JPS62257476A - 樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 （産業上の利用分野） この発明は、表面に起毛による装飾層を備えた樹脂成形
品の製造方法に関するものである。

（従来の技術） 自動車内装品、屋内装置品等の各種合成樹脂酸“形品に
おいては、優れた外観を付与するとともに、樹脂表面の
傷、むら等の欠陥を隠したり、高級感を出したりするた
めに、表面に装飾を施すことが有用である。

さらに、外観状の問題のみならず、手触り感を良好とす
るためには、樹脂成形品の表面に植毛層を形成すること
が望ましい。

この植毛層の形成方法としては、従来より静電植毛法が
一般に用いられている。

そして、近年、前記植毛は見た目に高級感があり、手触
り感にも優れたバックスキン調のものが好まれる１頃向
にある。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、上記静電植毛法は、成形品の表面にパイルを接
着するため、高価なパイルと接着剤とが別に必要となる
とともに、接着工程と静電植毛工程との二工程が必要に
なるという問題がある。

また、前記静電植毛法で製品を形成するためには、完成
された製品個々に植毛作業を行わなければならないため
、一度に複数個処理するためには大掛かりな装置を必要
とし、製造コストがかさむ。

さらに、この静電植毛法では前記バックスキン調の手触
り感で見た目に高級感のあるものは非常に出しにくいと
いう問題もある。

従って、本発明の目的は前記植毛法に用いられた高価な
パイルや接着剤を不要とし、見た目に高級感があり、さ
らには、手触り感にも優れた装飾層を有する樹脂成形品
の製造方法を提供しようとするものである。　　２ 発明の構成 （問題点を解決するための手段） この発明は前記問題点を解決するため、通気性部材の表
面に液状樹脂を塗布し、通気性部材の裏面又は表面から
気体を吹き付けることにより液状樹脂を硬化させながら
起毛させ、該通気性部材の裏面に合成樹脂基材を形成す
るという手段を採用している。

（作用） 表面に液状樹脂を塗布した通気性部材の裏面から気体を
吹き付けると、該気体は該通気性部材中を通り抜ける。

このとき、前記気体は通気性部材中の空間部を通ること
によって細く絞られその圧力がさらに増すため、前記通
気性部材の表面側の樹脂中を細く突き抜ける。この気体
の突き抜けにより、その近傍の樹脂が毛ば立ったように
起立され細長いパイル状の起毛部となる。この気体の突
き抜けと平行して、前記液状樹脂は塗布後から硬化が開
始されているため、前記起毛部は起立した状態で硬化さ
れ、全体としては見ために高級感があり、手触り感にも
優れた装飾シートが形成される。

又、表面に液状樹脂を塗布した通気性部材の表面から気
体を吹き付ける場合には、この気体の吹き付は圧力によ
り該液状樹脂表面が波立つ。この波立ちによって樹脂表
面が毛ば立ったように起立され細長いパイル状の起毛部
となり、上記と同様な装飾シートが形成される。

従って、この装飾シートの裏面に対して合成樹脂基材を
一体化させれば、この発明の樹脂成形品が形成される。

（実施例） 以下、この発明を自動車のセンターピラー内装材に具体
化した一実施例を第１〜３図に従って説明する。

まず、この方法によって形成されたセンターピラー内装
材について説明すると、第２図に示すように、ＡＢＳ樹
脂の射出成形により形成された基材ｌの表面には表皮１
０が接合されており、以下、この表皮ｌＯについて説明
する。

この表皮１０は前記基材ｌと一体的に接合された通気性
部材としての不繊布３と、その表面に一体的に形成され
たポリエステル樹脂製の加飾部４とから構成されている
。前記基材１は前記不繊布３の裏面側に射出成形にて一
体形成されているため、該基材１と不繊布３とは咳基材
１の樹脂が不繊布３の目の間に入り込んだ状態となって
おり、機械的なアンカー効果を生じ、両者は接着剤を用
いないにもかかわらず強固に接合されている。

前記加飾部４は前記不繊布３と一体的に接合された基部
°５と、該基部５から立体的に起立した起毛部６とから
構成されている。該起毛部６は１本１本がパイル状に突
出形成されるとともに、個々にしっとり感と柔軟性とを
有しており、全体としてバックスキン調の手触り感を呈
するようになっている。

