JPS621887Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来、排塵選別室の一側上部に吸引型の排塵フ
アンを設け、揺動選別体に設けたストローラツク
の終端部を前記排塵フアンの吸引口の前面に臨ま
せた脱穀機においては、排塵選別室の後壁を下部
が斜め前方下方に向うように形成し、もつてスト
ローラツクにより移送された藁屑や長藁を排塵フ
アンに向けて案内していた。しかし前記後壁とス
トローラツク先端との間には、適宜な間隔が設け
られていて特に良く乾燥した穀稈を脱穀処理した
場合には、ストローラツク先端より上記間隔部に
投出された穂切れ等は、上記後壁に沿つて間隔部
を上方に吹き抜ける風によつて上昇し、藁屑と共
に排塵フアンに吸引されて三番飛散が増加し、一
方、上記欠点を解決せんが為に排塵フアンの吸引
力を弱めると、濡材を脱穀した場合に間隔部へ投
出された処理物は比重が大であるからここから二
番受樋に落下して二番還元量が増大し、ひいては
二番スロワーが詰る等の欠陥があつた。

本考案は上述の従来の欠陥を排除することを目
的とするものであつて、排塵選別室の後壁に凹部
空間を形成すると共に、その前面に調節弁を設け
る事により、ストローラツク先端部の選別風を強
弱自在に調節できるようにして上記の欠陥を一挙
に解消するものである。

以下、第１図〜第５図に示す実施例について説
明すると、１は扱室２に軸架した扱胴であつて、
扱口に沿つてフイードチエン３と挾扼レール４と
が対設してある。５は受網６の下方から排塵選別
室７にわたる揺動選別体であつて、前後揺動する
ように両側壁間に架設されており、該揺動選別体
５は次の如く構成されている。即ち、８は受網８
は受網６からの漏下物及び送塵口６ａから送塵物
を受けて移送する受送板、９は受送板８の先端よ
り延設されたストローラツク、１０はストローラ
ツク９の下方に併設された選別網であつて、両者
９，１０の先端部は一番戻し板１１ａの先端近傍
に位置するよう配設されている。１２は一番戻し
板１１ａの先端より延設したストローラツクで、
二番受樋１３上に位置するようになつている。

又、１４は送風フアンで、これで起風された選
別風は一番受樋１１上を経て選別網１０を吹き抜
け、排塵選別室７の側壁上部に装着した吸引型の
排塵フアン１５に指向している。１５ａは該排塵
フアン１５の吸入口である。

前記排塵選別室７の後壁１６は下部が斜め前方
下方に向うように傾斜させ、その先端突出部１６
ａより後方に屈曲させ、該屈曲部下縁と二番戻し
板１３ａとの間に凹部空間１７が形成されてい
る。そして前記ストローラツク１２の先端が、先
端突出部１６ａ近傍に適宜な間隔を設けて臨ませ
てある。１８は機体後壁に開口した吸引口であつ
て、凹部空間１７に導通するよう形成されてい
る。１９は調節弁であつて、先端突出部１６ａに
近接して設けられた枢支軸を中心に回動自在に構
成されており、該調節弁１９は後壁１６に沿い、
ストローラツク１２の下方に延出して前記凹部空
間１７前面を覆う状態と、凹部空間１７前面から
退避して凹部空間１７を形成する状態とに切替調
節可能に構成されている。

尚、第５図は穀稈供給口近傍の構造を示したも
ので、シリンダーカバー２０の前部に設ける飛散
防止板２１は一枚の弾性体で形成されており、穀
稈供給口側部２１ａと扱口側部２１ｂとを一体的
に形成して、これを被覆するよう彎曲させ、シリ
ンダーカバー２０の端面に取付け、プレート２２
で裏側から支持するようになつており、彎曲部に
切込みがなく、復元力が強いから供給される穀稈
の多少に迅速に追随し、供給口近傍の穀粒の飛散
を確実に防止するものである。

本考案は上述の如く構成されており、扱室２内
で発生し、受網６より漏下した漏下物は受送板８
上に落下してストローラツク９に向けて移送さ
れ、送塵口６ａから吐出された送塵物もこれに合
流し、大きい穂切れや大きい藁はストローラツク
９又は選別網上で揺動作用と選別風によつて揉解
されながらストローラツク１２に移送され、穀粒
は選別網１０を漏下して一番受樋１１に集収さ
れ、藁屑は排塵フアン１５に向けて移送される。
その際、良く乾燥した比重の小さい穀稈を脱穀処
理する際は、第３図に示す如く調節弁１９を操作
して弁の先端が二番戻し板１３ａに接するように
調節すると凹部空間１７が形成され、上昇する選
別風が先端突出部１６ａで二分されて、その一方
は排塵フアン１５に向い、他方は屈曲部下縁に沿
つて曲り凹部空間１７内で渦流となるから、スト
ローラツク１２先端部より投出された穂切れは上
記渦流により落下し易く、排塵フアン１５に吸引
されることなく二番受樋１３に回収される。軽い
屑は排塵フアン１５に向う風により上記穂切れを
分離され速かに機外に排出される。

