JP2866065B2 - 印刷機に用いられる枚葉紙排紙装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、印刷機に用いられ
る枚葉紙排紙装置であって、チェーンコンベヤの下方に
枚葉紙走行方向に対して直交する方向で排紙積み紙の手
前に配置された、降ろしたい枚葉紙を制動しかつ該枚葉
紙に張りを付与するための装置が設けられている形式の
ものに関する。

【０００２】

【従来の技術】このような形式の装置は、ドイツ連邦共
和国特許第２８１１９６３号明細書に基づき公知であ
る。ニューマチック式に作用する枚葉紙制動装置は、枚
葉紙搬送方向に対して直交する方向で排紙積み紙の手前
に支持軸に沿って配置されている。この支持軸には、吸
込空気を供給される、回転する複数の制動ローラが着脱
可能に固定されている。これらの制動ローラはそれぞれ
別個の専用の駆動装置を有している。

【０００３】この公知の装置における欠点は、制動した
い枚葉紙が、回転する制動ローラの周面における線接触
に基づき、特に比較的高い排紙出力の場合にはそれぞれ
降ろしたい枚葉紙の不十分な減速しか生ぜしめないこと
にある。制動ローラの曲率に基づき、枚葉紙の後ろ側の
範囲は制動ローラと排紙積み紙との間で比較的長い区間
にわたって規定されずに搬送される。

【０００４】たとえばドイツ民主共和国特許第２８８５
６５号明細書に基づき、排紙機に設けられた、循環する
吸込ベルトを備えた枚葉紙制動装置が公知である。この
公知の吸込ベルトは枚葉紙の面接触を改善するが、しか
し吸込ベルトにはスリップ現象や延伸現象が生じてしま
う。このような欠点は吸込ベルトの早期摩耗を招いてし
まうので、吸込ベルトは頻繁に交換されなければならな
い。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、冒頭
で述べた形式の枚葉紙排紙装置を改良して、明らかに改
善された制動作用を有し、しかも枚葉紙の後ろ側の範囲
を、比較的長い区間にわたって排紙積み紙にまで確実に
案内するような枚葉紙排紙装置を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の構成では、降ろしたい枚葉紙を制動しかつ該
枚葉紙に張りを付与するための装置が、排紙機中心線に
対して対称的に配置され、かつ互いに逆向きに回転する
ように駆動可能な少なくとも２つの枚葉紙制動ユニット
によって形成されており、しかも各枚葉紙制動ユニット
が、ほぼ円錐台形の形状を有しており、該円錐台形の形
状の、制動作用を有する円錐面が、定置の軸を中心にし
て回転するように配置されていて、複数の開口を有して
おり、該開口が、半径方向の管路と、定置の軸の軸線に
沿って配置された通路と、吸込空気源とに連通されてい
るようにした。

【０００７】

【発明の効果】本発明によれば、枚葉紙の搬送方向に対
して直交する方向で、ニューマチック的に吸込空気を供
給される、回転駆動可能な枚葉紙制動ユニットが配置さ
れている。枚葉紙制動ユニットは水平方向の定置の軸を
中心にして回転するのではなく、鉛直線に対して規定の
角度で傾けられた定置の軸を中心にして回転する。各枚
葉紙制動ユニットはほぼ円錐台形の形状を有しており、
この円錐台形の円錐面で、循環する搬送システムから排
紙積み紙にグリッパ把持されて供給される枚葉紙を制動
し、さらに特に枚葉紙の後ろ側の部分に回転運動により
張りを付与する。

【０００８】本発明の利点は、枚葉紙の面接触による案
内が得られ、ひいては規定の制動が得られると同時に、
保守の手間も減じられる。本発明による枚葉紙制動ユニ
ットは全ての種類の被印刷材料のために適しており、そ
れと同時に次のような利点をも有している。すなわち、
枚葉紙端部に張りが付与され、場合によって生じる枚葉
紙端部の巻き込みやばたつきが阻止される。このこと
は、排紙機の搬送方向における仮想中心線に沿って枚葉
紙制動ユニットを分離することにより得られ、この場
合、少なくとも２つの枚葉紙制動ユニットの使用におい
て、互いに逆向きの回転方向が設定される。２つよりも
多い多数の枚葉紙制動ユニットが使用される場合には、
排紙機中心線に関して排紙機の一方の側に配置された枚
葉紙制動ユニットが、互いに同一の回転方向で逆時計回
りの方向に回転し、他方の側に配置された枚葉紙制動ユ
ニットが、互いに同一の回転方向で時計回りの方向に回
転するようになっており、ただし全ての枚葉紙制動ユニ
ットが、枚葉紙の後ろ側の範囲に張りを付与する目的
で、排紙機中心線から外方に向かって側方フレームの方
向に回転するようになっている。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面につき詳しく説明する。

