JPS6213011B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は操作性の優れた小型眼底カメラに関す
るものである。

従来の眼底カメラは第１図に示すような光学系
のものであつた。つまりこの図において、１は被
検眼、２は対物レンズ、３は孔あきミラー、４は
リレーレンズ、５はフイルム面、６は切換え反射
鏡、７は観察系で反射鏡７ａ、焦点板７ｂ、接眼
レンズ７ｃよりなつている。８は検査者の眼であ
る。又１０は照明系で光源１０ａ、コレクターレ
ンズ１０ｂ、リングスリツト１０ｃ、投影レンズ
１０ｄよりなつている。

このような構成の光学系において、照明系１０
の光源１０ａよりの光はコレクターレンズ１０ｂ
にてリングスリツト１０ｃに投影される。続いて
リングスリツト１０ｃよりの照明光は孔あきミラ
ー３にて反射され対物レンズ２を通して被検眼１
に投影されいわゆるリング照明がなされる。又照
明された眼底よりの光は対物レンズ２を通り孔あ
きミラーの中央開口を通つてリレーレンズにより
フイルム面に結像される。一方切換え反射鏡６に
て反射した光は焦点板７ｂに結像されて、接眼レ
ンズにて観察される。

この第１図に示す従来の眼底カメラは対物レン
ズ２よりフイルム面５までが一直線に配置されて
いる。そのために被検眼１と検査者の眼８との距
離が非常に大きく、被検眼と検査者が離れてしま
うためにカメラの操作や被検眼の取扱いが極めて
面倒である等の欠点がある。

本発明は被検眼と検査者との距離が小さくなる
ようにした操作性を良くした眼底カメラ光学系を
提供するものである。

以下図示した実施例に基づき本発明光学系の内
容を説明する。第２図に示すのは第１の実施例
で、この図において１１′，１２は夫々光路を折
り曲げるための切換え反射鏡、反射鏡で、第１図
に示す従来の眼底カメラ光学系の対物レンズ２と
孔あきミラー３との間に設けたものである。７
a′は観察系の一部を構成する切換え反射鏡であ
る。２５は切換え反射鏡１１′と７a′との間に配
置されたイメージローテータである。その他の光
学系については反射鏡１１′，１２を設けて光路
を折曲げたことによつて生ずる変化のみで実質的
には従来例と同じである。従つて第１図と同じ光
学素子に対し同じ符号を付して詳細な説明は省略
する。尚反射鏡１３は使用しなくとも良いがこれ
を使用しない場合照明系が下方に伸びることとな
るので、眼底カメラをコンパクトにまとめるため
には用いた方が良い。

この実施例によれば光路を折曲げたことにより
被検眼１からリレーレンズ４までの距離ｌが第１
図の光学系に比べ大幅に短縮される。従つて被検
者と検査者の距離を著しく小さくすることができ
るのでカメラの操作が楽になると共に被検眼の取
扱いも非常に容易になる。

従来の眼底カメラにおいて撮影倍率の変化のた
めの変倍光学系やオートストロボのための測光用
光学系等を挿入しようとすると光路長が更に長く
なつて被検眼と検査者の距離が一層大きくなり非
常に操作性の悪いものとなつていたが、第２図に
示す本発明光学系ではそのような欠点が除去出来
る。

又、この実施例は被検眼の前眼部を観察し得る
ようにしたものである。つまり眼底を観察する際
に被検眼の瞳を対物レンズの光軸上に正しく合わ
せる必要がある。従つて検査者は眼底の観察の際
に被検眼を正しい位置に誘導する必要がある。そ
の際に検査者が被検眼の瞳を接眼レンズを通して
観察できると便利である。

そこで、この実施例では、切換え反射鏡１
１′，７a′を鎖線位置に切換えることによつて対
物レンズ２よりの光を直接接眼レンズに導いて被
検眼の前眼部を観察し得るようにしている。つま
りこの図においては切換え反射鏡１１′と７a′と
の間にイメージローテータ２５が配置されてお
り、反射鏡１１′，７a′が退去した状態で対物レ
ンズ２と接眼レンズ７ｃの光軸がイメージローテ
−タ２５を介して一致するようになつている。又
反射鏡１１′と７a′の間隔を調整して対物レンズ
による被検眼の瞳の像が焦点板７ｂ上に形成され
るようにしてある。この像を接眼レンズ７ｃを介
して観察することが出来、被検眼の位置合わせを
行なうことが出来る。ここでイメージローテータ
があるので像は正立の実物と同じ形状のものとし
て観察することが出来る。

尚第２図に示すイメージローテータ２５は梯形
ダハプリズムであるが、レンズ、プリズムを用い
ての同様の機能を持たせたものを使用しても良
い。又像が反転していても観察に支障がなけれ
ば、イメージローテータを用いなくとも良い。

第３図は第２図におけるイメージローテータ２
５の前後に補助レンズ２６を用いたもので、これ
によつて瞳の像倍率や像位置を調整することが出
来る。

尚第２図、第３図の実施例において切換え反射
鏡１１′及び７a′の一方又は双方を半透過鏡にし
ても良い。

第４図は本発明の第２の実施例で、切換え反射
鏡１１′、反射鏡１２を用いて撮影、観察系をＵ
状に折曲げたもので切換え反射鏡１１′と反射鏡
１２の間に孔あきミラー３を配置し撮影、観察系
の光路の間に（光路に囲まれるように）照明系を
設置した。この実施例では初換え反射鏡６と７
A′との間に暗視管又は像増倍管１４が配置して
ある。これは照明光を微弱にするか、赤外線を使
う等により散瞳剤を用いずに、被検眼瞳孔を暗順
応により開かせるようにした眼底カメラの例であ
り、照明光を明るくし得ないために暗視管等を用
いてその下側端面より上側端面へ伝送する間に像
を明るくして十分な光量の可視像にしたものであ
る。

