JP2628647B2 - 孔版印刷機の原紙係止装置 - Google Patents

孔版印刷機の原紙係止装置

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JP2628647B2 JP62142933A JP14293387A JP2628647B2 JP 2628647 B2 JP2628647 B2 JP 2628647B2 JP 62142933 A JP62142933 A JP 62142933A JP 14293387 A JP14293387 A JP 14293387A JP 2628647 B2 JP2628647 B2 JP 2628647B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は孔版印刷機の原紙係止装置に係り、特に、回
転する印刷用版胴の外周面に固定クランプ面と可動クラ
ンプ片とを有してこれらの間に原紙の一端を挾持する原
紙係止装置に関するものである。
【従来技術】
一般に輸転式の孔版印刷機では、回転するドラム状の
版胴の外周面に原紙が張り付けられて版面が形成され
る。この原紙はその一端が版胴の外周面上に固定され、
版胴の外周面にはそのための構成として原紙係止部が形
成されている。 本発明に最も近い従来技術の一つとして、この原紙係
止部を構成する原紙係止装置には、実開昭61−93241号
公報または実開昭61−31830号公報に記載されたクラン
プ式のものが知られている。これらのクランプ式原紙係
止装置は、ドラム状版胴の外周面にその軸方向へ沿って
固定クランプ面が延在しており、さらにこの固定クラン
プ面との間に原紙の一端を挾持すべく開閉する可動クラ
ンプ片が、この固定クランプ面に対向して形成されてい
る。また、いずれの原紙係止装置にあっても、可動クラ
ンプ片の先端部が版胴の回転方向に関しては追従側に位
置しており、一方、可動クランプ片の揺動中心となる軸
支部が版胴の回転方向の先行側に位置している。したが
って、版胴の外周面に原紙を張り付ける操作の際には、
この原紙係止装置に原紙の一端が挾持された状態で版胴
が回転し、その回転方向前方にすなわち先行方向に原紙
係止装置が位置し、その後方に原紙が追従するかたちで
版胴の外周面に順次張り付いて行く。
【発明が解決しようとする問題点】
ところで、輸転式の孔版印刷機で印刷を行なう場合に
は、版面と印刷面との間に摩擦力が作用し、この摩擦力
のために原紙が版胴の外周面に張り付けられた状態で回
転方向後方へ引っ張られる。また、原紙を版胴の外周面
に張り付ける際には、原紙に皺が寄ったりしないよう
に、原紙を後方へ引っ張りながら版胴を回転させる。原
紙は、この引張力のために版胴の外周面上で「位置ず
れ」を起こしたり、極端な場合にはその被挾持部が原紙
係止装置から外れてしまう恐れもある。 従来のクランプ式原紙係止装置では、可動クランプ片
が版胴の回転方向追従側すなわち後方に向かって開閉す
る構造であり、原紙が「位置ずれ」を生じたりクランプ
部から脱落を生じたりする原因となる方向への引張力に
対して、これに対向する力を生じにくい構造である。 本発明は上述のごとき問題点に鑑み、これらを有効に
解決すべく創案されたものである。したがってその目的
は、原紙を確実に挾持でき、原紙の「位置ずれ」やクラ
ンプ部からの脱落を防止できる孔版印刷機の原紙係止装
置を提供することにある。
【問題点を解決するための手段】
本発明に係る印刷機の原紙係止装置は、従来技術の問
題点を解決し、目的を達成するために以下のような構成
を備えている。 すなわち、ドラム状の印刷用版胴の外周面上に該版胴
の軸方向に沿って延在する固定クランプ面と、前記固定
クランプ面に押し付けられるべく、該固定クランプ面に
対向し、且つ前記版胴の軸方向に沿う揺動軸を有して該
揺動軸の回りに揺動可能な可動クランプ片とを有し、前
記可動クランプ片の揺動先端側端部が前記版胴の回転方
向先行側に、前記揺動軸が前記版胴の回転方向追従側に
それぞれ位置させられ、前記版胴への給版に際して、一
端を前記可動クランプ片と固定クランプ面の間に挟持さ
れた原紙が、該版胴の回転に伴って、該可動クランプ片
の背面側に重なるように反転させられ、且つ、該原紙が
前記揺動軸の最も近傍を通過する経路が、該揺動軸に対
して前記版胴の径方向内方を通過するように構成されて