【００１０】図４には、輪転印刷機の枚葉紙排紙機１が
図示されている。この枚葉紙排紙機１は循環するチェー
ンコンベヤ４を有している。このチェーンコンベヤ４は
グリッパシステム３と連結されている。このグリッパシ
ステム３は前置された印刷ユニットまたはニス引きユニ
ットから枚葉紙２を引き取って、枚葉紙走行方向９で排
紙積み紙５に供給する。枚葉紙２はこの場合、グリッパ
システム３によって、ニューマチック式に吹付空気また
は吸込空気を供給される案内装置８を介して搬送され
る。排紙積み紙５の上方には、吹付空気装置６が配置さ
れている。この吹付空気装置６は、到来する枚葉紙２を
チェーンコンベヤ４の平面から排紙積み紙５の方向へ降
ろすことを助成する。供給された枚葉紙２の下方では、
枚葉紙走行方向９に対して直交する方向で、降ろしたい
枚葉紙２を制動しかつこの枚葉紙２に張りを付与するた
めの装置が配置されている。この装置は図示の実施例で
は、図５に示したように配置された４つの枚葉紙制動ユ
ニット７から成っている。各枚葉紙制動ユニット７はほ
ぼ直円錐台形により形成され、この場合、その円錐面１
３が枚葉紙２を制動するために働く。円錐面１３は複数
の開口１９を有しており、これらの開口１９は孔として
形成されていると有利である。開口１９は円錐面１３全
体にわたって分配されて配置されていて、対応する管路
２０を有している。この管路２０は直円錐台形におい
て、定置の軸１５に対して半径方向に配置されている。
この定置の軸１５には通路２１が配置されており、この
通路２１は管路２０と、開口１９と、有利には外部の吸
込空気源とに連通されている。通路２１はこの場合、規
定された円セクタにおいてしか円錐面１３の開口１９と
管路２０とに吸込空気を供給しない。定置の軸１５の軸
線１５′は枚葉紙走行方向９に対して直交する方向で、
鉛直線１７に対して角度αで傾けられて配置されてい
る。これによって、円錐面１３の一部だけが枚葉紙２と
接触するようになる。この部分は吸込空気を供給するた
めの円セクタに対応していて、制動範囲２２を形成して
いる。この制動範囲２２は吸込長さ１１と吸込幅１８と
によって規定されている。特に両面印刷を施された枚葉
紙２の排紙時では、吸込幅１８は小幅に形成されてい
る。枚葉紙制動ユニット７は少なくとも１つの横桁に沿
って枚葉紙走行方向９に対して直交する方向で、無印刷
の個所にまで移動可能である。

【００１１】本発明の改良形では、定置の軸１５の軸線
１５′が付加的に枚葉紙走行方向９で鉛直線１７に対し
て角度βで排紙積み紙５の方向に傾けられている。これ
によって、枚葉紙の後端部は一層好都合に排紙積み紙５
上に降下させられる。

【００１２】図５に示した平面図から判るように、排紙
機中心線１４に関して第１の半部（図面で見て左側の半
部）には２つの枚葉紙制動ユニット７が配置されてお
り、両枚葉紙制動ユニット７は互いに同じ向きで回転方
向１０（逆時計回りの方向）で回転する。第２の半部
（図面で見て右側の半部）には、別の２つの枚葉紙制動
ユニット７が配置されている。両枚葉紙制動ユニット７
はやはり互いに同じ向きで回転方向１６（時計回りの方
向）で回転する。これによって、全ての枚葉紙制動ユニ
ット７は排紙機中心線１４から外方に向かって側方フレ
ームの方向に回転する。これらの枚葉紙制動ユニット７
は駆動装置１２を有している。この駆動装置１２は個別
駆動装置として形成されているか、または全ての枚葉紙
制動ユニットのための共通の駆動装置として形成されて
いてもよい。駆動装置１２は図示の実施例では、円錐面
１３の下方に作用する。

【００１３】作用形式は以下の通りである。

【００１４】グリッパシステム３によって枚葉紙２は排
紙積み紙５に供給され、この場所に降ろされる。搬送時
に各枚葉紙２の後ろ側の範囲は枚葉紙制動ユニット７を
介して案内される。このとき、枚葉紙２は円錐面１３に
設けられた開口１９によって吸い込まれて、回転運動に
よってこの枚葉紙２に張りが付与される。グリッパシス
テム３の開放後に、枚葉紙２の速度は制動されて、この
枚葉紙２は排紙積み紙５の前縁ストッパにまで搬送され
る。枚葉紙制動ユニット７の回転運動はこのとき、枚葉
紙２をその搬送路から排紙積み紙５にまでアシストす
る。枚葉紙制動ユニット７の、ニューマチック的に吸込
空気を供給される円セクタの自由な設定に基づき、排紙
積み紙５と制動範囲２２との間の差が極めて小さくなる
ように吸込長さ１１を形成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施例による枚葉紙制動ユニットの
平面図である。

