JPS6223263Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はリール台のダイレクトモータにおける
回転子に関するものである。

テープレコーダ、VTR等においてリール台の
駆動をダイレクトリールモータにより行う場合、
リール台はモータ回転子に直結すると共に回転子
にその他の機能部材を付加し、回転数検出、ブレ
ーキ動作を行うように構成されるが、第１図に示
すように従来のダイレクトリールモータＭは回転
子鉄ヨーク１の中心部に軸固定用ボス２を固定し
て、このボス２を覆うように回転子鉄ヨーク１の
上面側にリール台３をねじ４により締付け固定す
ると共に下面側にリング状マグネツト５を接着剤
により接着固定し、また外周面側にはブレーキド
ラム６と回転数検出用の周波数発電機FGの回転
子マグネツト７を接着剤により接着固定して回転
子８を構成し、この回転子８の軸固定用ボス２に
軸９の上半部を固定し、この軸９の下半部を円周
状にコイル１０を配設して成るステータ１１の中
心部軸受１２に挿入軸支することにより回転子８
とステータ１１とを対応させて構成されている。

しかし、このような構成では組立におけるリー
ル台３のねじ４による締付け及びマグネツト５、
ブレーキドラム６、FG回転子マグネツト７の接
着剤による接着等の作業に手数を要し、作業性が
悪く、特にマグネツト５等の接着作業は作業性が
悪いばかりでなく、信頼性の点でも不安がある。
また接着組立部品点数が多いため塁積公差によつ
て最終的な機能寸法例えば回転子の回転軸芯に対
するリール台の振れ、マグネツトの振れ、ブレー
キドラムの振れ、FG回転子マグネツトの振れ等
が問題となつていた。

そこで本考案は従来の欠点を除去するためにな
されたもので回転子ヨークに軸支ボス部とリール
台部とを、またマグネツトの位置決め枠部と回転
数検出部とブレーキ胴部とを樹脂成形により一体
的に形成したものである。

以下第２図以降により本考案の実施例を説明す
る。

本例における回転子２０は回転子鉄ヨーク２１
の中心部に透孔２１ａを形成し、この透孔２１ａ
を介して軸固定用ボス部２２とリール台部２３と
を一体的に樹脂成形すると共にボス部２２からリ
ール台部２３にかけて軸孔２２ａを形成し、また
外周折曲縁部２１ｂを覆つてマグネツトの位置決
め枠部２４を樹脂成形により形成し、この位置決
め枠部２４の内周に沿つてリング状マグネツト２
５を圧入又は嵌合して回転子鉄ヨーク２１に固定
することにより構成してある。また位置決め枠部
２４の下面には反射型回転数検出部としての凹部
２６が所定間隔で形成され、この凹部２６の奥面
は傾斜面２６ａとして形成されており、この凹部
２６の形成面に光を当て傾斜面２６ａでの光の反
射の変化により回転数を検出するようにしてあ
る。さらに、位置決め枠部２４の外周面はブレー
キシユーを当接するブレーキ胴部２７として利用
する。

このように構成される回転子２０は第５図に示
すように回転子鉄ヨーク２１を上金型３１と下金
型３２とにより挾持してアウトサート成形法によ
つて形成できる。即ち回転子鉄ヨーク２１を挾持
する上金型３１には中央部にリール台部２３の成
形凹部３３を形成し一方下金型３２には中央部に
ボス部２２の成形凹部３４とこの凹部３４の中心
から回転子鉄ヨーク２１の中心透孔２１ａを通し
て、上金型３１の凹部３３の略中間部まで延長さ
れる突起３５を設け、外周部に回転子鉄ヨーク２
１の外周折曲縁部２１ｂに対応して、位置決め枠
部２４の成形溝状凹部３６を設け、この溝状凹部
３６の底面には凹部２６の成形突起３７を所要間
隔で突設してあり、この両金型３１，３２を回転
子鉄ヨーク２１の両面側から圧接し挾持する。

