JPH10168985A - 地表水の浸透を促進させるための構造 - Google Patents

地表水の浸透を促進させるための構造

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JPH10168985A
JPH10168985A JP35308896A JP35308896A JPH10168985A JP H10168985 A JPH10168985 A JP H10168985A JP 35308896 A JP35308896 A JP 35308896A JP 35308896 A JP35308896 A JP 35308896A JP H10168985 A JPH10168985 A JP H10168985A
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JP
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water
layer
stratum
guide cylinder
ground surface
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JP35308896A
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Takayuki Ikeda
隆之 池田
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Takiron Co Ltd
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Takiron Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地表に降った雨水を速やかに地層に浸透させ
ることができるようにして、地表での水の滞留を防ぎ、
同時に地下水の減少や枯渇を生じにくくする。 【解決手段】 透水性を有する地表層1と、この地表層
1の下側でこの地表層1を浸透してきた水を受け入れて
滞留させることのできる水滞留層2と、この水滞留層2
に上端開口41が臨みかつ水滞留層2に滞留している水
をその水滞留層2の下方の地層3の複数箇所に導いて浸
透させるための下端開口42の導水筒体4と、を備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地表水を地層に浸
透させる場合にその浸透を促進するための構造、詳しく
は、長期に亘って雨が降り続いたようなときでも、その
雨水が地表水として地表に滞留したままにならないよう
に地層に速やかに逃がし続けることのできる地表水の浸
透を促進するための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】都市公園や建物のエントランス、一般舗
道などでは、降雨時に地表に滞留した雨水が大きな水溜
まりとなって歩行の障害になったりすることがある。そ
のような事態を少しでも改善するため、近時では、透水
性を持ったコンクリートブロックや舗装などを敷設して
地表層を形成し、その地表層の下側に、この地表層を浸
透してきた水を受け入れて滞留させることのできる水滞
留層を形成しておくといった対策を講じることが多々行
われている。このような対策を講じる場合、上記水滞留
層は、クラッシャランなどを敷き詰めることによって形
成されるが、そのような水滞留層では、砕石相互間の隙
間が水溜め空間として活用されるものであるので固有の
水溜め容量を有している。そして、最大水溜め容量を越
えない量の水がその水滞留層にゆっくりと浸透してくる
ようなときには、砕石などの固形物の間に形成されてい
る隙間空間が地表水を受け入れて一時滞留させることに
役立ち、しかも、その水滞留層に溜まった水が徐々にそ
の下方の地層に浸透して逃がされるようになる。
【0003】したがって、小雨が降っているときのよう
に、地表層を浸透して水滞留層に流入する水の量がその
水滞留層の最大水溜め容量に達しない程度の量であると
きには、その水滞留層で水が溢れるようになる前に、水
滞留層の水がその下側の地層に浸透して逃がされるの