以上のように構成されたセンターピラー内装材は、基材
１表面に接合された表皮１０の起毛部６によって従来の
バックスキンを貼り付けたカンタ−ピラー内装材と略同
−の手触り感を備えており、見た目や手触り感によって
全体として優れた高級感を出している。

次に、以上のように構成されたセンターピラー内装材の
製造方法を第１．　３．　４．　５図に従って説明する
、。

まず、この方法に用いる装置のうち、前記表皮ＩＯを形
成する装置について説明すると、ロール状の不繊布３を
送り出す送出機構を備えた送出軸１１の前方（第１図に
おける右側を示す）には液状樹脂を前記不繊布３に塗布
する塗布機構のノズル１２が設けられている。前記ノズ
ル１２の前方には液状樹脂の溶剤を飛ばすための複数の
赤外線ランプ１３が設けられており、その前方には前記
液体樹脂の硬化を促進させるとともに、表面に起毛部６
を形成するためのホントエアーＨを前記不繊布３の下側
から吹き付けるエアー吹出機構の吹出口１４が設けられ
ている。

続いて、この装置を用いて本実施例のセンターピラー内
装材を形成する方法を説明する。

まず、ロール状に巻回された不繊布３を前記送出軸１１
に取り付け、該送出軸１１の回転によってその先端を前
記ノズル１２部分に導く。

この動作によって前記不繊布３がノズル１２部分に配置
されると、該ノズル１２から液状のポリエステル樹脂を
流して液状の樹脂Ｎ１５を形成する。

その後、前記赤外線ランプ１３で前記液状樹脂層１５中
の溶剤を飛ばすとともに、不繊布３の裏面となる下側か
ら該不繊布３に向かって加圧したボットエアーＨを前記
吹出口１４から吹き付ける。

すると、前記液状樹脂はホントエアーＨによって硬化が
促進されるとともに、不繊布３の細がな目の間を通り液
状樹脂に吹き付けられるホントエアーｌ（の圧力で該樹
脂のエアーが当たった部分が隆起される。ところが、前
記ホットエアー０は不繊布３の細かな目の間を通ってく
るため、さらに吹き出し圧が上がり、前記隆起部分の樹
脂層１５を細く突き抜けるこことなる。従って、第３図
に示すように、前記液状樹脂層１５のその部分は毛ば立
たったように起立されて細長いパイル状の起毛部６を形
成することとなる。このため、前記樹脂Ｆｉ１５はホッ
トエアーＨにより、起立される起毛部６とそうでない基
部５とに形成される。

そして、この起毛部６のパイル１本１本がしっとり感と
柔軟性とを備えるため、加飾部４全体としてはバックス
キン調の手触り感を備えたものとなる。

続いて、上記のように形成された表皮１ｏを基材１より
大きめにトリミングするとともに、第４図に示すように
、左右一対の射出成形用金型の可υＪ型２１側に前記起
毛部６が型面側となるように配置固定する。次に、前記
可動型２１を固定型２２側に移動させて型締めするとと
もに、キャビティ内に熔融ＡＢＳ樹脂を充議させる。す
ると、第５図に示すように、前記熔融樹脂はその一部が
前記布３の目の間に入り込んだ状態で硬化される。

従って、硬化後、型開きすれば表皮１０の裏面側に基材
１が一体化されたセンターピラー内装材が形成される。

以上、本実施例によれば、表面の表皮１ｏが優れた外観
を呈するとともに、該表皮１０はバックスキン調の手触
り感を生じさせるため、センターピラー内装材全体に高
級感を持たすことができる。

又、上記方法によれば、高価なパイルと接着剤を必要と
する静電植毛法を用いることなく装飾を施すことができ
るとともに、該静電植毛法では非常に出しにくいバック
スキン調の手触り感を簡単に出すことができる。又、こ
のバックスキン調の表皮１０は実際のバックスキンを使
用する場合に比べ非常に安価に製造することができる。

