JPH0547781Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、リーダの下部を杭打機本体の前部
に支持させ、上部をリーダ回転支持環を介して２
本の斜め支柱により杭打機本体の後部に支持させ
たリーダ回転式杭打機におけるペンダントロープ
取付構造に関する。

〔従来の技術〕

第４図はリーダ回転式杭打機の一例を示し、無
限軌道式走行体とその上に旋回自在に装架された
旋回体とからなる杭打機本体（以下本体という）
１の前部には、支持ブラケツト２がピンにより取
付けられている。作業装置を昇降可能に取付ける
リーダ３の下端部は、支持ブラケツト２の前端部
に設けた回転支持体としてのリーダベース４によ
り支持され、上側中間部はリーダ回転支持環（以
下支持環という）５により支持されている。リー
ダ３はその軸心まわりに所定角度範囲内（通常は
90°）で回転できるようになつている。リーダ３
を支える左右一対の斜め支柱６Ａ，６Ｂの上端部
は、支持環５の後側構造部にピンにより連結され
ており、下端部は本体１の後部に支持されてい
る。

左右一対のペンダントロープ７Ａ，７Ｂの上端
はリーダ３の上側部に連結され、下端はスプレツ
ダを介して起伏ロープ８に連結されている。起伏
ロープ８は本体１上に取付けられたガントリ９か
らくり出されている。リーダ３の引起しは、起伏
ロープ８とペンダントロープ７Ａ，７Ｂとによつ
て行われる。パイルハンマ、アースオーガ等の作
業装置を昇降させる巻上ロープ１０は、本体１に
設置されているドラムからくり出され、ペンダン
トロープ７Ａ，７Ｂ間を通され、ポイントシーブ
ブロツク１１と作業装置との間に掛け渡されてい
る。

このようなリーダ回転式杭打機においては、ペ
ンダントロープ７Ａ，７Ｂと巻上ロープ１０と
が、リーダ３の回転によつて、互いの交差部分で
干渉し合い、双方が損傷する問題が生じる。この
問題に対処する考案として、実用新案出願公告昭
61−36579号公報、同じく昭61−36580号公報がす
でに公開されている。

前者は、支持環の支柱取付間にペンダントロー
プ接合用のブラケツトを設けたことを特徴とす
る。後者は、支持環の外周部に下向きにロープガ
イド取付フレームを設け、そのロープガイド取付
フレームに、ペンダントロープが巻上ロープとの
交差部分より上方位置で左右方向に位置規制され
た状態で通されるロープガイドを設けたことを特
徴とする。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記の前者の構成では、支持環後部を大きな力
で直接引張るため、支持環に大きな曲げ力が加わ
り、支持環の変形、または内部のリーダとの摺動
部の変形、かじりを生じやすい。これを防止する
には、支持環および内部の摺動部を従来のものに
くらべてかなり強化する必要があり、重量の増大
により安定不足と製作費の増加が生じる。

また、後者は、支持環下部に専用のロープガイ
ド取付フレームを取付けているので、組立て、分
解が面倒であり、かつ、輸送時に衝突させて変形
を起こしやすい。さらに、このロープガイド取付
フレームはある一定の長さがないと、リーダを回
転させた時、２本のペンダントロープのねじれ量
が異るため、起伏ロープ側にあるスプレツダが引
張られ、ペンダントロープが上下方向に傾き、巻
上ロープと干渉する。ロープガイド取付フレーム
を長くすれば、分解、輸送に不便となり、製作費
も増加する。

この考案は、そのような難点を容易に除き、リ
ーダを回転させてもペンダントロープと巻上ロー
プとの干渉を確実に防止できるペンダントロープ
の取付構造を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、この考案は、リー
ダ引起こし用のペンダントロープを、リーダ回転
支持環の後方構造部の開口内を貫通させ、その端
末をリーダ回転支持環より上方のリーダの連結部
に連結し、前記後方構造部の開口近傍部に、巻上
ロープとの干渉を避けてペンダントロープを案内
する案内矯正部品を任意数設置したことを特徴と
する。

〔作用〕

リーダを回転させた場合、巻上ロープとペンダ
ントロープが交又する附近でのペンダントロープ
間の幅は案内矯正部品により変化しないのでペン
ダントロープと巻上ロープとの干渉が防止され
る。

