JPS6320713Y2

JPS6320713Y2 -

Info

Publication number: JPS6320713Y2
Application number: JP1983167985U
Authority: JP
Priority date: 1983-10-28
Filing date: 1983-10-28
Publication date: 1988-06-08
Also published as: JPS6075385U

Description

【考案の詳細な説明】本考案はタワークレーン等のガントリをブーム
起伏用ワイヤロープによつて起伏させる場合に使
用されるガントリ起伏用ロープガイド装置に関す
るものである。

クレーン、とくにタワークレーン、またはブー
ムにリーダを装着する所謂リーダ懸垂式杭打機に
おいて、その組立、分解時にガントリを、ブーム
重量を利用して起立または倒伏させる手段が採用
されている。これを詳述すると、第４，５図にお
いてａはベースマシン、ｂは該ベースマシンａの
下部走行体、Ｃは同上部旋回体、ｄは該旋回体ｃ
上に起伏自在に設けられたガントリで、このガン
トリｄはフロントメンバーd₁とテレスコープ状に
伸縮自在に構成されたリヤメンバーd₂とから成
り、かつ頂部にガントリポイントシーブｅ、フロ
ントメンバー基端部にガイドシーブｆを備えてい
る。ｇはブーム（基本ブーム）、h₁は該ブーム起
伏用ワイヤロープ、ｉはガイケーブル、j₁はブー
ム起伏用ドラムである。

しかして、組立時において、ガントリｄを第４
図および第５図に示す倒伏状態から起立させると
きは、ブームｇを地上に倒伏させた状態でブーム
起伏用ワイヤロープh₁を巻取る。こうすれば、ガ
ントリｄをブーム重量によつて支えつつ第５図仮
想線で示す位置に起立させることができる。この
場合において、ガントリｄを起立させるに要する
引張り力を効率良く得るために、ブーム起伏用ワ
イヤロープh₁を、ガントリフロントメンバーd₁の
起伏支点Ｐより高い位置に保持する必要がある。
このため従来、フロントメンバーd₁の基端部にロ
ープガイドパイプｋを水平に取付け、このパイプ
ｋによつてブーム起伏用ワイヤロープｈとフロン
トメンバー起伏支点Ｐとの間隔ｍを確保するよう
にしている。

ところが、この構成によると次のような問題が
生じる。すなわち、たとえば第６図に示すタワー
クレーンの場合、上部旋回体ｃにおけるガントリ
フロントメンバー起伏支点Ｐの下方部にジブ起伏
用ドラムj₂が設けられ、クレーン組立状態で該ド
ラムj₂から引き出されたジブ起伏用ワイヤロープ
h₂が、上記ロープガイドパイプｋの前方を通つて
ストラツトジブガイケーブル１に連繋される。第
６図においてg′はタワーブーム、ｎはストラツ
ト、ｏはジブである。しかして、上記ジブ起伏用
ワイヤロープh₂は、ジブｏおよびタワーブーム
g′の起伏動作にしたがつて前後方向に移動する
が、上記したレイアウトでは、該ワイヤロープh₂
とロープガイドパイプｋとの隙間が小さいため、
第５図に示すように同ワイヤロープガイドパイプ
ｋと干渉することになる。そこで従来は、ガント
リ起立後、このロープガイドパイプｋを取外し、
またガントリ倒状に際して再装着するようにして
いるが、該パイプｋを重いこともあつてこの脱着
作業が面倒で、かつ時間の浪費となつていた。

なお、通常クレーン、および該クレーンのブー
ムにリーダを装着するリーダ懸垂式杭打機の場合
には、主作業用ドラムのほかサードドラムと称さ
れる雑作業用ドラムが設置され、このドラムから
引き出されたワイヤロープが上記タワークレーン
におけるジブ起伏用ワイヤロープh₂の場合と同様
に、ロープガイドパイプｋと干渉するという問題
があつた。

本考案は上記の事情に鑑み、ガントリ起立時に
ロープガイドパイプを自動的に後方移動させて上
記ジブ起伏用ワイヤロープ等との干渉を防止で
き、これによりロープガイドパイプをいちいち脱
着する必要をなくしうるガントリ起伏用ロープガ
イド装置を提供せんとするものである。

