JPS6215112B2 - - Google Patents
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- JPS6215112B2 JPS6215112B2 JP54091672A JP9167279A JPS6215112B2 JP S6215112 B2 JPS6215112 B2 JP S6215112B2 JP 54091672 A JP54091672 A JP 54091672A JP 9167279 A JP9167279 A JP 9167279A JP S6215112 B2 JPS6215112 B2 JP S6215112B2
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Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
- Organic Insulating Materials (AREA)
- Insulated Conductors (AREA)
Description
本発明は摩擦係数の低い皮膜を有するコイル用
焼付エナメル絶縁電線の製造方法に関する。 一般に、焼付絶縁電線は巻線機器によつてコイ
ルに形成されて通信機器等の製作に広く使用され
る。近年、その巻線工程の効率化のために巻線機
器が次第に高速化され、それに伴ない絶縁電線が
巻線機器のニードルやプーリーを通過する速度も
次第に速くなり、その際の苛酷な摩擦抵抗のため
に電線の絶縁皮膜に劣傷が発生しやすく、これが
レアシヨートの主原因となつている。 従来、かかる巻線工程における皮膜の劣傷を防
ぐために、絶縁電線の製造時の焼付終了直前等に
絶縁電線を、鉱油やパラフイン等の滑剤を浸み込
ませたフエルトを通過させて、絶縁皮膜の上にこ
れらの鉱油や滑剤等の薄い皮膜を塗布するとか、
又は絶縁電線の絶縁皮膜上にさらに摩擦係数の低
い樹脂、たとえばポリアミド樹脂等を塗布、焼付
け、これらの方法によつて皮膜の摩擦係数を低下
させて、絶縁電線の巻線工程における皮膜劣傷の
発生を防止していた。 これらの方法は、絶縁皮膜の機械的な劣傷の防
止には有効であるが、その反面において、鉱油や
パラフイン等の滑剤を塗布する方法は、巻線工程
に続くコイルの含浸ワニス処理工程における巻線
と含浸ワニスとの密着を不良にする欠点があつ
た。また、摩擦係数の低い樹脂を上塗りして焼付
ける方法は、絶縁電線製造時の塗布、焼付工程が
二重に必要であり、絶縁電線の製造設備や運転経
費等が著しくかさむ欠点があつた。 本発明者等は、従来のコイル用焼付エナメル絶
縁電線と較べて摩擦係数が著しく低く、巻線工程
における滑り性が良好であり、しかも電気絶縁性
等の他の皮膜特性の点においても遜色のない優れ
たコイル用焼付エナメル絶縁電線を工業的に有利
に製造する方法を開発するために種々研究を重ね
た結果、本発明に到達したものである。 すなわち、本発明のコイル用焼付エナメル絶縁
電線の製造方法は、焼付用電気絶縁塗料成分に、
その不揮発性成分に対して8〜3重量%の割合で
エチレン系アイオノマー樹脂を配合したものを溶
剤に溶解せしめてなる自己潤滑性電気絶縁塗料を
電線に塗布し焼付けることを特徴とする方法であ
る。 本発明における自己潤滑性電気絶縁塗料に含有
せしめられるエチレン系アイオノマー樹脂は、エ
チレンとカルボン酸エステルとを共重合させて得
られる共重合体にNa、Mg、Zn等の金属イオンを
化学結合させて得られる樹脂である。この樹脂は
種々の商品名のもとで、たとえばサーリン(デユ
ポン社商品名)、コーポラン(旭ダウ社商品名)
等の商品名で既に市販されているから、本発明に
おいてはかかる市販品を使用してもよい。 本発明における自己潤滑性電気絶縁塗料を得る
ためにエチレン系アイオノマー樹脂が添加される
ベースの焼付用電気絶縁塗料には、格別の制限が
なく、種々の焼付用電気絶縁塗料が使用できる。
そのベースとなる焼付用電気絶縁塗料としては、
たとえば油性系、ポリエステル系、ホルマール
系、ポリエステルイミド系、ポリエステルアミド
イミド系、ポリヒダントイン系、ポリヒダントイ
ンエステル系、ポリイミド系、ポリイミダゾピロ
ロン系、エポキシ系、フエノキシ系、ポリアミド
