JPH021349Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はクレーンのロープ外れ止め装置に関
し、さらに詳しくはアーム先端の滑車部における
ロープの外れ止め装置に関する。

（従来の技術） 最近トラツククレーンやホイールクレーンなど
の中小形クレーンが建築現場などで盛んに用いら
れるようになつた。そしてこれらのクレーンにお
けるアームの先端に軸支した滑車からフツクブロ
ツクに至るロープの外れ止め装置としては、ロー
プが貫通するアイボルト状のロープガイドを、滑
車の直下部においてアームに固定取付したものが
一般的である。

（考案が解決しようとする問題点） ところが上記の固定式のロープガイドは、側方
へ振れようとするロープがロープガイドに摺接し
たり該ガイドにより折曲げられたりするため、ロ
ープを傷めるので好ましくなかつた。

この考案は上記従来の問題点を解決するもの
で、ロープを傷めることなく滑車から外れるのを
確実に防止できるクレーンのロープ外れ止め装置
を提供しようとするものである。

（問題点を解決するための手段） しかしてこの考案のロープ外れ止め装置は、フ
ツクブロツクに至るロープをガイドする滑車をア
ームの先端に軸支したクレーンにおいて、前記滑
車から垂下するロープを該滑車の両側面側から挾
む形でロープ溝付の案内ローラを配設し、この案
内ローラを、前記滑車の支軸のまわりに揺動自在
なブラケツトに軸支したことを特徴とするクレー
ンのロープ外れ止め装置である。

（作用） この考案のクレーンのロープ外れ止め装置にお
いては、滑車に下方から出入するロープは、ロー
プの両側に配置した案内ローラによつて滑車側方
（滑車の軸線方向）への振れを抑制され、滑車か
ら外れるのが防止される。フツクブロツクが揺れ
てロープが滑車側方に振れても、ロープは案内ロ
ーラのロープ溝に沿つて比較的大きな曲率で曲げ
られ、かつ案内ローラは回転自在なので、ロープ
の摩擦や折曲げによる傷みは少ない。またフツク
ブロツクがアームの長手方向（滑車の軸線に対し
て直角方向）に揺れた場合は、ロープにより案内
ローラを介してブラケツトが押されて、ブラケツ
トおよびこれと一体の案内ローラが滑車の支軸の
まわりに揺動するので、ロープが案内ローラから
外れたり、案内ローラによつて局部的に折曲げら
れたりすることが防止される。

（実施例） 以下第１図乃至第４図によつてこの考案の一実
施例を説明する。

第１図において、１はクローラクレーン状のク
レーンであるが、従来のマスト状の専用のアーム
をそなえたクローラクレーンと異なり、パワーシ
ヨベルのバケツトおよびアーム（図示しない）を
取外して、代りにクレーンユニツト２を取付けた
ものである。クレーンユニツト２の基体をなすア
ーム３の基端部に固着した腕金４および５は、ピ
ン６および７を介して、ブーム８およびアーム傾
動駆動用のシリンダ９のピストンロツドに回転自
在に連結されている。クレーンユニツト２は、油
圧モータ１０と、この油圧モータにより歯車式減
速装置を介して回転駆動される巻胴１１とから成
る油圧ウインチをそなえ、この巻胴１１に巻付け
たロープ（ワイヤロープ）１２は、滑車１３に案
内されフツクブロツク１４を懸吊している。油圧
モータ１０への作動油の給排はブーム８に沿つて
設けた油圧配管１５と、ホース１６とから成る給
排油管路によりおこなわれる。２０は滑車１３の
下方に設けたロープ外れ止め装置である。

