JPS6213232B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、自動車などのステアリングホイール
に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

自動車などのステアリングホイールは、一般
に、ステアリングシヤフトに嵌着される中央部の
ボスにスポークを介してホイール部を取付けてい
る。そして、近時、この種のステアリングホイー
ルにおいて、重量の軽減、信頼性の向上、コスト
の低減などが強く要望されている。

そこで、本発明者等は、先に第１図および第２
図に示すように、ボス１１の下端にボスカバー１
２の中央筒部１３を嵌着するとともに、ボスカバ
ー１２の下部に、外側に作動部１４を有する筒状
部１５を同心的に垂設し、その作動部１４を方向
指示器のキヤンセルカムに当接させるようにする
ことにより重量の軽減を計り、さらに、ボス１１
の上端外周部に水平状のフランジプレート１６の
中央部を嵌着して一側部で溶接１７し、ボス１１
の上方外周の側部に沿つて丸棒材からなるスポー
ク芯金１８の彎曲した中央部を接合して溶接１９
したものを提案した。

このものは、従来のステアリングホイールの有
していた重量増大の欠陥を回避するのに有効なも
のではあるが、ボス１１の上部外周の側部に沿つ
て丸棒材からなるスポーク芯金１８の彎曲した中
央部を接合して溶接１９するため、ステアリング
ホイールの操作応力の集中する当該溶接部の溶接
強度が重要となり、適正な溶接条件の設定と維持
に特別の注意をはらわなければならないという問
題がある。

〔発明の目的〕

本発明は、上述のような問題を解決しようとす
るもので、ボスとスポーク芯金とを容易かつ確実
に固定できるようにすることを目的とするもので
ある。

〔発明の概要〕

本発明は、ステアリングシヤフトに嵌着される
金属製のボスの垂直外周壁の上部に水平状にフラ
ンジ部を設け、上記ボスの垂直外周壁とフランジ
部との境界部に沿つて、スポーク芯金の彎曲した
中央部を接合して溶接固定するとともに、スポー
ク芯金の中央部の両外側に形成した一対の立上り
部を、上記フランジ部の両側に形成した一対の切
欠部に係合したことを特徴とし、操作力をスポー
ク芯金からボスに直接的に伝達するようにしたも
のである。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の一実施例を第３図ないし第５図
を参照して説明する。

２１はステアリングシヤフトの嵌着される円筒
状の鉄などの金属製のボスで、このボス２１に
は、中心部に軸孔２２が穿設されているととも
に、垂直外周壁の上端外周部に水平状のフランジ
部２３が鍛造により一体に突出形成され、このフ
ランジ部２３の両側に一対の切欠部２４が形成さ
れている。なお、上記フランジ部２３にカバー取
付孔２５およびプーラータツプ用小孔２６が穿設
されている。

上記ボス２１の下部外周に合成樹脂製のボスカ
バー２７が取付けられている。このボスカバー２
７は、上記ボス２１の外側にこれを囲むように配
置される囲壁２８の下端内側部に水平状のフラン
ジ部２９が設けられ、このフランジ部２９の中央
の筒部３０がボス２１に嵌合されているととも
に、フランジ部２９の下部に筒状部３１が突設さ
れ、この筒状部３１の外側軸方向に沿つてかつ相
対する位置に一対の作動部３２が突設されてい
る。この作動部３２は、ステアリングシヤフトを
囲繞したチユーブに固設された方向指示器のキヤ
ンセルカムに当接して方向指示器を回動させ、元
の位置に復元させる作用を行うもので、従来のキ
ヤンセルピンに相当するものである。また、上記
ボスカバー２７のフランジ部２９の上部に取付部
３３が一体に設けられ、この取付部３３に上記ボ
ス２１のフランジ部２３のカバー取付孔２５から
取付ねじ３４が螺合されて、ボス２１にボスカバ
ー２７が固定されている。

３５は丸棒材からなるスポーク芯金で、このス
ポーク芯金３５は、中央部３６が上記ボス２１の
垂直外周壁と鍛造により水平に一体に形成された
フランジ部２３との境界部に沿つて彎曲されてい
るとともに、中央部３６の両外側において一対の
立上り部３７が折曲形成され、この一対の立上り
部３７の上端からアーム部３８が外方に折曲延出
されている。

そして、上記スポーク芯金３５の彎曲した中央
部３６が上記ボス２１の垂直外周壁とフランジ部
２３との境界部に沿つて接合されてその上下部で
溶接３９固定されているとともに、一対の立上り
部３７がフランジ部２３の両側の切欠部２４に係
合され、アーム部３８の先端がリム芯金４０に衝
合して溶接固定されている。