いる。 なお、固定クランプ面は、可動クランプ片が揺動可能
であることに対比させれば固定的であるが、版胴に対す
る取付状態は堅固に固定される必要はなく、多少の「ガ
タツキ」は許容される。
【作用】
本発明に係る印刷機の原紙係止装置によれば、原紙が
供給されて版胴の外周面に張り付られる場合、原紙が可
動クランプ片と固定クランプ面の間に挾持される部分を
先頭にして版胴の回転方向に対向する方向へ送られる。
可動クランプ片は版胴の回転方向へ臨んでその先端部が
開放される。送られた原紙の先端部は開放された可動ク
ランプ片と固定クランプ面との間に挿入される。原紙の
先端部が挿入されると可動クランプ片は閉じられ、版胴
はさらに回転する。この状態で版胴の回転が進行する
と、原紙は可動クランプ片の先端部に沿って折り返され
るように反転し、さらに可動クランプ片の上端面を越え
て版胴の回転方向後方へ至り、版胴の外周面上に張り付
けられる。原紙にはこれを版胴の回転方向後方へ引っ張
ろうとする引張力が作用するが、この引張力の大部分は
反転して折り返された部分で可動クランプ片に作用し、
可動クランプ片と固定クランプ面の間に挾持された原紙
の一端部をそこから引き抜こうとする力としては非常に
小さい力に減衰される。可動クランプ片の先端部で反転
した原紙が通過する経路が可動クランプ片の揺動軸より
も内側すなわち版胴の径方内方向を通過するので、原紙
を回転方向後方へ引っ張る力は、揺動軸を中心として可
動クランプ片を固定クランプ面に押し付ける方向のモー
メントを生じる。このモーメントは原紙の幅寸法の全域
で均等に作用する。また、この引っ張る力が強いほど大
きなモーメントが生じ、原紙は可動クランプ片と固定ク
ランプ面の間に確実に挾持される。
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば次の
ごとき優れた効果が発揮される。すなわち、簡単な構造
にして原紙を確実に挾持できる。
【実施例】
以下に本発明の好適一実施例について第1図ないし第
8図を参照して説明する。 第1図は本発明に係る孔版印刷機の原紙係止装置が採
用された版胴を示す斜視図である。図における版胴1の
回転方向は矢印Rの方向である。版胴1の両端の周縁部
には、土手状に径方向外方へ突出する凸条部2が形成さ
れている。原紙係止装置としてのクランプ部3の主要構
成部は固定クランプ面としてのクランプ台5と可動クラ
ンプ片としてのクランプ板4である。クランプ部3の開
閉動作は、クランプ板4が揺動してクランプ台5に係脱
するこにより行なわれるが、その開閉する部分は版胴1
の回転方向前方に臨んでいる。すなわち、閉じられたク
ランプ板4の先端側端部19は、版胴1の回転方向先行側
に位置している。 クランプ台5は、鋼板等の磁性材により形成された略
短冊形の薄板を、版胴1の外周面に沿わせるべく屈曲さ
れて形成されており、凸条部2間の版胴1の外周面上に
その軸方向に沿って延在すべく固着されている。クラン
プ板4は、その両端部が揺動軸6を介して凸条部2の外
周面上に軸支されている。クランプ板4の形状は、短冊
形の一方の長辺に沿う箇所の中央部分が、原紙の幅寸法
よりも若干長く切り欠かれた切り欠き部7を有してお
り、前記揺動軸6はこの切り欠き部7を含んだ長辺に沿
う位置の両端に長手方向へ突設されている。この揺動軸
6にはクランプ板4を開方向へ付勢する捩りばね8が設
けられている。一方、クランプ板4のクランプ台5側に
臨む面にはゴム磁石板9が貼設されている。捩りばね8
の弾発力は極めて弱く、クランプ板4のゴム磁石板9が
クランプ台5に吸着する力を阻止することはできない。
したがって、捩りばね8の弾発力は、閉状態から開状態
とするためには殆ど関与せず、後述する排版操作の際に
作用するものである。クランプ板4の開閉動作を駆動す
る手段としては、揺動軸6の一端にレバー部材11が固着
されており、レバー部材11の先端部に把手状のピン部12
が突設されている。一方、印刷機本体のフレーム等の固
定部10には、レバー部材11のピン部12に係合してこれを
回動させるアーム部材13が軸支されている。クランプ板
4は、このアーム部材13とレバー部材11とによってその
開閉動作が操作される。 第2図および第3図はそれぞれ版胴に取り付けられた
本発明の原紙係止装置と給版ローラおよび排版ローラと
の関係を表す模式図である。版胴1の回転方向は矢印R
