JPS6211239Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車におけるヘツドライニング
（天井内張り）を車体の天井に張つた状態で支持
するリステングワイヤの端部の係止構造に関する
ものである。

従来、ヘツドライニングを車輛の天井に張るた
め、リステングワイヤをヘツドライニングに取付
け、このリステングワイヤをルーフパネルの内側
に貼り付けたインシユレータに接触して設け、そ
の摩擦でリステングワイヤの倒れを防止してい
る。しかしながら、車体組立のバラツキにより、
車体幅方向が設計値より多少大きめにできると、
リステングワイヤがルーフパネルに当接しなくな
り、リステングワイヤが倒れることがある。この
ため次のような調整を行なつている。

イ ルーフレールとリステングワイヤ間に座金を
入れてリステングワイヤがルーフレールに当接
するように調整する。但しこのような機構にす
ると部品が増加し、作業性が悪くなる。

ロ 座金を用いない場合は、リステングワイヤの
設定時ルーフパネルとのラツプ量を多くとるよ
うにする。但しこのようにすると、ルーフパネ
ルとリステングワイヤの当るところでルーフパ
ネルに凸起（歪）ができやすいため、ルーフパ
ネルとワイヤの間にインシユレータを設けてあ
るものに用いている。

又他の従来技術では、第７図に示すようにルー
フレール１に凹部２を設けて該凹部にリステング
ワイヤ３を挿入し、倒れ防止を図るものも提案さ
れているが、リステングワイヤの取付時ルーフパ
ネル４を強く押し上げると上述のようにルーフパ
ネルに歪を与えることもある。またこの場合、ル
ーフパネル４とリステングワイヤ３の間に空間を
設けて両者が当接しないようにもできるがこのよ
うにしても、リステングワイヤ取付時、リステン
グワイヤが凹部２に入るまでルーフレールと強く
当接しているため作業性が悪くなる欠点がある。
第７図に於て５は孔、１′はルーフレールの一般
面である。

上述のような従来技術の欠点を解決するため、
第８図乃至第１２図に示される構造が考えられて
いる。即ち、ルーフパネル４のドラミング等を防
止するために設けてあるルーフボウ６、このルー
フボウ６はルーフレールにビス等により固定さ
れ、ルーフパネル４を押えている。フランジ７の
略中央に三方を打ち抜いてリステングワイヤ支持
部８を設ける。このリステングワイヤ支持部は、
フランジ７端に向い開口しており、リステングワ
イヤ３が挿入される。ヘツドライニング９は袋状
に構成したリステングワイヤ収納部１０を有し、
その両端はリステングワイヤが露出しており、ル
ーフレールに設けた孔に挿入される。リステング
ワイヤ収納部１０の略中央（前記支持部に対応す
る位置）にリステングワイヤ３が露出している切
欠き１１が設けてある。この部分を前記リステン
グワイヤ支持部８に挿入する。さらにヘツドライ
ニングの端部はウエルト１２等によりルーフレー
ルのフランジ部に固着されている。１３はウエザ
ーストリツプである。かくてリステングワイヤ３
の両端をルーフレール１の孔５に挿入し、リステ
ングワイヤ３を起すようにしてルーフボウ６の支
持部８に挿入する。第８図乃至第１２図に於て
は、リステングワイヤ３を１本おきにルーフボウ
６に保持させているが中間のリステングワイヤは
ヘツドライニング９の張力でバランスをとるもの
である。以上述べた第８図乃至第１２図に示すも
のに於てはルーフパネルとリステングワイヤとが
直接接触しないため（空間を有する）ルーフパネ
ルの歪が発生することがない。リステングワイヤ
をルーフボウの支持部に挿入し取付けるため、リ
ステングワイヤの倒れ防止ができる（ルーフパネ
ルとのフリクシヨンにたよることがないため容易
に取付けることができる）等の効果があるが、そ
の反面、ルーフボウとリステングワイヤの取付部
を一致させなければならず製造上の寸法管理が難
かしくなる等の欠点がある。

そこで本考案は、前記従来の問題点に鑑みてな
されたものであつて、構造簡単にして取付けが容
易で、しかもリステングワイヤが倒れたルーフパ
ネルに歪を与えることのないリステングワイヤ端
部の係止構造を提供することを目的とするもので
ある。

そのために本考案では該係止構造を、ヘツドラ
イニングを車体の天井に張つた状態で支持するリ
ステングワイヤには、前記車体のルーフパネルの
両側端に設けられたルーフレールの室内側当接部
に当接する屈曲部と、該屈曲部から外方に折曲さ
れた折曲部が形成されていると共に、前記ルーフ
レールには、前記リステングワイヤの折曲部を挿
入係止する挿入孔が穿設され、かつ、該挿入孔の
上方で前記リステングワイヤの屈曲部が当接する
室内側当接部の左右には、該ルーフレールを室内
側に膨出成形させた右側突起と左側突起が形成さ
れ、該右側突起の右側すそ部と左側突起の左側す
そ部には、それぞれ突起の頂部に向けて除々に上
昇してゆく傾斜面が形成されている構造として所
期の目的を達成するようにしたものである。

以下、本考案を図示せる実施例に随つて説明す
る。

２１は車体のルーフパネル２７の両側端に設け
られたルーフレール、２２はヘツドライニング２
８を車体の天井に張つた状態で支持するリステン
グワイヤであつて、該リステングワイヤ２２の両
端部３０には、前記ルーフレール２１の室内側当
接部３１に当接する屈曲部２９と該屈曲部２９か
ら外方に折曲された折曲部２３が形成されてい
る。

