JPS644600Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は、自動車用のステアリングホイールに
関し、特に、ボスの加工を容易にでき、かつ小形
軽量にすることができるステアリングホイールに
関する。

〔従来技術〕

自動車用ステアリングホイールは、ステアリン
グメインシヤフトの先端部にそのボスを嵌挿して
装着されるが、ステアリングホイールのボス３０
は、従来、第３図に示すように、その下部を大径
に形成され、その下面にはターンシグナルスイツ
チのキヤンセル機構の係合ピンが嵌挿される複数
の係合孔３１が穿設される構造である。したがつ
て、ボス３０をその下部のみ大径にするように切
削加工しまた係合孔３１を穿設しなければなら
ず、加工工数が多くかかり、また、大径になる分
だけボス３０の重量が増大し、ステアリングホイ
ールの軽量化を阻害する問題があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、上記の点にかんがみなされたもの
で、ボスの加工が簡単となり、ボスを小形軽量化
できることによつてステアリングホイールの軽量
化も実現できるステアリングホイールを提供する
ことを目的とする。

〔考案の構成〕

上記の目的を達成するために、本考案のステア
リングホイールは、ボス部とスポーク部の裏側に
ロアカバーが設けられ、ターンシグナルスイツチ
のキヤンセル機構から上方に突設された係合ピン
に係合する係合部を有するステアリングホイール
において、前記ロアカバーがスポーク部の裏側に
装着される上ロアカバーとボス部の裏側に装着さ
れる下ロアカバーとから構成され、その下ロアカ
バーが硬質合成樹脂により成形され、ターンシグ
ナルスイツチのキヤンセル機構から上方に突設さ
れた係合ピンと係合する係合孔が、下ロアカバー
の一部に複数設けられて構成される。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図はステアリングホイールの部分断面図
を、第２図は同ボス部の底面図を示し、１はリン
グ部、２はスポーク部、３はスポーク部２の中心
位置に配置されるボス部で、中央にボス４が配設
される。ボス４は、ほぼ円筒形に形成され、内側
上部にはセレーシヨン部が、内側下部にはテーパ
部が形成される。また、ボス４のストレートな円
筒部外周の下部には高さ方向にキー溝４ａが設け
られ、このような構造のボス４は、ボスプレート
５の中央にその上部外周の段差部を係合させて溶
接され、さらにボスプレート５の上にはスポーク
部芯金６の基部が溶接される。

ロアカバーは、スポーク部２の裏側に取付けら
れる上ロアカバー７と、上ロアカバー７の下側に
連続してボス部３の裏側に取付けられる下ロアカ
バー８から構成され、上ロアカバー７は例えば、
比較的材料費が安く軟質のポリプロピレンにより
成形され、下ロアカバー８はより硬質の例えばポ
リアセタールにより成形される。下ロアカバー８
にはボス４の下部に嵌め込まれるように中央にボ
ス用の円形開口部が形成されるが、この円形開口
部の縁部にはボス４のキー溝４ａに嵌合するキー
部８ａが形成される。

さらに、下ロアカバー８の円形開口部の周りに
は所定の角度位置に３個の係合孔９が穿設される
（第２図）。これらの係合孔９は、ステアリングコ
ラムの上部に配設されるターンシグナルスイツチ
のキヤンセル機構の係合ピン１０と係合し、ステ
アリングホイールの回転をキヤンセルカムに伝達
するように作用する。

ステアリングホイールを組み付ける場合、スポ
ーク部２の裏側に上ロアカバー７をビス止めし、
ボス部３の裏側に、図示しない摺動リングが取付
けられた下ロアカバー８をビス止めし、そして、
そのステアリングホイールを、メインシヤフト１
１の先端部にボス４を嵌め込み、且つキヤンセル
機構の係合ピン１０に下ロアカバー８の係合孔９
を嵌め込むように所定の角度位置に装着し、上か
ら図示しないボルトで締付固定する。

なお、ボス４と下ロアカバー８の組付け位置は
キー溝４ａとキー部８ａにより正確に決められ
る。

ステアリングホイールの回転時には係合孔９と
係合ピン１０の係合によりその回転がターンシグ
ナルスイツチのキヤンセル機構に伝達されるが、
係合孔９は硬質で耐摩耗性の良好な材質の下ロア
カバー８に穿設され、従来の金属製のボスに穿設
した場合と同等の耐久性が得られる。下ロアカバ
ー８には、ポリアセタールの他にナイロン等の硬
質で耐摩耗性の良い材料が使用でき、また、含油
プラスチツクを使用することもできる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案のステアリングホ
イールによれば、ボス部とスポーク部の裏側にロ
アカバーが設けられ、ターンシグナルスイツチの
キヤンセル機構から上方に突設された係合ピンに
係合する係合部を有するステアリングホイールに
おいて、ロアカバーがスポーク部の裏側に装着さ
れる上ロアカバーとボス部の裏側に装着される下
ロアカバーとから構成され、その下ロアカバーが
硬質合成樹脂により成形され、ターンシグナルス
イツチのキヤンセル機構から上方に突設された係
合ピンと係合する係合孔が、下ロアカバーの一部
に複数設けられて構成される。

従つて、従来のようにボス部の底部に係合孔を
穿設する必要がなく、ボスの底部を大径にするこ
となくボスを単純な円筒形とすることができるた
め、ボスを小形軽量化でき、切削加工などの加工
工数を削減することができる。また、ロアカバー
を上ロアカバーと下ロアカバーに分割したため、
係合孔を設ける下ロアカバーのみを硬質で耐摩耗
性の良好な合成樹脂により成形すればよく、従来
に比べ、ロアカバーのコストをそれほど増大させ
ずに、ステアリングホイールの軽量化を図ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案の実施例を示し、第１
図はステアリングホイールの部分断面図、第２図
は同ボス部の底面図、第３図は従来のボスの断面
図である。 ４……ボス、７……上ロアカバー、８……下ロ
アカバー、９……係合孔、１０……係合ピン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ボス部とスポーク部の裏側にロアカバーが設け
   られ、ターンシグナルスイツチのキヤンセル機構
   から上方に突設された係合ピンに係合する係合部
   を有するステアリングホイールにおいて、 前記ロアカバーがスポーク部の裏側に装着され
   る上ロアカバーとボス部の裏側に装着される下ロ
   アカバーとから構成され、該下ロアカバーが硬質
   合成樹脂により成形され、前記ターンシグナルス
   イツチのキヤンセル機構から上方に突設された係
   合ピンと係合する係合孔が前記下ロアカバーの一
   部に複数設けられたことを特徴とするステアリン
   グホイール。