本考案は、基端部がそれぞれベースマシンの上
部旋回体に起伏支点として枢着されたフロント、
リヤ両メンバーからなるガントリの頂部にガント
リポイントシーブ、上記フロントメンバーの起伏
支点部分にガントリシーブがそれぞれ設けられ、
プーム起伏用ワイヤロープをブーム起伏用ドラム
とブームとの間において、上記ガイドシーブおよ
びガントリポイントシーブによつてガイドするよ
うに構成されたガントリ起伏用ロープガイド装置
において、第１リンクと第２リンクが互いの一端
部で回動可能に連結されて屈伸可能なリンク機構
が構成され、このリンク機構における上記第２リ
ンクの他端部に、上記ブーム起伏用ワイヤロープ
を上記ガントリポイントシーブとプームとの間で
ガイドするロープガイドパイプが水平に固着さ
れ、かつ、このリンク機構は、ガントリ倒伏時に
は上記ロープガイドパイプが上記ガントリフロン
トメンバーの起伏支点よりも上方に位置する屈折
状態、ガントリ起立時には同ガイドパイプが上記
屈折状態の位置よりも上方でかつ後方に位置する
伸長状態となるように、上記第１リンクの他端部
が上記上部旋回体における上記フロントメンバー
の起伏支点近傍部に、上記第２リンクの中間部が
上記ガントリフロントメンバーの基端部にそれぞ
れガントリ起伏方向に回動可能に枢着されてなる
ものである。

以下、本考案の実施例を第１図乃至第３図によ
つて説明する。

１は上部旋回体のメインフレーム、２はガント
リで、このガントリ２自体の構成は従来と全く同
様で、フロントメンバー３と、テレスコープ状に
伸縮自在に構成されたリヤメンバー４とから成
り、かつ頂部にガントリポイントシーブ５、フロ
ントメンバー３の起伏支点Ｐ部分にガイドシーブ
６をそれぞれ有している。７はフロントメンバー
３が取付けられたＡフレームと通称されるガント
リ取付フレーム、またＴは上部旋回体の旋回中心
である。

ドラム系統について、この実施例ではタワーク
レーンを例にとつており、８はブーム起伏用ドラ
ム、９は該ドラム８から引き出されたブーム起伏
用ワイヤロープで、このワイヤロープ９は、ガイ
ドシーブｂおよびガントリポイントシーブ５を経
て、ガントリ頂部に取付けられた下部スプレダ１
０と、図示しないブーム起伏用ガイケーブルに連
結された上部スプレダとの間に巻回される。ま
た、１１はジブ起伏用ドラム、１２は該ドラム１
１から引き出されたジブ起伏用ワイヤロープで、
該ワイヤロープ１２は、ブーム起伏用ワイヤロー
プ９同様、スプレダを介してストラツトジブガイ
ケーブル（いずれも図示せず）に連繋される。な
お、ここではジブフツク巻上用ドラム、同ワイヤ
ロープ等他のドラムおよびワイヤロープの図示を
省略している。

１３はリンク機構で、第１および第２両リンク
１４，１５とロープガイドパイプ１６とを具備し
て成つている。第１リンク１４は、下端部をガン
トリ取付フレーム７におけるガントリフロントメ
ンバー３の起伏支点Ｐの後方近傍部にピン１７を
介して回動可能に枢着し、上端部を第２リンク１
５の下端部にピン１８を介して回動可能に枢支連
結している。一方、第２リンク１５は、中間部下
端寄りの部位をガントリフロントメンバー３の基
端部背面（ガントリ倒伏状態時の下面）に突設し
たブラケツト１９にピン２０を介して回動可能に
枢着し、この第２リンク１５の上端部にロープガ
イドパイプ１６を水平姿勢で固着している。な
お、ガントリ２のフロント、リヤ両メンバー３，
４は、第３図に示すように左右一対ずつ設けられ
ており、上記第１、第２両リンク１４もまたガン
トリ２の左右両側に対称的に設け、左右の第２リ
ンク１５，１５の上端部間に上記ロープガイドパ
イプ１６を懸架固定している。

しかして、第１図および第２図仮想線で示すガ
ントリ倒伏状態では、リンク機構１３は第１、第
２両リンク１３，１５がくの字形の屈折状態とな
る。このとき、ロープガイドパイプ１６は、フロ
ントメンバー３の基端部上方において該メンバー
３の起伏支点Ｐよりも高く、かつ同支点Ｐに近い
所定のロープガイド作用位置にある。この位置
は、第５図に示す従来のロープガイドパイプｋの
位置と同じで、このロープガイドパイプ１６によ
つてフロントメンバー起伏支点Ｐとブーム起伏用
ワイヤロープ９との間に所定の間隔ｍが確保され
る。したがつて、この状態で該ワイヤロープ９を
巻取ることにより、従来同様、地上に倒伏させた
基本ブームの重量を利用してガントリ２を第２図
実線で示す位置まで起立させることができる。