系及びプチラール系等の絶縁塗料があげられる。 本発明における自己潤滑性電気絶縁塗料を調製
するための焼付用電気絶縁塗料へのエチレン系ア
イオノマー樹脂の添加は、エチレン系アイオノマ
ー樹脂をそのままで添加することが不可能ではな
いが、通常、エチレン系アイオノマー樹脂を適当
な有機媒体、たとえばトルオール、トルオール/
アルコール類混合物等に3〜8重量%、好ましく
は4〜6重量%程度の濃度に分散させたものとし
て添加するのが望ましい。焼付用電気絶縁塗料に
対するエチレン系アイオノマー樹脂の添加割合
は、焼付用電気絶縁塗料の不揮発性成分に対する
同アイオノマー樹脂の割合で、8〜3重量%であ
る、エチレン系アイオノマー樹脂の添加が少なす
ぎると、焼付皮膜の摩擦係数を低下させる効果が
充分に得られないし、多すぎると焼付皮膜の平滑
性等の外観を不良ならしめたり、ピンホールの発
生、破壊電圧の低下等の皮膜性能低下の原因とな
る。 本発明における自己潤滑性電気絶縁塗料は、溶
剤に溶解した溶液型塗料として使用され、ベース
となつた焼付電気絶縁塗料(勿論、溶液型塗料)
におけるとほぼ同様な塗布、焼付条件で電線上又
は他の絶縁皮膜を有する電線の該皮膜上に塗布、
焼付ければ、ベース塗料の他の皮膜特性をほとん
ど損なわずに、摩擦係数が著しく改善された焼付
皮膜を有する絶縁電線が得られ、この電線は巻線
工程における滑り性が極めて良好であり、高速巻
線においても皮膜劣傷の発生を効果的に防止でき
る。 また、本発明における自己潤滑性電気絶縁塗料
を用いれば、従来の電線の焼付皮膜上にさらに摩
擦係数の低い樹脂を二重に塗布、焼付ける場合と
較べて塗布焼付工程数を半減できるし、焼付皮膜
上に鉱油やパラフイン等の滑剤を薄く塗布する場
合と較べて含浸ワニスとの密着性の良好な焼付電
線が得られる。 なお、本発明における自己潤滑性電気絶縁塗料
は、少量であればさらに他の成分の添加をさまた
げない。たとえば、滑剤として少量のポリエチレ
ンやポリプロピレン等を添加して変性することが
できる。 次に、実施例及び比較例をあげてさらに詳述す
るが、実施例において用いたエチレン系アイオノ
マー樹脂分散液は下記のエチレン系アイオノマー
樹脂分散液製造例にしたがつて調製したものであ
る。 エチレン系アイオノマー樹脂の散液製造例 80℃に加温したトルオール/プロピルアルコー
ル重量比=9/1の混合溶液380gに、エチレン
系アイオノマー樹脂(旭ダウ社商品名 コーポラ
ン QD―210)を20g混合し、均一な分散液が形
成されるまで撹拌し、同樹脂濃度5重量%の分散
液を調製した。 実施例 1〜4 公知方法にしたがつて、ジメチルテレフタレー
ト388g、エチレングリコール93g、グリセリン
92g及び触媒としてリサージ0.194gを用いて縮
合反応させ、生成物にクレゾールを添加して樹脂
分40重量%のポリエステル系のベース塗料を調製
した。 このベース塗料に、ベース塗料の樹脂分に対し
エチレン系アイオノマー樹脂分がそれぞれ3重量
%(実施例1)、5重量%(実施例2)、7重量%
(実施例3)、8重量%(実施例4)、になるよう
に、エチレン系アイオノマー樹脂分散液(上記製
造例で製造したもの、以下同じ。)を添加し、均
一に混合して自己潤滑性電気絶縁塗料を得た。 この自己潤滑性塗料を銅線に常法にしたがつて
塗布、焼付けて焼付絶縁電線を得た。その電線の
製造条件及び皮膜特性は第1表に示すとおりであ
つた。 実施例 5 公知方法にしたがつて、トリメリツト酸無水物
144g及び4,4′―ジアミノジフエニルメタン47
gをクレゾール溶媒中で反応させ、その生成物に
さらにジメチルテレフタレート388g、エチレン
グリコール112g、グリセリン75g及び触媒のリ
サージ0.194gを加えて反応させ、最後にクレゾ
ールを加えて樹脂分が40重量%のポリエステルイ
ミド系のベース塗料を調製した。 このベース塗料にベース塗料の樹脂分に対して
エチレン系アイオノマー樹脂分が5重量%になる
ように、エチレン系アイオノマー樹脂分散液を添
加し、均一に混合して自己潤滑性電気絶縁塗料を
得た。 この自己潤滑性塗料を用いて焼付電線を製造し
た。その結果は第1表に示すとおりであつた。 比較例 1 実施例1において調製したポリエステル系のベ
