JP2553399Y2

JP2553399Y2 - 地下ケーブル繰出作業車

Info

Publication number: JP2553399Y2
Application number: JP10837791U
Authority: JP
Inventors: 博之城戸; 信行新井; 祐一吉沢; 茂昭徳元; 明夫佐藤; 剛溝添
Original assignee: Aichi Corp
Current assignee: Aichi Corp
Priority date: 1991-12-04
Filing date: 1991-12-04
Publication date: 1997-11-05
Anticipated expiration: 2006-12-04
Also published as: JPH0550916U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、地下ケーブルの埋設作
業に使用される地下ケーブル繰出作業車に関する。

【０００２】

【従来の技術】ケーブルドラムに巻取られたケーブル
（電力ケーブルや通信ケーブル等）を地下深層部に埋設
するときには、まず、ケーブル埋設区間における始点の
地上に地下ケーブル繰出作業車を配置する。そして、そ
の車体上にケーブルドラムを回転自在に支持する。な
お、通常車体上には起伏揺動が自在な一対のスイングア
ームが取り付けられており、ケーブルドラムの回転軸は
それらスイングアームの各先端に回転自在に保持され
る。また、車体にはケーブルをケーブルドラムから引き
出してさらに地下に向かって送り出す（繰り出す）繰出
駆動装置が取り付けられている。一方、埋設区間の終点
における地下ないし地上にウインチを配置する。上記繰
出駆動装置によりケーブルを繰り出しながら、そのウイ
ンチによってケーブルの先端に取り付けれられたワイヤ
ロープを牽引することにより、そのケーブルを埋設区間
全体に布設することができる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、地下深
層部に埋設されるケーブルは、太くて長く大重量を有す
ることが多い。このため、ケーブルドラムおよびそれを
保持するケーブル繰出作業車も大型化する。このような
大型のケーブル繰出作業車は路地裏等の狭小地に入るこ
とができないため、そのような場所でのケーブルの埋設
作業を行うことは困難であるという問題がある。なお、
そのような狭小地でケーブルの埋設作業を行う方法とし
て、持ち運び可能な油圧ジャッキによりケーブルドラム
を回転自在に持ち上げて、同様に持ち運び自在な繰出駆
動装置によってケーブルを繰り出すという方法がある。
しかし、このような方法では、油圧ジャッキや繰出駆動
装置のセッティングに手間がかかり、作業効率の悪化に
つながるという問題がある。さらに、油圧ジャッキの地
面への固定が確実になされないとケーブルドラムの安定
性に欠ける等、作業の安全面で不利であるという問題も
ある。

【０００４】本考案は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、狭小地等におけるケーブルの地下深層部
への埋設作業を効率良くかつ安全に行うことができるよ
うにした地下ケーブル繰出作業車を提供することを目的
としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本考案の地下ケーブル繰出作業車では、車体上に
水平旋回が自在に旋回テーブルを取り付け、その旋回テ
ーブル上に一対のスイングアームを取り付けている。こ
れらスイングアームは、それぞれ起伏揺動が自在であ
り、車体の後方または側方に倒伏した状態でそれらの各
先端にケーブルドラムの回転軸の端部を回転自在および
着脱自在に保持することができる。そして、各スイング
アームの先端には、上記のように倒伏状態にある各スイ
ングアームの先端を地面に対して支持するアーム用ジャ
ッキが取り付けられている。また、旋回テーブルには、
両スイングアームにより保持されたケーブルドラムから
ケーブルを引出してさらに地下に向かって送り出す繰出
駆動装置と、ケーブルをケーブルドラム上から繰出駆動
装置に案内するケーブルガイド装置とが備えられてい
る。

