JPS6228537Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コンバインなどの農業機械やバツク
ホウなどの建設機械に装備されるもので、クロー
ラの外周面において周方向に適当間隔をもつてラ
グを突設してあるクローラ走行装置に関する。

上記クローラ走行装置は、湿田等の軟弱地での
走行時、ラグを地中に入り込ませ、土壌の耐剪断
力でもつて推進力を得るようにしたものである
が、特に軟質な土壌であつては、ラグ間に泥土が
入り込んだまま持ち回されて、いわゆるスリツプ
現象を生じ、十分な推進力が得られず、その対策
として従来一般に、クローラの外周面に補助ラグ
をボルトによつて着脱自在に取付けていたもので
あるが、左右クローラ夫々に対して多数個の補助
ラグを着脱するとなると、そのボルトの操作だけ
でも多大な労力を要するものであつた。

本考案は、上記実情に鑑みてなされたもので、
軟弱地での推進力を向上させるための補助ラグの
着脱操作を容易迅速に行えるようにすることを目
的とする。

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図に示すように、トラツクフレーム１の長
手方向一端側に駆動スプロケツト２を、他端側に
クローラ緊張用転輪３を夫々設け、両転輪２，３
間に複数個の案内輪体４を設けると共に、これら
転輪２，３，４に亘つてゴム等の弾性体からなる
クローラ５を巻回して、クローラ走行装置を構成
してある。

前記クローラ５を構成するに、ゴム等の弾性体
からなるクローラ本体６の外周面に、周方向に適
当間隔をもつてラグ７を一体に突設すると共に、
ラグ７の突設相当箇所のクローラ本体６内に、前
記転輪３，４に対する外れ止め用の突起８ａを備
えた芯金８を埋設し、そして前記ラグ７間で、か
つクローラ本体６の横幅中央位置夫々に、前記駆
動スプロケツト２に対する係合孔６ａを形成して
ある。

第２図乃至第４図に示すように、前記ラグ７の
長手方向に左右適当間隔をもつてラグの前後面に
亘る切欠き溝７ａを形成すると共に、一端を前記
芯金８から延設のブラケツト８ｂに連結した左右
一対の条体９を前記切欠き溝７ａに係入した状態
でクローラ５の外周面に巻回し、他端をターンパ
クル等の伸縮機構１０を介して前記ブラケツト８
ｂに連結して、条体９をクローラ５の横方向への
位置決めと、周方向への移動を阻止すべく構成し
てある。尚、前記条体９としてはワイヤロープや
チエーン等の引張強度の大きいものを用いる。

前記クローラ幅と同幅あるいはほぼ同幅に構成
した金属製の補助ラグ１１に、前記切欠き溝７ａ
の左右間隔より小間隔で一対の係合部１２を取付
け、この補助ラグ１１を前記条体９に、前記ラグ
７ピツチよりも大なるピツチで係合連結すると共
に、前記係合部１２の両側に位置する条体９に、
走行に伴う推進反力によつて補助ラグ１１がクロ
ーラ周方向に移動するのを阻止すべくストツパー
１３を取付けてある。

尚、第５図及び第６図に示すように、補助ラグ
１１に形成の係合部１２の左右間隔を切欠き溝７
ａの左右間隔よりも大きくすると共に、隣接する
ラグ７に接当してクローラ周方向への移動を阻止
するストツパー１３を前記補助ラグ１１に一体連
設するもよい。

また、本考案は、ゴムクローラに限らず、金属
クローラに通用できる。

実施例では補助ラグ９を本来のラグ７と略同幅
で且つこれより高いものに構成したが、補助ラグ
９を本来のラグ７と略同高さで且つこれより横幅
の大きいものにして、クローラ本体６の一側縁も
しくは両側縁から突出させて用いるもよい。

以上要するに、本考案によるクローラ走行装置
は、周方向に適当間隔をもつて突設してあるラグ
７の左右位置にラグ７の前後面に亘る切欠き溝７
ａを形成し、前記切欠き溝７ａの夫々に条体９を
係入させてクローラ５の外周面に巻回装着し、適
当横幅をもつた補助ラグ１１を、これの左右に形
成した係合部１２を介して前記条体９に係合連結
してあることを特徴とする。

即ち、スリツプ現象を抑制し推進力の向上を図
るための補助ラグ１１を直接クローラ外周面にボ
ルトで取付けるのではなく、ラグ７に形成した切
欠き溝７ａに係入されて横方向位置が固定される
状態で巻回装着された条体９に対して係合連結す
るものであるから、その着脱操作においては冒記
したようなボルト操作に比べ、極めて容易に、か
つ迅速に行えるようになり、全体として操作面、
構造面、共に優れたものとなつた。

その上、ラグ７に形成した切欠き溝７ａに条体
９を係入して横方向位置を固定するので、軟質地
走行時にラグが硬盤上に乗つても条体９が硬盤と
接触しにくく、損傷を受けにくいので、耐久性を
高めることができる。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るクローラ走行装置の実施例
を示し、第１図は全体側面図、第２図は要部平面
図、第３図は第２図の−線断面図、第４図は
要部断面図、第５図は変形構造を示す要部平面
図、第６図は第５図の−線断面図である。 ５…クローラ、７…ラグ、７ａ…切欠き溝、９
…条体、１１…補助ラグ、１２…係合部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 周方向に適当間隔をもつて突設してあるラグ
   ７の左右位置にラグ７の前後面に亘る切欠き溝
   ７ａを形成し、前記切欠き溝７ａの夫々に条体
   ９を係入させてクローラ５の外周面に巻回装着
   し、適当横幅をもつた補助ラグ１１を、これの
   左右に形成した係合部１２を介して前記条体９
   に係合連結してあるクローラ走行装置。 ２ 前記切欠き溝７ａの左右間隔と前記係合部１
   ２の左右間隔とを互いに異ならせてある実用新
   案登録請求の範囲第１項に記載のクローラ走行
   装置。 ３ 前記条体９をクローラ５に対して周方向に相
   対移動不能に巻回してある実用新案登録請求の
   範囲第１項又は第２項に記載のクローラ走行装
   置。 ４ 前記補助ラグ１１を条体９に対して周方向に
   位置固定状態で係合連結させてある実用新案登
   録請求の範囲第１項乃至第３項のいづれかに記
   載のクローラ走行装置。 ５ 前記補助ラグ１１をラグ７に接当させてクロ
   ーラ５に対する周方向への移動を阻止してある
   実用新案登録請求の範囲第１項乃至第４項のい
   づれかに記載のクローラ走行装置。