JPS622997B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は印刷装置に係り、更に詳細には印刷用
版胴にクランプ式の原紙係止装置を有し、特に係
止端部に補強紙片を有していないヘツドレス印刷
用原紙を使用する印刷装置に係る。

輪転式印刷装置には、印刷用版胴の外周面に該
印刷用版胴の一つの母線に沿つて延在する係止面
部と、前記係止面部にばね力或いは磁気的吸着力
により押付けられるクランプ片とを有し、前記係
止面部と前記クランプ片との間に印刷用原紙の端
部を挟持するよう構成された原紙係止装置を有し
ているものがある。上述の如き原紙係止装置は印
刷用版胴の端部を係止面部とクランプ片とにより
挾むことにより印刷用原紙を印刷用版胴に対し係
止するから前記係止端部に係合孔及び補強紙片を
有していないヘツドレスの印刷用原紙を印刷用版
胴に良好に且確実に係止することができ、ヘツド
レスの印刷用原紙の使用を可能にする。

印刷用原紙は薄いものであり、特に感熱式の孔
版原紙は熱可塑性のプラスチツクフイルムと和紙
との重合体であるため雰囲気湿度の影響を受けて
非常に湾曲し易い。このためヘツドレスの印刷用
原紙は排版に際し、原紙係止装置が解放状態にな
つてその端部を原紙係止装置による係止状態から
解放されると、該端部に反り上つた大きい湾曲を
生じることがあり、この湾曲によつて印刷用版胴
の一方の側に設けられている原紙剥取り装置によ
る印刷用原紙の自動排版が円滑に行われなくなる
ことがある。また、新しい印刷用原紙を印刷用版
胴に取付ける着版時に於てもその印刷用原紙の端
部に湾曲が生じていると、該端部が原紙係止装置
によつて正しく確実に印刷用版胴に対し係止され
なくなる虞れがある。

本発明はヘツドレス印刷用原紙の端部に生じ易
い湾曲の発生を抑制し、排版及び着版が確実に正
しく行われるように改良された印刷装置を提供す
ることを目的としている。

かかる目的は、本発明によれば、印刷用版胴の
外周面に該印刷用版胴の一つの母線に沿つて延在
する係止面部と前記係止面部に押付けられるクラ
ンプ片とを含み、前記係止面部と前記クランプ片
との間に印刷用原紙の端部を挾持するよう構成さ
れた原紙係止装置を有し、印刷用版胴の一方の側
に前記印刷用版胴の外周面より印刷用原紙を剥取
る原紙剥取り装置が配設された印刷装置に於て、
前記原紙剥取り装置とは前記印刷用版胴を隔てて
反対の側に送風口を備え該送風口より排版着版位
置にある印刷用版胴の前記係止面部へ向けて風を
吹き付ける送風装置を有している印刷装置によつ
て達成される。

かかる構成によれば、送風装置が送風口より係
止面部へ向けて吹き付ける風の力により印刷用原
紙の端部が反り返り湾曲することが抑制され、こ
れにより排版及び着版が確実に正しく行われるよ
うになる。

以下に添付の図を参照して本発明を実施例につ
いて詳細に説明する。

第１図乃至第３図は本発明による印刷装置の要
部を示す斜視図である。これらの図に於て、１は
印刷用版胴を示しており、該印刷用版胴は図示さ
れていない支持装置により図示されていない機枠
より自身の中心軸線周りに回転可能に支持されて
おり、外周面に印刷用原紙Ｓを装着されるように
なつている。

印刷用版胴１の外周部の一部には平らな外面を
有するステージ部２が設けられており、該ステー
ジ部には印刷用版胴１の一つの母線に沿つて帯状
の磁石板３が埋め込み固定されている。磁石板３
は多極構造のゴム磁石の如く適度の弾性を備えた
永久磁石により構成されている。

