
ーの冷却効果を低下せしめることを防ぎ、さらに
吸風孔に作業者の指が侵入することを防ぐための
特別なガードを設ける必要がなくなるものであ
る。

なお、本考案は前述の実施例に限定されるもの
ではなく、他の態様においても実施しうるもので
ある。また請求の範囲に示す符号は本考案の技術
的範囲を限定するものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はそれぞれ本考案の１実施例の
側断面図、正断面図である。 図面の主要な部分を表わす符号の説明、１……
シリンダー、２９……フアン、３９……燃料タン
ク、５３……マフラー、７５……吸風孔、７７…
…マフラーカバー、８３……断熱板、８５……底
面、８７……通風路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダー１の側方の、燃料タンク３９の上方
   位置にマフラー５３を設け、前記マフラー５３を
   覆うマフラーカバー７７の内面下部に水平方向の
   断熱板８３を設けるとともに、前記断熱板８３と
   底面８５との間に、フアン２９の吸風孔７５に向
   つて開口する通風路８７を形成したことを特徴と
   するマフラーカバー。