JPS6214001Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ラツクと荷出し入れ用クレーンとを
備えた格納設備に於て、地震等に起因する振動に
よつてラツク上の荷がクレーン通路側へ不当に突
出したり、該通路上に落下するようなことを未然
に防止し得るようにせんとするものである。

以下、本考案の一実施例を添付の例示図に基づ
いて説明すると、第１図及び第２図に於て、１は
クレーン通路２の両側に立設されたラツクであ
り、高さ方向に於ける各段には、クレーン通路方
向に区画された多数の荷受け部３を有する。４は
クレーン通路２を走行する荷出し入れ用クレーン
であつて、前記荷受け部３との間で荷の受渡しを
行う従来周知の荷受け渡し手段（図示及び説明は
省略）を備えた昇降キヤレツジ５を有する。６は
クレーン４の走行ガイドレールである。

上記のような格納設備に於て、第３図及び第４
図に示すように、ラツク１に於ける各荷受け部３
の前端（クレーン通路２側）に荷滑り出し防止具
７が設けられている。この荷滑り出し防止具７
は、横方向に隣接する荷受け部３間の支柱８に固
着された支持部材９に水平横軸１０を介して上下
出退自在に軸支されており、先端から上方に突出
するストツパー１１と、中間位置から下方に突出
する被係止部材１２とを有する。１３は被操作体
であつて、前記支持部材９にスライドガイド１４
を介して前後方向移動自在に支持された２本のガ
イドロツド１５の前端に取付けられ、各ガイドロ
ツド１５に遊嵌されたスプリング１６によつて前
方に付勢され、ガイドロツド１５に装着されたス
トツパー１７によつて制限される出限位置に於て
保持されている。この被操作体１３には、前方へ
の移動時に前記荷滑り出し防止具７を、その被係
止部材１２を介して上方へ回動させ、該荷滑り出
し防止具７を作用姿勢に保持するカム１８が設け
られている。一方、前記クレーン４の昇降キヤレ
ツジ５には、対応する荷受け部３の前記被操作体
１３をスプリング１６に抗して押圧し後退移動さ
せるプツシヤー１９と、このプツシヤー１９を出
退移動させるシリンダー・ピストンユニツト２０
とが設けられている。

ラツク１の各荷受け部３に収納される荷、即ち
トレー２１は、クレーン４の昇降キヤレツジ５上
から荷受け部３上へ、又はその逆方向に、昇降キ
ヤレツジ５上の荷受け渡し手段によつて移載され
るが、このトレー移載作業に先立つてシリンダ
ー・ピストンユニツト２０によりプツシヤー１９
を進出移動させることにより、トレー移載対象の
荷受け部３に所属する被操作体１３が、第３図の
上半部に示すように該プツシヤー１９に押圧され
てスプリング１６に抗して後退移動し、この結
果、この被操作体１３のカム１８によつて支持さ
れていた荷滑り出し防止具７が自重（スプリング
を併用しても良い）により水平横軸１０の周りで
下方に回動することになる。従つて該荷滑り出し
防止具７のストツパー１１は、荷受け部３とクレ
ーン昇降キヤレツジ５上との間のトレー移載経路
下に退入する。

かかる状態に於て、荷受け部３とクレーン昇降
キヤレツジ５上との間でのトレー２１の移載作業
を行い、作業完了後にプツシヤー１９を第４図に
示すように退入させることにより、被操作体１３
がスプリング１６によつて出退位置まで前進移動
し、このときカム１８が被係止部材１２を介して
荷滑り出し防止具７を上方へ回動させると共に、
第３図下半部に示すように被操作体１３との間の
コーナー部で被係止部材１２を係止し、荷滑り出
し防止具７を、そのストツパー１１が荷受け部３
上のトレー２１がクレーン通路２側へ移動するの
を阻止する作用姿勢に保持することになる。

上記実施例のように本考案の格納設備によれ
ば、通常は各荷受け部の荷滑り出し防止具が、荷
受け部上の荷がクレーン通路側へ滑り出すのを防
止しているので、地震等によつてラツクが振動し
たり揺れた場合でも、収納している荷がクレーン
通路側へ滑り出してクレーンの走行を妨害した
り、クレーン通路内に落下するような事故を未然
に防止し得る。しかも、ラツクの荷受け部とクレ
ーン昇降キヤレツジ上との間で荷を移載する際に
は、その移載作業対象の荷受け部に設けられてい
る荷滑り出し防止具のみを荷の移載に支障のない
位置に退入させることが出来るので、このような
荷滑り出し防止具を持たない格納設備と同様に荷
移載作業を支障なく行える。

更に本考案によれば、上下揺動自在な荷滑り出
し防止具の下側に、前後方向に出退移動自在に支
持され且つスプリングにより前方へ付勢された被
操作体を配設し、この被操作体には、前進移動に
より前記荷滑り出し防止具を上方突出位置まで揺
動させると共に後退移動により前記荷滑り出し防
止具を下方退入位置まで揺動させる荷滑り出し防
止具受け止め用カムを連設したので、クレーン側
のプツシヤーが被操作体を押圧操作するとき、両
者間で上下や左右方向の滑りを伴わない。従つて
プツシヤーや被操作体の対接部にローラーを軸支
しなくとも常に確実円滑に被操作体を押圧移動さ
せることが出来る。又、被宗田体を押圧操作する
ときの反力で昇降キヤレツジ側に上下方向の運動
力が働く恐れもなく、昇降キヤレツジの位置を安
定良く維持させ得る。しかも被操作体と荷滑り出
し防止具は前記被操作体のカム上に乗つているだ
けであつて、両者をリンク機構等で連動連結する
場合と比較して構造が簡単となり、安価に実施し
得るばかりでなく、耐用寿命も長くなる。

又、被操作体がプツシヤーにより高速で押圧移
動せしめられる場合でも、当該被操作体のカムの
形状を考慮することにより荷滑り出し防止具を安
全速度で安定的に運動させることが出来、荷滑り
出し防止具の位置切り換えを良好に行わせること
が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は格納設備を示す正面図、第２図は同要
部の平面図、第３図は本考案実施例の要部を示す
縦断側面図、第４図は同要部の横断平面図であ
る。 １……ラツク、３……荷受け部、４……荷出し
入れ用クレーン、５……昇降キヤレツジ、７……
荷滑り出し防止具、１１……ストツパー、１２…
…被係止部材、１３……被操作体、１５……ガイ
ドロツド、１６……スプリング、１８……カム、
１９……プツシヤー、２０……シリンダー・ピス
トンユニツト、２１……トレー（荷）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ラツクと荷出し入れ用クレーンとを備えた格納
   設備に於て、前記ラツクの各荷受け部前端に荷滑
   り出し防止具を上下揺動自在に枢着すると共に、
   この荷滑り出し防止具の下側には、前後方向に出
   退移動自在に支持され且つスプリングにより前方
   へ付勢された被操作体を配設し、この被操作体に
   は、前進移動により前記荷滑り出し防止具を上方
   突出位置まで揺動させると共に後退移動により前
   記荷滑り出し防止具を下方退入位置まで揺動させ
   る荷滑り出し防止具受け止め用カムを連設し、前
   記クレーンの昇降キヤレツジには、対応する荷受
   け部の被操作体を押圧して後方へ移動させるプツ
   シヤーを設けて成る荷落下防止装置付き格納設
   備。