JPS6231129B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は地表を流れる雨水を地下に浸透させる
浸透トレンチ及びその施工法に関するものであ
る。

＜従来の技術＞ 最近になつて例えば月刊下水道1982年４月号等
に示す如く、地表を流れる雨水を地下に浸透さ
せ、これを地下水として有効に利用する為の浸透
トレンチが脚光を浴び広く実施されつつある。又
実開昭59−80582号公報に示す如く、雨水を流す
管を地下に縦横に埋設し、その縦横に埋設された
管の末端を地中に開放すると共にその周りに砕石
等を積層して雨水ますを構成した雨水浸透装置も
開発されている。

＜発明が解決しようとする問題点＞ 然るに、従来の浸透トレンチ或いは雨水浸透装
置に於いてはこれを長年使用すると砕石材等より
なる浸透フイルター層の中に浸透管から流出する
水の中に含まれる土粒子或いは周りの浸透地盤の
土粒子が侵入し、このフイルター層に目詰まりを
起こさせ、フイルター機能を著しく阻害し、その
結果浸透地盤を著しく乱して地表地面付近の構造
物に影響を与える恐れがあり、又一旦前述の目詰
まりが発生するとフイルター層内の土粒子を除去
することが出来ず、従つてフイルター層及びこの
フイルター層と浸透地盤との境界面の目詰まりを
回復することが出来ない等の欠点があつた。特に
後者の雨水浸透装置は管の末端のみにしか雨水の
浸透孔と浸透ますが設けられていないので、短期
間の間に目詰まりを発生し、使用出来なくなる欠
点があつた。

又この浸透トレンチの施工に当たつても、地面
を溝状に掘削した場合に周りの土砂がくずれたり
して浸透境界面を明確にすることが出来ず、従つ
て施工作業が困難となる等の欠点があつた。

特に後者の雨水浸透装置は管を地中内に縦横に
埋設しなければならないと共に、その管の末端の
周りに雨水ますを部分的に構成しなければならな
いので、極めて作業性が悪い欠点があつた。

本発明に係る浸透トレンチ及びその施工法は従
来のこれ等の欠点に鑑み開発された全く新規な技
術に関するものである。

＜問題点を解決するための手段＞ 本発明は、浸透地盤に横方向に掘削された掘削
溝内に全長に亘つて多数の孔が穿孔された透水管
或いはポーラス管よりなる浸透管を設置すると共
にその浸透管の全長に亘つてその周りに砕石材等
よりなる浸透フイルター層を設け、かつこの浸透
フイルター層と掘削溝との間に透水シートと杭或
いは枠を設け、更に浸透フイルター層の上面を順
に透水シート及び埋土層で被覆して構成してなる
浸透トレンチ及びそのトレンチを施工する方法に
関するものである。

＜作用＞ 本発明に於いては上述の如く、浸透地盤に横方
向の掘削溝を設けると共にこの掘削溝に全長に亘
つて浸水性を有する浸透管を埋設したので、施工
が極めて容易であると共に管路全長に亘つて浸透
が行なわれ、極めて効率良く長期間に亘つて目詰
まりをおこすことがない。

掘削溝内に杭或いは枠を介して透水シートを敷
設するので安定しており、取り付け作業簡単であ
る。浸透管の全長に亘つて設けられた浸透フイル
ター層は透水シートによつて被覆されているの
で、浸透地盤の土砂がフイルター層内に流入した
り、或いは浸透地盤を乱して地表面付近の構造物
に影響を与える恐れがない。

