JPS5855945B2 - ゴムクロ−ラ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はゴムクローラに係り、殊に雪上車用のゴムクロ
ーラに係る。

一般にゴムクローラの外周面に設けられるラグは、クロ
ーラの周方向に対して直角方向に或は傾斜して設けられ
且つ周方向に間隔を置いて配列されているが、各ラグは
幅方向に連続形成されているか或は例えば傾斜ラグの場
合のようにクローラの幅方向中央から縁部１での約半幅
に亘って連続形成されてｈｐ、−４たその場合ラグ間の
ピッチが比較的大きいため、雪上走行の際、クローラの
幅及び周方向における雪の踏み固め効果がほとんどなく
、スリップ及び横すべりが発生し易く運転上細心の注意
が必要であった。

本発明は上記のような配置のラグを有するゴムクローラ
においてラグを特殊形状とすることにより牽引力を向上
させ且つ横すべりを防止することを目的とするものであ
って、本発明によればこの目的は、帯状無端ゴム本体内
に、該ゴム本体の幅方向に伸延し周方向に所定間隔をも
って並列した芯金と、これら芯金全体を外囲いしている
引張補強細条とを埋設してなり、外周面に牽引力付加用
の多数のラグを備えているゴムクロークにｐいて、前記
のラグを芯金のクローラ幅方向へ延びる縁部にそれぞれ
対応して設けて二条づつの対となし、各対のラグの頂面
を上記芯金縁部をまたぐ位置に配置することを特徴とす
るもので、好捷しくは前記ラグに１つもしくは複数の周
方向の溝を形成するものである。

斯くして、本発明によれば、ラグを二条としたことによ
り雪上走行時にラグ間に挾１れた雪が該ラグの変形によ
って固められ、これが牽引力をもたらし或いは横すべり
を防止するのである。

殊に、この二条のラグはその頂面が芯金のクローラ幅方
向へ延びる縁部にまたがって形成されているために、特
にスプロケット及び誘導輪に巻き掛けられて反転する際
には二条のラグの間隔が広がるように変形する。

したがってラグ間に挾すれた雪は効果的にはじき出され
るものである。

一方、二条のラグの頂面を芯金のクローラ幅方向へ延び
る縁部にまたからずに形成する場合、言い換えれば芯金
の投影内即ち芯金の幅の範囲内にラグの頂面を形成した
場合には、スプロケット等に捲き掛けられて反転する際
にｐいても芯金がラグの変形を妨げラグの間隔がそれ程
広がらない。

したがってラグ間に挾捷れた雪ははじき出されることも
なく再度周面に接するので、牽引力がほとんどもたらさ
れなくなってしまうのである。

本発明は前述したように有効な牽引力をもたらすもので
あって、これはラグを二条としかつその頂面を芯金に対
して特定の位置に配することによってもたらされたもの
である。

横ｔべりの防止については、前記ラグに周方向の溝を設
けたことによりこの溝に挾１れた雪が踏み固められて横
すべりを防止することとなる。

横すべりの防止に関しては、特にクローラの幅方向に対
して角度をもった、好１しくは幅方向に対し直角の縦溝
を形成することによって防止できる。

この理由で各種角度を有する溝を可能な限り多く備える
ことが有利である。

また、溝の深さは５ｒＭｎ以上、特に８〜１５ｍｍ程度
が好ましい。

更に溝幅は５〜２０Ｔａｎ程度がよく、２０ｗｎ以上に
なると踏み固め効果が著しく低下する。

溝の断面形状はほぼ鋭角三角形状又はほぼ台形であり、
クローラの内部に向って先細形状であるのが好捷しい。

即ち、溝を形成する面は傾斜面状を呈している。

ラグはクローラのゴム本体と同質のゴムをもって形成し
うるが踏み固め効果を高めるためには剛性を低くして変
形度合を高めればよい。

次に添附図面により本発明を更に詳細に説明する。

第１図は本発明により構成したゴムクローラの実施例の
外周面側の一部を示す平面図であり、第２図イは第１図
中の■−■線に沿う断面図、第３図は■−■線に沿う断
面図である。

図中１はゴムクローラを示し、該クローラは、帯状無端
ゴム本体中にゴム本体の幅方向に伸延する芯金３を、そ
の転輪案内突起２を内周向に突出させた状態にて、ゴム
本体の周方向に所定間隔をもって並列して埋設し、この
芯金３に対応するゴム本体外周面にラグ４を形成して成
るものである。

このラグ４は湿地等の走行用に使用されるクローラにあ
っては、前述のように一般にクローラの周方向に対して
直角方向に或は傾斜して設けられ且つ周方向に間隔を置
いて配列され、更に幅方向いっばいに連続して伸延して
いるか或は傾斜ラグの場合のようにクローラの幅方向か
ら縁部１での約半幅に亘って連続して伸延しているが、
本発明はこれを雪上用として適用可能となしたものであ
り、ラグ４を芯金３のゴム本体幅方向へ延びる縁周′に
対応して二条のラグ４，４としたものである。

そしてこのラグ４の頂面４′は芯金３の縁部３′をまた
いて形成されるのである。

なｐ１図中５はクローラ幅方向中央部にネ・いて隣り合
う芯金３間に設けられるスプロケット係合孔であり、ま
た６は芯金３全体をクローラ周方向に外囲いした状態に
てゴム本体中に埋設されたスチールなどのワイヤーコー
ドよりなる引張補強細条である。

