JPS6219671Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はクレーン先端部におけるワイヤー掛回
し機構に関するものである。

従来のクレーンの先端部は、第１図及び第２図
に示すように２つの滑車が上下に配置固定され、
そこにワイヤーが掛回されていた。このような構
造の場合は、ワイヤーが垂直方向に昇降する限り
さしたる問題は起きないが（滑車もそのような状
態を予想して設置されている。）、作業によつては
ワイヤーが第１図における鎖線の如く先端側に傾
いたり、第２図における鎖線のように横方向に傾
いて下側の滑車から外れることがある。このよう
な状態においてクレーン作業を行なうと、ワイヤ
ーとクレーン先端部とが擦れ合うためにワイヤー
が損傷し、あるいは、クレーン先端部が破損し易
い。

そこで本考案は、ワイヤーがどのような方向に
傾こうともワイヤーとクレーン先端部とが擦れ合
うことがなく、クレーン作業を円滑に行なうこと
ができるクレーン先端部におけるワイヤー掛回し
機構を提供することを目的とするものである。

本考案はクレーン先端部１の上側に滑車２を定
着し、また、その下側に中空の軸筒３を固定し、
この軸筒３において、滑車４を支承する旋回脚５
の上部に固定した円筒軸６を回転自在に保持して
なるクレーン先端部におけるワイヤー掛回し機構
であつて、図面はその実施例を示すものである。
それによれば、軸筒３の中空部上下に段部３ａ，
３ｂを形成し、そこに軸受（図示してない）を嵌
装する。旋回脚５の上側には、軸筒３の中空部内
において上記軸受を介して回転自在とした円筒軸
６を定着し、また、旋回脚５の外側には、それぞ
れバネ掛７とストツパー８とを取付ける。９は側
板で、旋回脚５を側方から貫く滑車軸１０によつ
て旋回脚５の外側に回動可能に保持される。側板
９の上端にはバネ掛１１を設け、このバネ掛１１
と上記バネ掛７との間に引張りバネ１２を掛装す
る。また、側板９間の下方には、滑車４との間に
ワイヤー１４を挿入しうる間隔を置いて押えロー
ラー１３を渡す。

本考案の作用を図示した実施例について説明す
るに、ワイヤー１４は、滑車２に掛回した後円筒
軸６の貫通孔に挿通し、そこから滑車４と押えロ
ーラー１３との間に通す。かくしてワイヤー１４
に垂直方向の荷重がかかると、即ち、クレーン吊
上げ角度が垂直のときは旋回脚５は旋回すること
なくそのままの位置を保ち、側板９は引張りバネ
１２に引かれて回動し、押えローラー１３が適度
にワイヤー１４を押えつけ、ワイヤー１４が滑車
４から外れることを防止する（第４図における実
線）。また、クレーン吊上げ角度が傾いていると
きは、ワイヤー１４からの力によつて旋回脚５が
回動してその方向に向けられる。そして、側板９
も、ワイヤー１４の傾斜に応じて引張バネ１２に
引かれ、ストツパー８に当接するまで回動し、以
てワイヤー１４が滑車４から脱落することを防止
する（第４図における鎖線）。

本考案は上述した通りであるから、クレーンの
吊上げ角度ないしワイヤーの引張り角度が垂直状
態でなくとも、それに応じて旋回脚が旋回してワ
イヤーを押え、ワイヤーが滑車から外れることを
防止し、以てワイヤーとクレーン先端部とが擦れ
合うことを防ぎ、それらの損傷を未然に防止して
円滑なクレーン作業を行なわしめる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来のクレーンにおいてそ
の先端部とワイヤーとが擦れ合う様子を示す図、
第３図は本考案の実施例の概要図、第４図はその
具体的構成図、第５図はその平面図である。 符号の説明、１……クレーン先端部、２……滑
車、３……軸筒、４……滑車、５……旋回脚、６
……円筒軸、７……バネ掛、８……ストツパー、
９……側板、１０……滑車軸、１１……バネ掛、
１２……バネ、１３……押えローラー、１４……
ワイヤー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クレーン先端部１の上側に滑車２を定着し、ま
   た、その下側に中空の軸筒３を固定し、この軸筒
   ３において、滑車４を支承する旋回脚５の上部に
   固定した円筒軸６を回転自在に保持し、旋回脚５
   を側方から貫く滑車軸１０の両側に側板９を取り
   付け、該側板９の下端間に押えローラー１３を渡
   し、また、側板９の上端には、一端を旋回脚５に
   固定した引張りバネ１２の他端を固定してなるク
   レーン先端部におけるワイヤー掛回し機構。