＜実施例＞ 図により本発明の一実施例について具体的に説
明すると、第１図及び第２図に於いて、１は浸透
地盤２に横方向に掘削されたトレンチ用の掘削溝
であり、この溝１の内周にはプラスチツク製枠３
が設けられかつ枠３の内側には多数の小孔が全面
的に穿孔されたプラスチツクシートよりなる透水
シート４が溝１のほぼ全長に亘つて設けられてい
る。又この透水シート４によつて囲まれた溝１内
には砕石材よりなる浸透フイルター層５が溝１の
ほぼ全長に亘つて設けられ、かつこのフイルター
層５の中心部には所定位置に多数の孔６ａを持つ
たヒユーム管製の透水管６が埋設されている。か
つこの透水管６の孔６ａにはフイルター７が充填
されている。前記フイルター層５の上面にも透水
シート４が被覆され、更にその上には埋土層８及
び道路の舗装層９が順に積層されている 本発明に係るトレンチの施工に当たつては先ず
浸透地盤２を横方向に一定の深さで掘削してトレ
ンチ構成用の掘削溝１を構成し、この掘削溝１の
周りに杭（図示せず）を打設するか或いは枠３を
取り付け、次にこの杭或いは枠３の内側に透水シ
ート４を固定して溝１の周りの土砂が溝１内にく
ずれ落ちることを防止すると共にこの作業によつ
て浸透境界面を明確に区画し、かつ今度はこの透
水シート４の内側に枠石を一定の高さ迄積層し、
その上に透水管６を敷設し、更に砕石を透水管６
の周りにその管路の全長に亘つて積層することに
よつて浸透フイルター層５を構成し、続いてこの
フイルター層５の上面にその全長に亘つて透水シ
ート４を敷き、更に埋土及び舗装を順に積層する
ことによつて埋土層８及び舗装層９を構成し全体
を施工することが出来る。

上記実施例に於いてはヒユーム管製の透水管６
を使用したが、管壁に多数の空隙を持つたポーラ
ス管でも良い。透水シート４は織布、不織布等も
使用出来る。

＜発明の効果＞ 本発明に係る浸透トレンチは上述の如く、浸透
フイルター層と浸透地盤との間に透水シートを介
在させて構成したので、これを長年使用しても浸
透地盤の土粒子が浸透フイルター層の中に侵入
し、フイルター層に目詰まりを発生させる恐れが
なく、又浸透管にはフイルター等が設けられてい
るので、給水の中に含有される土粒子が浸透フイ
ルター層内に侵入して目詰まりする恐れもなく、
従つてフイルター層のフイルター機能をほぼ永久
的に阻害する恐れがなく、又目詰まりによる浸透
地盤を著しく乱して地表面の構造物迄影響を与え
ることがなく、更に本願トレンチに於いては浸透
境界面が明確にされかつ安定しているので、数年
毎にフイルター層内に大量の高圧水を注入するこ
とによつてこのフイルター層内の砕石等を洗條
し、フイルター機能の低下を防止することも可能
であり、同時にフイルター層と浸透地盤との境界
面の目詰まりを回復することも出来、しかも本発
明の施工法を実施した場合には掘削した掘削溝内
に周りの土砂が作業中にくずれ落ちる恐れがな
く、浸透境界面が極めて明確にされているので、
種々の施工作業が極めて容易であり、かつ作業時
に砕石や埋め戻し材等を充分につき固めることが
出来、浸透トレンチの上層部及び道路面を極めて
安定せしめることが出来る等の特徴を有するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本願トレンチの側面の縦断面説明図、
第２図はその正面縦断面図である。 １は溝、２は地盤、３は枠、４は透水シート、
５はフイルター層、６は透水管、６ａは孔であ
る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 浸透地盤に横方向に掘削された掘削溝内に全
   長に亘つて多数の孔が穿孔された透水管或いはポ
   ーラス管よりなる浸透管を設置すると共にその浸
   透管の全長に亘つてその周りに砕石材等よりなる
   浸透フイルター層を設け、かつこの浸透フイルタ
   ー層と掘削溝との間に透水シートと杭或いは枠を
   設け、更に浸透フイルター層の上面を順に透水シ
   ート及び埋土層で被覆して構成してなる浸透トレ
   ンチ。 ２ 浸透地盤を横方向に掘削して掘削溝を形成
   し、この掘削溝の周りに杭或いは枠等を全長に亘
   つて設けると共にこの杭或いは枠等を利用してそ
   の内側に透水シートを取り付け、かつ透水シート
   の内側に所定の高さ迄砕石材等を積層すると共に
   その上に浸透管を敷設し、次に砕石材等を浸透管
   の周りにその全長に亘つて被覆して浸透フイルタ
   ー層を構成し、更にこの浸透フイルター層に透水
   シートと埋土層とを順に積層して構成することを
   特徴とした浸透トレンチの施工法。