JPS6317747Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、樹脂製クローラベルトにその長手方
向での所定間隔おきに硬質芯材を埋設し、その硬
質芯材に左右一対の転輪を案内するガイド突起を
一体形成するとともに、前記硬質芯材の埋設箇所
でクローラベルトの外周面には、前記硬質芯材の
埋設間隔とほぼ等ピツチで推進ラグを形成してい
るクローラ走行装置のクローラ構造に関する。

従来のクローラ構造では、全ての推進ラグの横
幅がほぼ等しい大きさに形成されていた。そのた
めに、推進ラグの形成間隔が広いと、路上走行に
際しての車体振動が激しく、逆に間隔が狭いと、
路上走行に際しての車体振動は緩和できるもの
の、軟弱地での走行に際して隣り合うラグ間に入
り込んだ地中部分が他の部分と剪断されやすく、
それに伴つてスリツプを生じやすかつたり、ラグ
間から泥土が排除されにくくて入り込んだままで
固化する等、推進性能が低い問題があつた。

本考案は、この様な問題点を解決しようとする
もので、路上走行に際しての車体振動の緩和を良
好に図れながらも推進性能を向上できるようにす
ると共に、横スベリを抑制できるクローラ走行装
置のクローラ構造の提供を目的とする。

目的を達成するために案出した本考案の構成上
の特徴は、前記推進ラグを、前記クローラベルト
の横幅とほぼ等しい横幅で形成した広幅の硬質ラ
グと、前記左右一対の転輪の作用範囲に対応させ
てその転輪の左右横幅と同程度の横幅に形成した
小幅の弾性ラグとの組合わせで、かつ、クローラ
ベルトの長手方向で前記硬質芯材の埋設間隔より
も大きな間隔を隔てて相隣る硬質ラグの配設間隔
内に弾性ラグが存在するように、両ラグの配設間
隔を設定して構成するとともに、前記硬質ラグの
クローラベルト長手方向での厚みを、前記弾性ラ
グに比べて薄く形成し、この硬質ラグの前記転輪
の作用範囲に対応する部分を弾性接地体で被覆し
た点にある。

本考案の作用効果を次に列記する。

○イ クローラベルトの横幅とほぼ等しい横幅をも
つ広幅のラグは、クローラベルト長手方向での
配設間隔を大きくしたので、隣接する幅の大き
なラグ間に大きな容積の地中部分を抱き込むこ
とができて、抱き込んだ地中部分の剪断を抑制
できるとともに、隣接ラグ間からの排土性能も
良く、スリツプが生じにくくて高い推進能力が
得られる。

○ロ 上記広幅のラグは、クローラベルト長手方向
での厚みが弾性ラグに比べて薄い硬質材で形成
したので、地中への食い込み作用に優れてお
り、上記○イの作用効果との相乗によつて、より
一層スリツプが生じにくくて高い推進能力が得
られる。

○ハ 隣接する広幅の硬質ラグ間に設けるラグは、
小幅の弾性ラグとして、硬質ラグ間で抱き込ま
れた地中部分を分断しないようにしながらも、
転輪の荷重が加わる部分にはラグが存在するよ
うに形成して、転輪から芯材にかかる荷重を、
芯材に曲げ応力を生じさせる事の無い状態で確
実に対地的に受止めさせることができ、路上走
行に際しての車体振動を、芯材の変形破損を招
く事無く良好に緩和できる。

○ニ 硬質ラグの、前記転輪の作用範囲に対応する
部分を弾性接地体で被覆したので、硬質ラグに
よつて上記○ロの作用効果を得ながらも、先に説
明した車体振動の緩和をより確実なものとでき
る。

次に本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。

トラツクフレーム１の長手方向一端側に駆動用
転輪２を、他端側にクローラ緊張用の転輪３を設
けると共に、両転輪２，３間に位置させて、クロ
ーラ案内用の接地転輪４…を設け、前記転輪２，
３，４…にわたつて樹脂製の一例として硬質ゴム
製のクローラベルト５を巻回し、クローラ走行装
置を構成してある。

前記クローラベルト５の長手方向に所定間隔を
へだてて、左右一対の突起６，６を備えた硬質芯
材７…を埋設すると共に、前記硬質芯材７の埋設
箇所でクローラベルト５の外周面には、推進ラグ
として硬質ラグ８…と弾性ラグ９とを形成してあ
る。

硬質ラグ８…は、硬質芯材７の所定個数おき毎
に形成したもので、クローラベルト５の横幅とほ
ぼ等しい横幅を備え、前記芯材７からクローラ外
周面側に突出させた硬質ラグ部分８ａによつて形
成されている。

弾性ラグ９…は、前記硬質ラグ８…間の硬質芯
材７…埋設箇所に形成したもので、前記案内用の
前記接地転輪４…のうちで前記両突起６，６を両
側から挾む外転輪４ａ，４ａが接する部分Ａ，Ａ
の範囲に相当し、クローラベルト５を挾んでこれ
と対応する外周面部分Ｂ，Ｂにわたる大きさの第
１弾性接地体によつて形成してある。

前記硬質ラグ部分８ａ…夫々は、前記外周面部
分Ｂ，Ｂに相当する箇所において、その突出量を
他部より小に構成すると共に、その部分を第２弾
性接地体１０で被覆し、路面への硬質ラグ部分８
ａの直接的な接触を抑制するように構成してあ
る。

第５図及び第６図は別の実施例を示し、前記横
幅の小さな弾性ラグ９を、外転輪４ａに対応する
両部分と、左右突起６，６間に対応する部分とに
分割構成した例である。

尚、前記硬質芯材７としては、金属製のいわゆ
る芯金に限らず、硬質樹脂製のものでも良い。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はクロー
ラ走行装置の全体側面図、第２図は要部の平面
図、第３図は第２図の−線断面図、第４図は
第２図の−線断面図、第５図は別実施例の要
部の平面図、第６図は第５図の−線断面図で
ある。 ４ａ……転輪、５……クローラベルト、６……
突起、７……硬質芯材、８……硬質ラグ、９……
弾性ラグ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 樹脂製クローラベルト５にその長手方向での所
   定間隔おきに硬質芯材７を埋設し、その硬質芯材
   ７に左右一対の転輪４ａを案内するガイド突起６
   を一体形成するとともに、前記硬質芯材７の埋設
   箇所でクローラベルト５の外周面には、前記硬質
   芯材７の埋設間隔とほぼ等ピツチで推進ラグを形
   成しているクローラ走行装置のクローラ構造にお
   いて、前記推進ラグを、前記クローラベルト５の
   横幅とほぼ等しい横幅で形成した広幅の硬質ラグ
   ８と、前記左右一対の転輪４ａの作用範囲に対応
   させてその転輪４ａの左右横幅と同程度の横幅に
   形成した小幅の弾性ラグ９との組合わせで、か
   つ、クローラベルト５の長手方向で前記硬質芯材
   ７の埋設間隔よりも大きな間隔を隔てて相隣る硬
   質ラグ８の配設間隔内に弾性ラグ９が存在するよ
   うに、両ラグ８，９の配設間隔を設定して構成す
   るとともに、前記硬質ラグ８のクローラベルト５
   長手方向での厚みを、前記弾性ラグ９に比べて薄
   く形成し、この硬質ラグ８の前記転輪４ａの作用
   範囲に対応する部分を弾性接地体１０で被覆した
   ことを特徴とするクローラ走行装置のクローラ構
   造。