前記ルーフレール２１には、前記リステングワ
イヤ２２の折曲部２３を挿入係止するための挿入
孔２４が穿設されている。又、前記ルーフレール
２１の挿入孔２４の上方で前記リステングワイヤ
２２の屈曲部２９が当接する室内側当接部３１の
左右には、該ルーフレール２１を室内側に、前記
リステングワイヤ２２の倒れを防止するに足りる
長さに膨出させた右側突起２６と左側突起２５が
互いに平行に形成されている。

前記左右の突起２５，２６は第４図に示すよう
にルーフレール２１の裏面からエンボス部２１ａ
を設けるようにして断面略半円状に形成されてい
ると共に、そのすそ部２５ａ，２６ａは突起２
５，２６の頂部２５ｂ，２６ｂに向けて円弧状に
除々に上昇してゆく傾斜面が形成されている。

前記ルーフレール２１にリステングワイヤ２２
の端部３０を係止するには、先ず予じめヘツドラ
イニング２８に取付けておいたリステングワイヤ
２２の折曲部２３をルーフレール２１の挿入孔２
４に挿入する。然る後、リステングワイヤ２２を
引き起すようにして回転させる。これにより、リ
ステングワイヤ２２の屈曲部２９はルーフレール
２１の右側突起２６又は左側突起２５を弾発的に
乗り越えて両突起２５，２６間のルーフレール２
１の室内側当接部３１に当接して該当接部３１に
固定される。

尚、前記実施例では左右の突起２５，２６の両
すそ部２５ａ，２６ａに傾斜面を形成したが、該
傾斜面はリステングワイヤ２２の取付け時に該リ
ステングワイヤ２２が乗り上げ易いようにするた
めのものであつて、右側突起２６には右側すそ部
２６ａ、左側突起２５には左側すそ部２５ａのみ
に傾斜面が形成されていればよい。

又、前記実施例では突起２５，２６を挿入孔２
４の左右に別々に設けたが、これに限るものでは
なく、第５図、第６図に示すように挿入孔２４の
三方を囲う上方に開口する左右一体としたＵ状の
突起３２を設けてもよい。

前述のようにしてリステングワイヤ２２を取り
付けた後、ヘツドライニング２８の端部２８ａを
ウエルト３３によりルーフレール２１のフランジ
部２１ｂに固着する。

以上述べたように本考案によれば、ルーフレー
ルに設けた突起によつてリステングワイヤの屈曲
部を支えるようにしたので、該リステングワイヤ
が倒れることがない。

又、本考案によれば、突起を略半円状に形成す
ると共に、そのすそ部に傾斜面を付けたので、リ
ステングワイヤの取付時において該リステングワ
イヤを容易に回動させることができるだけではな
く、該リステングワイヤの有するばね力により突
起を瞬間に弾発的に乗り越すのみであるため、容
易に取付けることができる。しかも、リステング
ワイヤは突起の表面上を圧接しながら乗り越える
ため、該リステングワイヤの幅寸法がそれ程縮ま
ることがないのでルーフパネルを強く押し上げる
ことがないため、該ルーフパネルの歪を防止する
ことができる。

又、本考案によれば、リステングワイヤの調整
は、座金によつて行わなくてもよいため、部品点
数を減少させることができ、作業性も向上させる
ことができる。

さらに本考案によれば、ルーフレールに挿通孔
とエンボスによつて突起を設けただけであるた
め、該ルーフレールの強度が弱くなることがな
く、しかも該ルーフレールの型加工も容易である
等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１実施例の要部の縦断面図、第２図
はリステングワイヤの端部を示す側面図、第３図
は第１図Ａ方向の矢視図、第４図は第３図の−
線拡大断面図、第５図は第２実施例の要部の縦
断面図、第６図は第５図Ｂ方向の矢視図、第７図
は公知の車輛内張り構造の縦断面図、第８図は他
の案の縦断面図、第９図は第８図の一部の拡大縦
断面図、第１０図は第８図の取付状態を示す要部
の斜視図、第１１図、第１２図は第８図のルーフ
レール部分の拡大縦断面図である。 ２１……ルーフレール、２２……リステングワ
イヤ、２３……リステングワイヤ２２の折曲部、
２４……挿通孔、２５，２６，３２は……突起、
２８は……ヘツドライニング、２９……リステン
グワイヤ２２の屈曲部、３０は……リステングワ
イヤ２２の端部、３１は……室内側当接部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヘツドライニングを車体の天井に張つた状態で
   支持するリステングワイヤには、前記車体のルー
   フパネルの両側端に設けられたルーフレールの室
   内側当接部に当接する屈曲部と、該屈曲部から外
   方に折曲された折曲部が形成されていると共に、
   前記ルーフレールには、前記リステングワイヤの
   折曲部を挿入係止する挿入孔が穿設され、かつ、
   該挿入孔の上方で前記リステングワイヤの屈曲部
   が当接する室内側当接部の左右には、該ルーフレ
   ールを室内側に膨出成形させた右側突起と左側突
   起が形成され、該右側突起の右側すそ部と左側突
   起の左側すそ部には、それぞれ突起の頂部に向け
   て除々に上昇してゆく傾斜面が形成されているこ
   とを特徴とするリステングワイヤ端部の係止構
   造。