この状態で上金型３１の凹部３３に連通する通
孔３３ａ及び下金型３２の溝状凹部３６に連通す
る通孔３６ａから樹脂材料を注入して上下金型３
１，３２の凹部３３，３４に一体的に充填すると
共に溝状凹部３６に充填し硬化させる。この樹脂
の硬化後上下金型３１，３２を離隔すると回転子
鉄ヨーク２１の中心部に軸固定用ボス部２２とリ
ール台部２３が透孔２１ａを通して一体的に形成
されると共に外周に位置決め枠部２４が形成され
る。そこで位置決め枠部２４の内周に沿つてリン
グ状マグネツト２５を嵌合して回転子鉄ヨーク２
１に固定し回転子２０を構成する。

そこで第２図に示すように回転子２０の軸固定
用ボス部２２からリール台部２３にかけて形成さ
れた軸孔２２ａに軸３８の上半部３８ａを圧入固
定し、この軸３８の下半部３８ｂをステータ４０
の中心部軸受４１に挿入して軸支し回転子２０の
マグネツト２５をステータコイル４２と対応させ
てダイレクトリールモータＭを構成する。

なおステータ４０側には回転子２０のマグネツ
ト位置決め枠部２４の下面に形成した回転数検出
部２６に対応して検出装置４３が配設され、また
マグネツト位置決め枠部２５の外周面、即ちブレ
ーキ胴部２７と対応してブレーキシユー４４が配
される。

このステータ４０も軸受４１及びコイルボビン
４２ａをアウトサートして形成できる。

第６図は、回転子２０の他の実施例を示し、軸
３８を回転自在に軸支するように構成したもの
で、ボス部２２からリール台２３にかけて形成す
る軸孔を大径の軸受ハウジング２２a′として形成
し、この軸孔２２a′の口縁部及び奥端部に転動軸
受４５ａ及び４５ｂを嵌着して軸３８を回転自在
に軸支するようにしてある。

なお本例における他の部材構成は上述の実施例
と同様に構成されるので対応する部材には同一の
附号を付して説明は省略する。

以上の各実施例はダイレクトリールモータに本
考案を適用した場合であるが、本考案はリールモ
ータに限ることなく例えばターンテーブル等のダ
イレクトモータに適用できることは勿論であり、
この場合各実施例におけるリール台部をターンテ
ーブルの軸孔に嵌着される形状に形成することに
なる。

以上のように本考案によればリール台のダイレ
クトモータにおいて回転子ヨークの中心部に軸支
ボス部とリール台部とを一体的に樹脂成形して回
転子軸を軸支すると共に、外周部にマグネツトの
位置決め枠部と回転数検出部とブレーキ胴部とを
一体的に樹脂形成し、位置決め枠部にマグネツト
を嵌合して回転子を構成するので、回転子ヨーク
に対しリール台部がねじの締付けによることなく
一体化され、またマグネツト位置決め枠部、回転
数検出部及びブレーキ胴部も一体化されて各機能
部材を個々に取付けるものに比し構成が簡素化さ
れると共に各部は夫々正位置に確実に配設されて
組立て精度が著しく向上され、従つて回転子は正
常にバランス回転されてこれと一体のリール台部
には振動が発生することなく、テープの巻取り、
走行等が安定して円滑に行える等の効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のダイレクトリールモータの縦断
面図、第２図は本考案を適用したダイレクトリー
ルモータの一例の縦断面図、第３図は同一部分の
拡大断面図、第４図は回転子の内面側斜視図、第
５図は同回転子の成形状態を示す断面図、第６図
は本考案による回転子の他例の縦断面図である。 図中Ｍはダイレクトモータ、２０は回転子、２
１は回転子ヨーク、２２はボス部材、２５はマグ
ネツト、２４は位置決め部材、３８は軸、４０は
ステータである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 リール台を回転子ヨークに固定し、リール台を
   直接駆動するようにしたダイレクトモータにおい
   て、 上記回転子ヨークの中心部に形成された透孔を
   介して軸孔を有する軸支ボス部とリール台部とを
   一体的に樹脂成形すると共に、 上記回転子ヨークの外周部に形成された折曲縁
   部を介して少なくともマグネツトの位置決め枠部
   と回転数検出部とブレーキ胴部とを一体的に樹脂
   成形して成るリール台のダイレクトモータにおけ
   る回転子。