〔実施例〕

つぎに、この考案の一実施例を第１図および第
２図により説明する。両図において、第４図と同
じ符号をつけたものは、同じもの、もしくは相当
するものを表わす。

支持環５の後方構造部５ａは上下方向に通じる
開口をそなえており、その開口の上側部には案内
矯正部品としての矯正ローラ１２Ａ，１２Ｂ，１
２Ｃ，１２Ｄが並置されており、下側内部には矯
正ローラ１３が設置されている。ペンダントロー
プ７Ａ，７Ｂにはそれぞれ主ペンダントロープ７
Ｃ，７Ｄが連結されている。一方の主ペンダント
ロープ７Ｃは矯正ローラ１３から矯正ローラ１２
Ａ，１２Ｂ間を通過して、支持環５の上方のリー
ダ３後部に固定したブラケツト１４にピン１５に
より連結されている。他方の主ペンダントロープ
７Ｄは同様に矯正ローラ１３から矯正ローラ１２
Ｃ，１２Ｄ間を通過してブラケツト１４にピン１
５により連結されている。すなわち、各矯正ロー
ラ１３，１２Ａ〜１２Ｄは主ペンダントロープ７
Ｃ，７Ｄの矯正と案内をするためのものである。

ハンマやアースオーガ等の作業切替時に、たと
えばリーダ３を左回転させると、主ペンダントロ
ープ７Ｃ，７Ｄは第２図に二点鎖線で表わすよう
に左側に引きずられる。ペンダントロープ７Ａ，
７Ｂは主ペンダントロープ７Ｃ，７Ｄの移動量だ
け引き上げられる。しかし、ペンダントロープ７
Ａ，７Ｂは矯正ローラ１３，１２Ａ〜１２Ｄによ
つて幅方向が一定に保たれているので、巻上ロー
プ１０とペンダントロープ７Ａ，７Ｂとが交差す
る附近でのペンダントロープ７Ａ，７Ｂ間の幅は
変化しない。また、リーダ３の回転にともなつて
ペンダントロープ７Ａ，７Ｂが捩られることもな
い。この結果、ペンダントロープ７Ａ，７Ｂと巻
上ロープ１０との干渉を防止できる。

リーダ３を右回転させた場合には、同様な作
用、効果を得られることは勿論である。

第３図は主ペンダントロープを１本にしたこの
考案の他の実施例を示し、同図中第１図および第
２図と同じ符号をつけたものは、同じもの、もし
くは相当するものを表わす。

主ペンダントロープ７Ｅの一端はリンク１６を
介してブラケツト１４に連結されており、他端は
リンク１７の中央部に連結されている。ペンダン
トロープ７Ａ，７Ｂはそれぞれリンク１７の左、
右端部に連結されている。主ペンダントロープ７
Ｅは矯正ローラ１２Ａ，１２Ｂ間を通過してい
る。

リーダ３を回転させた時、主ペンダントロープ
７Ｅは各矯正ローラ１２Ａ，１２Ｂ，１３に矯正
されて二点鎖線で表わすように移動する。このた
めペンダントロープ７Ａ，７Ｂは主ペンダントロ
ープ７Ｅの移動量だけ上方に引き上げられるが、
幅は変化せず巻上ロープ１０との干渉が防止され
る。

〔考案の効果〕 以上説明したこの考案によれば、支持環にロー
プガイド取付フレームのような特別の部品を取付
けることなく、ペンダントロープと巻上ロープと
の干渉を確実に防止できる。また、リーダの起伏
作業時に支持環に直接ペンダントロープの張力を
加えることがないので、リーダと支持環との摺動
部を損傷するようなことがなく、支持環自体を強
化する必要もなく、原価の増加もない。さらに、
リーダの長さを変更する時のペンダントロープの
組替えは従来通りで手間がかからない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す側面図、第
２図は第１図の−線から見た図、第３図はこ
の考案の他の実施例を示す第２図相当の図、第４
図はリーダ回転式杭打機の一例を示す側面図であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リーダの下部を杭打機本体の前部に支持させ、
   上部をリーダ回転支持環を介して２本の斜め支柱
   により杭打機本体の後部に支持させたリーダ回転
   式杭打機において、リーダ引起こし用のペンダン
   トロープを、リーダ回転支持環の後方構造部の開
   口内を貫通させ、その端末をリーダ回転支持環よ
   り上方のリーダの連結部に連結し、前記後方構造
   部の開口近傍部に、巻上ロープとの干渉を避けて
   ペンダントロープを案内する案内矯正部品を任意
   数設置したことを特徴とするペンダントロープ取
   付構造。