で、地表に水が滞留するといった事態が起こりにくいと
いうことがいえる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、大雨が
長期間に亘って降り続けたようなときには、地表層を浸
透して水滞留層に流入する水の量が多くなるので、水滞
留層からその下側の地層に浸透する水の量よりも水滞留
層に流入してくる水の量の方が多くなり、水滞留層に水
が溢れるという状況が起こる。そのような状況下では、
地表に降った雨水の浸透場所がなくなるので、その雨水
が地表に滞留して大きな水溜まりを作って歩行の障害に
なったり、場合によっては一面が水浸しになって家屋の
浸水といった事態を生じるおそれがある。
【0005】これらの事態を発生しにくくするために
は、水滞留層の層厚を大きくしてその最大水溜め容量を
大きく確保しておくことが有効であるけれども、そのよ
うにするためには、水滞留層や地表層を施工するときに
大がかりな工事が必要になり、また、水滞留層を形成す
るための砕石の必要量も多くなるので、工期や経済性の
面で不利が大きい。
【0006】本発明は以上の状況の下でなされたもので
あり、地表に降った雨水が地表層を浸透してその下の水
滞留層に流入した場合に、その水滞留層に流入した水を
速やかにその下方の地層に浸透させることができるよう
な対策を講じることにより、水滞留層の層厚を小さくし
てその最大水溜め容量を少なく抑えるという方法で工期
の短縮や経済性の向上を図ったとしても、地表に水が滞
留したままになりにくい地表水の浸透を促進させるため
の構造を提供することを目的とする。
【0007】また、本発明は、地表に降った雨水の水滞
留層の下方の地層への水の浸透を促進することによっ
て、大雨時に河川に一時に大量の水が流入して洪水の危
険を招来するといった事態を回避することに役立ち、ま
た、地下水の減少や枯渇を生じにくくすることに役立つ
地表水の浸透を促進させるための構造を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した発明
に係る地表水の浸透を促進するための構造は、透水性を
有する地表層と、この地表層の下側でこの地表層を浸透
してきた水を受け入れて滞留させることのできる水滞留
層と、この水滞留層に上端開口が臨みかつ上記水滞留層
に滞留している水をその水滞留層の下方の地層の複数箇
所に導いて浸透させるための下端開口の導水筒体とを備
える、というものである。
【0009】請求項2に記載した発明のように、上記水
滞留層は砕石を敷き詰めて形成することが可能である。
【0010】この構造において、地表に降った雨水は地
表層を浸透して水滞留層に流入する。水滞留層の下側に
透水性を持つ地層が存在しておれば、水滞留層に流入し
た水がそのような透水性を持つ地層に浸透する。また、
水滞留層に流入して滞留している水は、導水筒体の上端
開口からその導水筒体の内部通路に流入した後、その導
水筒体の内部通路を通って水滞留層の下方の地層の複数
箇所に導かれ、その地層に浸透する。したがって、この
構造によると、地表層を浸透して水滞留層に流入した水
が、その水滞留層の下側の地層に自然浸透するだけでな
く、導水筒体により水滞留層の下方の地層に導かれてそ
の地層に浸透するので、水滞留層からその下方の地層へ
の水の浸透が、上記した自然浸透だけに頼っている場合
よりも速やかに行われるようになる。しかも、水滞留層
に流入した水が導水筒体によりその下側の地層の1箇所
に導かれて浸透するのではなく、その地層の複数箇所に
導かれて浸透するので、その地層への水の浸透が速やか
に行われる。そのため、たとえば大雨時のように大量の
水が地表層を浸透して水滞留層に流入するようなことが
あっても、水滞留層に水が溢れ出して地表に水が溜まっ
てしまうといった事態が起こりにくくなる。
【0011】請求項3に記載した発明のように、上記導
水筒体の筒壁が通水性を有するものであると、水滞留層
において導水筒体の内部通路に流入した水が、その導水
筒体の下端開口から出て地層に浸透するだけでなく、そ
の筒壁を通ってその周囲の地層に浸透するので、地表層
を浸透して水滞留層に流入した水がその下側の地層にい
っそう速やかに浸透されるようになる。
【0012】請求項4に記載した発明のように、上記導