さて、このガントリ２の起立動作にしたがつて
第１、第２両リンク１４，１５がそれぞれピン１
７，２０を支点として起き上がり回動し、ガント
リ起立完了状態でリンク機構１３は、第１および
第２両リンク１４，１５が直線状に近い状態で連
続する伸長状態となる。このとき、ロープガイド
パイプ１６は、第２リンク１５の起き上がり回動
の結果として、ガントリ倒伏時の位置よりも上方
で、かつ後方に距離Ｓだけ移動した位置にセツト
される。このように、ガントリ起立時にはロープ
ガイドパイプ１６が自動的に後方に位置変更され
るため、該パイプ１６とその前方を通るジブ起伏
用ワイヤロープ１２との間隔ｘを充分大きくとる
ことができる。このため、ジブまたはタワーブー
ムの起立回動によつてジブ起伏用ワイヤロープ１
２が後方に移動してもなお、該ワイヤロープ１２
とロープガイドパイプ１６との間に所定の隙間を
確保して該両者１２，１６の干渉を防止すること
ができる。したがつて、従来のようにロープガイ
ドパイプ１６をいちいち取外し、ガントリ倒状に
際して再装着する必要がなくなる。

なお、ガントリ２が起立状態から倒伏されれ
ば、第１、第２両リンク１４，１５が上記起立時
と逆方向に回動して第１図に示すロープガイド作
用位置に自動的に戻される。

以上述べたように本考案によるときは、ガント
リ起立時にロープガイドパイプを自動的に後方移
動させて該パイプとジブ起伏用ワイヤロープ等と
の干渉を防止することができるため、ガントリ起
立後および倒伏前にロープガイドパイプをいちい
ち脱着する必要がなくなる。このため、ガントリ
起伏作業、ひいてはタワークレーン等の組立、分
解作業を能率化することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示すガントリ倒伏状
態の側面図、第２図は同起立状態の側面図、第３
図は同一部切欠背面図、第４図は従来技術を説明
するためのガントリ起立作業時の側面図、第５図
は同要部の拡大図、第６図はタワークレーンの全
体側面図である。１……ベースマシンの上部旋回体メインフレー
ム、２……ガントリ、３……ガントリフロントメ
ンバー、４……同リヤメンバー、Ｐ……フロント
メンバー起伏支点、７……ガントリ取付フレー
ム、９……ガントリ起伏用ワイヤロープ、１３…
…リンク機構、１４……第１リンク、１５……第
２リンク、１６……ロープガイドパイプ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

基端部がそれぞれベースマシンの上部旋回体に
起伏支点として枢着されたフロント、リヤ両メン
バーからなるガントリの頂部にガントリポイント
シーブ、上記フロントメンバーの起伏支点部分に
ガントリシーブがそれぞれ設けられ、ブーム起伏
用ワイヤロープを、ブーム起伏用ドラムとブーム
との間において、上記ガイドシーブおよびガント
リポイントシーブによつてガイドするように構成
されたガントリ起伏用ロープガイド装置におい
て、第１リンクと第２リンクが互いの一端部で回
動可能に連結されて屈伸可能なリンク機構が構成
され、このリンク機構における上記第２リンクの
他端部に、上記プーム起伏用ワイヤロープを上記
ガントリポイントシーブとブームとの間でガイド
するロープガイドパイプが水平に固着され、か
つ、このリンク機構は、ガントリ倒伏時には上記
ロープガイドパイプが上記ガントリフロントメン
バーの起伏支点よりも上方に位置する屈折状態、
ガントリ起立時には同ガイドパイプが上記屈折状
態の位置よりも上方でかつ後方に位置する伸長状
態となるように、上記第１リンクの他端部が上記
上部旋回体における上記フロントメンバーの起伏
支点近傍部に、上記第２リンクの中間部が上記ガ
ントリフロントメンバーの基端部にそれぞれガン
トリ起伏方向に回動可能に枢着されてなることを
特徴とするガントリ起伏用ロープガイド装置。