JPS6216392Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は左右車輪を背反昇降すべく車体前後方
向軸芯周りで揺動自在な前後一対の揺動フレーム
を設けると共に、前記左右車輪に対する左右制動
用シリンダを設けた作業車のフレーム構造に関す
る。

冒記した作業車は不整地を走行するために、車
体と地表とが接触することがある。従つて、車輪
に対する制動用シリンダを車体に取付けるにあた
つては、シリンダが地面との接触によつて破損す
ることがないよう格別の配慮を払う必要がある。

この為に、従来では制動用シリンダを車輪の内
部に設置したり、車軸の上方に設置したりしてい
た（例えば、実開昭50−64401号公報参照）。しか
しながら、車輪の内部に制動用シリンダを設置す
れば車輪まわりの構造をコンパクトにできる反
面、車輪そのものの構造が複雑になり、シリンダ
の組付及び補修点検もやりづらく、シリンダに対
する操作用連係機構が地表と接触して損傷するお
それもある。又、単に制動用シリンダを車軸の上
方に設置しただけでは車体前後方向からのシリン
ダと地表との接触によつてシリンダを損傷するお
それがある。

本考案は上記した問題を解決するためになされ
たものであつて、フレーム構造及び制動用シリン
ダの簡単な配置改良によつて、制動用シリンダの
組付け及び補修点検が容易でありながらその保護
を確実なものにすることを目的とする。

上記目的を達成するために講じた本考案の特徴
とする構成は前記シリンダを、平面視、前記前後
揺動フレームに挾まれた空間内であつて、かつ、
前記前後揺動フレームにわたつて架設したフレー
ムの下縁よりも上方側に、各別に取付けてある点
にあり、かかる構成から次の作用効果を奏する。

即ち、左右制動用シリンダを前後一対の揺動フ
レームに挾まれた空間内に取付けることによつ
て、車体前後方向からのシリンダと地表との接触
を揺動フレームによつて防止し、更に、この左右
制動用シリンダを前後一対の揺動フレームにわた
つて架設したフレームの下縁よりも上方側に取付
けてあるので、車体下方からのシリンダと地表と
の接触をこのフレームによつて防止し、制動用シ
リンダを車輪、或いは、車軸ケースの外部に配置
してシリンダの取付及び補修点検を容易にするも
のでありながら、その保護を効果的に行うことが
できるに至つた。

次に本考案の実施例を図面に基いて説明する。

第１図に示すように、左右一対の前車輪１，１
及び後車輪４，４を備えた機体の前部に排土装置
２２を装備してなる走行車体に対し上下軸芯周り
で駆動回動自在に旋回台７を設け、前記旋回台７
に対し上下軸まわりで揺動自在にブラケツトを取
付け、前記揺動ブラケツトに対しブーム１９、ア
ーム２０、バケツト２１を夫々水平軸芯まわりで
揺動自在に流体圧シリンダを介して取付け掘削作
業装置８を構成し、そして、操縦部９、原動部１
０夫々を前記旋回台７上に搭載配置して、ホイー
ル式全旋回型掘削作業車を構成してある。

前記走行車体を構成するに、左右一対の前車輪
１，１を緩衝装置を介して固定的に車体フレーム
５に取付け、かつ第２図及び第３図に示すよう
に、左右一対の操向用後車輪４，４を備えた車軸
ケース１３を、前後一対の正面視山形形状のフレ
ーム２，２に取付けると共に、そのフレーム２，
２を、それに付設のボス部材１２を車体フレーム
５に連設の水平前後軸３に外嵌させて上下揺動自
在に構成し、もつて、後車輪４，４を背反昇降可
能に構成してある。そして、左右一対のシリンダ
６，６を揺動フレーム２，２と車体フレーム５と
にわたつて架設すると共に、シリンダ６，６のボ
トム室どうしを開閉弁Ｖを介して接続し、走行時
には、前記開閉弁Ｖを開状態にして、後車輪４，
４を路面の凹凸に対し追従させるために背反昇降
させ、かつ、停止作業時には、前記開閉弁Ｖを閉
状態にして、車体フレーム５に対して後車輪４，
４を固定し、安定した定置作業姿勢が得られるよ
う構成してある。

車軸ケース１３内に、左右後車輪４，４に対す
る伝動装置及びブレーキ１５，１５を設け、ブレ
ーキ１５，１５操作軸１１，１１夫々を車軸ケー
ス１３外に突設させて、その操作軸１１，１１
夫々の突出端部に操作用アーム１４，１４を取付
けてある。

前記前後軸３に対し左右振分けた状態で、前後
フレーム２，２にわたつて制動用流体圧シリンダ
取付用のフレーム１７，１７を架設し、そのフレ
ーム１７，１７の前後方向中央部に横向き軸まわ
りで回動可能なブラケツト１８，１８を取付け、
前記ブレーキ操作アーム１４，１４と前記ブラケ
ツト１８，１８にわたつて制動用流体圧シリンダ
１６，１６を前記フレーム１７，１７の下縁より
も上方側に取付けてある。

本実施例の場合、制動用流体圧シリンダ１６，
１６を取付ける為のフレーム１７，１７によつて
前後一対の揺動フレーム２，２を補強できて、そ
れら揺動フレームの軽量化を図れる。

尚、本考案は、ホイール式全旋回型掘削作業車
に限らず、例えばトラクター、ホイール式運搬車
等各種の作業車に適用できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る作業車のフレーム構造の実
施例を示し、第１図は作業車の全体側面図、第２
図は要部の正面図、第３図は要部の平面図であ
る。 １，１……左右車輪、２，２……揺動フレー
ム、１６，１６……制動用シリンダ、１７，１７
……フレーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右車輪１，１を背反昇降すべく車体前後方向
   軸芯周りで揺動自在な前後一対の揺動フレーム
   ２，２を設けると共に、前記左右車輪１，１に対
   する左右制動用シリンダ１６，１６を設けた作業
   車のフレーム構造であつて、前記シリンダ１６，
   １６を、平面視、前記前後揺動フレーム２，２に
   挾まれた空間内であつて、かつ、前記前後揺動フ
   レーム２，２にわたつて架設したフレーム１７，
   １７の下縁よりも上方側に、各別に取付けてある
   事を特徴とする作業車のフレーム構造。