JPS6211408Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は温室用カーテンの開閉ワイヤ巻取ドラ
ム装置に関する。

従来この種の装置においてワイヤ巻取用のドラ
ム本体は、第１図に示すように回転軸に一体に固
定され、そのドラム面に巻廻したワイヤを相対向
した固定プーリに無端環状に巻掛け、前記固定プ
ーリ側に固定辺を有するカーテンの自由端辺を、
前記ドラム本体の回転に伴つて同一方向に移動す
るワイヤに取付けて、温室用カーテンの開閉操作
ができるように構成してある。ところで温室内の
カーテンの設置位置を変更したり、廃止あるいは
新たに設置する場合、ドラム本体を回転軸から取
外し又は取付けする作業を伴うが、回転軸はその
両端及び中間部に軸受、駆動機構を有するため、
その作業は多大な労力を要していた。

そこで本考案はドラム本体を回転軸の任意の位
置に自由に着脱することができ、上記従来装置の
欠点を除去した温室用カーテンの開閉ワイヤ巻取
ドラム装置を提供しようとするものである。

以下図示する実施例により本考案を詳細に説明
すると、先ず第１図に示す使用態様において、１
は温室内の中央部の長手方向に沿つて設けた回転
軸で、駆動モータ２によつて正逆回転自在に設け
てある。前記回転軸１には所定間隔をおいて複数
個のドラム本体１０が一体に固定してある。３は
前記回転軸１に平行に設けた固定杆で、カーテン
４の固定辺を支持すると共にドラム本体１０に相
対向する位置に固定プーリ５を設けてある。６は
前記相対向するドラム本体１０と固定プーリ５と
の間に無端環状に巻掛けたカーテン開閉用のワイ
ヤで、例えば第１図において矢標で示すように回
転軸１がドラム本体１０を伴つて時計方向に回転
すると、各ワイヤ６は相互に反対方向に移動する
ように構成してある。従つてカーテン４の自由端
辺４ａを同一方向に移動するワイヤに固定するこ
とによつてその開閉作動を行うことが可能とな
る。７は前記カーテン４の自由端辺４ａとワイヤ
６との固定部を示す。

上記の構成において本考案に係わるドラム本体
１０は二個に分割可能に構成してある。実施例の
場合、ドラム本体１０は、ワイヤ巻取用の溝を有
する円筒状のドラム面１１と、回転軸１が嵌合す
る軸受枠１２と、上記ドラム面１１と軸受枠１２
とを連結する複数個のリム枠１３と、ドラム面１
１の両端に設けたフランジ枠１４とから一体に構
成されているものを、回転軸１の軸心を通る面を
切断面として二個の対称形状に分割して構成して
ある。尚、ドラム本体１０の分割面は上記実施例
のように対称形状であればこの半ドラム本体とし
ての分割されたものを多数製作し、自由に組合せ
て回転軸に装着することができる利点があるが、
これに限らず回転軸１に装着し得る接合面を以つ
て分割してあれば本考案のドラム本体として充分
である。実施例の場合、前記軸受枠１２は四角形
状をなし同一形状の回転軸１に装着されるが、分
割した状態において接合辺部１２ａと中間辺部１
２ｂとからなり、中間辺部１２ｂには軸心方向に
沿つて長溝１５を設けてあり、該長溝１５によつ
て回転軸１の表面に突設した軸連結部の突起等を
受納し得るように構成してある。又、ドラム面１
１の中間部には回転軸に直交する面に沿つて軸受
枠１２との間に円盤状に補強リム枠１６が設けて
あり、該リム枠１６の前記中間辺部１２ｂに直交
する位置に、ドラム面から回転軸１まで貫通する
ネジ孔を設け、該ネジ孔内に固定ネジ１７を螺合
せしめ、ドラム本体１０を回転軸１の所定位置に
固定できるように構成してある。その他、フラン
ジ枠１４にはワイヤ６を取付けるためのワイヤ取
付孔１８が複数個設けてある。

他方、２０は前記分割されたドラム本体１０を
回転軸１に装着した状態で一体に連結する固定手
段としての固定装置を示し、実施例の場合、分割
面を境に相隣り合うリム枠１３に側方から係合す
る一対の固定枠２１を設け、これらを貫通するボ
ルト２２と、一方の固定枠２１の外側で該ボルト
２２に螺合するナツト２３とからなる緊締手段に
よつて、前記リム枠１３を相互に固定するように
構成してある。前記固定枠２１は放射状に傾斜し
たリム枠１３に沿つて台形形状をなし、その傾斜
辺部に沿つてリム枠１３に密着する係合片部２１
ａを具備していると共に、ボルト２２が貫通する
透孔２１ｂを具備している。又、ボルト２２の頭
部２２ａ、及びナツト２３とこれらが相対する固
定枠２１との間にはワツシヤ２４が介在してい
る。又、前記補強リム枠１６には前記ボルト２２
の挿通する位置に相対して切欠溝１６ａが設けて
ある。

