JPH0773419B2 - 速度検出用磁石の固定構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、誘導電動機等の回転子への速度検出器用磁石
の固定構造に関するものである。

従来の技術 近年、誘導電動機等の電動機において、速度制御の要求
が強まり回転子に設けた磁石を回転子とともに回転さ
せ、この磁束変化を検出して速度制御を行うものが多く
なりつつある。

そして、このような従来の速度検出用磁石の回転子への
固定構造を第５図及び第６図にもとづいて、以下に説明
する。

従来の第１構造としては、第５図に示すように速度検出
用磁石15の磁石固定台16に接着するとともに、この磁石
固定台16を回転子17に取り付けていた。

又、第２の構造としては、第６図に示すように、速度検
出素子21を固定子完成品18の外に取り付け、速度検出用
磁石19を軸20に直接接着していた。

発明が解決しようとする問題点 しかし、このような構造のものは次のような欠点があ
る。すなわち、 1.磁石検出用磁石15を固定する為に特別に固定台16を設
けてやる必要があり、材料コストが高くなる。

2.速度検出素子21,速度検出用磁石19を固定子18の外に
取り付けると、電動機としての寸法が大きくなり小型化
の妨げとなる。

等の問題点を有していた。

本発明は、このような問題点を解決するもので、コスト
を安くできるとともに組立やすく、小型できる速度検出
用磁石の固定構造を提供するものである。

問題点を解決するための手段 本発明は上記従来の問題点を解決するために、固定子鉄
心を含む固定子に配設した速度検出素子と、速度検出素
子と対応するリング状の速度検出用磁石と、固定子鉄心
に相対向する回転子と、回転子端面に形成し、回転中心
に対して同心状、かつ速度検出用磁石の内径と同寸法の
外径を有する円環状突起部とを備え、速度検出用磁石を
回転子端面の円環状突起部に嵌合し、かつ接着剤にて固
定したものである。

作用 以上の構成にすることにより、速度検出用磁石の為に特
別に固定台を設ける必要がなくまた、電動機の外端面に
速度検出素子を取り付けなくてもよい。

この結果、作業性がよく、低コスト化が可能となり、電
動機本体を小型化できる。また、リング状速度検出用磁
石を回転子端面に回転中心に対して同心状に固定する
為、電動機の振動騒音の特性面からも有利となる。

実施例 以下、本発明をかご形位相制御誘導電動機に使用した一
実施例を図面により説明する。

第１図は本発明の一実施例における速度検出用磁石の固
定構造を示す回転子の部分斜視図である。１はリング状
の速度検出用磁石、２は回転子である。速度検出用磁石
１には内径周面に凹部1aを設けている。回転子２には速
度検出用磁石１の内径と合致する外径で、かつ回転子２
の回転中心に対して同心状の円環状突起部2aが配設され
ている。そして、凹部1aを有した速度検出用磁石１の端
面と回転子２の端面を当接し、速度検出用磁石１を円環
状突起部2aに嵌合させ、速度検出用磁石１の凹部1aから
接着剤を注入して速度検出用磁石１を回転子２に固定し
ている。

第２図は第１図における断面図で、速度検出用磁石１は
回転子２の端面及び円環状突起部2aの外周に接着固定さ
れている。

第３図は本発明を使用した位相制御誘導電動機の断面図
である。３は固定子完成品であり、固定子鉄心4,巻線5,
樹脂6,速度検出素子７により構成されている。８は回転
子完成品で、速度検出用磁石1,回転子2,回転軸10から構
成されている。そして、回転子完成品８は軸受装置９を
介して、固定子完成品３へ回転自在に固定されている。

なお、速度検出素子７は速度検出用磁石１と対向する位
置に配設されている。

以上の構成により回転子完成品８が回転すれば速度検出
用磁石１も同心速度で回転し、固定子完成品３に配設さ
れた速度検出素子７で速度信号を得る。第４図に示すよ
うに、この速度信号11を位相制御回路12へ入力し、この
位相制御回路12の出力13で位相制御誘導電動機14を制御
することにより、速度精度の良い位相制御誘導電動機14
を得ることができる。なお、かご形誘導電動機に本実施
例を使用しており、回転子端面が加工しやすい。

発明の効果 以上の説明から明らかなように本発明は、回転中心に対
して同心状の円環状突起部にリング状の速度検出用磁石
を嵌合して固定したことにより次の様な効果が得られ
る。

1.速度検出用磁石を固定する為の特別な部品が不用であ
り、コストを安くすることができる。

2.速度検出用磁石を直接回転子端面に固定することによ
り、電動機本体の薄型化が図れる。

3.速度検出用磁石を回転中心に対して同心状に取付ける
ことができるので、振動騒音の発生を小さくおさえるこ
とができる。

4.磁石と回転子の当接面積が多いことにより、接着によ
る固定強度が高くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における回転子の要部の組立
斜視図、第２図は第１図における要部の断面図、第３図
は本発明の一実施例を使用した位相制御誘導電動機の断
面図、第４図は同位相制御誘導電動機と位相制御回路の
ブロック図、第５図は従来の速度検出用磁石の固定構造
を示す断面図、第６図は従来の他の速度検出用磁石の固
定構造を示す誘導電動機側面図である。 １……速度検出用磁石、２……回転子、2a……円環状突
起部、４……固定子鉄心、５……巻線、７……速度検出
素子。

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−225123（ＪＰ，Ａ) 特開 昭55−100051（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−210151（ＪＰ，Ａ) 実開 昭55−48353（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭56−35888（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−186879（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】巻線を施した固定子鉄心と、前記固定子鉄
   心を含む固定子に配設した速度検出素子と、前記速度検
   出素子と対応する位置に設けるリング状の速度検出用磁
   石と、前記固定子鉄心に相対向する回転子と、前記回転
   子端面に形成し、回転中心に対して同心状、かつ前記速
   度検出用磁石の内径と同心寸の外径を有する円環状突起
   部とを備え、前記速度検出用磁石を前記回転子端面の円
   環状突起部に嵌合し、かつ接着剤にて固定した速度検出
   用磁石の固定構造。