このロープ外れ止め装置２０および滑車１３の
詳細構造は第２図乃至第４図に示す通りで、先ず
滑車１３は、アーム３の先端に取付けた支軸１７
により回転自在に支持された第一滑車１３ａおよ
び第二滑車１３ｂ（滑車１３と総称する）から成
り、巻胴１１からのロープ１２は第一滑車１３ａ
を経てフツクブロツク１４の動滑車１４ａに巻掛
けられ、反転して第二滑車１３ｂに巻掛けられた
のち、そのロープ端は連結具１８を介してフツク
ブロツク１４のフレーム１４ｂに止着されてい
る。またロープ外れ止め装置２０は、支軸１７の
まわりに揺動自在に取付けられた３個のブラケツ
ト２１の下端部に、支軸１７の軸線に対して直角
な方向に延びる軸２２により、案内ローラ２３を
各２個回転自在に取付けて成る。案内ローラ２３
は、ロープ１２の係合するロープ溝２４をそな
え、滑車１３から垂下するロープ１２を滑車１３
の側面１３ｃ側から挾む形（ただし挟みつけるの
ではなくロープ１２はロープ溝２４内で遊動自在
である）となるように、隣り合う案内ローラ２３
を接近配置してある。２５は各ブラケツト２１の
軸２２を連結する連結板である。

上記構成の装置において、クレーン１の台車１
９の旋回や移動に伴つてフツクブロツク１４が揺
れ、第４図に示すようにロープ１２が矢印Ｘ方向
に振れても、案内ローラ２３がこの振れが上方に
伝達されるのを阻止し、ロープ１２は滑車１３に
対して直下部から出入するため、滑車１３の側面
１３ｃ方向へのロープ外れ事故を防止できる。ま
た台車１９の移動やアーム３のシリンダ９による
傾動駆動、ブーム８の起伏駆動などにより、フツ
クブロツク１４が揺れてロープ１２が第２図に示
す矢印Ｙ方向に振れると、ロープ溝２４がロープ
１２により押されてブラケツト２１および各案内
ローラ２３は、支軸１７のまわりに揺動するの
で、ロープ１２は局部的に折曲げられず、また案
内ローラ２３から外れることなく、円滑に案内ロ
ーラ２３に出入して滑車１３からのロープの外れ
止め作用が確実に得られるのである。

この考案は上記実施例に限定されるものではな
く、たとえば上記実施例では連結板２５により各
ブラケツトの軸２３を連結したので、隣り合う案
内ローラ２３の離間防止および支軸１７のまわり
に一体化して揺動させる点で好ましいものである
が、このかわりに連結結ボルト等により各ブラケ
ツト２１を直接連結してもよいし、さらに全ブラ
ケツト２１を一体物で構成してもよい。また上記
実施例は滑車１３に下方から出入するロープが３
本の場合について説明したが、３本以外の本数の
場合は案内ローラ２３の個数をロープ本数に応じ
て増減すればよい。またこの考案はパワーシヨベ
ルにクレーンユニツト２を組合わせたものの他、
通常のトラツククレーン等、各種のクレーンに適
用できるものである。

（考案の効果） 以上説明したようにこの考案によれば、ロープ
は案内ローラによりガイドされ、この案内ローラ
は滑車の支軸のまわりに揺動自在なので、ロープ
を傷めることなく滑車からのロープの外れを確実
に防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示すクレーンの
正面図、第２図は第１図のＡ部縦断面図、第３図
は第２図のＢ−Ｂ線断面図、第４図は同じくＣ−
Ｃ線断面図である。 １……クレーン、３……アーム、１２……ロー
プ、１３……滑車、１３ｃ……側面、１４……フ
ツクブロツク、２０……ロープ外れ止め装置、２
１……ブラケツト、２２……軸、２３……案内ロ
ーラ、２４……ロープ溝、２５……連結板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フツクブロツクに至るロープをガイドする滑車
   をアームの先端に軸支したクレーンにおいて、前
   記滑車から垂下するロープを該滑車の両側面側か
   ら挾む形でロープ溝付の案内ローラを配設し、こ
   の案内ローラを、前記滑車の支軸のまわりに揺動
   自在なブラケツトに軸支したことを特徴とするク
   レーンのロープ外れ止め装置。