又、比重の大きい濡材を脱穀処理する際は、調
節弁１９をストローラツク１２の下方に重合する
位置に調節すれば、第４図に示す如くストローラ
ツク１２先端を吹き抜ける選別風は調節弁１９上
から後壁１６に沿つて流れ、分流することなく強
力であり、ストローラツク１２先端と後壁間より
落下し勝ちな藁屑を排塵フアン１５に向けて移送
するから、二番受樋１３上に過分に落下してスロ
ワーが詰ることなく、正常な選別作業が出来るも
のである。尚この場合、開口１８より風が入つて
上記選別風を助長する。

第６図は、別の実施例を示したものであつて、
上述の例と異り、機体後壁に開口１８を設けず、
調節弁１９を後壁１６に沿つた方向に抜き差しす
るようにしたもので、乾材脱穀の際は調節弁１９
を差込んで使用し、濡材の場合は調節弁１９を抜
出して使用するものである。

このように本考案は、排塵選別室の一側上部に
吸引型の排塵フアンを設け、揺動選別体に設けた
ストローラツクの終端部を前記排塵フアンの吸入
口の前面に臨ませた脱穀機において、前記排塵選
別室の後壁を下部が斜め前方下方に向うように傾
斜させ、且つ、その下縁を後方に向け屈曲させ
て、屈曲部下縁と二番戻し板先端部との間に凹部
空間を形成し、屈曲点近傍にストローラツクの終
端を適宜な間隔を設けて臨ますと共に、屈曲部に
調節弁を設け、該調節弁を前記後壁に沿いストロ
ーラツクの下方まで延出して凹部空間の前面を覆
う状態と、これより退避して凹部空間を形成する
状態とに切替調節可能となしたことを特徴とする
脱穀機における選別装置であつて、比重の小さい
乾材脱穀の際は、調節弁を退避させてストローラ
ツクの先端部下方に凹部空間を形成し、先端部で
選別風を二分して凹部空間に向けて分流させたか
ら、穂切類はストローラツク先端部より迅速に落
下し、三番飛罪を防止し得るものであり、比重の
大きい濡材脱穀の際は調節弁をストローラツク下
方に重合するよう調節することにより、ストロー
ラツク先端と屈曲部との間隙を通る上昇風を強く
して、ストローラツクにより上記間隙に投出され
る藁屑が排塵フアンに吸引されるのを助長したか
ら、ストローラツク上の二番物は分離し易くな
り、正当な二番物のみが回収されて二番スロワー
の詰りを防止し得る等の特徴を有し、ひいては、
乾材、濡材にかゝわらず良好な選別をなす事が出
来るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は脱穀機の側断面図、第２図は一部を破断
した平面図、第３図及び第４図は要部の作用説明
のための側断面図、第５図は供給口近傍の斜視
図、第６図は別の例を示した要部の側断面図であ
る。 １２……ストローラツク、１３……二番受樋、
１６……後壁、１６ａ……先端突出部、１７……
凹部空調、１９……調節弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 排塵選別室７の一側上部に吸引型の排塵フアン
   １５を設け、揺動選別体５に設けたストローラツ
   ク１２の終端部を前記排塵フアン１５の吸入口１
   ５ａの前面に臨ませた脱穀機において、前記排塵
   選別室７の後壁１６を下部が前方下方に向うよう
   に傾斜させ、且つ、その下縁を後方に向け屈曲さ
   せて、屈曲部下縁と二番戻し板１３ａ先端部との
   間に凹部空間１７を形成し、屈曲点１６ａ近傍に
   ストローラツク１２の終端を適宜な間隔を設けて
   臨ますと共に、屈曲部１６ａに調節弁１９を設
   け、該調節弁１９を前記後壁１６に沿いストロー
   ラツク１２の下方まで延出して凹部空間１７の前
   面を覆う状態と、これより退避して凹部空間１７
   を形成する状態とに切替調節可能となしたことを
   特徴とする脱穀機における選別装置。