JPS5851668Y2 - ゴムクロ−ラ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はゴムクローラに係り、殊に雪上車用のゴムクロ
ーラに係る。

＝般にゴムクローラの外周面に設けられるラグは、クロ
ーラの周方向に対して直角方向に或は傾斜して設けられ
且つ周方向に間隔を置いて配列されているが、各ラグは
幅方向に連続形成されているか或は例えば傾斜ラグの場
合のようにクローラの幅方向中央から縁部１での約半幅
に亘って連続形成されており、またその場合ラグ間のピ
ッチが比較的大きいため、雪上走行の際、クローラの幅
及び周方向における雪の踏み固め効果がほとんどなく、
スリップ及び横すべりが発生し易く運転上細心の注意が
必要であった。

本考案は上記のような配置のラグを有するゴムクローラ
において殊に雪上での牽引力を向上させ且つ横すべり発
生を阻止したゴムクローラの提供を目的とするものであ
って、本考案によればこの目的は、帯状無端ゴム本体内
に、該ゴム本体の幅方向に伸延し周方向に所定間隔をも
って並列した芯金と、これら芯金全体を外囲いしている
引張補強細条とを埋設してなるゴムクローラにおいて、
クローラ内周面の転輪走行面域に対応するクローラ外周
面にブロック状突起を連設し、且つ前記芯金に対応する
クローラ外周面のクローラ幅方向にブロック状ラグを備
え、その場合各ブロック状突起、ブロック状ラグについ
て相互に隣り合うものの間に溝空間を形成し、更にクロ
ーラ幅方向に相隣接するブロック状ラグの間の溝空間を
上記幅方向に対して直角な方向に延伸させ、上記溝空間
を形成する対向面によって踏み固め効果をもたらすこと
によって達成される。

本考案によれば、隣り合うブロック状突起同志又はブロ
ック状ラグ同志又は突起とラグとの間に溝空間が形成さ
れ、そこに挾壕れた雪がゴム製のブロック状突起及びブ
ロック状ラグの変形によって踏み固められ、これが牽引
力をもたらし或は横すべりを防止する。

横すべりは特にクローラの幅方向に対して角度をもった
好１しくは幅方向に対し直角の溝空間を形成することに
よって防止できる。

従って各種角度を有する溝空間を可能な限り多く備える
ことが望ましいが、実験によって確認されたところによ
れば、かかる溝空間のクローラ幅方向の長さは、この幅
方向と且つこれに直角な方向の溝空間の長さの合計に対
し０．３〜０．７の比率であることが好捷しい。

一方向のみの踏み固め効果を向上させるためには、その
方向に対して直角方向に溝空間がもたらされるようにブ
ロック状突起或はブロック状ラグを配列すれば良いが、
雪上においては全ての方向に対して踏み固め効果を有し
ている必要があり、そのためには上記の比率の範囲内に
あることが好ましい。

また、溝空間の深さは５部以上、特に８〜１５朋程度が
好ましい。

溝空間の幅は５〜２０朋程度がよく、２０ｍｍＪＪ、上
になると踏み固めの効果が著しく低下する。

溝空間の断面形状はほぼ鋭角三角形状又はほぼ台形であ
り、クローラの内部に向って先細形状であるのが好まし
い。

即ち、溝空間を形成するブロック状突起及びブロック状
ラグの膨面ば傾斜面となっている。

上記のフロック状突起及びブロック状ラグはクローラの
ゴム本体と同質のゴム製であってもよいが、踏み固め効
果を向上させるために剛性が低く変形度合の大きな材質
の異質のゴムを使用して形成することもできる。

次に、添附図面により本考案を更に詳細に説明する。

第１図は本考案により構成したゴムクローラの第１実施
形の外周面側の一部を図面の左右で破断して示す平面図
であって、図中１はゴムクローラを示し、該クローラは
、帯状無端ゴム本体中に、その幅方向に伸延し脱輪防止
突起２（第２及び３図参照）を内周面に突出させた状態
にて、ゴム本体の周方向に所定間隔をもって並列した芯
金３と、これら芯金全体゛を外囲いしているスチールな
どのワイヤーコードよりなる引張補強細条８とを埋設し
てなるものである。

