JPS6220451Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、主として被鍍金材を取出し可能に
収納するバレルにおいて、バレル本体の出入窓の
一側に取付けられた扉を開閉動作させる開閉装置
の改良に関するものである。

（従来技術） バレル本体の正回転時に扉を閉鎖保持し、逆回
転時に扉を開放させるものには、実開昭51−
62522号のものがある。しかしながら、これにお
いては、バレル本体の内側へ扉が開放される構造
上、扉の開閉動作時に、バレル本体内の被鍍金材
が扉と衝突して扉の開閉動作を妨げる傾向にある
とともに、被鍍金材が板状材であるときには、バ
レル本体の端板と扉との間に被鍍金材がかみ込
み、扉の開閉動作に支障をきたすという問題点が
あつた。

（考案の目的） この考案の目的は、上記した従来の問題点に鑑
み、バレル本体の出入窓に対し、扉を円滑に開閉
することができる扉開閉装置を提供することであ
る。

（考案の構成） そこでこの考案では、左右の両支持アームの間
に正逆方向へ回転可能に支持されたバレル本体の
周面軸方向に出入窓が開口され、この出入窓の一
側に対し開閉軸によつて扉が開閉可能に枢着さ
れ、前記支持アームにはバレル本体の回転中心と
同一中心に円形のカムが配設され、前記扉の一側
には、先端が前記カムの外周面に沿つて移動して
扉を閉鎖保持する閉鎖レバーが、その基端部にお
いて前記扉と一体に装着され、この閉鎖レバーに
は前記バレル本体の逆回転時にのみ前記カムの上
部外周面に切欠き状に凹設された係合凹部と係合
して扉をバレル本体の外側へ開放させる開放レバ
ーが配設され、しかも前記開放レバーは、その基
端部が前記閉鎖レバーにピンとストツパ面とによ
り一方向へのみ回動可能に取付けられるととも
に、前記閉鎖レバーの先端を越えて略Ｌ字状に形
成され、前記バレル本体の正回転時には、前記閉
鎖レバーの後方において、前記開放レバーの先端
部が前記カムの外周面に沿つて移動し、前記バレ
ル本体の逆転時には、前記開放レバーが前記カム
の係合凹部と対向した位置において、同開放レバ
ーが前記ストツパ面に当たる位置まで回動して前
記カムの係合凹部と係合することで、前記扉をバ
レル本体の外側に開放させた後、前記開放レバー
のＬ字外側面がカムの外周面に沿つて移動するこ
とで前記扉の開放状態を保持するように構成した
ものである。

（作用） したがつてこの考案は、バレル本体を正回転し
たときには、円形のカムの外周面に沿つて移動す
る閉鎖レバーによつて、前記バレル本体の出入窓
に対し、扉が閉鎖状態に保持される。このとき閉
鎖レバーの後方において、開放レバーの先端部が
前記カムの外周面に沿つて移動する。

特に、前記バレル本体を逆回転したときには、
まず、開放レバーが前記カムの係合凹部と対向し
た位置において、同開放レバーがそのストツパ面
に当たる位置まで回動して前記カムの係合凹部と
係合する。そして、その後バレル本体の逆回転に
ともなつて、前記扉がバレル本体の出入窓の外側
に開放された後、前記開放レバーのＬ字外側面が
カムの外周面に沿つて移動することで、前記扉が
開放状態に保持される。

（実施例） 以下、この考案の一実施例を図面にしたがつて
説明する。

第１図において、基板１下面の両端部には左右
の両支持アーム２，２が垂下状に固定されてお
り、これら支持アーム２の下部には軸受３，３が
同一中心線上に配設されている。一方、バレル本
体４は、多孔板より多角筒状に形成されたバレル
胴５と、該バレル胴５の両端開口部を閉鎖する端
板６とにより形成されており、端板６の外側面中
央部には前記軸受３に対し正逆方向へ回転可能に
嵌挿される回転軸７が水平状に突設されている。
また、端板６の外周面には可逆モータ（図示しな
い）によつて正逆方向へ駆動される駆動歯車８に
噛合う歯車９が形成され、これによつて、バレル
本体４は正逆方向へ回転される。

バレル本体４のバレル胴５にはその周面軸方向
に被鍍金材を出入れするための出入窓１０が開口
されている。そして、出入窓１０の一側におい
て、バレル本体４の両端板６の間に開閉軸１１が
回転可能に横架されており、この開閉軸の軸回り
には出入窓１０を開閉するための扉１２が同開閉
軸１１を中心としかつバレル胴５の外方へのみ開
放可能に取付けられている。

支持アーム２の軸受３外周面にはバレル本体４
の回転中心と同一中心をなす円形のカム１３が形
成されており、このカム１３の外周面上部には、
第２図に示すように、所定の角度幅をもつて係合
凹部１４が形成されている。

一方、扉１２の開閉軸１１の端部軸回りにはカ
ム１３の外周面と協働して扉１２を閉鎖保持する
閉鎖レバー１５がその基端部において開閉軸１１
と一体に取付けられ、この閉鎖レバー１５の先端
部にはカム１３の外周面に沿つて転動するローラ
１６がピン１７によつて回転自在に枢着されてい
る。