ース塗料を、そのまま電気絶縁塗料として用いて
絶縁電線を製造した。 その結果は第1表に示すとおりであつた。 比較例 2 実施例7において調製したポリエステルイミド
系ベース塗料を、そのまま電気絶縁塗料として用
いて絶縁電線を製造した。 その結果は第1表に示すとおりであつた。 比較例 3 比較例1で製造した絶縁電線を、パラフインを
しみ込ませたフエルトを通過させて、摩擦特性を
改善した。 その結果は第1表に示すとおりであつた。
焼付エナメル絶縁電線の製造方法に関する。 一般に、焼付絶縁電線は巻線機器によつてコイ
ルに形成されて通信機器等の製作に広く使用され
る。近年、その巻線工程の効率化のために巻線機
器が次第に高速化され、それに伴ない絶縁電線が
巻線機器のニードルやプーリーを通過する速度も
次第に速くなり、その際の苛酷な摩擦抵抗のため
に電線の絶縁皮膜に劣傷が発生しやすく、これが
レアシヨートの主原因となつている。 従来、かかる巻線工程における皮膜の劣傷を防
ぐために、絶縁電線の製造時の焼付終了直前等に
絶縁電線を、鉱油やパラフイン等の滑剤を浸み込
ませたフエルトを通過させて、絶縁皮膜の上にこ
れらの鉱油や滑剤等の薄い皮膜を塗布するとか、
又は絶縁電線の絶縁皮膜上にさらに摩擦係数の低
い樹脂、たとえばポリアミド樹脂等を塗布、焼付
け、これらの方法によつて皮膜の摩擦係数を低下
させて、絶縁電線の巻線工程における皮膜劣傷の
発生を防止していた。 これらの方法は、絶縁皮膜の機械的な劣傷の防
止には有効であるが、その反面において、鉱油や
パラフイン等の滑剤を塗布する方法は、巻線工程
に続くコイルの含浸ワニス処理工程における巻線
と含浸ワニスとの密着を不良にする欠点があつ
た。また、摩擦係数の低い樹脂を上塗りして焼付
ける方法は、絶縁電線製造時の塗布、焼付工程が
二重に必要であり、絶縁電線の製造設備や運転経
費等が著しくかさむ欠点があつた。 本発明者等は、従来のコイル用焼付エナメル絶
縁電線と較べて摩擦係数が著しく低く、巻線工程
における滑り性が良好であり、しかも電気絶縁性
等の他の皮膜特性の点においても遜色のない優れ
たコイル用焼付エナメル絶縁電線を工業的に有利
に製造する方法を開発するために種々研究を重ね
た結果、本発明に到達したものである。 すなわち、本発明のコイル用焼付エナメル絶縁
電線の製造方法は、焼付用電気絶縁塗料成分に、
その不揮発性成分に対して8〜3重量%の割合で
エチレン系アイオノマー樹脂を配合したものを溶
剤に溶解せしめてなる自己潤滑性電気絶縁塗料を
電線に塗布し焼付けることを特徴とする方法であ
る。 本発明における自己潤滑性電気絶縁塗料に含有
せしめられるエチレン系アイオノマー樹脂は、エ
チレンとカルボン酸エステルとを共重合させて得
られる共重合体にNa、Mg、Zn等の金属イオンを
化学結合させて得られる樹脂である。この樹脂は
種々の商品名のもとで、たとえばサーリン(デユ
ポン社商品名)、コーポラン(旭ダウ社商品名)
等の商品名で既に市販されているから、本発明に
おいてはかかる市販品を使用してもよい。 本発明における自己潤滑性電気絶縁塗料を得る
ためにエチレン系アイオノマー樹脂が添加される
ベースの焼付用電気絶縁塗料には、格別の制限が
なく、種々の焼付用電気絶縁塗料が使用できる。
そのベースとなる焼付用電気絶縁塗料としては、
たとえば油性系、ポリエステル系、ホルマール
系、ポリエステルイミド系、ポリエステルアミド
イミド系、ポリヒダントイン系、ポリヒダントイ
ンエステル系、ポリイミド系、ポリイミダゾピロ
ロン系、エポキシ系、フエノキシ系、ポリアミド
系及びプチラール系等の絶縁塗料があげられる。 本発明における自己潤滑性電気絶縁塗料を調製
するための焼付用電気絶縁塗料へのエチレン系ア
イオノマー樹脂の添加は、エチレン系アイオノマ
ー樹脂をそのままで添加することが不可能ではな
いが、通常、エチレン系アイオノマー樹脂を適当
な有機媒体、たとえばトルオール、トルオール/
アルコール類混合物等に3〜8重量%、好ましく
は4〜6重量%程度の濃度に分散させたものとし
て添加するのが望ましい。焼付用電気絶縁塗料に
対するエチレン系アイオノマー樹脂の添加割合
は、焼付用電気絶縁塗料の不揮発性成分に対する
同アイオノマー樹脂の割合で、8〜3重量%であ