【図２】図１に示した枚葉紙制動ユニットを枚葉紙走行
方向で見た正面図である。

【図３】図１に示した枚葉紙制動ユニットの側面図であ
る。

【図４】枚葉紙排紙機の全体図である。

【図５】４つの枚葉紙制動ユニットの平面図である。

【符号の説明】

１ 枚葉紙排紙機、 ２ 枚葉紙、 ３ グリッパシス
テム、 ４ チェーンコンベヤ、 ５ 排紙積み紙、
６ 吹付空気装置、 ７ 枚葉紙制動ユニット、 ８
案内装置、 ９ 枚葉紙走行方向、 １０ 回転方向、
１１ 吸込長さ、 １２ 駆動装置、 １３ 円錐
面、 １４ 排紙機中心線、 １５ 定置の軸、 １
５′ 軸線、 １６ 回転方向、 １７ 鉛直線、 １
８ 吸込幅、１９ 開口、 ２０ 管路、 ２１ 通
路、 ２２ 制動範囲、 α，β 角度

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B65H 29/24 B65H 29/68

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷機に用いられる枚葉紙排紙装置であ
   って、チェーンコンベヤの下方に枚葉紙走行方向に対し
   て直交する方向で排紙積み紙の手前に配置された、降ろ
   したい枚葉紙を制動しかつ該枚葉紙に張りを付与するた
   めの装置が設けられている形式のものにおいて、降ろし
   たい枚葉紙を制動しかつ該枚葉紙に張りを付与するため
   の装置が、排紙機中心線（１４）に対して対称的に配置
   され、かつ互いに逆向きに回転するように駆動可能な少
   なくとも２つの枚葉紙制動ユニット（７）によって形成
   されており、しかも各枚葉紙制動ユニット（７）が、ほ
   ぼ円錐台形の形状を有しており、該円錐台形の形状の、
   制動作用を有する円錐面（１３）が、定置の軸（１５）
   を中心にして回転するように配置されていて、複数の開
   口（１９）を有しており、該開口（１９）が、半径方向
   の管路（２０）と、定置の軸（１５）の軸線（１５′）
   に沿って配置された通路（２１）と、吸込空気源とに連
   通されていることを特徴とする、印刷機に用いられる枚
   葉紙排紙装置。
2. 【請求項２】 前記通路（２１）と前記管路（２０）と
   を介して、前記開口（１９）に、前記円錐面（１３）の
   規定の円セクタで吸込空気が供給可能である、請求項１
   記載の枚葉紙排紙装置。
3. 【請求項３】 前記定置の軸（１５）の軸線（１５′）
   が、鉛直線（１７）に対して、枚葉紙走行方向（９）に
   対して直交する方向で所定の角度（α）で傾けられてい
   る、請求項１記載の枚葉紙排紙装置。
4. 【請求項４】 前記定置の軸（１５）の軸線（１５′）
   が、鉛直線（１７）に対して、枚葉紙走行方向（９）で
   所定の角度（β）で排紙積み紙（５）に向かって傾けら
   れている、請求項１または３記載の枚葉紙排紙装置。
5. 【請求項５】 前記枚葉紙制動ユニット（７）が、直円
   錐台形の形状を有している、請求項１から４までのいず
   れか１項記載の枚葉紙排紙装置。
6. 【請求項６】 枚葉紙走行方向（９）に対して直交する
   方向で２つよりも多い枚葉紙制動ユニット（７）が配置
   されており、しかも排紙機中心線（１４）に 関して排紙
   機（１）の一方の半部に設けられた枚葉紙制動ユニット
   （７）が、互いに同一の回転方向（１０）で逆時計回り
   の方向に回転し、他方の半部に設けられた枚葉紙制動ユ
   ニット（７）が、互いに同一の回転方向（１６）で時計
   回りの方向に回転するようになっており、ただし全ての
   枚葉紙制動ユニット（７）が、枚葉紙の後ろ側の範囲に
   張りを付与する目的で、排紙機中心線（１４）から外方
   に向かって側方フレームの方向に回転するようになって
   いる、請求項１記載の枚葉紙排紙装置。