水筒体の内部通路に、その筒壁を内側から支える充填材
層が装填され、装填された上記充填材層が通水性を有す
るものであると、導水筒体の内部通路に装填された充填
材層によって、その導水筒体の耐土圧性が改善される。
そのため、導水筒体を塩化ビニル樹脂管のような金属管
に比べて強度の小さな材料によって形成しても、その導
水筒体が外からの土圧で押し潰されて導水筒体により形
成される水の通路が消失したり、その導水筒体が折損し
たりするといった事態が起こりにくくなり、水の浸透を
促進させる作用が長期に亘って継続される。また、導水
筒体の筒壁が通水性を有するものである場合には、充填
材層が水の流下を妨げる作用を果たすので、その導水筒
体の筒壁を通して水を周囲の地層に浸透させることに役
立つ。
【0013】請求項5に記載した発明のように、上記導
水筒体の上端開口が、細粒固形物の通過を阻止する通水
性の面状フィルターで覆われていると、導水筒体の上端
開口からその導水筒体の内部通路に流入する水に混ざっ
ている土砂などの細粒固形物がその面状フィルターで取
り除かれて導水筒体の内部通路がその細粒固形物で詰ま
るおそれがなくなるので、長期に亘って水の浸透促進作
用が良好に維持されるようになる。
【0014】本発明では、請求項6に記載した発明のよ
うに、上記導水筒体が上記水滞留層の下方に存在する不
透水層を貫通してその導水筒体の下端開口がその不透水
層の下側の易透水層に臨んでいる、という構成を採用す
ることができる。
【0015】この発明によると、地表層を浸透して水滞
留層に流入した水の、その下側の地層への浸透が不透水
層によって阻害されるとしても、水滞留層の水は導水筒
体の内部通路を通って不透水層の下側の易透水層に導か
れてその易透水層に浸透する。そのため、水滞留層の下
側に不透水層が存在しているにもかかわらず、地表層を
浸透して水滞留層に流入した水の易透水層への浸透が促
進される。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る地表水の浸透
を促進させるための構造を原理的に記載した説明図であ
る。
【0017】図1において、1は地表層、2は水滞留
層、3は水滞留層2の下方の地層をそれぞれ示してい
る。地表層1はその全域に亘って水の通路となる細孔を
備えている。そのため、この地表層1は透水性を有して
いる。水滞留層2は地表層1の下側でこの地表層1を浸
透してきた水を受け入れて滞留させることのできる層で
あり、比較的大粒径の砕石や砂利などを敷き詰めること
によって形成される。水滞留層2の下方の地層3は透水
性を有している。4は導水筒体であり、その上端開口4
1が水滞留層2に臨み、その下端開口42が水滞留層2
の下方の地層3の所定深さのところに臨んでいる。
【0018】図2は本発明の実施の一形態を示す構造を
説明的に示した断面図、図3は図1のIII部拡大図、
図4は導水用筒体5の種々の変形例を示す説明図、図5
は地表層1に用いられるブロック材の一部破断斜視図で
ある。
【0019】図2に具体的に示したように、地表層1
は、上層11と下層13とにより形成されており、上層
11と下層13との間にクッション材層12を介在させ
ておいてもよい。
【0020】これらの各層11,12,13のうち、上
層11には透水性と共に良好な外観が要求される。この
ような上層11には、透水性を備えかつ所定の形状(た
とえば鏃形、菱形など)に成形されたコンクリートブロ
ック(不図示)を好適に採用することができ、そのよう
なコンクリートブロックを並べて敷設することにより形
成された上層11は、コンクリートブロック自体に透水
性が備わっていることに加えて、コンクリートブロック
同士のつなぎ目となる目地部分にも透水性を付与するこ
とができるので、その上層11がきわめて透水性に優れ
たものになる。また、コンクリートブロックを並べて敷
設することにより形成された上層11は、外観を良好に
仕上げることが可能であるので、都市公園や建物のエン
トランス、一般舗道などの景観を良好に保つ上でも有益
である。また、上層11は、図5に示したパネル状のブ
ロック材15を縦横に並べて敷設することによっても形
成することができる。このブロック材15は、多数の通
水孔を有する正方形の底板部の周辺部に方形環状に縁枠