る、エチレン系アイオノマー樹脂の添加が少なす
ぎると、焼付皮膜の摩擦係数を低下させる効果が
充分に得られないし、多すぎると焼付皮膜の平滑
性等の外観を不良ならしめたり、ピンホールの発
生、破壊電圧の低下等の皮膜性能低下の原因とな
る。 本発明における自己潤滑性電気絶縁塗料は、溶
剤に溶解した溶液型塗料として使用され、ベース
となつた焼付電気絶縁塗料(勿論、溶液型塗料)
におけるとほぼ同様な塗布、焼付条件で電線上又
は他の絶縁皮膜を有する電線の該皮膜上に塗布、
焼付ければ、ベース塗料の他の皮膜特性をほとん
ど損なわずに、摩擦係数が著しく改善された焼付
皮膜を有する絶縁電線が得られ、この電線は巻線
工程における滑り性が極めて良好であり、高速巻
線においても皮膜劣傷の発生を効果的に防止でき
る。 また、本発明における自己潤滑性電気絶縁塗料
を用いれば、従来の電線の焼付皮膜上にさらに摩
擦係数の低い樹脂を二重に塗布、焼付ける場合と
較べて塗布焼付工程数を半減できるし、焼付皮膜
上に鉱油やパラフイン等の滑剤を薄く塗布する場
合と較べて含浸ワニスとの密着性の良好な焼付電
線が得られる。 なお、本発明における自己潤滑性電気絶縁塗料
は、少量であればさらに他の成分の添加をさまた
げない。たとえば、滑剤として少量のポリエチレ
ンやポリプロピレン等を添加して変性することが
できる。 次に、実施例及び比較例をあげてさらに詳述す
るが、実施例において用いたエチレン系アイオノ
マー樹脂分散液は下記のエチレン系アイオノマー
樹脂分散液製造例にしたがつて調製したものであ
る。 エチレン系アイオノマー樹脂の散液製造例 80℃に加温したトルオール/プロピルアルコー
ル重量比=9/1の混合溶液380gに、エチレン
系アイオノマー樹脂(旭ダウ社商品名 コーポラ
ン QD―210)を20g混合し、均一な分散液が形
成されるまで撹拌し、同樹脂濃度5重量%の分散
液を調製した。 実施例 1〜4 公知方法にしたがつて、ジメチルテレフタレー
ト388g、エチレングリコール93g、グリセリン
92g及び触媒としてリサージ0.194gを用いて縮
合反応させ、生成物にクレゾールを添加して樹脂
分40重量%のポリエステル系のベース塗料を調製
した。 このベース塗料に、ベース塗料の樹脂分に対し
エチレン系アイオノマー樹脂分がそれぞれ3重量
%(実施例1)、5重量%(実施例2)、7重量%
(実施例3)、8重量%(実施例4)、になるよう
に、エチレン系アイオノマー樹脂分散液(上記製
造例で製造したもの、以下同じ。)を添加し、均
一に混合して自己潤滑性電気絶縁塗料を得た。 この自己潤滑性塗料を銅線に常法にしたがつて
塗布、焼付けて焼付絶縁電線を得た。その電線の
製造条件及び皮膜特性は第1表に示すとおりであ
つた。 実施例 5 公知方法にしたがつて、トリメリツト酸無水物
144g及び4,4′―ジアミノジフエニルメタン47
gをクレゾール溶媒中で反応させ、その生成物に
さらにジメチルテレフタレート388g、エチレン
グリコール112g、グリセリン75g及び触媒のリ
サージ0.194gを加えて反応させ、最後にクレゾ
ールを加えて樹脂分が40重量%のポリエステルイ
ミド系のベース塗料を調製した。 このベース塗料にベース塗料の樹脂分に対して
エチレン系アイオノマー樹脂分が5重量%になる
ように、エチレン系アイオノマー樹脂分散液を添
加し、均一に混合して自己潤滑性電気絶縁塗料を
得た。 この自己潤滑性塗料を用いて焼付電線を製造し
た。その結果は第1表に示すとおりであつた。 比較例 1 実施例1において調製したポリエステル系のベ
ース塗料を、そのまま電気絶縁塗料として用いて
絶縁電線を製造した。 その結果は第1表に示すとおりであつた。 比較例 2 実施例7において調製したポリエステルイミド
系ベース塗料を、そのまま電気絶縁塗料として用
いて絶縁電線を製造した。 その結果は第1表に示すとおりであつた。 比較例 3 比較例1で製造した絶縁電線を、パラフインを
しみ込ませたフエルトを通過させて、摩擦特性を
改善した。 その結果は第1表に示すとおりであつた。
【表】
【表】
第1表から明らかなように、本発明の自己潤滑
性電気絶縁塗料(実施例の塗料)を用いて塗布、
焼付けて製造した絶縁電線は、従来の電気絶縁塗