上記閉鎖レバー１５にはバレル本体４の逆回転
時にのみカム１３の係合凹部１４と協働して扉１
２をバレル胴５の外側へ開放させる開放レバー１
８が組付けられている。この開放レバー１８は、
その基端部が閉鎖レバー１５の所定位置にピン１
９とストツパ面２０によつて一方向（第２図中、
矢印Ｐ方向）へのみ回動可能に取付けられ、先端
部が自重によつてカム１３の係合凹部１４と係合
可能に嵌合するようにほぼＬ字状に形成されてい
る。また、開放レバー１８の先端部には、バレル
本体４の正回転時に、カム１３の外周面に沿つて
転動し、バレル本体４の逆回転時にはカム１３の
係合凹部１４の一壁面と係合するローラ２１がピ
ン２２によつて回転自在に取付けられている。さ
らに、開放レバー１８のＬ字角部の外側には、バ
レル本体４の逆回転時にカム１３の外周面に沿つ
て滑走し扉１２を開放状態に保持するための所定
曲率半径のアール面１８ａが形成されている。

上記したように構成される扉開閉装置におい
て、バレル本体４の正回転時には、第３図に示す
ように、閉鎖レバー１５先端部のローラ１６がカ
ム１３の外周面に沿つて転動し、この閉鎖レバー
１５とカム１３との協働によつて扉１２が閉鎖状
態に保持される。一方、バレル本体４の正回転時
において、開放レバー１８のローラ２１がカム１
３の係合凹部１４に達すると、該開放レバー１８
は、第２図に示すように、自重によつてピン１９
を支点として回動し、同レバーのローラ２１が係
合凹部１４内に嵌入する。しかし、この開放レバ
ー１８は、バレル本体４の正回転時には係合凹部
１４より抜け出る方向へピン１９を支点として回
動自在であるため、開放レバー１８のローラ２１
はカム１３の係合凹部１４と係合することなく該
凹部１４より抜け出てた後、第３図に示すよう
に、カム１３外周面に沿つて転動する。

バレル本体４の扉１２を開放する場合、バレル
本体４を逆回転させると、まず、開放レバー１８
のローラ２１がカム１３の係合凹部１４に達した
ところで、同開放レバー１８が自重によつてピン
１９を支点として回動し、その先端のローラ２１
がカム１３の係合凹部１４内に嵌入する。次に、
開放レバー１８のローラ２１がカム１３の係合凹
部１４の一壁面に当接係合し、開放レバー１８、
ストツパ面２０、閉鎖レバー１５を介して開閉軸
１１とともに扉１２がバレル本体４の外側へ向け
て開放動作される。引き続いて、第４図に示すよ
うに開放レバー１８のアール面１８ａがカム１３
の係合凹部１４の一壁面に当接しながら、該係合
凹部１４から抜け出したところで、第５図に示す
ように、扉１２がバレル本体４の外側へ所定角度
に開放される。その後、開放レバー１８のアール
面１８ａがカム１３の外周面に沿つて滑走し、扉
１２が開放状態に保持される。

（考案の効果） 以上述べたように、この考案によれば、特に、
バレル本体を逆回転したときには、まず、開放レ
バーがカムの係合凹部と対向した位置において、
同開放レバーがそのストツパ面に当たる位置まで
回動して前記カムの係合凹部と係合する。そし
て、その後のバレル本体の逆回転にともなつて、
前記開放レバーによつて前記扉をバレル本体の出
入窓の外側に開放することができる。

さらに、前記したように扉を開放した後、前記
開放レバーのＬ字外側面がカムの外周面に沿つて
移動することで、前記扉を外開きの開放状態に保
持することができる。このため、バレル本体の内
側へ扉が開放される従来のものと異なり、バレル
本体内の被鍍金材が内開きの扉と衝突したり、バ
レル本体と扉との間に被鍍金材がかみ込む等の不
具合を解消することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は正面図第２図は第１図の−線断面図、第
３図はバレル本体の正回転時におけるカムに対す
る閉鎖レバー及び開放レバーの動作状態を示す側
面図、第４図と第５図はバレル本体を逆回転して
扉を開放するときのカムに対する閉鎖レバー及び
開放レバーの動作状態を順に示す側面図である。 ２……支持アーム、４……バレル本体、７……
回転軸、１０……出入窓、１１……開閉軸、１２
……扉、１３……カム、１４……係合凹部、１５
……閉鎖レバー、１８……開放レバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右の両支持アームの間に正逆方向へ回転可能
   に支持されたバレル本体の周面軸方向に出入窓が
   開口され、この出入窓の一側に対し開閉軸によつ
   て扉が開閉可能に枢着され、前記支持アームには
   バレル本体の回転中心と同一中心に円形のカムが
   配設され、前記扉の一側には、先端が前記カムの
   外周面に沿つて移動して扉を閉鎖保持する閉鎖レ
   バーが、その基端部において前記扉と一体に装着
   され、この閉鎖レバーには前記バレル本体の逆回
   転時にのみ前記カムの上部外周面に切欠き状に凹
   設された係合凹部と係合して扉をバレル本体の外
   側へ開放させる開放レバーが配設され、しかも前
   記開放レバーは、その基端部が前記閉鎖レバーに
   ピンとストツパ面とにより一方向へのみ回動可能
   に取付けられるとともに、前記閉鎖レバーの先端
   を越えて略Ｌ字状に形成され、前記バレル本体の
   正回転時には、前記閉鎖レバーの後方において、
   前記開放レバーの先端部が前記カムの外周面に沿
   つて移動し、前記バレル本体の逆転時には、前記
   開放レバーが前記カムの係合凹部と対向した位置
   において、同開放レバーが前記ストツパ面に当た
   る位置まで回動して前記カムの係合凹部と係合す
   ることで、前記扉をバレル本体の外側に開放させ
   た後、前記開放レバーのＬ字外側面がカムの外周
   面に沿つて移動することで前記扉の開放状態を保
   持するように構成してあることを特徴とするバレ
   ルの扉開閉装置。