上記スポーク芯金３５の上方に合成樹脂製のカ
バー４１が設けられているとともに、リム芯金４
０の外に合成樹脂の被覆層４２が設けられてい
る。

そして、ボス２１を軸孔２２を介してステアリ
ングシヤフト４３に嵌着しナツト４４で締付け固
定する。

そうして、ステアリングホイールを操作する
と、リム芯金４０、スポーク芯金３５、ボス２
１、ステアリングシヤフト４３へと操作力が順次
伝達されて行くが、車輌の静止時におけるハンド
ル操作などに際し、過大な偶力が発生しても、ス
ポーク芯金３５の立上り部３７とボス２１のフラ
ンジ部２３の切欠部２４との係合により、操作応
力はスポーク芯金３５からフランジ部２３と一体
のボス２１に確実に伝達される。

また、上記実施例のように、キヤンセルピンの
代りに、同一機能を果す作動部３２を有するボス
カバー２７をその中央の筒部３０で嵌着すること
により、ボス２１を垂直外周壁からなる単純形状
とすることができ、ボス２１と水平状のフランジ
部２３とを鍛造で一体成形することが可能となつ
ている。そのため、スポーク芯金３５の断面外周
にほぼ合致した形状の円弧状断面を形成すること
がきわめて容易である。また、ボス２１は鍛造に
よつてその円弧面に沿つて分子が配向されるの
で、操作トルクの断面二次モーメントが最もかか
る付け根部が強固となり、切削によつてボス２１
とフランジ部２３とを一体加工したものに比べた
としてもフランジ部２３を薄くしても強度上問題
はないので、軽量化できる。

つぎに、第６図に示すものは、ボス２１および
スポーク芯金３５の外側にボスカバー２７をイン
サート成形により形成して、ボス２１、スポーク
芯金３５およびボスカバー２７を一体化し、さら
に、これらの外周をリム芯金４０とともに発泡ポ
リウレタンなどの被覆層５１により一体に被覆
し、スポーク芯金３５のカバー部４１_aおよびリ
ム芯金４０の被覆層部４２_aを一体化したもので
あり、その他の構成は、上記実施例のものと同一
である。

また、前記図示実施例では、スポーク芯金３５
の彎曲した中央部３６をボス２１の下側に配設し
ているが、第７図および第８図に示すように、ス
ポーク芯金３５の彎曲した中央部３６をボス２１
の上側に配設固定してもよい。

また、実施にあたつて、スポーク芯金３５の立
上り部３７は垂直立上り部または斜め上方への立
上りのいずれでもよく、この立上り部３７の係合
するフランジ部２３の切欠部２４は半円形または
半楕円形に形成するのが好ましい。

また、ボス２１とスポーク芯金３５とは、立上
り部３７と切欠部２４とで係合しているので、ビ
ード部を形成する溶接ではなく、スポツト溶接で
も充分耐えることができる。

なお、ボス２１のフランジ部２３は一体に形成
するのが好ましいが、フランジ部２３を別体とし
て形成してボス２１に溶接固定してもよい。

〔発明の効果〕

本発明によれば、ボスの垂直外周壁とフランジ
部との境界部に沿つてスポーク芯金の彎曲した中
央部を接合して溶接固定するとともに、スポーク
芯金の中央部の両外側の一対の立上り部を上記フ
ランジ部の両側の一対の切欠部に係合したので、
ステアリングホイールの操作応力は溶接個所を介
してボスに伝達されるたけでなく、立上り部と切
欠部との係合を介してボスに直接的に伝達され、
溶接個所の負担が軽減されて信頼性を向上するこ
とができるとともに、ボスとスポーク芯金との固
定は溶接代が少くても充分耐えることができ、製
作を容易とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のステアリングホイールの一部を
切り欠いた裏面図、第２図はそのボス部の断面
図、第３図は本発明のステアリングホイールの一
実施例を示す一部を切り欠いた側面図、第４図は
その一部の平面図、第５図はその斜視図、第６図
は本発明のステアリングホイールの他の実施例を
示す一部を切り欠いた側面図、第７図はさらに他
の実施例を示す一部の平面図、第８図はその斜視
図である。 ２１……ボス、２３……フランジ部、２４……
切欠部、３５……スポーク芯金、３６……中央
部、３７……立上り部、４３……ステアリングシ
ヤフト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ステアリングシヤフトに嵌着される金属製の
   ボスの垂直外周壁の上部に水平状にフランジ部を
   設け、上記ボスの垂直外周壁とフランジ部との境
   界部に沿つて、スポーク芯金の彎曲した中央部を
   接合して溶接固定するとともに、スポーク芯金の
   中央部の両外側に形成した一対の立上り部を、上
   記フランジ部の両側に形成した一対の切欠部に係
   合したことを特徴とするステアリングホイール。