又、表皮ｌＯ成形工程が一連の連続工程によって行われ
るため、非常に短い製造時間で製造することができる。

さらに、この表皮１０と基材１との接合工程も射出成形
により一度に一体化することができるため、同様に短い
製造時間で形成することができる。

又、表皮ｌＯの裏面に射出成形によって基材ｌを一体的
に形成したため、表皮１０の不繊布３の目の間に基材１
の４１１脂が入り込んだ状態となり、機械的なアンカー
効果を生ずるので、接着剤を用いなくとも両者を強固に
接合させることができる。

従って、接着工程を省くことができるとともに、成形品
自体も安価に形成することができる。

又、柔らかくて、フィツト性に優れた不繊布３を用いた
ため、基材ｌと表皮１０との接合性を向上させることが
できる。

又、不繊布３の目の間にはホットエアーＨ吹き付は後に
前記樹脂が進入してくるため、機械的なアンカー効果を
生じ、不繊布３と基部５とは強固に接合される。

なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、
例えば、次に示すように変更して具体化することも可能
である。

（１）前記通気性部材は本実施例の不繊布３他、平織布
、綾繊布、朱子織布等の布や、さらには編物を用いても
良い。こうすれば、編み目の立体構成によって起毛部６
が立体的となるため、外観をさらに面白みのあるものと
することができる。又、連続気泡構造を備えた合成樹脂
製のシートを用いても良い。

（２）前記ホットエアーＨの吹き付は方向は本実施例の
不繊布３の下側の他、前記液状の樹脂層１５の上側から
吹き付けても良い。

（３）前記液状樹脂は本実施例のポリエステル樹脂の他
、ポリウレタン等の液体状樹脂を用いても良く、さらに
は、次に述べる樹脂を用いても良い。

但し、この場合には（）内に示す溶剤を入れる必要があ
る。こうすれば、起毛部６の硬さ、太さ、及び長さを任
：はに変えることができる。

０）ポリアミド樹脂（アルコール） ■ポリ塩化ビニル（テトラヒドロフラン）■ペーストＰ
ＶＣ（可塑剤） （４）前記ホットエアーＨの圧力及び温度も、形成する
起毛部６の長さ及び直径によって任意に変更ずろことが
可能であるとともに、前記液状樹脂の粘土も前記起毛部
６の長さ及び直径によって任意に変更することが可能で
ある。

（５）前記表皮１０と基材１との接合方法は、本実施例
の射出成形の他、ブロー成形を用いて一体化しても良く
、さらには、別工程で形成された基材１に対して接着剤
を介して表皮１０を接合させても良い。

（６）本発明は前記実施例のセンターピラー内装材の他
、自動車のドアの内張り、天井材、インストメンドパネ
ル等の自動車内装品を始め、家具、建具、壁材等の各種
樹脂成形品に具体化することも可能である。

発明の効果 以上詳述したように、本発明の方法は見た目、手触り感
ともに高級感のある装飾層を備えた樹脂成形品を簡単、
且つ安価に製造することができるという優れた効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の製造工程を示す概略図、第２図は本発
明の製造方法によって成形された自動車用のセンターピ
ラー内装材を示す部分断面図、第３図は第１図の方法に
おいて、樹脂層の表面に起毛部ができる状態を示す部分
拡大断面図、第４図は表皮を射出成形用金型内に配置し
た状態を示す断面図、第５図は第４図の金型を型締めし
て熔融樹脂を充填した状態を示す断面図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、通気性部材（３）の表面に液状樹脂を塗布し、通気
   性部材（３）の裏面又は表面から気体（Ｈ）を吹き付け
   ることにより液状樹脂を硬化させながら起毛（６）させ
   、該通気性部材（３）の裏面に合成樹脂基材（１）を形
   成することを特徴とする樹脂成形品の製造方法。 ２、前記通気性部材（３）は不繊布であることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項に記載の樹脂成形品の製造方
   法。 ３、前記液状樹脂はポリエステル樹脂であることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項に記載の樹脂成形品の製造
   方法。 ４、前記合成樹脂基材（１）は通気性部材（３）の裏面
   に射出成形により一体的に形成されることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項に記載の樹脂成形品の製造方法。