部を立ち上げて作られた合成樹脂製の保形枠16に、粒
径が5mm前後の細粒径天然石といった固形物を、合成
樹脂(たとえばアクリル樹脂)をバインダーとして固め
て装填したものであり、それ自体が透水性に優れてい
る。なお、このようなブロック15を上層11に採用す
ると、図2に示したように上記縁枠部が目地17として
役立つ利点がある。
【0021】下層13は粗粒度アスファルトコンクリー
ト層である。この下層13も透水性を有している。クッ
ション材層12は、上層11と下層13との間に介在さ
れており、このクッション材層12も透水性に優れてい
る。また、クッション材層12によって上層11が安定
状態に保たれている。
【0022】地表層1の構成は図2について上述したも
のに限定されず、たとえば、透水性のコンクリートブロ
ックを敷き詰めた層の下方に砂層や砂利層を所定層厚に
敷き詰めたものであってもよい。また、地表層1に細砂
などの微細固形物が含まれる場合には、その地表層の最
下部全域に透水性のシートを敷設し、そのシートによっ
て微細固形物が後述する水滞留層2に流入することを防
止するようにしておいてもよい。
【0023】図2において、水滞留層2はクラッシャラ
ンであって、透水性に優れている。この水滞留層2で
は、砕石相互間の隙間が水溜め空間として活用されるも
のであり、固有の水溜め容量を有しており、その層厚が
薄いほど水溜め容量も少なくなる。
【0024】水滞留層2の下方の地層3は自然の地層で
あり、その地域の土質によって水はけのよい場合と水は
けのそれほどよくない場合があり、透水性がある場合で
あっても、その透水性は人工的に作った地表層1の透水
性よりは劣っていることが多い。また、この地層3が粘
土層などのような透水性の悪い所謂不透水層を含んでい
る場合もある。図例の地層3には、その所定深さのとこ
ろに粘土層などの不透水層32が存在し、その不透水層
32の下側の層が水はけのよい地層である易透水層33
となっており、その不透水層32の上側の地層が、ある
程度の透水性を有する地層34となっている。この地層
3の上面31は水平に仕上げられており、その上面31
に上記した水滞留層2の下面が重なっている。そして、
特定の地域ではこのような地層3が地表面から1〜2m
の深さのところに存在している場合がある。
【0025】図2に示した導水筒体4には外周直径が5
0mm程度の小口径の塩化ビニル樹脂管やポリエチレン
樹脂管などの樹脂管が用いられている。この導水筒体4
の上端開口41は水滞留層2に臨み、その下端開口42
が水滞留層2の下方の地層3、具体的には、不透水層3
2の下側の易透水層33に臨んでいる。導水筒体4は、
地表層1を形成してある範囲内において、所定の間隔H
(たとえば2m程度)にしておくことが望ましい)を隔
てた複数箇所に垂直に設けられており、その長さLは、
水滞留層2から不透水層32の下側の易透水層33まで
の深さを勘案して適切な長さに定められている。導水筒
体4の相互間隔Hやその下端開口42の深さは、不透水
層32の下側の易透水層33の水はけなどを考慮して定
められ、その易透水層33が良好な水はけ性(すなわち
高い透水性)を有している場合にはそれほど深くする必
要はなく、逆に易透水層33の水はけ性がそれほどよく
ない場合にはやゝ深めに定めておくことが望ましい。
【0026】この実施形態では、上記導水筒体4の上端
開口41の上にその上端開口41の大きさに比べてはる
かに大きな面状フィルター5を配設することによって、
その面状フィルター5で上記上端開口41を覆ってあ
る。この面状フィルター5には、細砂などの通過を阻止
し得る100メッシュ程度の大きさの編目を有するネッ
ト、織布、不織布などの透水性素材を用いることができ
る。この面状フィルター5はフィルターの役目をするも
ので、水滞留層2の砕石の重みや水滞留層2に滞留する
水の重みによって容易に崩壊するようなもの以外の素材
なら特に限定されない。
【0027】以上において、地表に降った雨水は地表層
1の上層11、クッション材層12、下層13をこの順
に浸透して水滞留層2に流入する。この場合、地表層1
に上述した透水性のシートを敷設されていると、そのシ
ートによって土砂などの微細固形物が取り除かれるので