の方向である。15は給版ローラ、14′,14″は排版ロー
ラである。給版操作が行なわれる位置は第2図における
A位置であり、排版操作が行なわれる位置はB位置であ
る。したがって、上述のクランプ板4の開閉動作を操作
するアーム部材13は、A位置およびB位置の2箇所に設
けられている。 まず給版操作について説明する。版胴1が回転してク
ランプ部3がA位置に至るとここでクランプ部3は開か
れ、給版ローラ15から原紙16が送り出されてクランプ板
4とクランプ台5との間に挿入される。原紙16が挿入さ
れると第3図に示すように、再びクランプ部3が閉じら
れてクランプ板4とクランプ台5の間に原紙が挾持され
る。この状態からさらに版胴1の回転が進行し、原紙16
はクランプ板4の先端部に沿って折り返されるように反
転し、さらにクランプ板4の上端面を越えて版胴1の外
周面上に貼り付けられる。第4図は原紙がクランプ部に
係止された状態を拡大して示す模式図である。以下に第
4図を参照して原紙16およびクランプ部3に作用する各
力の状態を詳述する。クランプ板4のゴム磁石板9とク
ランプ台5の間では、原紙16を挾持した状態で磁力によ
る吸着力が生じている。原紙16はゴム磁石板9の先端角
部の点P1で屈曲され、さらにクランプ板4の先端角部の
点P2で屈曲されてクランプ板4の上端面に沿って回転方
向(版胴1の)後方へ延び、切り欠き部7の角部の点P3
でさらに屈曲される。点P3を通過した原紙16は、さらに
回転方向後方へ延びて版胴1の外周面に張り付けられる
が、揺動軸6の中心Pcよりも内側すなわち版胴1の径方
向内方を通過する。したがって、原紙16を回転方向後方
へ引っ張る引張力Fは、揺動軸6の中心Pcの回りにクラ
ンプ板4をクランプ台5に押し付ける方向のモーメント
を生じる。しかもこのモーメントは原紙16の幅寸法の全
域で均等に作用する。さらに、この引張力Fが強いほど
大きなモーメントが生じ、原紙16はクランプ板4とクラ
ンプ台5の間に確実に挾持される。また引張力Fは、原
紙16が点P1,P2,P3で屈曲されることによって夫々の屈曲
点でのクランプ板4の角部に作用し、クランプ板4とク
ランプ台5の間に挾持されている部分には、これを引き
抜こうとする力は殆ど作用しない。 次に排版操作について説明する。版胴1が回転してク
ランプ部3が第2図のB位置に至ると、ここでクランプ
部3はレバー部材(図示せず)およびアーム部材(図示
せず)によって開かれる。排版ローラ14′,14″はクラ
ンプ部3のB位置に対応し、B位置のクランプ部3がク
ランプ板4を揺動させるとき、クランプ板4の上端面
(背面)が排版ローラ14′,14″の下側ローラ14′に当
接し且つ上側ローラ14″には当接しないように、それぞ
れのローラ14′,14″がクランプ板4の揺動半径の内外
に配置されている。第5図(1)から第5図(5)まで
は排版操作におけるクランプ板4、原紙16、排版ローラ
14′,14″および版胴1のそれぞれの一連動作を示す模
式図である。クランプ板4はB位置で開放側へ揺動し、
その上端面(背面)に原紙16を重ねたまま原紙16ととも
に排版ローラ14′,14″の下側ローラ14′に押圧され
る。この押圧力はさほど大きなものではなく、上述した
揺動軸6に取り付けられた捩りばね8の弾発付勢力によ
るものである。したがって、クランプ板4を揺動させる
アーム部材13とレバー部材11との係合には「遊び」があ
り、クランプ板4が下側ローラ14′に当接している状態
ではこの「遊び」があるために捩りばね8の弾発付勢力
が作用し、クランプ板4を下側ローラ14′に押圧する。
クランプ板4が下側ローラ14′に押圧された状態では、
クランプ板4の背面側で原紙16に弛みが生じるので、下
側ローラ14′が原紙16を巻き込もうとする方向の力(回
転力)に対して殆ど無抵抗に追従して上側ローラ14″お
よび下側ローラ14′の間に巻き込まれる。原紙16が完全
に両ローラ14′,14″間に挾持されるとクランプ板4は
再び閉じられ、原紙16はクランプ部3から離脱する。最
終的には版胴1が回転するとともに排版ローラ14′,1
4″も回転して原紙16が排出される。 ここで、クランプ板4が下側ローラ14′に押圧された
とき、クランプ板4の背面側で原紙16が弛むことが、上
側ローラ14″および下側ローラ14′間に確実に原紙16を
巻き込むために必要な条件となる。この原紙16を確実に
