JPS62223316A - 高強度、高弾性率ポリビニルアルコ−ル繊維およびその製造法 - Google Patents

高強度、高弾性率ポリビニルアルコ−ル繊維およびその製造法

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JPS62223316A JP61066136A JP6613686A JPS62223316A JP S62223316 A JPS62223316 A JP S62223316A JP 61066136 A JP61066136 A JP 61066136A JP 6613686 A JP6613686 A JP 6613686A JP S62223316 A JPS62223316 A JP S62223316A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高強度、高弾性率ポリビニルアルコール(以
下PVAと略記する)繊維、およびその製造方法に間す
る。
[従来の技術] 近年、新素材の重要性が唱えられる中で、金属や無機物
よりも軽くて強い有機高分子材料の開発が注目されてい
る。それらの中でも、高強度、高弾性率繊維に関する市
場のニーズが極めて高いので、研究開発が活発に進めら
れている。
高強度、高弾性率繊維としては、既に全芳香族ポリアミ
ド系繊維のアラミド&1liitが有名で工業的にも広
く利用されている。しかし、このものは高価であるため
用途には限度があり、より安価な高強度、高弾性率繊維
の開発が望まれている。そのようなことから、汎用高分
子素材であるポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(
PP) 、ポリオキシメチレン(POM)、あるいはポ
リビニルアルコール(PVA)などの高強度、高弾性率
繊維化に間する開発が進められている。これらの可どう
性高分子のなかで、PPとPOMの結晶はラセン構造を
とっているので理論弾性率が低く、高弾性率繊維はあま
り期待できない。一方、PEとPVAは平面ジグザグ構
造であるので理論弾性率も非常に高く興味がもたれてい
る。しかし、PEは融点が130℃と低いため実用的に
は用途が限定される。これに対してPVAは融点が23
0℃と高く、安価な原料であるので、前述のアラミド繊
維に匹敵する高強度、高弾性率が達成されたならば、産
業界に大きく寄与できるであろう。
PVA*維は、工業的には一般に水溶液から湿式紡糸す
ることにより製造されており、産業資材用繊維として広
く使用されているが、アラミド繊維に比べると強度、弾
性率ともにはるかに低い。
そこで水辺外の紡糸原液溶媒として有機溶媒を用いたP
VA0高強度、高弾性率繊維の製造法が提案されている
。特公昭37−9768号公報には、グリセリン、エチ
レングリコール、エチレン尿素を溶媒としたPVAを乾
式紡糸する方法、特公昭43−16675号公報ニハ、
PVA(7)ジメチルスルホキシド(DMSO)溶液を
紡糸原液としてメタノール、エタノール、ベンゼン、ク
ロロホルム等の有機容剤中に吐出して湿式紡糸する方法
、特開昭60−126312号公報には、同じくDMS
O溶液を紡糸原液として乾・湿式紡糸した後、得られた
未延伸糸を20倍以上延伸する方法、および、米国特許
4,440.7111 (1984)には50,000
以上の高分子量PVAをグリセリン、エチレングリコー
ルに溶解させた2〜15%濃度の溶液からのゲル紡糸に
よる方法などが提案されている。
しかし、これらの方法により得られた繊維の強度は20
g/d以下、弾性率も450g/d以下であり、アラミ
ド繊維のような超高強度、高弾性率には及ばない。以上
のように、PVA繊維の高強度、高弾性率化への試みと
して紡糸原液にグリセリン、エチレングリコール、ジメ
チルスルホキシドなどの有機溶媒の単独あるいはそれら
有機溶媒同士の混合溶液を用いた方法が提案されている
が、本発明のように有機溶媒と水とを適当な割合に混合
した溶液を用いた例は全く知られていなかった。
PE、PP、POMとかPVAのような可どう性腺状高
分子鎖の共有結合力を十分に発揮させて超高強度、超高
弾性率繊維を製造するためには、折りたたみ分子鎖を如
何にして伸びきらせて、繊維軸方向に配向させるかが問
題となる。
本発明者らは、PVA!M維の超高強度、超高弾性率化
について鋭意研究開発を重ねた結果、ある割合の水と有
機溶媒との混合溶媒を紡糸原液として用いてゲル紡糸を
行なうことにより、超高強度、超高弾性率PVA繊維の
得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、引張り強度が15g/d以上、弾性率が30
0g/d以上、である高強度、高弾性率PVA!維に間
する。かかる、高強度、高弾性率PVA繊維は、水と有
機溶媒との混合溶媒に溶解したPVAをゲル紡糸し、超
延伸することにより得ることができる。
[作用] 本発明のPVA繊維は機械的性質、および熱的性質に優
れたものである。かかる高強度、高弾性率繊維が得られ
る理由は、水と有機溶媒との混合溶媒C:PVA1i:
100〜120℃の高温で完全に溶解させると、PVA
溶液は系全体が均一状態になるが温度が降下するにつれ
て分子運動が抑制されつつ高分子鎖の局所分布が不均一
となり、高分子鎖間で二次結合が生成して微小な結晶核
が形成され、その微小な結晶核のためにゲル状となる。
このゲル状態で紡糸すると高分子鎖の弱い三次元網目の
ために超延伸が可能となり、分子鎖が繊維軸方向へ整然
と配向し、その後の熱処理により伸びきり鎖結晶が形成
され、結果として超高強度、超高弾性率でしかも耐熱性
の*維が生成するものと考えられる。従来の方法による
有機溶媒を用いたゲル紡糸法では、ゲル状態の構造、す
なわち三次元網目の形成が不十分なために超延伸できな
い。
ところが、前述したように、本発明のゲル紡糸では水と
有機溶媒を適当な割合で混合した溶液を用いるため、そ
のゲル構造が特殊で三次元網目が均一となる。その結果
、紡糸後の超延伸が可能となり、その後の熱処理により
伸びきり鎖結晶が形成され、分子鎖が高度に配向し、結
晶構造がち密となった高結晶化度で高ラメラサイズの高
次構造が形成されるのであろう。
[実施例] 本発明に用いるPVAは、ケン化度95モル%以上、好
ましくは97モル%以上、とくに99モル%以上のもの
が好ましい。これより低いケン化度、たとえば85モル
%以下では高強度、高弾性率繊維は得られない。重合度
は粘度平均で1,000以上であればよいが、通常市販
されている重合度1.500〜3,000程度のもので
よい。
しかし、さらに高強度、高弾性率ならびに耐熱水性を高
める必要のある場合には5,000〜20゜OOOの高
重合度PVA、あるいはシンジオタクト構造やアイソタ
クト構造に富むPVAを使用するのが好ましい。
本発明において用いられる有機溶媒は、水と親和性がよ
いものが好ましく、さらに任意の割合で水とよく混ざる
ものが好ましい。好ましくは、アセトン、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール%l
5O−プロピルアルコール、アミノエタノール、フェノ
ール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、グ
リセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール
、トリエチレングリコール、ジメチルスルホキシドなど
である。これらの有機溶媒の中でもとくに、PVAに対
する溶解度や水との混合割合と凝固点降下の関係などか
ら、ジメチルスルホキシドが好ましい。これらの有機溶
媒と水との混合割合は任意に選択できるが、水と有機溶
媒との割合がゲル形成に密接に関係しているので、通常
、水対有機溶媒の比は90:10〜10:90(重量比
)、好ましくは70:30〜10:90である。ジメチ
ルスルホキシド100%のPVA溶液からもゲル紡糸は
可能であるが、紡糸後の延伸を高倍率まで行うことは不
可能である。
本発明においては、まずPVA溶液を調製するのである
が、そのPVAfi度としては紡糸温度や延伸倍率に応
じて2〜50重量%の範囲にするのがよい。このような
濃厚溶液の調製は、一般にPVAを加熱溶解させること
により行なわれるが、単に攪拌下での加熱あるいはオー
トクレーブや電子レンジを用いてもよい。
完全にPVAが溶解した溶液を紡糸原液として紡糸する
のであるが、紡糸方法は乾式でも湿式でも、あるいはそ
の両者を組合せた乾・湿式方法でもよい。乾式の場合は
、ノズル付近の温度を40〜60℃にて紡糸するのが好
ましく、この温度域ではPVA溶液がゲル化し、紡糸後
の空気中で1゜000%以上の超延伸が可能となる。そ
して、アセトンとかメタノールの凝固浴中にて更に延伸
できる。湿式の場合は、ノズル付近の温度は60℃以上
でよく、吐出後直ちにアセトン、メタノール、エタノー
ル、ブタノールなどの凝固浴中に押し出し、その凝固浴
中にて超延伸させる。その場合、凝固浴中の温度が重要
であり、吐出直後のPVA溶液が単時間でゲル化する温
度、すなわち室温以下が好ましい。しかし、温度が低け
れば低いほどゲルが形成されやすいので、0℃以下、と
くに−20℃以下の温度にて凝固・延伸するのが好まし
い。以上のように、紡糸後、延伸された糸を更に180
〜220℃の空気中で乾熱延伸した後、200〜240
℃で熱処理すると、超高強度、超高弾性率PVA繊維が
得られる。さらに、乾式と湿式紡糸の両者を組入れた乾
・湿式紡糸法によフても目的の繊維が得られる。本発明
の特徴は、紡糸原液を調製するときに水と有機溶媒との
混合溶媒を用いるところにあるが、高沸点の有機溶媒の
除去は困難であるので、例えば低沸点のエタノールやア
セトンなどをさらに混合させた3成分系の溶媒を用いる
のも良い。
本発明の高強度、高弾性率繊維は、ラジアルタイヤのタ
イヤコード、防弾チョッキ、駆動用ベルト、船舶係留用
ローブ、光フアイバー用テンションメンバー、アスベス
ト代替繊維、さらにはガラス繊維の代りに強化プラスチ
ック用や家具用織物としてきわめて有用である。
つぎに実施例をあげて本発明の高強度、高弾性率PVA
繊維について説明するが、本発明はかかる実施例のみに