水滞留層2の目詰まりが起こりにくくなり、水滞留層2
の最大水溜め容量が短期間で減少するといった事態が起
こらない。
【0028】地表層1は透水性に優れているので、余程
の集中豪雨でない限り、地表に降った雨水は地表に溜ま
る前に地表層1を浸透して水滞留層2に流入する。そし
て、水滞留層2に滞留する水の量が最大水溜め容量に達
するまでは、水滞留層2に水が溢れ出して地表に水が溜
まってしまうという状況は起こり得ない。しかも、水滞
留層2に流入した水はそこで滞留した後、または滞留せ
ずにそのまま水滞留層2の下側の地層34に浸透するの
みならず、導水筒体4の上端開口41からその導水筒体
4の内部通路に流入した後、その導水筒体4の内部通路
を通って不透水層3の下側の易透水層33に導かれ、そ
の下端開口42からその易透水層33に浸透する。この
ため、地表層1を浸透して水滞留層2に流入した水が、
その水滞留層2の下側の地層34に自然浸透するだけで
なく、多数の導水筒体4…により不透水層32の下側の
水はけのよい易透水層33に導かれてその易透水層33
に浸透するので、水滞留層2からの他の地層34,32
への水の排出量が多く確保されるようになり、地表層1
を浸透した水が水滞留層2に流入し続けてもその水滞留
層2に水が溢れ出すという事態が起こりにくく、その結
果、地表に水が溜まってしまうという状況が起こらなく
なる。
【0029】また、導水筒体4の上端開口41が面状フ
ィルター5で覆われているので、導水筒体4の上端開口
41からその導水筒体4の内部通路に流入する水に混ざ
っている土砂などの細粒固形物がその面状フィルター5
で取り除かれる。そのため、導水筒体4の内部通路がそ
の細粒固形物で詰まるおそれがなくなり、そのことが、
長期に亘る水の浸透促進作用を良好に維持することに役
立つ。
【0030】上記において、導水筒体4として、図2や
図4(a)に示した有孔管を用いることが望ましい。こ
の有孔管は、筒壁43に多数の通水孔44…を有してい
る。導水筒体4としてこのような有孔管を用いると、導
水筒体4の内部通路を流下する雨水の一部が、その筒壁
43の通水孔44…から出て周囲の地層34に浸透する
ようになるので浸透促進作用がいっそう顕著に発揮され
る。
【0031】また、図2や図3に示したように、導水筒
体4の内部通路に、砂や小石などの細粒固形物でなる充
填材層45を形成しておいてもよい。このような充填材
層45は透水性に優れており、しかも、その充填材層4
5によって、導水筒体4の筒壁43が内側から支えられ
るので、導水筒体4が土圧により押し潰されて内部通路
が塞がれたり、導水筒体4が土圧により折損したりする
といった事態が防止される。しかも、充填材層45によ
って複雑に曲がった水路(みずみち)が形成されるた
め、充填材層45を浸透しながら流下する水が上記通水
孔44を通して周囲の地層34に浸透しやすくなる。
【0032】導水筒体4には、丸パイプ状のもののほ
か、各種の形状のものを採用することが可能である。そ
れらを図4(b)〜(d)に例示してある。同図(b)
の導水用筒体4は矩形断面であり、その筒壁43に通水
孔44を有している。同図(c)の導水筒体4は周壁開
放型のものであって、筒壁43の周方向一箇所に縦に延
びる切欠孔46を有し、この切欠孔46が上記した通水
孔44と同等の作用を果たす。同図(d)の導水筒体4
は2つの内部通路を平行に有するダブル管型のものであ
り、その両側に上記(c)で説明したような切欠孔4
6,46を有している。なお、これらの各導水筒体4に
おいても、その内部通路に上記した充填材層45を形成
しておくことが可能である。
【0033】以上説明した地表水の浸透を促進するため
の構造を施工するときには、施工場所の地表面を所定深
さに掘り下げた後、地層3にその上方から掘削ドリルな
どの穿孔用機械を用いて導水筒体4を挿入し得るだけの
孔を穿設する。その後、穿設した孔に導水筒体4を挿入
し、その導水筒体4の周囲を埋め戻す。そして、地層3
の上面を水平に均してから、その上に水滞留層2や地表
層1を順に施工する。
【0034】このことから判るように、本発明に係る上
記構造を施工するに当たって、導水筒体4を地層中に垂
直に設置する作業は、直径が数十mm(50〜60m
m)程度の小さな孔を掘削するだけで済むので、施工コ