第１図に示すような従来の眼底カメラにおいて
は切換え反射鏡６と反射鏡７ａとの間に暗視管等
を挿入すると対物レンズの光軸と接眼レンズの光
軸の高さの差が著しく大きくなり、極めて操作性
が悪くなる。しかし、この実施例のように撮影、
観察用光学系の光路をＵ状に折曲げてあると両光
軸の高さを揃えることができ操作性が極めて良好
である。

この実施例においては暗視管に限らず色々な素
子を必要に応じて挿入することが出来る。又その
配置場所も切換え反射鏡６と７a′との間に限るこ
となく、例えば反射鏡１２と切換え反射鏡６との
間でも良く、何れの位置でも各反射鏡の配置位置
を調整すれば操作性の良い配置にすることが出来
る。

第５図は本発明の第３の実施例を示す。この実
施例は第２の実施例の切換え反射鏡６の後方に第
６図に示すように切換え反射鏡２０を配置して光
束を左右方向に切換えるようにし、右側の光束は
反射鏡２１にて反射されてカラーフイルム面１６
ａに又左側の光束は反射鏡２２にて反射されて白
黒フイルム面１６ｂに達するようになつている。
即ちダブルカメラを構成する。この場合切換え反
射鏡６から両フイルム面までの距離が長くなる。
それに伴つてフイルム面と共役点である焦点板ま
での距離も長くしなければならないが、切換え反
射鏡１１′と反射鏡１２との間の距離又は切換え
反射鏡６と反射鏡７a′との間の間隔（特に後者の
間隔）を長くとることによつて対物レンズの光軸
と接眼レンズの光軸の高低差や被検眼と検査者と
の距離を大にしなくても済む。つまり何ら操作性
を損なうことなく又補助レンズ系を用いることな
しにダブルカメラを形成することが出来る。

尚第５図において２３はビームスプリツター、
２４は受光素子で自動焦点、自動ストロボ等のた
めのものである。そしてこの受光素子の系は切換
え反射鏡６と切換え反射鏡７a′との長くなつた光
路中に簡単に設置し得る。

第７図は第５図の光学系を収納したダブルカメ
ラの外観図でＡは対物レンズ部、Ｂは接眼レンズ
部、Ｃ，Ｄは夫々フイルム箱である。

本発明の眼底カメラは以上のような構成のもの
であるから被検眼と検査者の眼との距離を短く出
来るので検査者が被検眼を容易に誘導し得る効果
を有するものである。又被検眼と検査者の眼の距
離を短くしたまま結像系のスペースを大きくとる
ことが出来、変倍レンズ等の補助光学系を楽に設
けることが出来る。又、前眼部観察用の光学系も
容易に設けることができる。更に対物レンズを広
角にした場合対物レンズの残存収差が増大する傾
向となり、そのためこの収差を補正するため撮影
光学系が長くなりがちであるが、スペースに余裕
があるので、撮影光学系を楽に配置出来十分に収
差補正が行なえる。第３の実施例のように被検者
と検査者の眼の位置を適正に保ちながらダブルカ
メラにすることが可能である。又、被検眼と検査
者の眼の位置を適正に保ちながら、自動焦点光学
系、イメージインテンシフアイアー等の他の光学
系を配置出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の眼底カメラの光学系を示す図、
第２図は本発明第１の実施例の光学系を示す図、
第３図は第１の実施例の変形例の要部を示す図、
第４図は本発明第２の実施例の光学系を示す図、
第５図は本発明第３の実施例の光学系を示す図、
第６図は第３の実施例における二つのフイルム面
への切換え光路を示す図、第７図は本発明第３の
実施例（ダブルカメラ）の外観を示す斜視図であ
る。 １……被検眼、２……対物レンズ、３……孔あ
きミラー、４……リレーレンズ、５……フイルム
面、６……切換え反射鏡、７……観察系、７a′…
…切換え反射鏡、８……検査者の眼、１０……照
明系、１１′……切換え反射鏡、１２，１３……
反射鏡、１４……暗視管又は像増倍管、１６ａ…
…カラーフイルム面、１６ｂ……白黒フイルム
面、２０……切換え反射鏡、２１……反射鏡、２
３……ビームスプリツター、２４……受光素子、
２５……イメージローテータ、２６……補助レン
ズ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 対物レンズと、該対物レンズの後方に光路に
   対して挿脱自在に設けられ挿入時光路を下方に向
   けて反射する第１の反射鏡と、該第１の反射鏡の
   後方に配置され光路を略水平方向に向けて反射す
   る第２の反射鏡と、該第２の反射鏡の後方に配置
   され前記対物レンズにより形成された被検眼の眼
   底像を再結像するリレーレンズと、該リレーレン
   ズの後方に配置され光路を上方に向けて反射する
   第３の反射鏡と、該第３の反射鏡の後方の前記第
   １の反射鏡と略同じ高さの位置に光路に対して挿
   脱自在に設けられ挿入時光路を前記対物レンズの
   光軸に沿つた方向に向けて反射する第４の反射鏡
   とを具え、前記第１及び第４の反射鏡が光路中に
   挿入されたときには前記対物レンズ及びリレーレ
   ンズを介して被検眼の眼底が観察され、前記第１
   及び第４の反射鏡が光路中から退避したときには
   前記対物レンズを介して被検眼の前眼部が観察さ
   れるようになつている小型眼底カメラ。