ステージ部２には軸受ブラケツト４が設けられ
ており、該軸受ブラケツトにはクランプ片５の枢
軸部６が回動可能に係合している。枢軸部６はク
ランプ片５と一体に設けられ、軸受ブラケツト４
に係合して印刷用版胴１の一つの母線に平行な軸
線に沿つて延在している。クランプ片５は枢軸部
６により印刷用版胴１より枢支され、第１図に示
されている如く磁石板３より引き離されたアンク
ランプ位置と該アンクランプ位置よりほぼ180度
回動変位して磁石板３に磁気的に吸着されるクラ
ンプ位置との間に枢軸部６を中心として回動可能
になつている。

枢軸部６の一端部には歯車７が取付けられてお
り、該歯車７には印刷用版胴１が図示されている
如き排版着版位置にある時に図示されていない駆
動歯車が選択的に噛合し、クランプ片５を前記ア
ンクランプ位置と前記クランプ位置との間に回転
駆動するようになつている。

印刷用版胴１の一側方には排版着版位置にある
印刷用版胴の上述の如き原紙係止装置へ印刷用原
紙Ｓの端部を送り込むための案内通路８を郭定す
る上部案内板９と下部案内板１０とが上下に互い
に隔置して設けられている。上部案内板９上には
三個の送風フアン装置１１が印刷用版胴１の幅方
向に互いに隔置して設けられている。送風フアン
装置１１は、一方の側に送風口を有する電動式の
ものであり、後述の原紙剥取り装置１２とは印刷
用版胴１を隔てて反対の側に配設され、図示され
ている如き排版着版位置にある印刷用版胴１の磁
石板３の斜め上方より該磁石板へ向けて風を吹き
付けるようになつている。

印刷用版胴１の前記一側方とは反対の側には原
紙剥取り装置１２が設けられている。原紙剥取り
装置１２は図示されていない電動機によつて回転
駆動される剥取り歯車対１３、図示されていない
剥取り爪等を含むものであり、印刷用版胴１の外
周面に装着されている印刷用原紙Ｓを図示されて
いない剥取り爪によつて印刷用版胴１より剥取
り、これを剥取り歯車対１３によつて排版ボツク
ス１４内へ送り込むようになつている。尚、原紙
剥取り装置１２は本願出願人と同一の出願人によ
る実願昭54−179595号（実開昭56−95868号公
報）、実願昭54−179596号（実開昭56−95869号公
報）に於て既に提案されているものであり、該原
紙剥取り装置についてより詳細な説明が必要であ
るならば、これら出願の明細書及び図面を参照さ
れたい。

次に上述の如く構成された印刷装置の作用につ
いて説明する。

印刷用版胴１の印刷用原紙交換開始時、即ち排
版着版開始時には印刷用版胴１は図示されている
如き排版着版位置にあり、クランプ片５はクラン
プ位置にあつて磁石板３に磁気的に吸着され、使
用済の印刷用原紙Ｓの一端部を磁石板６と共働し
て挟み、これを印刷用版胴１に対し係止してい
る。

排版着版開始指令が図示されていない制御装置
に与えられると、送風フアン装置１１の各々に通
電が行われ、これら送風フアン装置は排版着版位
置にある印刷用版胴１の磁石板３の原紙剥取り装
置１２とは反対の側の斜め上方より該磁石板３へ
向けて風を吹き付ける。上述の如き送風状態下に
てクランプ片５が図示されていない駆動手段によ
つてクランプ位置より第１図に示されている如き
アンクランプ位置へ駆動され、使用済の印刷用原
紙Ｓの端部の係止が解放される。この時に磁石板
３の斜め上方より該磁石板へ向けて風が吹き付け
られていないと、前記印刷用原紙Ｓの前記端部は
第１図に於て仮想線で示されている如く反り返り
湾曲を生じるが、本考案による印刷装置に於て
は、上述の如く送風フアン装置１１により磁石板
３の原紙剥取り装置１２とは反対の側の斜め上方
より該磁石板へ向けて風が吹き付けられているか
ら、この風の力によつて該端部が磁石板３上に軽
く押付けられ、有害な反り返り湾曲の発生が回避
される。