ストが安価に抑えられるという利点がある。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、地表に降った雨水を速
やかに地層に浸透させることができるようになるので、
雨水が地表に溜まって水溜まりを作ったり、大雨時に地
表が水浸しになったり、建物の浸水を生じるといったお
それが少なくなる。その上、地下水の減少や枯渇を生じ
にくくすることにも役立つので、都市の歩道や車道、駐
車場、その他の公共スペースなどに本発明を適用すると
きわめて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る地表水の浸透を促進させるための
構造を原理的に記載した説明図である。
【図2】本発明の実施の一形態を示す構造を説明的に示
した断面図である。
【図3】図2のIII部拡大図である。
【図4】(a)は丸パイプを用いた導水筒体の一部破断
平面図である。(b)は矩形断面の導水筒体の一部破断
平面図である。(c)は周壁開放型の導水筒体の平面図
である。(d)はダブル管型の導水筒体の平面図であ
る。
【図5】ブロック材の一部破断斜視図である。
【符号の説明】
1 地表層 2 水滞留層 3 水滞留層の下方の地層 4 導水筒体 5 面状フィルター 32 不透水層 33 易透水層 41 導水筒体の上端開口 42 導水筒体の下端開口 43 導水筒体の筒壁 45 充填材層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透水性を有する地表層と、この地表層の下
    側でこの地表層を浸透してきた水を受け入れて滞留させ
    ることのできる水滞留層と、この水滞留層に上端開口が
    臨みかつ上記水滞留層に滞留している水をその水滞留層
    の下方の地層の複数箇所に導いて浸透させるための下端
    開口の導水筒体と、を備えることを特徴とする地表水の
    浸透を促進するための構造。
  2. 【請求項2】上記水滞留層が砕石を敷き詰めてなる請求
    項1に記載した地表水の浸透を促進するための構造。
  3. 【請求項3】上記導水筒体の筒壁が通水性を有する請求
    項1または請求項2に記載した地表水の浸透を促進する
    ための構造。
  4. 【請求項4】上記導水筒体の内部通路に、その筒壁を内
    側から支える充填材層が装填され、装填された上記充填
    材層が通水性を有する請求項1、請求項2、請求項3の
    いずれかに記載した地表水の浸透を促進するための構
    造。
  5. 【請求項5】上記導水筒体の上端開口が、細粒固形物の
    通過を阻止する通水性の面状フィルターで覆われている
    請求項1、請求項2、請求項3、請求項4のいずれかに
    記載した地表水の浸透を促進するための構造。
  6. 【請求項6】上記導水筒体が上記水滞留層の下方に存在
    する不透水層を貫通してその導水筒体の下端開口がその
    不透水層の下側の易透水層に臨んでいる請求項1、請求
    項2、請求項3、請求項4、請求項5のいずれかに記載
    した地表水の浸透を促進するための構造。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012524190A (ja) * 2009-04-16 2012-10-11 ニエンチク,アンドリュー 地表水を地盤に注入する方法
JP2013204413A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Ohbayashi Corp バキュームディープウェルを用いた地下水位低下工法及びシステム
CN105569159A (zh) * 2015-12-14 2016-05-11 路金铭 一种渗水结构及方法
CN105839759A (zh) * 2016-05-17 2016-08-10 天津城建大学 适用于海绵城市建设的砂石渗井
CN106284615A (zh) * 2016-09-14 2017-01-04 天津城建大学 建筑垃圾作为内置材料的海绵城市雨水渗井及制作方法

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