クローラ１の内周面には第２及び３図に示すように芯金
３の脱輪防止突起２の各外側方に転輪走行面域４が周方
向に設けであるが、この転輪走行面域に対応するクロー
ラ外周面にはブロック状突起５が第１図に示すように周
方向に連設してあり、渣た芯金３に対応する外周面には
幅方向にブロック状ラグ６が連設しである。

第１図から了解され得るとうり、ブロック状突起５はブ
ロック状ラグ６の１部と並んだ状態で連設形成されてい
る。

なお、図中７はクローラ幅方向中央部において相隣接す
る芯金３間に設けられたスプロケット係合孔である。

第４図は雪上用として使用した際のフロック状突起５及
びブロック状ラグ６の雪９に対する踏み固め状態を示す
もので、ブロック状突起５及びブロック状ラグ６の各隣
接するものの間に形成された溝空間１０内に入った雪９
は、ブロック状突起５及びブロック状ラグ６の肺表面１
１及び先端面１２によって矢印のように加圧されて踏み
固められる。

この踏み固められた雪と路面との間に剪断力乃至摩擦力
がもたらされ、これが牽引力を増大させ横すべりを防止
する。

更に本考案によれば、転輪走行面域４に対応してブロッ
ク状突起５が連設しであるので、転輪が剛性の高い芯金
３上を通過後、ゴムのみの部分に至った場合でもブロッ
ク状突起５の支持作用により落ち込みが阻止され、機体
振動を低減させる効果も得られるものである。

第５図はブロック状ラグ６がクローラの周方向に対して
傾斜して配列され、ブロック状突起５も相応する傾斜を
もって形成されている第２実施形を示し、第６図はブロ
ック状突起５及びこの突起に周方向に釦いて隣接してい
る二部のブロック状ラグ６を截頭三角錐体形に形成した
第３実施形を示し、倒れの場合も形成される溝空間１０
によって牽引力増強及び横すべり防止効果がもたらされ
るものであり、更にブロック状突起５により前記のよう
な機体振動低減効果も得られるものである。

勿論、本考案は上記の実施形のみに限定されるものでは
なく、例えば第５図のスプロケット係合孔７の列の両側
方にある傾斜ラグ６及び傾斜突起５の郡をクローラ周方
向に相互にずらした配置にしてもよい。

以上のように、本考案によれば、ゴムクローラ外周面の
周方向にブロック状突起を連設するとともに幅方向にも
芯金に対応してブロック状ラグを備えたことにより、牽
引力の増大は勿論、最大の欠点であった横すべりを効果
的に防止した実用性の高いクローラがもたらされ得るも
のである。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案によるゴムクローラの外周面側の部分的
平面図、第２図は第１図中の■−■線に沿う断面図、第
３図は第１図中の■−■線に沿う断面図、第４図はブロ
ック状突起及びブロック状ラグが雪に及ぼす踏み固め作
用を説明する模式図、第５図は他の実施形を示す第１図
と同様の図面、第６図は更に他の実施形を示す第１図と
同様の図面である。 尚、図示された主要部と符号との対応関係は以下の通り
である。 １・・・クローラ、３・・・芯金、４・・・転輪走行面
域、５・・・ブロック状突起、６・・・ブロック状ラグ
、８・・・引張補強細条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 帯状無端ゴム本体内に、該ゴム本体の幅方向に伸延し周
   方向に所定間隔をもって並列した芯金と、これら芯金全
   体を外囲いしている引張補強細条とを埋設してなるゴム
   クローラにおいて、クローラ内周面の転輪走行面域に対
   応するクローラ外周面にブロック状突起を連設し、且つ
   前記芯金に対応するクローラ外周面のクローラ幅方向に
   ブロック状ラグを備え、その場合各ブロック状突起、ブ
   ロック状ラグについて相互に隣り合うものの間に溝空間
   を形成し、更にクローラ幅方向に相隣接するブロック状
   ラグの間の溝空間を上記幅方向に対して直角な方向に延
   伸させ、上記溝空間を形成している対向面によって踏み
   固め効果をもたらすことを特徴とするゴムクローラ。