上述の如く風の力により印刷用原紙の係止端部
の反り返り湾曲の発生が回避された状態にて印刷
用版胴１が図にて反時計廻り方向に回動すること
により前記係止端部が原紙剥取り装置１２の図示
されていない剥取り爪により印刷用版胴１より剥
取られ、第２図に示されている如くその係止端部
が剥取り歯車対１３に噛み込み、印刷用版胴１の
回転に伴い印刷用版胴１より剥取られつつ排版ボ
ツクス１４内に送り込まれる。

上述の如き排版は印刷用版胴１が一回転するこ
とにより完了し、該版胴１は再び前記排版着版位
置に停止し、次に新しい印刷用原紙Ｓを印刷用版
胴１に取付ける着版が開始される。この時にはク
ランプ片５は、第３図に示されている如く、磁石
板３に対し直角或いは45度程度の鋭角をなす回動
位置に移動し、この状態にて案内通路８を経て印
刷用原紙Ｓの端部が磁石板８とクランプ片５との
間に送り込まれる。この時にも送風フアン装置１
１が磁石板３へ向けて風を吹き付けていることに
より印刷用原紙Ｓの端部が上方に反り返ることな
く磁石板３上に軽く押付けられ、この状態にてク
ランプ片５が磁石板３に磁気的に吸着されるクラ
ンプ位置に位置することにより印刷用原紙Ｓの端
部の係止が正しく確実に行われる。上述の如き着
版が完了すると、送風フアン装置１１に対する通
電が停止され、送風フアン装置１１が停止する。

第４図は本発明による印刷装置の他の一つの実
施例をその要部について示す斜視図である。かか
る実施例に於ては、上部案内板９上にダクト１５
が設けられており、該ダクトには図示されていな
い空気ポンプの如き空気供給源より空気が圧送さ
れ、また該ダクトは排版着版位置にある印刷用版
胴１の磁石板３の斜め上方より該磁石板へ向けて
風を吹出す吹出口１６を有している。

かかる実施例に於ても、排版及び着版時には空
気吹出口１６より空気が原紙剥取り装置１２とは
反対の側より磁石板３へ向けて吹出ることより上
述した実施例と同様の効果が得られる。

尚、この実施例に於ては、上部案内板９の両側
部に各々印刷用版胴１へ向けて延在する抑え片１
７が設けられており、該抑え片１７によつて印刷
用原紙３の両側端の反り上り湾曲が防止されるよ
うになつている。

以上に於ては本発明を特定の実施例について詳
細に説明したが、本発明はこれらに限定されるも
のではなく、本発明の範囲内にて種々の実施例が
可能であることは当業者にとつて明らかであろ
う。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本発明による印刷装置の一
つの実施例をその要部について示す斜視図、第４
図は本発明による印刷装置の他の一つの実施例を
その要部について示す斜視図である。 １……印刷用版胴、２……ステージ部、３……
磁石板、４……軸受ブラケツト、５……クランプ
片、６……枢軸部、７……歯車、８……案内通
路、９……上部案内板、１０……下部案内板、１
１……送風フアン装置、１２……原紙剥取り装
置、１３……剥取り歯車対、１４……排版ボツク
ス、１５……ダクト、１６……空気吹出口、１７
……抑え片。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 印刷用版胴の外周面に該印刷用版胴の一つの
   母線に沿つて延在する係止面部と前記係止面部に
   押付けられるクランプ片とを含み、前記係止面部
   と前記クランプ片との間に印刷用原紙の端部を挾
   持するよう構成された原紙係止装置を有し、印刷
   用版胴の一方の側に前記印刷用版胴の外周面より
   印刷用原紙を剥取る原紙剥取り装置が配設された
   印刷装置に於て、前記原紙剥取り装置とは前記印
   刷用版胴を隔てて反対の側に送風口を備え該送風
   口より排版着版位置にある印刷用版胴の前記係止
   面部へ向けて風を吹き付ける送風装置を有してい
   る印刷装置。