上記の構成からなる本考案装置の使用態様を説
明すると、先ずドラム本体１０を回転軸１に装着
する場合、分割されたドラム本体１０を回転軸１
に接合辺部１２ａが相互に合致するように装着
し、切断面を境に隣合うリム枠１３に固定装置２
０の一対の固定枠２１をドラム面１１の両側方か
ら係合せしめ、ボルト２２をその一側方から透孔
２１ｂを介して挿通し他側方のボルト２２のネジ
部にナツト２３を螺合せしめ、これを締付ければ
ドラム本体１０は一体に連結され回転軸１に固定
されることとなる。この場合固定枠２１の係合片
部２１ａが傾斜していることによつてリム枠１３
に密着して固定されることとなる。次に回転軸１
からドラム本体１０を離脱する場合は、固定装置
２０のナツト２３をボルト２２から取外し固定枠
２１をリム枠１３から取去れば、ドラム本体１０
はそのまま分割可能となる。

以上の通り本考案に係る温室用カーテンの開閉
ワイヤ巻取ドラム装置によれば、中心部に回転軸
が嵌合する軸受枠１２を具備すると共に、軸受枠
１２から放射状に延びるリム枠１３を介して外周
部にワイヤ巻取用のドラム面１１を具備するドラ
ム本体１０を、回転軸を中心に少なくとも二個に
分割して該回転軸に着脱自在に設ける一方、これ
ら分割したドラム本体１０を回転軸に装着した状
態で分割面を境に相隣り合うリム枠１３に側方か
ら係合する一対の台形形状の固定枠２１を設け、
これら相対する固定枠２１を相互に緊締する緊締
手段によつてドラム本体１０を回転軸に一体に連
結してなる構成を有するから、回転軸に交差する
方向から緊締する固定手段とは異なり、回転する
ドラム本体１０の側面からの固定手段の突出部分
を最小限にすることができ、巻込みのおそれを少
なくすることができると共に、締付け方向が回転
軸に平行したリム枠１３の両端側に加わるから、
緊締力に強く対抗でき、ドラム本体１０が歪むよ
うなこともなく、更に、分割面を境に互いに放射
状に延びる相隣り合うリム枠１３に台形形状の一
対の固定枠２１を係合して相互に緊締するから、
リム枠１３と固定枠２１との間のテーパー効果に
よつて強固に一体に固定することができ、また、
緊締を弛めれば固定枠２１を簡単に取り外すこと
ができるので、温室内のカーテンの撤去、新設又
は変更に際して従来のように回転軸を軸受等から
取り外すことなく巻取ドラムをそのまま確実に着
脱することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一実施例を示す概略斜面
図、第２図はその要部の斜面図、第３図はその要
部の側面図、第４図は同じくその要部の正面図、
第５図はその要部の背面図、第６図は第４図の
−線に沿つて縦断して示す側面図、第７図は第
４図の−線に沿つた縦断面図、第８図はその
要部の結合状態を一部切欠して示す側面図、第９
図は他の要部を一部縦断して示す平面図、第１０
図はその要部の側面図である。 １……回転軸、４……カーテン、６……ワイ
ヤ、１０……ドラム本体、１１……ドラム面、１
２……軸受枠、１３……リム枠、１４……フラン
ジ枠、１７……固定ネジ、２０……固定装置、２
１……固定枠、２２……ボルト、２３……ナツ
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中心部に回転軸が嵌合する軸受枠１２を具備す
   ると共に、軸受枠１２から放射状に延びるリム枠
   １３を介して外周部にワイヤ巻取用のドラム面１
   １を具備するドラム本体１０を、回転軸を中心に
   少なくとも二個に分割して該回転軸に着脱自在に
   設ける一方、これら分割したドラム本体１０を回
   転軸に装着した状態で分割面を境に相隣り合うリ
   ム枠１３に側方から密着して係合する係合片部２
   １ａを傾斜片部に沿つて一体に具備する一対の台
   形形状の固定枠２１を設け、これら相対する固定
   枠２１を相互に緊締する緊締手段によつてドラム
   本体１０を回転軸に一体に連結してなる温室用カ
   ーテンの開閉ワイヤ巻取ドラム装置。