JPH081270Y2 - クレーンにおけるワイヤガイド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、クレーン、特に、伸縮ブームの先端からフ
ックを吊持するワイヤロープをガイドするワイヤガイド
に関するものである。

（従来技術） 従来のクレーンは、第３図に示す如く、基ブーム１に
対して先端側ブーム2,3を伸縮自在に嵌挿してなる伸縮
ブームＡの基端側に設けられたウインチ４から繰り出さ
れるワイヤロープ５によって、伸縮ブームＡの最先端ブ
ーム３の先端からフック６を吊持するようになってい
た。このため、伸縮ブームＡに沿って伸縮ブーム先端に
導びかれるワイヤロープ５が、走行中の振動等で揺動
し、伸縮ブームＡと接触して損傷するのを防止するた
め、および、ワイヤロープのウインチからの繰り出し量
によって変動するワイヤロープのフリートアングルの支
点とするため、基ブーム１の先端部に垂直面上で回転自
在なガイドシーブ７からするワイヤガイドＢが設けられ
ていた。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、この種のワイヤガイドＢは、ガイドシ
ーブ７が垂直面に沿って回転自在なよう伸縮ブームＡの
基ブーム１先端部に配置されていたため、基ブーム１外
面からの突出量ｈが大きくなり、このためガイドシーブ
７が障害物と接触して損傷し易いという問題があった。
また、ワイヤロープ５のフリートアングルが大きくなる
と、ワイヤロープ５がガイドシーブ７の案内溝の両側の
縁部（案内溝を画定する縁部）に擦れてこれがワイヤロ
ープ５の寿命に悪影響を与えるという問題があった。

この考案は、上記問題点を解決するためになされたも
ので、基ブーム１外面からの突出量が小さく、しかもワ
イヤロープ５のフリートアングルが大きくなってもワイ
ヤロープ５がガイドシーブ７の案内溝の両側の縁部に擦
れることがないワイヤガイドを提供するとを目的とする
ものである。

（問題点を解決するための手段） この目的を達成するため本考案のワイヤガイドは、以
下の如く構成する。

基ブームに対して先端側ブームを伸縮自在に嵌挿して
なる伸縮ブームの基端側に設けられたウインチから繰り
出され伸縮ブームの上側あるいは下側を経由するワイヤ
ロープによって、伸縮ブームの最先端ブーム先端からフ
ックを吊下するようにしてなるクレーンに用いられるワ
イヤガイドであって、 前記基ブームの上板あるいは底板に平行かつ近接した
平面上で回転自在なよう基ブームの先端部の上側あるい
は下側に配置され、伸縮ブームの上側あるいは下側を経
由する前記ワイヤロープの途中をその案内溝に転接状態
で受容して、ワイヤロープのウインチからの繰り出し量
によって変動するワイヤロープのフリートアングルの支
点となるガイドシーブと、 当該ガイドシーブの案内溝に近接して設けられた当該
ガイドシーブからのワイヤロープの脱落を防止する脱落
防止片とから構成したことを特徴とするクレーンにおけ
るワイヤガイド。

（作用） 以上の如く構成した本考案のワイヤガイドは、ガイド
シーブが基ブーム１の上板あるいは底板に平行かつ近接
した平面上で回転自在なよう基ブームの先端部の上側あ
るいは下側に配置されているので、基ブーム１の上面あ
るいは下面からの突出量が小さくなる。従って、障害物
への接触によるワイヤガイドの損傷を少なくできるので
ある。

また、ワイヤロープ５のフリートアングルが大きくな
ってもワイヤロープ５のガイドシーブ案内溝底面への巻
き掛け角度が大きくなるだけで、ワイヤロープ５がガイ
ドシーブ７の案内溝の両側に擦れることがない。従っ
て、ワイヤロープ５の寿命に悪影響を与えることがない
のである。

（実施例） 次に本考案の実施例を第１図，第２図に基づき説明す
る。なお、第３図に基づき従来技術として説明した符号
１〜６およびＡは以下の説明においてもそれを同義のも
のとして援用するものとする。