弛ませるための手段として幾つかの例を示す。第6図で
は、クランプ板4が下側ローラ14′に押圧されたとき、
下側ローラ14′が巻き込み回転方向と逆方向の回転を僅
かに行うことによって原紙16を弛ませる。第7図では、
クランプ板4のゴム磁石板9に針17を取り付け、この針
17に原紙16を刺し込ませることによってクランプ板4の
揺動に原紙16を確実に追従させることによって原紙16を
弛ませる。第8図では、排版位置でクランプ板4が開方
向へ揺動するするとき、クランプ板4の背面側で原紙16
に係合してその弛みを確保する棒部材18を揺動軸6と略
平行に設置されている。この棒部材18は、クランプ板4
と下側ローラ14′の間の押圧力よりも十分に弱い付勢力
で矢印T方向へ付勢されており、この付勢力に対して負
荷の無い状態すなわち原紙16に引っ張り応力が作用して
いない状態では原紙16に弛みを生ずる位置を確保してい
る。また、排版ローラ14′,14″が原紙16をこれらの間
に巻き込もうとするときには、この棒部材18は原紙16に
作用する引張力に従って下側ローラ14′側へ移動し、棒
部材18が巻き込み力に抵抗するような力を生じることは
殆どない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る孔版印刷機の原紙係止装置が採用
された版胴を示す斜視図、第2図および第3図はそれぞ
れ版胴に取り付けられた本発明の原紙係止装置と給版ロ
ーラおよび排版ローラとの関係を表す模式図、第4図は
原紙がクランプ部に係止された状態を拡大して示す模式
図、第5図は排版操作におけるクランプ板、原紙、排版
ローラおよび版胴のそれぞれの一連動作を示す模式図、
第6図ないし第8図はそれぞれ排版操作において原紙を
弛ませるための手段の変形例を示す模式図である。 1……版胴、2……凸条部、3……クランプ部、4……
可動クランプ片としてのクランプ板、5……固定クラン
プ面としてのクランプ台、6……揺動軸、7……切り欠
き部、8……捩りばね、9……ゴム磁石板、10……固定
部、11……レバー部材、12……ピン部、13……アーム部
材、14′……排版ローラの下側ローラ、14″……排版ロ
ーラの上側ローラ、15……給版ローラ、16……原紙、17
……針、18……棒部材、19……クランプ板の先端側端部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ドラム状の印刷用版胴(1)の外周面上に
    該版胴(1)の軸方向に沿って延在する固定クランプ面
    (5)と、 前記固定クランプ面(5)に押し付けられるべく、該固
    定クランプ面(5)に対向し、且つ前記版胴(1)の軸
    方向に沿う揺動軸(6)を有して該揺動軸(6)の回り
    に揺動可能な可動クランプ片(4)とを有し、 前記可動クランプ片(4)の揺動先端側端部(19)が前
    記版胴(1)の回転方向先行側に、前記揺動軸(6)が
    前記版胴(1)の回転方向追従側にそれぞれ位置させら
    れ、 前記版胴(1)への給版に際して、一端を前記可動クラ
    ンプ片(4)と固定クランプ面(5)の間に挟持された
    原紙(16)が、該版胴(1)の回転に伴って、該可動ク
    ランプ片(4)の背面側に重なるように反転させられ、
    且つ、該原紙(16)が前記揺動軸(6)の最も近傍を通
    過する経路が、該揺動軸(6)に対して前記版胴(1)
    の径方向内方を通過するように構成されたことを特徴と
    する孔版印刷機の原紙係止装置。
JP62142933A 1987-06-08 1987-06-08 孔版印刷機の原紙係止装置 Expired - Fee Related JP2628647B2 (ja)

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DE3920730A1 (de) * 1989-06-24 1991-01-10 Heidelberger Druckmasch Ag Vorrichtung zur bogenglaettung am druckzylinder in einer bogenrotationsdruckmaschine
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