限定されるものではない。
実施例1゜ 重合度の異なる3種類のPVA(ユニチカ(株)製、ケ
ン化度99.5モル%)に第1表に示す組成の溶媒をP
VA濃度が15重量%になるように加え、オートクレー
ブ中で110℃にて2時間加熱溶解することによりPV
A溶液を調製し、紡糸原液とした。これらの原液を孔径
0.1mm、孔数16の口金より吐出することによって
、乾式および湿式紡糸を行った。乾式紡糸の場合は、4
0〜60℃の紡糸温度で押し出し、100〜150℃の
熱風(500!Q/分)を循環させた紡糸筒(5m )
にて捲取速度500〜1.000m/分で捲取った。こ
れらの方法によって紡糸された繊維を更にアセトンで洗
浄することにより残存溶媒を除去した。これを180℃
の空気浴中で熱延伸すると500%以上の延伸が可能で
あった。得られた各繊維について、次の測定条件下で引
張り強度、弾性率、密度、結晶面間隔、融点および融解
熱を測定した。乾式紡糸の結果を第2表に、また、湿式
紡糸の結果を第3表に示す。
[引張り強度および弾性率] (株)東洋ボールドウィン製、Ten5 i ion/
 UTM−4−100を用いて引張り速度20 mm/
m i n 、温度25℃、相対湿度65%にて測定し
た。
[密度] ベンセン−四塩化炭素系の密度勺配管を用いて30℃で
測定した。測定に先たち気泡を除去するため、試料をベ
ンゼン中にいれて30分閏脱泡した。
[結晶面間隔コ (株)理学型a製X線回折装置(Ru−3)を用いて、
粉末カメラ径(114,6mm)にてN10過Cu−に
αで写真撮影を行い、常法により解析した。この際、N
aFを試料に少量付着させて写真撮影し、NaFの回折
角−面間隔の関係を用いて結晶面間隔を補正した。読取
り精度は±0゜002°であった。
[融点および融解熱コ Parkin ElmerFt iLI D S C1
−B型により窒素ガス雰囲気中にて熱測定を行って求め
た。約3〜4mgの試料を用いて測定し、温度および融
解熱の補正は99.99%高純度のインジウムを用いて
行った。
[以下余白] 第1表 比較例1゜ ユニチカ(株)ilPVA (i今度2,400、ケン
化度99.5モル%)に第4表に示す単独溶媒を用いて
、15%PVA溶液を調製し、紡糸原液とした。これら
の原液を実施例1と同じく湿式紡糸を行った。紡糸され
た繊維を更にアセトンで洗浄することにより残存溶媒を
除去した。これを180℃の空気浴中で熱延伸すると最
大400%の倍率で延伸できた。得られた各fi&lI
の引張り強度、弾性率、密度、結晶面間隔、融点および
融解熱の結果を第5表に示す。
[以下余白] [発明の効果コ 本発明の高強度、高弾性率!!−維はタイヤコード、ベ
ルト、ローブ、複合材用等の工業用繊維としても利用で
きるほか、高透明性を呈するので釣り糸や光ファイバー
としても利用できる。
特許出願人 株式会社バイオマテリアルユニバース 代表取締役 玄 丞捧

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)引張り強度が15g/d以上、弾性率が300g/
    d以上である高強度、高弾性率ポリビニルアルコール繊
    維 2)密度(30℃)が1.315g/cm^3以上、広
    角X線回折法による(100)面と(001)面のd−
    間隔がそれぞれ7.830Å、および5.500Å以下
    、DSC法による融点(Tm、融解曲線の末端)が24
    0℃以上で融解熱(ΔH)が20cal/g以上である
    特許請求の範囲第1項記載の高強度、高弾性率ポリビニ
    ルアルコール繊維 3)水と有機溶媒との混合溶液に溶解したポリビニルア
    ルコールを乾式、あるいは湿式紡糸法にてゲル紡糸した
    後、延伸・熱処理することを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の高強度、高弾性率ポリビニルアルコール繊
    維の製造法 4)有機溶媒が水に親和性を有するものである特許請求
    の範囲第3項記載の製造法 5)水対有機溶媒の重量比が90:10〜10:90で
    ある特許請求の範囲第3項記載の製造法 6)ポリビニルアルコールの重合度が1,000以上で
    あり、ケン化度が98%以上である特許請求の範囲第3
    項記載の製造法 7)ポリビニルアルコール溶液のポリビニルアルコール
    濃度が2〜30重量%である特許請求の範囲第3項記載
    の製造法 8)有機溶媒がジメチルスルホキシド、グリセリン、エ
    チレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレ
    ングリコール、ジメチルホルムアミド、メチルアルコー
    ル、エチルアルコール、フェノール、n−プロピルアル
    コール、またはiso−プロピルアルコールである特許
    請求の範囲第3項記載の製造法 9)ゲル状態での延伸倍率が10倍以上である特許請求
    の範囲第3項記載の製造法
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