【０００６】

【作用】このような地下ケーブル繰出作業車では、かな
り径および重量の大きなケーブルドラムであっても、ア
ーム用ジャッキがその重量の大部分を支持するため、ス
イングアームや車体に過大な負担がかかることはない。
このため、車体は小型のもので済む。また、車体に対す
るケーブルの繰出位置を、旋回テーブルの旋回を通じ
て、作業現場の状況等に合わせて任意に選択することが
できる。そして、ケーブルは、ケーブルガイド装置によ
りケーブルドラム上から繰出駆動装置に無理なく案内さ
れ、その繰出駆動装置によりスムーズに繰り出される。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の好ましい実施例について図面
を参照しながら説明する。図１から図３に示すように、
本考案に係る地下ケーブル繰出作業車１０は、トラック
の車体１１をベースとして構成されている。車体１１上
の後部には、水平旋回が自在な旋回テーブル１２が取り
付けられている。この旋回テーブル１２の後部両側面に
は、それぞれスイングアーム１３，１３の基端部が枢着
されている。これら一対のスイングアーム１３，１３
は、その枢着部を中心として、車体１１の上方に倒伏し
て格納された状態（各図におけるＡの状態）から車体１
１の後方（旋回テーブル１２の旋回位置によっては車体
１１の側方）の地面の上方に倒伏した状態（各図におけ
るＢの状態：以下、ドラム保持状態という）までの間で
起伏揺動が自在である。なお、旋回テーブル１２および
スイングアーム１３，１３の作動駆動は、油圧を利用し
て行われる。

【０００８】ドラム保持状態となった各スイングアーム
１３の先端部には、上方に開口するシャフト受け用凹部
１３ａが形成されている。両シャフト受け用凹部１３
ａ，１３ａにはドラム支持シャフト（回転軸）１４の端
部が回転自在に保持されている。さらに、ドラム保持状
態となった各スイングアーム１３の先端部上面には、シ
ャフト受け用凹部１３ａの開口部を開閉できるシャフト
ロック装置１５が取り付けられている。このシャフトロ
ック装置１５の開閉作動により、スイングアーム１３に
対するドラム支持シャフト１４の着脱を行うことができ
る。

【０００９】ドラム保持状態となった各スイングアーム
１３の先端部下面には、油圧より伸縮作動するアーム用
ジャッキ１８がスイングアーム１３に対して吊下げ・引
上げ自在にそのシリンダチューブの上端部において枢着
されている。吊下げ状態となったアーム用ジャッキ１８
はその下端部を接地させることにより、ドラム保持状態
のスイングアーム１３の先端側を地面に対して支持す
る。また、アーム用ジャッキ１８のシリンダチューブの
下端部とスイングアーム１３の中間部下面間には、アー
ム用ジャッキ１８を吊下げ状態に保持するための固定ス
テイ１９が取り付けられている。

【００１０】このようにしてアーム用ジャッキ１８によ
り支持されたスイングアーム１３には、ケーブルドラム
Ｄを取り付けたドラム支持シャフト１４が装着される。
なお、その装着は、ケーブルドラムＤを地面に載置する
とともにそのドラム支持シャフト１４よりもスイングア
ーム１３の先端の高さを低くしてから行う。この場合に
は、ケーブルドラムＤを地面上を転がして、ドラム支持
シャフト１４をスイングアーム１３の先端上方に位置さ
せ、その後、スイングアーム１３をアーム用ジャッキ１
８の伸長作動によりドラム支持シャフト１４ごと持ち上
げる。また、当初からスイングアーム１３の先端の高さ
を高めにしておき、そのスイングアーム１３上に、クレ
ーン等によって吊上げたドラム支持シャフト１４（ケー
ブルドラムＤ）を載せるようにして行っても良い。

【００１１】また、一方（図では車体１１の左側）のス
イングアーム１３の先端付近には、ブレーキ装置２０が
取り付けられている。このブレーキ装置２０は、スイン
グアーム１３に回転自在に支持されたブレーキディスク
２１と、油圧により作動して、ブレーキディスク２１を
強い力で挟持しまたは解放する停止用キャリパ２２と、
ブレーキディスク２１を常時弱い力で挟持する自走防止
用キャリパ２３とから構成されている。ブレーキディス
ク２１には、ドラム支持シャフト１４の回転（即ち、ケ
ーブルドラムＤの回転）が、そのシャフト１４に取り付
けられた駆動ギヤ１４ａおよびブレーキディスク２１と
一体となって回転する被動ギヤ２１ａを介して伝達され
る。このため、停止用キャリパ２２を挟持作動させてブ
レーキディスク２１の回転を停止させることにより、ケ
ーブルドラムＤの回転を停止させることができる。ま
た、自走防止用キャリパ２３を挟持作動させることによ
り、ケーブルドラムＤの回転に、その回転速度が慣性力
によって上昇しないように（即ち、自走しないように）
抵抗を与えることができる。