第２図口はラグ４にゴム本体の周方向に伸延する溝７を
形成した場合の第２図イと同位置にネ・ける断面図であ
る。

第４図は雪上用として使用した際のラグ４の雪８に対す
る踏み固め状態を示すもので、ラグ４゜４にて形成され
た空隙９及び溝７内に入った雪８はラグ４の各表面によ
って矢印のごとく加圧され踏み固められることとなる。

従って、この踏み固められた雪と略同との間にｍ力乃至
摩擦力がもたらされ、これが牽引力を増大させ横すべり
を防止するものである。

なお、上側の図において、スプロケット係合孔５にばさ
１れた芯金上にラグ４゜が備えられているが、これは横
すべり防止のために特にもうけられたものであって、か
かるラグ４゜がなくとも充分使用に供せられることは勿
論である。

このように踏み固められた雪はクローラが雪面から離れ
る時にラグ４，４間に挾すれた１１で雪面より同時に離
れるのが通常であるが、この二条のラグ４，４０頂面４
′が芯金３の投影面内即ち芯金３の幅の範囲内に入るよ
うに構成されたクローラにかいては、該ラグ４，４が再
度雪面に接する昔でこの挾１れた雪がラグ４，４間より
離脱することがない。

第５図イはこのようなりローラにおけるスプロケット１
０に巻き掛けされた際のラグ４．４、芯金３の挙動を示
す暗示図であるが、芯金３の投影面内にラグ４の頂面４
′が配置された場合、芯金３の剛直性によって反転時の
変形がラグ４．４にほとんど影響なく、シたがってラグ
４゜４間の空隙９の間隔ｗ１は変ることがない。

このことからラグ４，４の空隙９内に挾１れた雪はほと
んど離脱することがなく、牽引力の低下及び横すべりの
発生をさけ得ないのである。

一方、本発明によるクローラがスプロケット１０におい
て反転する場合の挙動を第５図口にて暗示する。

この図から判るようにラグ４，４０頂面４′を芯金３の
縁部３′を捷たいで形成されるため、反転時の変形がこ
のラグ４，４に伝えられる。

即ち、芯金３の投影面より前後にはみ出したラグ４の部
分はゴム本体の変形につれて引張力を受けることとなり
、ラグ４の原形（図中点線で示す）よりその頂面４′が
前後に引張られたような形状をとる。

したがってラグ４，４の間隔ｗ２は原形にｐける間隔Ｗ
□よりも拡大され、このためラグ４，４間の空隙９に挾
１れていた雪は容易に離脱することとなり常に牽引力が
保持されることになるのである。

本発明はこのように、芯金に対応する部分、即ち接雪圧
の高い部分にラグを形成し、これに溝を設けたものであ
って、これにより上記のように雪の踏み固め効果が高め
られ、かつラグと芯金との位置関係を特別なものとした
ことによりクローラと共に捲き上げられた雪が極めて容
易に離脱され、クローラとしての牽引力の保持及び横す
べりの防止に対する性能向上を図ることができたもので
ある。

以上図示説明した実施態様では、ラグがクローラの幅方
向中央に対して何れも左右対称かつ直線的に設けられた
ものではあるが、本発明は勿論これに限定されるもので
はなく、第６図に示すように例えば左右に分割しかつや
や傾斜構造としたラグ４としてもよい。

上記のように本発明によれば芯金とラグとを特別位置関
係に設定したことにより牽引力を向上させかつ横すべり
を防止したものであって、除雪車等のみならずスノーモ
ービル等の小型の雪上車にも利用できるクローラを提供
し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるゴムクローラの外周面側の部分的
平面図、第２図イは第１図中の■−■線に沿う断面図、
第２図口は別例にかける第２図イと同様位置の断面図、
第３図は第１図中の■−■線に沿う断面図、第４図はラ
グが雪に及ぼす踏み固め作用を説明する模式図、第５図
イ１口はスプロケットとの係合部にネ・けるクローラの
ラグと芯金とを、それらの位置関係が異った場合にあら
れれる挙動にて示す暗示図、第６図は本発明の別例のゴ
ムクローラの外周面側の部分的平面図、である。 なお、図示された主要部と符号との対応関係は以下の通
りである。 １・・・・・・ゴムクローラ、３・・・・・・芯金、３
′ ・・−・・・芯金縁部、４・・・・・・ラグ、４
′・・・・・・ラグの頂面、６・・・・・・引張補強細
条、７・・・・・・周方向の溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 帯状無端ゴム本体内に、該ゴム本体の幅方向に伸延
   し周方向に所定間隔をもって並置１ルた芯金と、これら
   芯金全体を外囲いしている引張補強細条とを埋設してな
   り、外周面に牽引力付加用の多数のラグを備えているゴ
   ムクローラにおいて、前記ラグを芯金のクローラ幅方向
   へ延びる縁部にそれぞれ対応して設けて二条づつの対と
   なし、各対のラグの頂面を上記芯金縁部をまたぐ位置に
   配置することを特徴とするゴムクローラ。 ２、特許請求の範囲第１項に記載のゴムクローラにおい
   て、上記ラグに１つもしくは複数の周方向の溝を形成し
   たことを特徴とするゴムクローラ。