10は、基ブーム１の底板の先端部下側に位置し、当該
底板に平行な平面上で回転自在なよう基ブーム１の先端
部下側に取付けられたガイドシーブである。当該ガイド
シーブ10は、前記底板の先端部に下方に向かって立設し
た車軸11に回転自在に枢支されると共に、その外周面に
設けた案内溝12によりワイヤロープを５を案内するよう
になっている。このガイドシーブ10は伸縮ブームＡの上
側あるいは下側を経由する前記ワイヤロープ５の途中を
その案内溝12に転接状態で受容して、ワイヤロープ５の
ウインチ４からの繰り出し量によって変動するワイヤロ
ープ５のフリートアングルの支点として機能するように
なっている。なお、本実施例の場合、ガイドシーブ10の
底板1a先端部への取付け位置は、ワイヤロープ５を案内
する案内溝12の位置が、底板1aの幅方向略中央位置にな
るように取付けられている。このように取付けることに
より、伸縮ブームＡの基端側にそのドラム幅方向中心が
伸縮ブームＡの幅方向中心位置となるように設けられた
ウインチ４から繰り出されるワイヤロープ５の左右のフ
リートアングルα₁，α₂を小さくして（平均化して）ワ
イヤロープ５の乱巻きを可及的に防止することができる
のである。13は案内溝12の縁部14のうち下方に位置する
縁部14aに延設して設けられたツバであり、当該ツバ13
部分によってワイヤロープ５を支持・案内するようにな
っている。これは、ワイヤロープ５の支持範囲をツバ13
を設けることにより拡大し、ワイヤロープ５の支持を確
実に行なうためのものである。15は前記ガイドシーブ10
の案内溝12からのワイヤロープ５の脱落を防止する脱落
防止片でわり、ガイドシーブ10の案内溝12外周近傍（こ
の実施例ではツバ13の外周近傍）でワイヤロープ５を挟
む位置に底板1aに立設して設けられている。本考案のワ
イヤガイドは前記ガイドシーブ10と脱落防止片15で構成
されている。

なお、上記の実施例ではワイヤガイドを、基ブームの
先端部の下側に配置した例を説明したが、ワイヤロープ
５を伸縮ブームの上側を経由するようにしたものにあっ
ては、このワイヤガイドを、基ブームの先端部の上側に
配置するようにすれば良いのである。

以上の如く構成した本考案のワイヤガイドは、ガイド
シーブ10が基ブーム１の上板あるいは底板に平行にかつ
近接した平面上で回転自在なよう基ブーム１の先端部の
上側あるいは下側に配置されているので、基ブーム１の
上面あるいは下面からの突出量が小さくなる。従って、
障害物への接触によるワイヤガイドの損傷を少なくでき
るのである。

また、ワイヤロープ５のフリートアングルが大きくな
ってもワイヤロープ５のガイドシーブ10案内溝12底面へ
の巻き掛け角度が大きくなるだけで、ワイヤロープ５が
ガイドシーブ10の案内溝12の両側の縁部14に擦れること
がない。従って、ワイヤロープ５の寿命に悪影響を与え
ることがないのである。

（効果） 以上の如く構成し作用する本考案のクレーンにおける
ワイヤガイドは、簡単な構成でありながら、障害物への
接触による損傷を少なくでき、かつワイヤロープ５の寿
命に悪影響を与えることがないという効果を有するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は、本考案の実施例を示す説明図であ
り、第１図はその正面図、第２図はその平面図である。
第３図は従来技術の説明図である。 基ブーム……１、先端側ブーム2,3、伸縮ブーム……
Ａ、ウインチ……４、フック……６、ワイヤロープ……
５、脱落防止片……15、ガイドシーブ……10

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基ブームに対して先端側ブームを伸縮自在
   に嵌挿してなる伸縮ブームの基端側に設けられたウイン
   チから繰り出され伸縮ブームの上側あるいは下側を経由
   するワイヤロープによって、伸縮ブームの最先端ブーム
   先端からフックを吊下するようにしてなるクレーンに用
   いられるワイヤガイドであって、 前記基ブームの上板あるいは底板に平行かつ近接した平
   面上で回転自在なよう基ブームの先端部の上側あるいは
   下側に配置され、伸縮ブームの上側あるいは下側を経由
   する前記ワイヤロープの途中をその案内溝に転接状態で
   受容して、ワイヤロープのウインチからの繰り出し量に
   よって変動するワイヤロープのフリートアングルの支点
   となるガイドシーブと、 当該ガイドシーブの案内溝に近接して設けられ当該ガイ
   ドシーブからのワイヤロープの脱落を防止する脱落防止
   片とから構成したことを特徴とするクレーンにおけるワ
   イヤガイド。