【００１２】さらに、旋回テーブル１３の後部正面に
は、繰出駆動装置３０が取り付けられている。この繰出
駆動装置３０は、図３に詳しく示されているように、左
右に並んで配置された２つのベルト走行機３１，３１か
らなる。各ベルト走行機３１は、互いに他方のベルト走
行機３１と向き合う側（内側）にベルトローラ３２を備
えている。このように構成された繰出駆動装置３０の両
ベルトローラ３２，３２間には、スイングアーム１３に
よって支持されたケーブルドラムＤに巻取られているケ
ーブルＣが挟まれる。そして、それらベルトローラ３
２，３２を、それぞれの内側に面した部分が上方から下
方に向かって移動するように走行させることにより、ケ
ーブルＣをケーブルドラムＤから引き出して、さらに地
下に向かって送り出す（繰り出す）ことができる。な
お、各ベルトローラ３２の駆動は、ベルト走行機３１の
上部に取り付けられた油圧繰出用モータ３３により行わ
れる。また、各ベルトローラ３２を逆方向に走行させる
ことにより、ケーブルＣをケーブルドラムＤに巻戻すこ
ともできる。

【００１３】また、旋回テーブル１２の後部上面には、
ケーブルガイド装置４０が取り付けられている。このケ
ーブルガイド装置４０は、旋回テーブル１２に対して水
平旋回が自在な脚部４１と、この脚部４１上に互いに平
行に立設された一対の支持フレーム４２，４２とを備え
てなる。各支持フレーム４２は、基端部がななめ上方に
傾いて延び、先端部に向かってその傾き方向を水平に近
付け、最先端部は逆に若干下方に向かって延びるように
形成されている。これら支持フレーム４２，４２の最先
端部から基端部にかけての内側面間には、複数のガイド
ローラ４３，４３，…，４３が回転自在に取り付けられ
ている。なお、各ガイドローラ４３の転動面は鼓状に形
成されている。このように構成されたケーブルガイド装
置４０の各ガイドローラ４３上には、繰出駆動装置３０
により引っ張られるケーブルＣが無理に曲げ変形される
ことなく載置される。そのケーブルＣは各ガイドローラ
４３の転動面の中央に位置決めされた状態のまま引っ張
られていく。なお、前述のブレーキ装置２０における自
走防止用キャリパ２３の挟持作動により、ケーブルガイ
ド装置４０上のケーブルＣはたるむことがない。さら
に、ケーブルＤの繰り出しが進むにしたがってケーブル
ドラムＤ上におけるケーブルＣの引き出し位置が回転軸
方向に平行移動するが、このケーブルガイド装置４０の
先端部は、脚部４１の旋回により引き出し位置に追従し
て移動する。こうしてケーブルＣは、スムーズにケーブ
ルドラムＤの上側から繰出駆動装置３０内に案内され
る。

【００１４】なお、車体１１の前部には、旋回テーブル
１２、スイングアーム１３，１３、アーム用ジャッキ１
８、ブレーキ装置２０および繰出駆動装置３０（油圧モ
ータ３３）等に対して供給される油圧を発生する油圧パ
ワーユニット５０が搭載されている。また、旋回テーブ
ル１２の前部上面には、ウインチ５５が取り付けられて
いる。このウインチ５５から引き出されたワイヤ５５ｗ
は、例えば、図１に示すように、繰出駆動装置３０にお
けるケーブルＣの繰出口から引込み口に向かって差し込
まれ、その先端はケーブルガイド装置４０の脚部４１付
近に引っかけられる。そして、ケーブルドラムＤから繰
り出されたケーブルＣの末端が繰出駆動装置３０に接近
したときに、そのワイヤ５５ｗの先端をケーブルＣの末
端に結び付ける。これにより、ケーブルＣの末端を、地
下にゆっくりと降ろすことができる。