料(ベース塗料)を用いて得た電線と比較して、
皮膜の静摩擦係数が著しく低く、したがつて巻線
工程における滑り性が著しく良好であることがわ
かり、しかも他の皮膜特性も良好である。特に、
実施例の自己潤滑性塗料を用いて得られた絶縁電
線は、従来の焼付絶縁皮膜にパラフインを塗料し
たものと較べても摩擦係数に遜色がみられないの
みか、むしろ優れている。
性電気絶縁塗料(実施例の塗料)を用いて塗布、
焼付けて製造した絶縁電線は、従来の電気絶縁塗
料(ベース塗料)を用いて得た電線と比較して、
皮膜の静摩擦係数が著しく低く、したがつて巻線
工程における滑り性が著しく良好であることがわ
かり、しかも他の皮膜特性も良好である。特に、
実施例の自己潤滑性塗料を用いて得られた絶縁電
線は、従来の焼付絶縁皮膜にパラフインを塗料し
たものと較べても摩擦係数に遜色がみられないの
みか、むしろ優れている。
Claims (1)
- 1 焼付用電気絶縁塗料成分に、その不揮発性成
分に対して8〜3重量%の割合でエチレン系アイ
オノマー樹脂を配合したものを溶剤に溶解せしめ
てなる自己潤滑性電気絶縁塗料を電線に塗布し焼
付けることを特徴とするコイル用焼付エナメル絶
縁電線の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9167279A JPS5616567A (en) | 1979-07-20 | 1979-07-20 | Self-lubricating electrical insulating coating material |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9167279A JPS5616567A (en) | 1979-07-20 | 1979-07-20 | Self-lubricating electrical insulating coating material |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5616567A JPS5616567A (en) | 1981-02-17 |
JPS6215112B2 true JPS6215112B2 (ja) | 1987-04-06 |
Family
ID=14032966
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9167279A Granted JPS5616567A (en) | 1979-07-20 | 1979-07-20 | Self-lubricating electrical insulating coating material |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5616567A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS581314A (ja) * | 1981-06-26 | 1983-01-06 | Hitachi Ltd | 弾性表面波装置 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5381530A (en) * | 1976-11-19 | 1978-07-19 | Toray Ind Inc | Resin composition for coating metal |
-
1979
- 1979-07-20 JP JP9167279A patent/JPS5616567A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5381530A (en) * | 1976-11-19 | 1978-07-19 | Toray Ind Inc | Resin composition for coating metal |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5616567A (en) | 1981-02-17 |
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