【００１５】以上のように構成された地下ケーブル繰出
作業車１０では、前述のようにスイングアーム１３，１
３によりケーブルドラムＤを支持したとき、その荷重の
大部分がアーム用ジャッキ１８，１８によって支えら
れ、スイングアーム１３，１３や車体１１にはそれほど
大きな負担がかからない。このため、車体１１を小型化
することができる一方、ケーブルドラムＤを安定に保持
することができる。また、旋回テーブル１２の旋回作動
により、ケーブルＣの繰出位置を車体１１の後方から側
方にかけての間で任意に選択することができる。このた
め、作業現場の状況に最適な車体姿勢でケーブルＣの繰
り出しを行うことができる。

【００１６】

【考案の効果】以上のように本考案の地下ケーブル繰出
作業車では、スイングアームの先端に保持されたケーブ
ルドラムの重量の大部分は、アーム用ジャッキにより支
持される。このため、スイングアームや車体に大きな負
担がかかることを回避することができ、その分車体を小
型にすることができる。したがって、この地下ケーブル
繰出作業車は、狭小地にも楽に入り込むことができると
ともにケーブルドラムを安定に保持することができる。
また、車体に対するケーブルの繰出位置は、旋回テーブ
ルの旋回により任意に設定することができる。このた
め、作業現場の状況に応じて車体に対する繰出位置を選
択することができ、作業性を向上させることができる。
そして、ケーブルを、ケーブルガイド装置によりケーブ
ルドラムから無理なく繰出駆動装置に案内し、その繰出
駆動装置によってスムーズに地下に向かって繰り出すこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る地下ケーブル繰出作業車の側面図
である。

【図２】上記地下ケーブル繰出作業車の平面図である。

【図３】上記地下ケーブル繰出作業車の背面図である。

【符号の説明】

１０地下ケーブル繰出作業車１２旋回テーブル１３スイングアーム１４ドラム支持シャフト１８アーム用ジャッキ２０ブレーキ装置３０繰出駆動装置４０ケーブルガイド装置ＤケーブルドラムＣケーブル

フロントページの続き (72)考案者吉沢祐一埼玉県上尾市大字領家字山下1152番地の 10 愛知車輌株式会社上尾工場内 (72)考案者徳元茂昭埼玉県上尾市大字領家字山下1152番地の 10 愛知車輌株式会社上尾工場内 (72)考案者佐藤明夫埼玉県上尾市大字領家字山下1152番地の 10 愛知車輌株式会社上尾工場内 (72)考案者溝添剛東京都港区芝浦４丁目８番33号株式会社関電工内 (56)参考文献実開昭57−125123（ＪＰ，Ｕ) 実開昭48−102375（ＪＰ，Ｕ) 実公昭46−14657（ＪＰ，Ｙ１)

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ケーブルドラムに巻取られたケーブルを地
下に向かって繰り出すために用いられる地下ケーブル繰
出作業車であって、車体上に水平旋回が自在に取り付けられた旋回テーブル
と、それぞれ前記旋回テーブル上に起伏揺動が自在に取
り付けられたアーム状部材であり、前記車体の後方また
は側方に倒伏した状態でそれらの各先端に前記ケーブル
ドラムの回転軸の端部を回転自在および着脱自在に保持
する一対のスイングアームと、前記各スイングアームの
先端に取り付けられ、前記倒伏状態にある前記各スイン
グアームの先端を地面に対して支持するアーム用ジャッ
キと、前記旋回テーブルに取り付けられ、前記両スイン
グアームにより保持された前記ケーブルドラムから前記
ケーブルを繰り出す繰出駆動装置と、前記旋回テーブル
に取り付けられ、前記ケーブルを前記ケーブルドラム上
から前記繰出駆動装置に案内するケーブルガイド装置と
を備えて構成されることを特徴とする地下ケーブル繰出
作業車。